世田谷区でクラリネット教室の代表を務めながら、自身も演奏家として活躍する寺田 香織さん。「こんな先生は初めてです」、「先生の性格、好きです」と言われるなど、生徒さんから愛される魅力をお持ちです。
寺田さんが、クラリネット教室の生徒さん募集を、Zehitomo「だけ」に絞って活用してくださっている理由を尋ねました。
Zehitomoを通じて通うことになった、生徒さんとのレッスン風景のお写真にもご注目ください。
寺田さんのお仕事について
(指導中、クラリネットはスタンドへ。)
講師のほか、フリーランス演奏家として活躍
「クラリネット講師としての仕事以外には、フリーランスの演奏家として演奏会のエキストラやレコーディングへの参加をしています。去年、アニメ音楽のレコーディングに参加して、今年そのアニメ映画が公開される予定です。楽譜は収録の前日に手に入れて、翌日レコーディングに参加したらクラリネットは私1人で、楽器のジャンル別に収録しました。完成した音源はまだ聴いていませんが、楽しみです。」
「クラリネットの講師としては、個人レッスン教室以外に、板橋区が主催している音楽教室でも講師をしています。他には、友人の演奏家と一緒に演奏会を企画することもあります。去年の夏は、お酒を飲みながらゆっくり聴いていただけるような演奏会を企画しました。」
クラリネットとの出会いは小学校
「クラリネットとは小学校の器楽クラブで出会いました。小学4年生の時、最初は友人とフルートを吹いていましたが、友達の方がどんどん高い音が出てうまく弾けるようになっていきました。今でも覚えていますが、悔しくて悲しくて学校で泣いてしまいました。それをきっかけに顧問の先生が勧めてくれたのがクラリネットです。
クラリネットは音を出すのが最も難しい楽器とも言われていますが、私は勧められてすぐに音が出たんです。クラリネットを吹くときはいきなり楽器をくわえるわけではなく、まずマウスピースで音を出すための練習をします。マウスピースで音を出すのも難しい楽器ですが、マウスピースでもすぐに音が出ました。誇らしかったです(笑)。先生にも褒めてもらいました。
それから小学校、中学校、高校とクラリネットを続けて、武蔵野音楽大学に進学しました。」
大学卒業後、自衛隊の音楽隊に入隊
「大学卒業して2年は、いわゆるフリーターとして、バイトをして、クラリネットは毎日練習して、しかし他には特に何をするわけでもなく過ごしていました。「なぜかその時期は音楽に関わる仕事を積極的に受けていなくて、将来のビジョンが明確なわけでもありませんでした。
そんな私を見かねた家族に『楽器をやめるか、仕事をするか、どっちか決めなさい』と言われてしまい、自衛隊の音楽隊に入隊しました。志望動機は、『先輩がいたから、私も行ってみようかな』でした。」と寺田さん。
寺田さんはさらっとおっしゃいましたが、自衛隊の音楽隊は興味本位で受験しても受かりません。志願者が多く、倍率が高く、さらに自衛隊としてのハードな訓練もあります。
「入隊して最初の5ヶ月は教育期間で、楽器は週に1回吹けるかどうかという忙しさ。毎日走って泳いでハードな訓練を受けました。お腹も割れて、訓練がハードすぎて太れず、ガリガリに痩せました。」
大好きだったものが嫌いになり始めていた
「音楽隊の仕事は過酷でした。多いときは週に3回の演奏会、さらに定期演奏会もありました。参加しなければならない行事は数多く、外国要人が来日した際、首相の前、船の上など、非常に多くの仕事がありました。
自分の練習は業務後です。毎日のように仕事で演奏して、さらに自分のスキルを磨くために練習もしたい。だけど、疲れきって練習ができない日も。『甘えている』と言えばそうかもしれませんが、全く練習をする気が起きないほど疲れきった日は数日ではなく、続いたこともありました。
練習をしないことで自分の技術がどんどん落ちていることにも気づいて、そんな自分のことが嫌でした。練習ができず、変わりつつあった自分の音も嫌いになりました。当時は『音楽隊もクラリネットもやめよう』とまで考えていましたよ。
自分が好きだったものが好きになれない自分も、『クラリネットをやめたら、自分は何がやりたいの?』と考えてもすぐに出てこない自分も本当に嫌でした。
『自衛隊音楽隊を離れて自分の技術を磨こう』と決意して、退職しました。一般企業の中途採用の面接に行ったこともありますが、結局今もクラリネットに情熱を傾けています。」
クラリネット講師としての人生
(クラリネットと寺田さん。無断転載厳禁。)
人に教えるコツ
「自分が演奏をするときは、持っているスキルで最大限演奏しようと努力しますが、人に教えるときは、生徒に自分と同じレベルを求めることはできません。
例えば小学生へのレッスンは、まずは私のことを好きになってもらうように努力します。『この人、楽器が上手だなぁ』と思ってもらい、面白いこともたくさん言って、第一印象で私に良い印象を持ってくれるようにします。ポイントを稼ぐんですよ。(笑)教える時も難しい言葉を使ってもわからないので、小学生でも感覚的に理解できるような、『こんな感じ』『ここは、タンタンターンだよ』と伝えたり、『(楽器を吹く前に)まずはみんなで楽譜を読みながら歌ってみようか』と、合唱のようなことをしたりします。
また、小学校低学年の子は、背丈や座高とクラリネットが合わず安定して持てないこともあるため、クラリネットの位置をうまく保つ工夫から教えます。
子供は座っても楽器が大きすぎて膝で支えることもできないため、向かいに椅子や台を置いて、そこにクラリネットを置くような姿勢を教えてあげます。私自身も小学生の時にクラリネットに出会いましたが、小学生の時にどうしていたか思い出せなくて。最近では、小学生に教える時の内容や教え方のコツにも慣れてきたと思っています。」
中高生や大人の年齢のレッスンでは、地頭が良い子、音楽センスがある子などが分かれてきます。生徒それぞれに『この子には感覚的に教えたほうがいいな』、『この子には理論的に頭の中が整理できるように教えたほうがいいな』など見極めながら指導しています。」
現在教えている生徒
寺田さんが現在、個人講師としてクラリネットを教えている生徒さんは〜20名程度です。「他には、板橋区が主催している音楽教室で講師として教えているだけでなく、学校の部活指導にも呼んでいただくなど、幅広い指導の機会をいただいています。現在受け持っている生徒で最年長の方は60代の方です。最年少は小学生の生徒さんで、外国籍の小学生の方もいますよ、日本語が流暢に話せる方なのでよかったです。(笑)以前は70代の方もいらっしゃいましたよ。」
その70代の方は、「クラリネットを始めたい」とおっしゃっていた初心者の方だったそうです。「わたしは趣味がないので(70代でクラリネットを始めたいという生徒さんを)『すごいな』と思いましたし、クラリネットを選んでいただき嬉しかったです。」
生徒さんには率直に、シンプルに話をする
「生徒さんにはよく『どうしてクラリネットを選んだんですか?』と質問します。『クラリネットは素晴らしい、いい楽器だね』という話だけではなく、『クラリネットは音を出すのも大変ですよ、使い続けたり維持し続けるのにもお金がかかりますよ』と現実的な話もします。
それでも生徒の皆さんは『クラリネットの音が好き』などクラリネットへの想いを語ってくれて、私自身のレッスンの励みになります」
2019年、初めて発表会を開催
「2019年の6月に、初めて発表会を開催しました。今年になってようやく実現できて嬉しかったです。大きなホールを借りたわけではなく、アットホームな会でした。
音楽の発表会は音楽コンクールのように、演奏者がステージに上がって、演奏して、終わって、次の人が来て、演奏して、終わって、と延々と繰り返す形式がほとんどです。しかし大人になればなるほど緊張したり、『私なんかが発表するなんて』とおっしゃったりする方も増えます。そんな緊張や謙遜が起きないような、楽しめる会にしたいと思っていました。
生徒の皆さんには、練習の目標と、練習の成果を発表する場になりました。もちろん練習も本番も真剣に取り組みます、けれど合間に笑いが起きるような会にしました。その時の動画や写真も残っていますが、みんなが笑っている写真ばかりで、見返しては『開催して良かったな』と思います。」
「発表会の選曲はソロだけではなく、デュオ(2人)、カルテット(4人)の演奏構成を入れたり、私自身が曲を確認して全員が吹けるように曲に工夫を加えたりして、全員が楽しく参加できるようにしました。本番の前の緊張も『緊張する〜』、『がんばって〜!』と励まし合うような雰囲気でした。
『終わった後においしいお酒が飲めるような会にしたい』と計画して、実際にそんな会になったことがとても嬉しいです。
現在生徒さんが増えてきているので、次回以降の開催はまた違う雰囲気の会が企画できそうで、今から楽しみにしています。」
Zehitomoについて
(今回のレッスンの生徒さんともZehitomoを通じて出会った。無断転載厳禁。)
Zehitomoとの出会い
「Zehitomoとの出会いは覚えていません(笑)。偶然見つけたような気がします。今、新規の生徒さんと出会うために使っているのは自分のホームページとZehitomoです。正確に言うと『Zehitomoだけにした』、です。
自分のホームページは、写真をたくさん撮るような性格でもないし、ブログをこまめに更新できるようなタイプでもないので、なかなか更新はできていません。」寺田さんはそうおっしゃいますが、素敵なホームページをお持ちです。
「Zehitomoは、生徒さんとマッチするかは別としても、先生を探している人からの連絡がたくさん入ってくるため『これ1本に絞ってもいいか』と思いました。
これまでネットの音楽教室紹介サイトや講師紹介サイトに登録していましたが、全く連絡は来ませんでした。(登録しているサイトでユーザーが)講師を検索する時に、私のことが検索結果に引っかからなかったのかもしれません。他のサイトは登録料や利用料もかかっていませんでしたが、ほとんど連絡も来なかったため、他に登録していた情報はほぼ全て削除しました。」と寺田さん。
寺田さん流 Zehitomoの使い方
「Zehitomoでは、サイトのチャット機能を使っています。Zehitomoのサポートの方などには、『生徒さんに自分の直接の連絡先を伝えたほうがいい、電話番号やメールアドレスなどを伝えた方がいい』とアドバイスいただけるので私の情報も公開しています。それでも主にZehitomoのチャット機能を使います。生徒さんの電話番号が表示されていても、いきなり直接の電話はしません。」
(一緒に、合わせて吹くことも。無断転載厳禁。)
サポートの対応の早さ
「Zehitomoを使っていて気になったこと、改善してほしい点を伝えたことがあります。わたしが気になっていた2点について、すぐにメールの返信をいただけて、気になっていたポイントもすぐ変更されていました。
これまでネットのサイトに登録していた時にこんなに早く返信をいただけることはなかったので、すぐに返事が来たり変わったりしたのはいいなと思いました。」
「(Zehitomoからの)メールの量が多いなと思うことが時々あって、全部のメールに目を通せなかったり、(Zehitomo宛に)返信ができなかったり無視しちゃったりすることもあるんですけど、サポート体制がしっかりしているため使いやすいです。」
「仕事の依頼が毎日のように入ってくるのがすごいと思います。これまでネットに登録していて問い合わせがあったことはほとんどありません。Zehitomoは件数が多いと思っています。ただ、来たレッスン依頼が『どこまで本気なのか』のわかりづらさはあります。」
Zehitomo経由で体験・継続レッスンが多数成立
「これまでZehitomo経由で体験レッスンに来てくれた人は、ほぼ全員生徒になってくれました。生徒にならなかった方はお二人いて、お一人は千葉在住の方で交通費などがかかりすぎたこと、もうお一人は、就学前の小さなお子さんだったことから、ご両親にお話をして『クラリネットはまだ難しいと思います』と率直にお伝えしました。
バイオリンやフルートは子供用の楽器があるのですが、クラリネットには子供用がありません。まだ体も小さい小学生前のお子さんなので、練習や演奏の大変さなども含めて丁寧に説明をさせていただきました。」
フリーランスは、楽しさも、大変さもある
(わきあいあいとした雰囲気。無断転載厳禁。)
「楽しさは、自分のしたいようにできるところです。自分がどうしたいかによって行動が起こせます。フリーランスの大変さは公務員だったからこそわかります。自衛隊に所属していた頃の収入は、月給があり、ボーナスがあり、安定していました。今は自分次第です。」
「フリーランスになってやりたいことはちょっとずつできていて、楽しく働いています。もし『なんとなくやってみたい』と思っている方は、ぜひレッスンを受けに来てほしいです。クラリネットなどの管楽器は、顔の筋肉も使うので小顔になりますよ、とよくお伝えします(笑)。
そんな理由で来ていただくのも大歓迎です。生徒さんは女性も男性もいらっしゃいます。」
寺田さんのクラリネットレッスンが人気の理由
(運指も指導。無断転載厳禁。)
生徒さんには丁寧に正しく、はっきりと
「周りからはよく、『はっきりしているね』と言われます。体験レッスンの時、生徒さんには必ず『私以外の先生の体験レッスンは受けましたか?』、『いろんな先生を見た方がいいですよ』と毎回はっきりお伝えしています。もちろんわたしの生徒さんになってくださったら嬉しいですが、講師によって音も違いますし、人間同士の相性もあります。生徒側もいろんな先生を比較した方がいいです。」
「そうやってはっきりお伝えするためか、『こんなこと言う先生に会ったのは初めてです』、『先生の性格、好きです!』と言っていただきます。それでもさらに、『わたし自身もこれまでいろんな指導者に師事してきて、講師によって自分との相性の違いがありました、生徒さんが先生を選ぶことも大切ですよ』とお伝えします。
でもそこまで説明して『寺田先生のレッスンがいいです』と、生徒になってくださるととてもありがたいですし、素直に嬉しいです。」
本気でクラリネットを上達させたい方へ
「『本気でレッスンを受けたい、本気でクラリネットが上手くなりたい』という気持ちで体験レッスンを受けてくださった方はほぼ全員が継続でレッスンを受けてくださっているため、本気で先生を探している方は、ぜひ私に問い合わせをしていただきたいです。
茨城の生徒さんとスカイプでのレッスンをしたりもしているので、遠方でもレッスンできますよ。」
最後に
(会話もレッスンのうち。無断転載厳禁。)
「小柄で華奢な寺田さんの『さっぱりとしているけれど、冷たいわけではない、あたたかいお人柄』や、パワーの源はなんだろう?」と考えていましたが、お話を伺って納得しました。寺田さんが所属なさっていた公務員のお仕事は、入りたいと志願して入れるような簡単で易しい組織ではありません。難易度も倍率も人気も高い仕事です。そのようなご経験から、今のたくましい寺田さんがあるんだなと納得しました。
寺田さんの演奏するクラリネットからは、丸く、芯のある音色が響きます。クラリネット未経験の方もさらに上達したい方も、ぜひ寺田さんのレッスンを受けてみてください。
寺田 香織さま
武蔵野音楽大学器楽科卒業。
クラリネット協会第6回クラリネットアンサンブルコンクールにて入選。
同大学選抜学生によるソロコンサートやウィンドオーケストラのコンサートミストレスに選抜される。
2011年リサイタルコンサート。
2012年~2015年海上自衛隊 東京音楽隊に入隊。
2018年成美堂出版 「あかちゃんのクラシック」
現在は、フリー奏者としてレコーディングへの参加、吹奏楽団やオーケストラへのエキストラ出演や講師として活動中。