ここではふすまをDIYで、自分で張り替える方法を紹介します。築浅の物件にはふすまや畳など、和室には当然ある建具などは使われなくなってきました。しかしまだ、日本中に和室のある物件や戸建ては存在しています。
ふすまや障子など、紙を主体とした建具は5年〜10年ごとにメンテナンスをしましょう。自分でするのか?専門業者に頼むのか?どちらがいいでしょうか。自分でふすまを張り替える方法も紹介します。
ふすまが汚れる原因、張替えのサイン6つ
1.ふすまが完全に剥がれている、または穴が開いている
見栄えが悪く、部屋全体が手入れをされていないような印象につながります。
2.前回のふすまの張り替えが、10年以上前
一般的にふすまのサイクルは10年といわれており、ふすま張替え業者の中には「5年が適切なふすまのサイクル」と定めている所もあります。
どちらにしても、10年以上そのままという場合には、張替えを検討してもよさそうです。
3.シミが目立ち、全体的に茶色っぽい
基本的に素材が紙でできているふすまは、日光に当たるとシミや日焼けも現れます。またふすまにカビが生えると、黒っぽく斑点が出ることもあります。
4.何だか全体的にたるんでいる
ふすま紙の糊が弱くなり、しっかりと圧着できなくなっている状態です。そのうち完全に剥がれる強度がなくなり何かの拍子に大きな穴を開ける可能性もあります。
5.ペットに破られた
自宅で猫を飼っている方であれば、爪とぎの標的になります。上から下に振り下ろされる爪の威力で、数日であっという間に、目も当てられない惨状と化していることも少なくありません。猫だけでなく、犬や他のペットがふすまを破ることもあります。
6.季節の変わり目や模様替え
年末やお正月、冠婚葬祭、夏休みの親戚が集まるタイミングにふすまを張替えると部屋全体が美しく新しい印象になります。気分をガラッと変えたい時や、部屋の模様替えに合わせて一緒にふすま張替えるのも面白いかもしれません。
自分でDIYでふすまを張り替える方法3つ
水で張る「再湿タイプ」
水を使って裏面の糊(のり)を戻し、ふすま紙を貼り付けます。郵便切手を思い浮かべていただくと想像しやすいかもしれません。難易度は少し高めですがふすま張り替えの定番中の定番で、プロ並みのきれいな仕上がりを求める方におすすめの方法です。穴が開いたふすまの補修にも用いられます。
シールで簡単「粘着タイプ」
裏面がそのまま貼れるシールになっているふすま紙を使用します。デザインの種類も豊富でカラフルなものから、汚れを簡単に拭き取れるようなフィルム加工が施されたふすま紙まで幅広く用意されています。
難易度は低めで、小さなお子さんがいるご家庭や猫などのペットを飼っている方におすすめの張り替え方法です。
DIY初心者向け「アイロン貼りタイプ」
古いふすま紙を剥がすのも、新しいふすま紙を貼りつけるのも、アイロン一つで簡単作業。難易度は低く、DIY初心者やふすまの張り替えが初めてという方におすすめの方法です。
忙しくてふすま張り替え業者に依頼する時間を取れない方や、ひとり暮らしの方や女性でも気軽に施工できて人気があるようです。
自分でDIYでふすまを張り替える時に使う道具
水で張る「再湿タイプ」の張り替えに使う道具
1.はさみ、カッター
2.インテリアバール:ふすま枠を取り外す際に使用します。
3.ポンチ:引き手部分の釘打ちに使用します。
4.鋲抜き(引き手釘抜き)またはペンチ:引き手部分の釘抜きに使用します。
5.竹べら:余分な部分をカットする前に紙にクセをつけたり、細部の仕上げの際に使用します。
6.地ベラまたは押さえ定規:ふすま紙をカッターで切る際のガイドにしたり、裁断する時に使用します。
7.マスキングテープ:DIYの必需品。汚れが付いてしまったりふすま枠を傷めないように使用する、貼ってはがせる特殊なテープです。
8.ハンマー:ふすま枠を取り外したり、組み直す際に使用します。
9.刷毛(ハケ):ふすま紙を張る際に使用します。
10.バケツ、スポンジ:ふすま紙を水で濡らす際に使用します。
11.ビニールシート、雑巾:ふすま本体や部屋の中が汚れないように、床や地面に敷きます。
シールで簡単「粘着タイプ」の張り替えに使う道具
1.はさみ、カッター
2.インテリアバール:ふすま枠を取り外す際に使用します。
3.ポンチ:引き手部分の釘打ちに使用します。
4.鋲抜き(引き手釘抜き)またはペンチ:引き手部分の釘抜きに使用します。
5.竹べら:余分な部分をカットする前に紙にクセをつけたり、細部の仕上げの際に使用します。
6.地ベラまたは押さえ定規:ふすま紙をカッターで切る際のガイドにしたり、裁断する時に使用します。
7.マスキングテープ:DIYの必需品。汚れが付いてしまったりふすま枠を傷めないように使用する、貼ってはがせる特殊なテープです。
8.ハンマー:ふすま枠を取り外したり、組み直す際に使用します。
9.刷毛(ハケ):ふすま紙を張る際に使用します。
10.ローラー:カットした粘着タイプのふすま紙を圧着する際に使用します。
DIY初心者向け「アイロン貼りタイプ」の張り替えに使う道具
1.はさみ、カッター
2.インテリアバール:ふすま枠を取り外す際に使用します。
3.ポンチ:引き手部分の釘打ちに使用します。
4.鋲抜き(引き手釘抜き)またはペンチ:引き手部分の釘抜きに使用します。
5.竹べら:余分な部分をカットする前に紙にクセをつけたり、細部の仕上げの際に使用します。
6.地ベラまたは押さえ定規:ふすま紙をカッターで切る際のガイドにしたり、裁断する時に使用します。
7.マスキングテープ:DIYの必需品。汚れが付いてしまったりふすま枠を傷めないように使用する、貼ってはがせる特殊なテープです。
8.ハンマー:ふすま枠を取り外したり、組み直す際に使用します。
9.刷毛(ハケ):ふすま紙を張る際に使用します。
10.アイロン:シャツやハンカチのシワをのばす、ご家庭にあるようなアイロンで構いません。
ふすま張替え作業の基本的な手順〜全てに共通する最初の4ステップの作業
Step1 ふすま枠にしるしを付け、取り外す
ふすま枠の上下左右があべこべにならないようにマスキングテープを使ってマーキングしておきます。軽くゆすってふすま本体とふすま枠の間に隙間を作り、インテリアバールとハンマーを使って上下、左右に順番に取り外していきます。
固定用の釘が刺さっている場合は、鋲抜き(引き手釘抜き)またはペンチを使用して釘をまっすぐに抜きます。ふすまに傷を付けないようにゆっくりと丁寧に作業を進めましょう。
ふすまに弱っている部分がないかどうかのチェックや、ほこりや汚れがあれば一緒に除去しておきましょう。仕上がりに差が出ます。
Step2 引き手を取り外す
引き手部分にインテリバールを差し込み、引き手とふすまの間に隙間を作ります。引き手を少し持ち上げると鋲も一緒に目視できますので、鋲抜き(引き手釘抜き)またはペンチで鋲を引き抜きます。鋲を抜いた後は、引き手を取り外します。
Step3 ふすま紙の巻きぐせを直し、柄を合わせる
張り替えの事前準備として、ふすま紙の巻きぐせを直します。巻きぐせを直す作業は前日に行ってもいいかもしれません。
巻きぐせを直した後は、本体の上にふすま紙を置き、柄のラインと位置を見定め竹ベラを使って折り目を付けておきます。
Step4 ふすまの大きさに合わせて紙をカットする
折り目を付けたラインから約2㎝外側、気持ち少し大きめにふすま紙をカットします。カットする位置が小さ過ぎるとふすまのサイズに合わなくなり、ふすま紙の購入からやり直しになるため、この工程は慎重に行いましょう。
水で張る「再湿タイプ」の張り替え方法
Step5 ふすま紙を貼る
水を使って貼り付けます。床が汚れないようビニールシートを敷き、その上にふすま紙を裏返して置きます。その後、バケツに溜めた水をスポンジでまんべんなく全体に浸透するように塗布し、5分ほど放置します。
水を塗布した表面にぬめり気が出て、糊のような状態に戻ったら貼り付ける準備は完了です。そのままふすま本体を紙の上に乗せひっくり返し、刷毛を使用して余計な空気を抜いていきます。刷毛は、中央から外側に向かってなでるように動かします。空気やシワが残らないように注意しながら作業しましょう。
万が一、シワができても焦らないでください。水分を含んでいる状態であればふすま紙は剥がせますので、もう一度貼り直せます。
注意点として、再湿ふすま紙には乾燥すると縮むという特徴がありますので、多少のたるみやシワは目立たなくなります。神経質になり過ぎず、かつ丁寧に貼り付けていきましょう。
Step6 余計な部分をカットする
貼り付けが終わったら、角や余計な部分のふすま紙をカットします。地ベラまたは押さえ定規をカッターのガイドに使用するとまっすぐ裁断することができます。
竹べらを使って紙にくせをつけるとカットしやすくなります。ふすま紙が伸び切っていなかったり、しわが寄っていたりする場合にも、竹べらを使って整えておくときれいに仕上がります。
半日から一日程度乾燥させてから次のStep7に進んでください。
Step7 取り外した枠と引き手を組み直す
マスキングテープでマーキングしておいた通りの位置に枠がくるように、取り外しの逆の手順で組み直していきます。ハンマーを使用する際は、枠やふすま紙を傷付けてしまわないように注意してください。
引き手部分については、カッターで切りこみを入れ、ポンチを使って鋲を打ち込んで取り付けます。これで、ふすまの張り替えは完了です。
シールで簡単「粘着タイプ」の張り替え方法
Step5 ふすま紙を貼る
ふすま本体を上下(天地)逆さまにして壁に立てかけ、粘着ふすま紙の裏紙を下側(地)部分から5㎝ほど剥がし、ふすま本体に借り止めします。(ふすま紙をカットする際に、貼り付ける基準をマーキングしておくとスムーズに借り止めできます)
ふすま紙が曲がらないように確認しながら慎重に貼り付けていきましょう。まずは、刷毛またはローラーを使って借り止めをした部分を圧着します。借り止め部分を固定できたらそのまま裏紙を下に向かって少しずつ剥がしていき、ゆっくりと貼り付けていきます。
中心から外側に向けて空気を押し出すイメージで動かしましょう。上から下へ少しずつ、少しずつです。急ぐと失敗の元になります。リラックスしながらふすま全体を貼り付けていきましょう。
Step6 余計な部分をカットする
貼り付けが終わったら、角や余計な部分のふすま紙をカットします。地ベラまたは押さえ定規をカッターのガイドに使用するとまっすぐ裁断することができます。
竹べらを使って紙にくせをつけるとカットしやすくなります。ふすま紙が伸び切っていなかったり、しわが寄っていたりする場合にも、竹べらを使って整えておくときれいに仕上がります。
Step7 取り外した枠と引き手を組み直す
マスキングテープでマーキングしておいた通りの位置に枠がくるように、取り外しの逆の手順で組み直していきます。ハンマーを使用する際は、枠やふすま紙を傷付けてしまわないように注意してください。
引き手部分については、カッターで切りこみを入れ、ポンチを使って鋲を打ち込んで取り付けます。これで、ふすまの張り替えは完了です。
DIY初心者向け「アイロン貼りタイプ」の張り替え方法
Step5 ふすま紙を貼る
ふすま本体を床に置き、その上にアイロン貼りタイプのふすま紙を広げます。この時、デザインが上下したり、絵柄が逆さまになったりしないように注意してください。
位置を決めたらふすま中央部分からアイロンをあてていきます。まずは中央から縦方向へ、次に横方向へとアイロンをあてていきます。あとは、枠の縁を使って全体にアイロンを押しあてます。四つ角や周囲もしっかりと圧着していることを確認しながら作業を進めましょう。
作業を中断する際、くれぐれもアイロンをそのままにしてはいけません。火事の危険性があり、アイロンの焦げ跡もくっきりと残ります。
Step6 余計な部分をカットする
貼り付けが終わったら、角や余計な部分のふすま紙をカットします。地ベラまたは押さえ定規をカッターのガイドに使用するとまっすぐ裁断することができます。
竹べらを使って紙にくせをつけるとカットしやすくなります。ふすま紙が伸び切っていなかったり、しわが寄っていたりする場合にも竹べらを使って整えておくときれいに仕上がります。
Step7 取り外した枠と引き手を組み直す
マスキングテープでマーキングしておいた通りの位置に枠がくるように、取り外しの逆の手順で組み直していきます。ハンマーを使用する際は、枠やふすま紙を傷付けてしまわないように注意してください。
引き手部分については、カッターで切りこみを入れ、ポンチを使って鋲を打ち込んで取り付けます。これで、ふすまの張り替えは完了です。
自分でふすまを張り替える場合のポイント
値段
ふすまの張り替えは奥が深い作業です。ふすまの紙質や紙のランクによって紙の特徴に合わせて作業のコツが少しずつ異なります。また、下地の有無や材料の購入先によっても値段の差があります。
張り替えに使う道具も、ポンチや竹べら、地べらなど、専門的な工具も数百円から数千円で購入は可能ですが、数年に一度使う道具をわざわざ購入して所有し続けておくのも考えものです。ホームセンターやインターネット通販では、約5,000円程度でふすまの張り替えに必要な道具セット一式が購入可能ではありますが、少なからず「ふすま張替え専門の工具が必要」ということだけは知っておいてください。
また、インターネット通販で道具やふすま紙を買うと、送料がかかります。
時間
思い立ったらすぐに作業に取り掛かることができるのがDIYの利点です。自分でふすまを張り替える場合、水や糊を使用しない方法であれば1枚2時間から半日くらいで張替え作業は完了可能です。
水で湿らせて張り替えるふすまの張り替えを行う際は、しっかりと糊が乾燥するまで時間を要すため少なくとも半日から一日は作業時間として確保しておきましょう。
道具を揃えるのにかかる時間は、ホームセンターの店頭に出向いて道具を購入する場とその日のうちに揃えられるかもしれませんが、自宅からホームセンターの往復にかかる時間、道具を探す時間がかかります。また「店に行けば必ず在庫がある」とは言いきれません、売り切れていれば道具を手に入れるために取り寄せる時間がかかります。
また道具やふすま紙を購入する店が遠方であったりインターネット通販を利用したりする場合は、手元に届くまでの時間かかります。
ふすまの張替えを業者に依頼する場合のポイント
値段
ふすまの張替えを業者に依頼した場合、自分で道具を揃える必要はなく、プロの施工はきれいで仕上がりも美しいものになります。
多くの張り替え業者が「1枚あたりの金額」で表示をしていますが、どの面が「1面」なのかは事業者によって数え方や考え方が異なることもあるため、自宅のふすまを張り替えるためにかかる金額を正しく知るためには見積もり依頼をしましょう。
張り替えにかかる金額は、ふすま紙の質によって異なるほか、建付け調整費・出張費・土日対応費用・時間外対応費用・駐車料金などがかかることもあります。
時間
張り替えにかかる作業時間はDIYとさほど大差ありませんが、業者によってはふすまを一度持ち帰って作業を行います。依頼するふすまの枚数によっても異なります。
また実際の張替え作業日のほか、問い合わせから下調べ、事前調査の立ち会いなどにも時間がかかり、業者にも別のお客がいるため、必ずしもこちらの希望だけでスケジュールを組み立てられるとは限りません。
ふすまの張り替えを業者に依頼する場合の価格相場
一帖あたり、2,500円~3,900円が相場です。ただし、ふすまのランクや種類によって価格は異なります。別途出張費、建付け調整費が発生する場合もあります。
最後に
自分で道具やふすま紙を買い揃えてふすまを外して部屋で張り替え作業をするのか、業者にふすまの取り外しから張り替えから入れ直しまで一括して頼んでしまうのか、どちらがかかる金額と手間や時間を比較した時に、手軽でしょうか。もちろんDo it yourselfと、DIYでご自身でもできるでしょう。しかしご家庭それぞれによって、事情は異なるでしょう。
お子さんが走り回り、「お父さん何これ?」といつも話しかけてくるような環境で、DIYで張り替えるのは少々大変です。また、足腰が悪い方が襖と外したり床に下ろしたり持ち上げたりという作業も、大変なものです。専門業者に頼む方法もありますので、検討してみてくださいね。