夏は食欲が減退する時期ということもあり、麺類をいただく機会が増えますよね。中でも蕎麦は、うどんやそうめんなどほかの麺に比べると栄養豊富なイメージですが、実際どうなのでしょうか?今回は、蕎麦の栄養や期待される効能、蕎麦の選び方などを解説し、夏は蕎麦一択であることを証明していきます。
目次
■蕎麦の栄養と効能
■うどんやそうめんとの比較
■蕎麦の種類の選び方
■蕎麦湯もいただこう!
■栄養たっぷりの蕎麦をたくさん楽しんで!
蕎麦の栄養と効能
蕎麦にはさまざまな栄養素が含まれ、以下のような効能が期待できます。
たんぱく質:身体づくりをサポート
蕎麦は麺類の中でもたんぱく質が多く、たんぱく質補給に役立ちます。たんぱく質は筋肉や臓器、髪の毛など身体の材料となる、私たちにとって欠かせない栄養素です。
一般的な食生活で不足する心配はありませんが、食欲が低下しがちな夏の時期は食事が偏って不足する心配も。蕎麦は食べやすいうえにたんぱく質も摂れる優秀な主食です。
またダイエット中でも、筋肉の材料となるたんぱく質の摂取は必須。不足しないよう取り入れましょう。
ビタミンB1:糖質の代謝に必要
ビタミンB1は糖質の代謝に必要な栄養素です。食事が糖質に偏ったり、お酒をたくさん飲んだりすることが続いた場合、不足することがあります。極端な不足が続くと、倦怠感の原因になることも知られています。
こちらも食欲が落ちる夏はしっかり補給したいもの。蕎麦のほかにも、豚肉にも多く含まれますので、意識して取り入れいましょう。
鉄:貧血予防
鉄は鉄欠乏性貧血に欠かせません。貧血になると、疲労感や集中力の低下、頭痛、食欲不振などの症状が表れることがあります。蕎麦には鉄が含まれ、鉄補給にぴったりの食材です。
とくに女性は不足しやすく、貧血気味の方が多くなっています。ダイエット中で食事が偏ると、鉄が不足してしまう恐れも。積極的に蕎麦のような鉄を含む食品を積極的にとりましょう。
カリウム:むくみ解消
蕎麦にはカリウムが含まれ、むくみ解消に役立ちます。むくみの原因はさまざまですが、原因のひとつに塩分の摂りすぎがあります。塩分は水をため込む性質があるため、塩分が多いと身体の中に水をため込む=むくんでしまう、というわけです。
カリウムは塩分を身体の外に出してくれ、塩分の摂りすぎを調整してくれる働きがあります。蕎麦のほかにも、野菜や果物に多く含まれますので、むくみが気になる方はしっかり取り入れましょう。
食物繊維:健康づくりやダイエットに必須
健康づくりやダイエットに欠かせない食物繊維は、蕎麦に豊富に含まれます。
食物繊維は、食後の急激な血糖値の上昇を防いだり、血中コレステロール値を下げたりする働きがあります。急激に血糖値が上がると、糖尿病の原因になるだけでなく、インスリンという血糖値を下げるホルモンがたくさん分泌され、身体に脂肪をため込みやすくしてしまいます。
また腸内環境を整えてくれるので、便秘の予防にも大切です。野菜や果物などからの摂取も大切ですが、主食である蕎麦からも食物繊維をプラスしましょう。
うどんやそうめんとの比較
蕎麦はうどんやそうめんに比べ、どの程度栄養素が含まれているのでしょうか。茹でたもの100gあたりを比較してみましょう。
うどんやそうめんに比べ、そうめんのたんぱく質は1.4~1.8倍、カリウムは3.8~6.8倍、ビタミンB1は2.5倍、食物繊維は2.2~3.2倍もの量です。蕎麦が栄養豊富、と言われるのも納得ですね。
蕎麦のカロリーが一番高くなっていますが、これはうどんやそうめんより水分量が少ないことが理由です。蕎麦(130kcal)はご飯100g(156kcal)より少ないカロリーですので、食べすぎなければ太る心配はありません。ダイエット中でも安心して取り入れてOKです。
食欲が低下しがちな夏は、さまざまな栄養素が摂れる蕎麦を選んで栄養補給に役立てましょう。
蕎麦の種類の選び方
蕎麦には「二八(にはち)蕎麦」と「十割(じゅうわり)蕎麦」の2種類があり、食感や味わい、栄養素の量が異なります。
二八蕎麦と十割蕎麦の違い
一般的な蕎麦である「二八蕎麦」は、小麦粉2割、蕎麦粉8割で作られた蕎麦です。蕎麦粉だけで作られた「十割蕎麦」は切れやすかったりぼろぼろになったりしやすいことがあり、つなぎの役割である小麦粉を入れるのが主流となっています。小麦粉が入ることで麺にコシが生まれ、つるりとした喉越しを楽しめるようになります。
反対に、十割蕎麦の魅力は、蕎麦本来の味わいを楽しめることにあります。蕎麦の豊かな風味や、ざらざらとした麺の味わい、口の中でのほぐれる食感など、二八蕎麦では味わえない蕎麦を楽しめます。
どちらを選ぶと良い?
二八蕎麦と十割蕎麦の栄養成分値の差について、日本食品標準成分表に十割蕎麦の栄養素が掲載されていないため厳密な比較はできませんが、2割分が小麦粉の栄養であることを考えると、十割蕎麦の方が栄養豊富と考えられます。
どちらが良いかは好みにもよりますが、二八蕎麦でも十分な栄養素が摂れ、十割蕎麦に比べると値段が安いこともあり、二八蕎麦の方が手に取りやすいでしょう。
栄養素をたっぷり摂りたい、値段は少々高くても蕎麦の味わいを楽しみたい場合は十割蕎麦を選ぶなど、目的や好みに応じて選びましょう。
蕎麦湯もいただこう!
蕎麦の茹で汁である蕎麦湯は、蕎麦から流れ出た栄養素がたっぷり含まれています。カリウムやビタミンB1などの水溶性の栄養素は、水に溶け出てしまいやすいため、茹で汁も飲むことが栄養素をムダにしないコツです。
ただし、乾麺の蕎麦を茹でた際の蕎麦湯は塩分を含みます。蕎麦自体には塩分は含まれませんが、乾麺の蕎麦は加工の際に塩分が加えられています。自宅で蕎麦湯をいただく際は気をつけましょう。
蕎麦屋などで出される蕎麦湯は塩分の心配がありませんが、蕎麦つゆで割ると塩分がプラスされるため、塩分が気になる方は蕎麦つゆで割らずにいただくと良いでしょう。
栄養たっぷりの蕎麦をたくさん楽しんで!
さまざまな栄養素が摂れ、ダイエットにも役立つ蕎麦。蕎麦の風味や食感を味わいながら、たくさん楽しんでくださいね。蕎麦好きの方は、今年の夏は蕎麦打ちにチャレンジしてみませんか?きっと蕎麦への愛が深まるはず。ゼヒトモの蕎麦教室なら、本格的な蕎麦打ちを手軽に体験できますよ。