枕の洗い方と干し方を紹介します。夏は大量にかくサラサラとした汗、冬はたくさん汗をかかないようでいて、じっとりした汗をかくとか、「睡眠時には全身から200mlもの、コップ1杯分の汗をかく」とも言われます。
1日に5時間も6時間も、多い人は10時間以上も使用する枕。毎日汗や涙やよだれを吸っています。こまめなお手入れで清潔を保ちましょう。
枕の洗い方のステップ3つ
1.枕の中身と洗濯表示を確認する
まず、枕についている洗濯表示を確認しましょう。洗濯機で洗っても良い枕であれば洗濯機で洗う、洗えない枕は他のお手入れ方法を検討するなど、洗濯表示に応じて対応方法が変わります。
2.中身に応じた洗濯を行う
枕は、中の詰め物に応じて、洗える枕と洗えない枕があります。洗えるかどうかは、その枕の中身の素材によります。洗濯表示がない場合は購入元に確認するなどの対応が必要です。
3.洗濯できない場合は、お手入れか、買い替えを検討する
洗えない枕の場合は、陰干し・天日干しなどできる範囲でのお手入れをすることになります。洗えない枕をお手入れをしながら数年使っている、枕カバーを使ったりお手入れを繰り返しているけれど「なんだかそろそろ気になる」というときは買い替えも検討しましょう。
家庭で洗濯ができる枕の中身3種類
1.ポリエステル
綿わたのような見た目ですが、化学繊維です。クッション性があり、枕やクッション、布団の詰め物としても使われます。
2.ビーズやボール
ビーズやボールは、発泡スチロールを小さく粒にしたような素材です。天然素材ではありません。直径1cm程度のボール状や、ビーズクッションのように細かいビーズなど、枕によって大きさや素材感は違います。
3.パイプ
プラスチックストローを数ミリ〜1cm程度で細かく切ったような形状の素材です。大きさや硬さなど、様々なの種類があります。
家庭で洗濯ができる枕の洗い方5ステップ
1.洗濯表示に従って洗濯をする
基本的に、枕についている表示を確認し、洗濯機で洗っても良い枕であれば洗濯機を使い、手洗いの表示であれば手洗いをしましょう。
2.洗濯表示がない場合の洗濯は、自己責任で
洗濯表示が気になって、切って捨ててしまった、洗濯表示がないため洗濯方法がわからないなど、洗濯表示がない場合は自分の判断で洗濯をするかどうか検討することになります。
洗濯表示がない枕を洗濯するときは、洗う前に「ずいぶん長い間洗濯していなかったから、とりあえず洗濯をしてみよう、もしこれで枕が使えなくなったら買い換えればいい」くらいの気持ちで考えておきましょう。洗濯後の枕がどうなるかは、自己責任ということになります。
3.手洗いをする場合に使う洗剤と洗い方
枕を洗う前に、枕の重量を計っておきます。洗う場所は洗面所や浴槽などを使います。洗う場所自体を先に綺麗に洗っておきましょう。水をためて、中性洗剤を溶かします。
枕は枕カバーを外して、洗濯ネットに入れましょう。特にビースの枕など、枕の側生地が破れてしまったら中身があふれ出すような詰め物の場合は洗濯ネットに入れるのを忘れずに。
枕を沈め、ゆっくりと全体を手で揉み洗いします。洗い終わったら、数回水を変えてよくすすぎます。
4.洗濯機で洗う場合の洗剤と洗い方
洗濯機を使って洗う場合も、枕を洗う前に、枕の重量を計っておきましょう。枕から枕カバーを外し、枕を洗濯ネットに入れてから、洗濯機に入れます。
手洗いモードやドライモードなど弱水流のコースを使い、洗剤は通常の洗濯用の洗剤を使います。
5.枕を洗った後の干し方
洗った枕は、中の詰め物まで完全に乾くように乾かします。この時、乾かし方も原則洗濯表示に従って干しましょう。天日干し、陰干しなどの種類がありますが、ほとんどが陰干しを推奨していると思います。他の洗濯物などの陰になる場所で干します。
乾かす時に使う道具として、枕干し専用のハンガーを使って干すと便利です。もしくは、物干し竿2本を並行に並べて、その上に枕が落ちないように置いてもいいでしょう。
枕は完全に乾燥させなければ、カビが生え、ニオイや雑菌が繁殖する原因になるため、1〜2日かけてしっかりと乾かします。乾いたように見えるときは、枕の重さを計ってみます。このとき、洗濯する前に重さを計っていると、洗濯後〜乾かした後の枕の重さと比較することで「枕の内部に水分が残っているか、乾ききったか」を判断することができます。
洗濯する前の枕より重いようであれば、枕の内部に水分が残っている可能性が高いと言えます。
「家庭で水洗い」の洗い方ができない枕4種類
1.低反発ウレタン
低反発ウレタンの枕のお手入れは、風通しのよいところで陰干しをしてください。低反発ウレタン素材は、小さな気泡が連続している特殊な構造をしているため空気の出し入れ、つまり枕を使って頭でウレタンが押されたり戻ったりすることにより、空気の出し入れが行われ、清潔さを保つことができる素材です。
洗濯表示に「ウォッシャブル」と記載されている場合は、洗える低反発枕です。表示に従ってください。
「ウォッシャブル」ではない低反発ウレタン素材の枕は、水洗いをすると、乾かす過程でボロボロと崩れるように壊れてしまいます。
2.スノー低反発
スノー低反発枕のお手入れは、風通しのよいところでの陰干しをする方法で行います。スノー低反発とは、低反発素材を雪のように粉砕した新開発された素材です。低反発と同じ特性を持っており、雪のような低反発で、ぎゅっと握るとまとまり、手を離すとゆっくり元に戻ります。
3.羽根
羽根(ダウンやフェザー)の枕のお手入れは、風通しのよいところでの陰干しです。干す際は、軽く枕を叩いてホコリを落とすか、または掃除機でホコリを吸い取ります。
4.そばがら
天日干ししてください。そばがらは水洗いができません。干す際は、枕を叩かないでください。叩くとそばがらが割れて粉が出てきてしまいます。
「家庭で水洗い」ができない枕のお手入れ方法
枕の中の材料により、天日干しができない枕は、風通しの良い場所で陰干ししましょう。
花粉が気になる場合は、室内に干しましょう。乾くのに時間がかかりますが、アレルゲンが枕に付着すると、肌や目、鼻に近く、眠るときにもアレルギー症状で悩まされることになります。
枕自体に花粉がつかないようにお手入れをして、さらに、花粉のついていない枕カバーを装着して使用しましょう。
自宅で枕を水洗いする時の注意点4つ
1.洗濯表示がない、詰め物がわからない時には自己責任で
洗う、お手入れをする時は原則洗濯表示に従います。わからない時は販売元に問い合わせてみましょう。
洗濯表示がない枕や洋服などは、クリーニング店に持ち込んだところでクリーニング店もわかりません。クリーニングの結果、変質した場合はクリーニング店が責任を持たなくてはいけなくなるため、そうならないためにクリーニング店も洗い方を質問してきます。
2.ポリエステルの詰め物でも洗えない時もあるため、洗濯表示を確認する
枕は洗濯表示が付いているため、洗濯の前に必ず確認しましょう。水洗いマークが付いていれば、ご自宅での洗濯もできます。
3.羽根のまくらは「自宅で水洗いをした」という人もいる
羽根や羽毛の枕は洗濯をしすぎてしまうと、ふかふかとした弾力感がだんだんと失われると言われています。また、お手入れ方法については、布団専門会社やクリーニング関連会社によっては、家庭での水洗いを推奨している会社もあり、インターネット上では多数の意見が飛び交っています。
洗濯表示ではドライクリーニングを推奨していても、家庭で水洗いができる
羽毛やダウン、フェザーなどをドライクリーニングで石油系の洗い方をしてしまうと、羽毛やダウン、フェザーについている油分を落としてしまうため暖かさがなくなる
ドライクリーニングで行われる石油系溶剤を使用する洗濯方法では、羽毛のまくらや羽毛布団の側生地についた汗などの水洗いで落ちる汚れを落とすことができない
など、上記は一例ですが、様々な意見が飛び交っています。最も「羽毛素材のまくら」にとって問題がない洗い方やお手入れ方法は、枕を製造販売している会社が取り付けている、洗濯表示に従ってお手入れをすることです。インターネットで検索をすると色々な意見があり、羽毛の枕を水洗いした、できたという意見もありますが、あくまでも自己責任で行いましょう。
4.洗い方がわからない場合はプロに相談してみる
クリーニング業者に頼んで洗ってもらうこともできます。近くのクリーニング店で受け付けているところを探しましょう。インターネットで受け付けている業者もあります。
洗えない枕は、クリーニングに出せるかどうかを確認してみましょう。自分で洗う暇や時間がないという方も、ぜひプロに依頼することも検討してみてください。
最後に
睡眠の質は、日々の生活の質に直結する大事な要素です。睡眠の質に大きな影響がある枕のお手入れ。正しいお手入れをして、睡眠の質の向上につなげてみてください。