「腸活」というワードをテレビやSNSで見かけることが多くあります。腸は第二の脳とも呼ばれ、互いに影響しあうことで心身を整える大切な役割を果たしていることを、皆さんは知っていましたか?
たとえば「打ち合わせや会議前に緊張でお腹が痛くなる」など、ストレスが腸に影響を与える場面は少なくありません。
なぜストレスによって腸に不調が出やすいのでしょうか?
目次
■腸の乱れが不調につながるメカニズム
■腸活をオススメする理由とメリット
■どんな人が腸活すべき?
■腸を元気にする生活習慣のポイント
■腸活でいきいきと過ごそう!
腸の乱れが不調につながるメカニズム
腸は「小腸」と「大腸」に分けられます。小腸の主な役割は、食べ物の消化・吸収で、大腸の主な役割は、身体に不要なものを便として排出することです。さらに腸内には多くの菌が存在しており「悪玉菌(腸に悪い菌)」と「善玉菌(腸に良い菌)」のバランスが身体に影響しています。
また、先述した通り腸は「第二の脳」と呼ばれています。腸は独自の神経を持っているので、脳からの指令がなくても動くことが可能です。たとえば、イソギンチャクやクラゲなどのように、腸があっても脳がない生き物もいますよね。
さらに、腸と脳は独自で動いているだけではなく、お互いに影響を及ぼしあってもいます。脳で感じたストレスが腸に伝達されてお腹が痛くなったり、便秘になるとイライラしやすくなったり。
「ストレスが溜まって腸が荒れ、さらに気分が下がり、、」と悪循環にならないために、ストレスを感じているときこそ腸内環境を整える意識が必要です。
腸活をオススメする理由とメリット
腸活とは、腸内細菌が集まってお花畑のように見えることから名づけられた「腸内フローラ」を整えて腸の働きを良くすることを指し、食事や睡眠、運動習慣の見直しがポイントです。
また、腸活のメリットとして
・お腹の調子が良くなる
・代謝が上がる
・免疫力が上がる
・幸福度が上がる
があります。
それぞれ詳しくみていきましょう。
お腹の調子が良くなる
腸の働きが正常化するため、便秘や下痢、お腹の張りなどのお腹の不調改善に効果的です。便秘が改善されて、身体が軽く心もスッキリしますよ。さらに、お腹の調子が整うと身体に不要な老廃物が外に排出されて、お肌の調子も良くなります。美肌を目指すためには、外からのケアだけではなく、内側のケアも重要です。
代謝が上がる
小腸の消化・吸収の働きが良くなるため、代謝アップ効果が期待できます。なぜなら、栄養の吸収率が上がると、細胞一つ一つに栄養を送るために血液循環がアップするからです。代謝器官といわれている肝臓に栄養がしっかり送られることで、代謝が上がりやすくなります。血液循環が良くなると体温や基礎代謝が上がるため、食べても太りにくい体質を目指せますね。
免疫力が上がる
免疫細胞のほとんどが小腸に存在するといわれています。腸内フローラが整うと免疫細胞が活性化し、免疫力アップに効果的です。免疫力が上がると風邪を引きにくい身体になるだけではなく、花粉症などのアレルギー緩和も期待できます。
幸福度が上がる
幸せホルモンといわれている「セロトニン」は小腸から分泌されます。腸内環境が整うとセロトニンの分泌量が増え、幸せを感じやすくなり前向きな気持ちになりますよ。ただし、腸内環境の悪化でセロトニンの分泌量が減少すると怒りっぽくなったり、やる気が出なかったり、場合によってはうつ病の原因になることも少なくありません。いきいきと過ごすためには、腸内環境を整えることが重要です。
どんな人が腸活すべき?
石原さとみさんや藤原紀香さんなど多くの芸能人も「腸活」を実践されています。腸活は健康維持のためだけではなく、美容のためにも欠かせません。見た目の美しさの秘訣は「腸」と関係しています。
以下2つのどちらかに当てはまる人は今すぐ腸活を始めるべきです。
・排便が1日1回以下の人
・内側から綺麗になりたい人
それぞれ詳しくみていきましょう。
排便が1日1回以下の人
腸の調子をチェックするポイントの一つが便の状態です。便秘で毎日排便がない人だけではなく、排便があっても便の状態が悪いと腸内環境が悪化している可能性があります。理想の便は、臭いがキツくなくバナナ2~3本の量が力まずに出る状態。さらに水に少し浮くとベスト。
毎日排便している人でも、1日1回では量が少ない場合もあります。また、コロコロしていたり、臭いが強かったりすると悪玉菌が多く腸内フローラが乱れているので改善が必要です。逆に、下痢のように水分が多い場合も大腸の働きが鈍く、水分の吸収が上手くできていないので腸内環境を整える必要があります。毎日便をチェックして、腸からのお便りを受け取りましょう。
内側から綺麗になりたい人
内側から綺麗になりたい人は、腸活が重要です。たとえば「スキンケアを変えても肌の調子が上がらない」「化粧のりが悪い」など悩んでいませんか。
腸内環境が乱れた状態では、いくら高級なスキンケア商品を使用しても肌の調子が上がらない場合があります。なぜなら、腸内に溜まった老廃物が身体を巡ってニキビや吹き出物、シミなどの原因になるからです。さらに、栄養が高く身体に良いものを食べても、小腸で栄養を吸収できなければ意味がありません。腸を整えることで肌の調子や化粧のりも良くなり、見た目の綺麗さに繋がります。
また、腸が綺麗な人はイライラしたり情緒不安定になったりすることが少なく、心が綺麗な人が多いです。見た目だけではなく内側から綺麗になりたい人は、まずは腸活から始めてみてください。
腸を元気にする生活習慣のポイント
腸を元気にするためには「食事」「睡眠」「運動」が重要です。それぞれのポイントをみていきましょう。
食事の見直し
腸活は食事の見直しが重要です。暴飲暴食は腸に負担をかけるなど、ダイレクトに腸に影響を与えます。また、毎日同じ食材ばかりを食べると腸内細菌も偏ってしまうので、さまざまな食材を食べることが必要です。
特に「食物繊維」と「発酵食品」を積極的に食べてください。食物繊維は善玉菌のエサになり、発酵食品は善玉菌そのものになります。食物繊維と発酵食品は一緒に食べるとさらに効果的です。
◎食物繊維
食物繊維は「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2つに分けられます。水溶性食物繊維の特徴は、水に溶ける性質で善玉菌のエサになること。また、コレステロールや糖の吸収を抑えてくれる働きもあります。不溶性食物繊維の特徴は、水を含むと膨らみ便のかさ増しになることです。
・水溶性食物繊維の多い食材:大麦、たまねぎ、大根、オクラ、キウイフルーツなどの熟した果物、海藻類など
・不溶性食物繊維の多い食材:切り干し大根、かぼちゃ、ごぼう、きのこ類、大豆など
発酵食品
発酵食品に含まれる菌は「乳酸菌」「ビフィズス菌」「酪酸菌」など種類があります。
・乳酸菌:乳酸を作ることで悪玉菌の増加を抑制する
・ビフィズス菌:乳酸や酪酸を作ることで悪玉菌の増加を抑制する
・酪酸菌:酪酸を作ることで悪玉菌の増加を抑制する
たとえば、ヨーグルトも商品によって菌の種類が違いますよね。どの商品を選ぶか迷う場合は、まず一つの商品を続けて2週間試してみてください。菌が腸に定着するのに2週間程かかるといわれています。2週間試してみて調子が良くなったら、自分と相性が良い菌の証拠です。もし何も変化がない場合は、再度別の商品で2週間試してみてください。自分に合った菌を探してみましょう。
発酵食品:納豆、味噌、キムチ、漬物、ヨーグルト、甘酒など
睡眠をしっかり摂る
腸の働きを良くするために睡眠が重要です。副交感神経が優位になったときに、腸の働きが活性化されます。副交感神経が優位になるのは、リラックスしているときと寝ているときです。充分にぐっすりと眠っている間に腸が動いて、翌日の朝に便意を感じやすくなります。ただし、睡眠時の眠りが浅かったり、ストレスを感じたまま眠りに入ってしまったりすると腸の働きが低下しがちです。
そのため、寝る30分前から気持ちをリラックスさせる準備をしましょう。寝る直前のテレビやパソコン、スマートフォンのブルーライトは避けて、ストレッチや読書などで穏やかに過ごしてみてください。
運動をする
運動で腸を刺激しましょう。おすすめの運動はウォーキングやヨガです。ウォーキングは大股で歩くことで、便を押し出す役割の腸腰筋を鍛えられます。また、ヨガはねじるポーズやお腹をストレッチするポーズなどで腸に刺激を与えて、腸の働きを促すのに効果的です。さらに深い呼吸でお腹を膨らませたり、へこませたりすることで、腸のマッサージにもなります。深い呼吸でリラックスできるので、ストレス解消にもなりますよ。
腸活でいきいきと過ごそう!
今回は腸活を紹介しました。ストレスやお腹の不調をそのままにしていると悪循環になりがちです。心身の健康と美容には腸活が欠かせません。身体の内側から綺麗にする腸活で毎日をいきいきと前向きに過ごしませんか。この記事で紹介した生活習慣のポイントを参考にして、できることから腸活を始めていきましょう。
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