英語学習をする際に、資格を取ることを上達の手段にする人は多いですよね。しかし英語の資格にはたくさんの種類があり、特徴や海外での知名度も異なります。どうせなら、目的に合った資格に取り組みたいですよね。ここでは、日本でよく知られているTOEICや英検を中心にご紹介します。
(参照元情報:公益社団法人 日本英語検定協会、一般財団法人 国際ビジネスコニュニケーション協会、Educational Testing Service、2017年4月現時点情報。各テストに関連する状況や数字、就職転職時の英語の必要度に関しては企業や機関それぞれの最新の情報をお調べください。)
1.TOEICとは
世界のスタンダード英語のテスト
TOEICは、世界150か国以上で実施されている英語でのコミュニケーション能力を測るテストです。世界のグローバル化が進むに連れて英語力ニーズも高まり、年々TOEICの受験者数も増えてきているようです。
TOEICテストの種類
TOEICのテストはいくつかの種類に分けられています。TOEIC L&Rは、リスニングとリーディング力を測ります。TOEIC S&Wでは、スピーキングとライティング能力が測られます。スピーキングとライティングに特化して受けることも可能です。
レベル把握に活用できる
TOEICでは、合否判定はされません。すべてのテストはスコアで結果が出されます。このため自分の英語の4技能(読む、書く、話す、聞く)のレベルのバロメーターになります。日本では、就職や転職の際に、スコアを履歴書などに書いて英語レベルをアピールすることもできます。また、社員に一定のスコアに到達することを求める企業も増えているようです。
2.英検とは
英検は日本独自の資格
英検は日本独自の英語資格です。学生を中心として幅広い年齢層の人が受験し、受験者数は年々伸びているようです。日本国内だけでなく、イギリス(ロンドン)アメリカ(ニューヨーク、ホノルル、ロサンゼルス)にて受験が可能のようです。
7段階の合否判定
英検は5級から1級までの7 段階レベルが用意されていて、合否が判定されます。1次試験としてリスニング、リーディングテストをはじめ、2次試験として面接でのスピーキングのテストは全級で行われます。
4技能をトータルチェック
英検2級以上では、英作文などライティングの能力も問われます。これによって実際の現場で使える4技能(読む、書く、話す、聞く)のチェックがすべて行われることになります。
3.TOEICと英検、どっちが就職や転職に有利なの?仕事別比較
日系企業へ就職したい
日系企業に応募する場合は、英検の存在は広く認知されているので履歴書に書くと有効です。ただし、英語の力をアピールしようと思うなら英検2級以上が望まれるでしょう。TOEICのスコアなら、600点以上がアピール可能な目安です。いずれの資格を持っていても、ビジネスシーンで実際に読み書きが可能なレベルには達しておきたいですね。ただし人事部で海外で採用活動を展開する、海外事業部で海外支店とのやり取りを行うと行った業務内容であれば、スコアは高い方がいいに越したことはありませんし、強いアピールポイントとなります。
日系企業や政府系機関などで、海外駐在をしたい
政府機関、海外駐在を目指すなら、世界中に受験者がいるTOEICのほうがアピール力があるのではないでしょうか。スコアの最低目安は730くらいですが、スキルは高い方がいいに越したことはありません。また、英検やTOEICではなく、TOEFLのほうが海外では評価されやすいようです。現地での仕事は高度な英語でのコミュニケーション力が必要になります。また生活も仕事も全て英語という環境で生活をしなければなりません。
外資系企業へ就職したい
外資系の企業への就職にはTOEICおよびTOEFLの取得をおすすめしますが、どちらかというとTOEFLの方がいいかもしれません。というのも、TOEFLは英語を母国語としない国・人を対象に実施されているテストであるためです。アメリカ、イギリス、オーストラリアの入学卒業試験の基準にも用いられます。
業務によってレベルは異なっても、外資系組織では、社内外に対し日常的に不自由なく英語でコミュニケーションを取ることが求められます。もし日本にある外資系企業であれば、TOEICの目安は800点以上が有利でしょう。
外資系企業の本社勤務
外資系企業の日本本社や海外本社となると、TOEICのスコアの目安は900点以上の満点に近い点数を取ることが理想です。しかし、海外の企業の採用担当者がTOEICを知らないということはとても多いと言われていますので、応募の際には、TOEFLのほうがアピール力があるでしょう。このTOEFLでは、スコア85点レベルが理想です。通訳なしで、日本語で行う仕事と同じレベルの結果が出せなければなりません。逆に多国籍で世界中に展開している企業であれば、資本が英語圏以外でも、社内公用語は英語であることがほとんどです。英語がネイティブに近いレベルであれば、仕事の選択肢はかなり広がります。
4.TOEICと英検、どっちが大学受験に有利なの?
英語の資格やスコアは、大学受験の応募資格になったり選考の際の評価を高めてくれるものとなります。大学の専攻によって、英検、TOEIC、TOEFLなど条件資格が異なります。
例えば、理系の学部に進学するにしても、専攻や研究内容によって英語を必要とする度合いは異なります。医学系の学部であれば英語は当然で、ドイツ語を学ばなくてはいけないのではないでしょうか。音楽系の大学であれば、英語よりもヨーロッパの言語に長けている方が専門用語の理解に役立つでしょう。
日本の大学でも、英語に関連する専攻や授業、学部がない大学への進学に英語のスキルをアピールしても意味がないかもしれません。気になる大学があれば、授業内容や在籍している教授や教授の実績なども含め、しっかり調べることをおすすめします。
対して英語教育に力を入れている大学であれば、英語のスキルが高いほど、もしくは英語学習に積極的である姿勢を見せるほど評価されるのではないでしょうか。
5.海外での英検、TOEIC、TOEFL、ケンブリッジ英検の比較
さまざまな英語検定の受験者数、認知度の高い国などを比較してみましょう。
英検
日本の大学生以上の受験者数は約40万人を超えています。
TOEIC
日本では240万人が受験。アジア地域、特に日本と韓国の受験者数が多いのが特徴です。よって日本と韓国以外の国では知名度が低いということもあります。
TOEFL
英語圏も含む130か国以上の大学や機関に認められている試験で、年間3,000万人に受験されています。アメリカでの認知度が高いようです。
ケンブリッジ英検
世界150カ国以上で、年間300万人以上が受験するテストです。
ヨーロッパなどでの認知度が高いです。
最後に
たくさんの種類がある英語の資格ですが、就職やキャリアに役立てたいときには、その特徴と有効性を調べてから資格取得のための学習に取り組まれることをおすすめします。