サイディング(サイディングボード)とは、外壁塗装の仕上げ用として使用する外壁材の一種です。塗料の膜が雨風や紫外線から外壁を保護し、劣化を防ぐことから、最近ではサイディングの外壁が主流となっています。
耐久性に優れていることから、サイディングの種類によっては耐用年数が30年以上のものもあり、メンテナンスコストを抑えられるのがメリットです。
そこで今回は、サイディングの外壁を塗装・塗り替えかかる費用の目安について解説します。塗料の種類や単価を安く抑える方法なども紹介しますので、外壁の塗装工事を検討している方はぜひ参考にしてください。
サイディングの外壁塗装・塗り替えにかかる費用の目安
サイディングの外壁塗装・塗り替えにかかる費用(足場や下塗り費用などを含む)は、坪数によって異なります。
以下の表は、坪数ごとの費用目安です。
坪数 | 費用 |
---|---|
20坪(約65平方メートル) | 約50〜60万円 |
30坪(約100平方メートル) | 約70~90万円 |
40坪(約130平方メートル) | 約90~120万円 |
50坪(約165平方メートル) | 約120〜150万円 |
60坪(約200平方メートル) | 約150~180万円 |
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サイディングの外壁塗装・塗り替え費用の内訳
外壁塗装・塗り替え工事において、どのような工程にどれくらいの費用がかかっているのかを把握しておきましょう。見積もり時に必要な追加工事や金額の根拠が理解しやすくなり、業者との交渉や依頼もスムーズに進められます。
足場
塗装工事で必要になる足場の組み立てや解体にかかる費用です。作業員の安全性を確保し、細部までしっかり塗装するために欠かせない作業項目となります。建物の高さや形状、足場の種類によって金額が変動します。
下塗り
下塗り(プライマー)は、サイディングに塗料をしっかり定着させるための工程です。下地を整えることで仕上がりにムラや剥離を防ぎ、耐久性を高める役割があります。
下塗り費用は、1平方メートルあたり1,000円~2,000円程度が目安です。塗装を行う外壁の状況や使用する塗料の種類によって金額が変わります。
養生
窓やドア、屋根など、塗料が付着してはいけない部分をビニールシートやマスキングテープで保護するための費用です。
養生費用は、塗装面積や建物の形状、開口部の数などによって変動しますが、全体費用の5~10%程度のことが一般的とされています。立体的な装飾がある外壁や入り組んだ構造のバルコニーがある場合など、通常よりも手間と時間がかかるため費用が高くなる傾向があります。
そのほか諸経費
外壁の高圧洗浄や下地補修、コーキングの打ち直し、廃材処分費や交通費などが発生します。サイディングの状態によっては、補修箇所に伴い追加費用がかかるため、見積もりの際は業者に確認しておきましょう。
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サイディングの外壁塗装・塗り替え費用は塗料の種類で変わる
ここでは、外壁塗装における代表的な塗料の種類を挙げながら、費用の目安や塗り替えを検討したい時期、塗料を選ぶメリット・デメリットをまとめています。
アクリル塗料
合成樹脂(アクリル系)を主成分とする塗料。かつては主流でしたが、近年は他塗料に比べて耐久性が劣るため、使用されるケースは減少傾向にあります。
費用(1平方メートルあたり) | 1,000円~1,800円 |
耐用年数 | 3~7年 |
メリット | ・費用を抑えられる ・乾きが早く、扱いやすい |
デメリット | ・耐久性が低い ・汚れが付着しやすい ・メンテナンス周期が短く、トータルコストが高くなる |
フッ素系塗料
フッ素樹脂を主成分とした耐久性の高い塗料。橋梁や大型ビルにも採用されるなど、過酷な環境下でも劣化しにくいのが特徴です。
費用(1平方メートルあたり) | 3,000円〜5,000円 |
耐用年数 | 15年以上 |
メリット | ・耐候性や耐汚染性に優れている ・汚れが付きにくい ・紫外線や熱にも強く、ひび割れが起こりにくい |
デメリット | ・施工費が割高になる ・重ね塗り時には適合したプライマーが必要 |
シリコン系塗料
安価で耐久性に優れた人気の塗料。高級グレードのフッ素や光触媒などと比べて耐久性や機能面で見劣りすることもありますが、コストパフォーマンスを重視する方や、こまめに塗り替えしたい方におすすめの塗料です。
費用(1平方メートルあたり) | 1,800円〜3,500円 |
耐用年数 | 8~15年 |
メリット | ・コストパフォーマンスが高い ・雨で汚れが落ちやすい ・カラーバリエーションが豊富 |
デメリット | ・フッ素系に比べると耐久性が劣る ・紫外線に弱い |
ウレタン系塗料
弾性と密着性に優れる塗料で、施工費が安価なのがメリット。ただし、耐候性・防汚性の点ではシリコンやフッ素に劣るため、7~10年程度で劣化しやすいのがデメリットと言えます。短期的にコストを抑えたい場合には向いていますが、長期的に考えると塗り替え回数が増えしまう可能性も。
費用(1平方メートルあたり) | 1,400円〜2,500円 |
耐用年数 | 7~10年 |
メリット | ・弾性があり、密着力が高い ・価格がリーズナブル |
デメリット | ・シリコン系よりも耐久性が低い ・汚れが付きやすい ・塗膜の劣化が早い |
ラジカル塗料
近年開発された外壁塗装用の塗料で、塗膜の劣化を防止する新しい技術として採用されています。そのため、シリコン系に比べて耐久性が高く、汚れが付きにくいのも特徴です。
費用(1平方メートル) | 2,000円~4,000円 |
耐用年数 | 12~16年 |
メリット | ・紫外線に対する耐性が高い ・防汚性に優れている |
デメリット | ・メーカーや商品グレードによって品質/価格に差がある ・価格が高い |
断熱・遮熱塗料
熱を反射・遮断する特殊顔料やセラミックを含んだ塗料。夏場でも室内の温度上昇を抑制し、省エネ効果が高いため電気代の節約ができます。初期費用はかさみますが、耐用年数は10〜20年と長く、メンテナンスの手間があまりかからないのも特徴です。
費用(1平方メートル) | 2,300円~4,500円 |
耐用年数 | 10~20年 |
メリット | ・室内温度の上昇を抑え電気代の節約につながる ・劣化スピードが緩やか ・環境にやさしい |
デメリット | ・費用が高額になる ・遮熱効果は高いが、冬の保温性はやや低い |
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サイディングの外壁塗装・塗り替え費用を安く抑える方法
ここでは、サイディングの塗り替え費用を安くするための具体的な方法を紹介します。
補助金・助成金を活用する
国や各自治体で実施している補助金・助成金制度を利用すれば、サイディングの塗り替え費用の一部に充てることができます。地元の自治体サイトや窓口で申請期間や金額、対象住宅の条件など、該当する制度の内容を確認しましょう。
火災保険を利用する
台風、強風、雹、雪などの自然災害でサイディングが損傷した場合、修繕費用の一部、またはすべてが火災保険で補償される可能性があります。
【火災保険が適用となるケース】
- 台風で飛来物が外壁にぶつかり、サイディングが破損した
- 強風でサイディングの一部が剥がれてしまった
- 雹(ひょう)でサイディングにひびが入った
ただし、経年劣化や施工不良による塗り替えは、火災保険の適用外となるため注意が必要です。現在、加入している火災保険がある方は、契約内容を確認して保険会社に相談してみると良いでしょう。
自社施工の会社に依頼する
自社施工の会社は、大手ハウスメーカーのように複数の下請けを通さず営業から施工まで一気通貫で対応しています。仲介コスト(中間マージン)が発生せず、材料の仕入れや職人の人件費も一括管理しやすいため、工事費用を安く抑えることが可能です。
また、付帯工事の有無やアフターフォローの保証内容なども確認しておくと安心です。
DIYでサイディングを塗り替える
DIYが得意な方であれば、自分でサイディングを塗り替えることで、施工費用を大幅に節約できます。材料費だけで済むため、プロに依頼するよりも安価に仕上がるでしょう。
ただし、外壁塗装における下地処理などの専門知識や足場の設置作業などのほか、高所作業によるリスク対策も必要になります。塗りムラなどの施工不良があるとかえって劣化を招く可能性もあり、プロの業者に依頼した場合よりもコストがかかってしまう場合もあります。
費用だけにとらわれず、仕上がりの品質や安全性も考慮して、DIYで塗り替えを行うのか、専門業者に依頼するのかを慎重に検討しましょう。
DIYで外壁サイディングを塗り替えるときの手順
ここでは、DIYでサイディングを塗り替えるときに必要な道具、作業手順をみていきましょう。
【必要なもの】
- 高圧洗浄機
- ブラシ
- 養生用のシートとテープ
- 下塗り用の塗料
- 上塗り用の塗料
- 刷毛
- ローラー
【施工手順】
- 外壁の洗浄
- 養生
- 下塗り
- 中塗り
- 上塗り
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今回は、サイディングの外壁を塗装・塗り替えかかる費用について解説しました。
サイディングの塗り替えにより、外壁の美観を保ち建物の寿命を延ばすことにつながります。塗装工事によるリフォーム費用を安く抑えるには、複数の業者から相見積もりをとって比較検討するのがおすすめです。
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