自宅の外構をおしゃれにしたいという方におすすめなのが、公園や歩道などで目にすることの多いインターロッキング舗装です。
インターロッキングブロックのデザイン性の高さや使い勝手の良さから、最近では住宅の外構としても多く使用されるようになりました。 本記事では、インターロッキングの施工方法や施工費用、メリットとデメリットなどについて解説します。
インターロッキングとは
インターロッキングとは、様々な色や形をしたコンクリートブロックを並べ、隙間の目地に砂を入れて仕上げる外構における舗装方法です。
使用されるブロックは多くがギザギザの形状をしており、インターロッキングブロックと呼ばれ、砕石・敷砂・インターロッキングブロックの3層構造となっています。
インターロッキングには「かみ合わせる」という意味があり、ブロック同士のかみ合わせ効果によって荷重を分散するのが特徴のひとつです。これにより、車両のような重いものからかけられる圧力に耐えられるという特徴を持っています。
ブロックのデザインが豊富なので、意匠にこだわって外構をリノベーションしたい人にとっても使いやすい建材です。
また、一部のブロックはリサイクル材が使われており、壊れていないブロックは再利用できることから、環境に配慮した舗装方法とも言えるでしょう。
インターロッキングは車道で使用されていた技術ですが、現在はその幅を広げ、歩道や公園などの公共的な場所でも見られるようになり、一般家庭の駐車場やアプローチなどといった私的使用もおこなわれるようになりました。
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インターロッキングブロックの種類
インターロッキングブロックの厚さは6cm・8cm・10cmの3タイプに分けられます。この中で、主に住宅の外構・エクステリアに使われるのは6cmか8cmのタイプです。
また、色は暖色系から寒色系まで様々な色があり、組み合わせ次第で多様なデザインを楽しめます。中には天然石で加工されたブロックや、アンティーク加工されたブロックもあるので、施工前に適したものを選びましょう。
ブロックの種類を大まかに分けると、以下の3タイプに分類されます。
長方形のレンガタイプ
インターロッキングの定番とも言えるブロックで、レンガならではの落ち着いた風合いが特徴です。ブロックの側面が直線のものもあれば、ズレ防止のためにギザギザになっているものもあります。住宅街の歩道や公園、ショッピング施設など、様々な場所で見かけることが多いタイプです。
長方形という規則性がある形のため、一見個性を出しにくいようにも見えますが、組み合わせるブロックの色合いによって様々な表現を楽しめます。サイズは10cm~30cmとバリエーションに富んでおり、形状や大きさの違いだけでもさまざまな表情を魅せられるブロックです。
正方形の平板タイプ
レンガタイプよりもサイズが大きめなブロックです。素材はコンクリートのほかに天然石も多く使われており、天然石のブロックは色褪せしにくいのが特徴です。幅が広めな歩道や玄関アプローチ、駐車場のアクセントとして使われることが多く、街中でも見かける頻度が多いタイプだと言えます。
長方形タイプのブロックと組み合わせれば、より幅広いパターンのデザインが楽しめるでしょう。また、ドット絵の要領で地面にマークを描くようなデザインも可能です。
ランダムタイプ
上記の2つに該当しない、大きさや形状がランダムなブロックです。中には天然石をそのまま割ったような形状をしたブロックもあります。
ブロックの色のレパートリーや雰囲気を演出できる柄の多様さなどが魅力で、各社から個性的な製品が数多く販売されており、外構との調和を考慮して選べるタイプです。
規則性がないからこそ、オリジナリティのあるおしゃれなデザインにできるのがメリットだと言えます。他と被らないようなデザインの外構を作りたい時に役立つブロックです。
インターロッキングの施工方法
インターロッキングは、用途によってブロックの下地の厚み・仕様を調整しなければなりません。より大きな荷重がかかる車道の方が、歩道よりも強い下地が必要で一般的には車用のインターロッキング下地はコンクリートを施工します。ここでは、車が乗る事を想定した場所の施工方法について解説します。
まずは不要な土を除去して下地とブロックを敷くための準備をしましょう。下地には砕石の上に敷き砂を施工しブロックを敷くので、その分の深さを確保する必要があります。
下地に砕石を均等に敷いたら転圧をおこないましょう。転圧をおこなう事で地面の強度が高まり、荷重に耐えられるようになります。
次に、固めた下地の上に目の細かい砂を敷いてください。ブロックの隙間を通り抜けた水を吸収する役割を持ち、水はけがよくなります。全体を平らにならすために手作業で砂を敷いて、ブロックがデコボコにならないように注意してください。
インターロッキングブロックは1つずつ手作業で敷き詰めます。曲線の部分や端の部分などに敷く場合は、ブロックをカットして使いましょう。全て敷き終えたら再度転圧をし、表面を平らに整えます。
最後に珪砂(けいしゃ)という白く細かい砂を表面にかけ、ホウキやデッキブラシなどで目地を埋めていきましょう。砂締めとも呼ばれる作業で、耐久性を高めるために行います。
インターロッキングはセメントやモルタルなどを使って固定しません。そのため、砂締めが足りないとブロックがずれてしまいます。少しでもずれていたり、強度が足りないと感じたりする場合は、転圧と砂締めを繰り返しましょう。
インターロッキングの施工費用
一般的な無地のインターロッキングブロックを使用する場合、費用相場は1平米あたり7,500円~9,500円です。なお、駐車場のように車が乗る場所の舗装には手間がかかるため、平米単価は1万円を超える事もあります。
ブロックの種類や施工場所だけでなく、デザインが複雑になる事によっても費用は高くなるため予算との相談が必要です。特にブロックをカットして使用する場合には1つずつ手作業で行うため時間がかかり、その分費用がかさむ傾向にあります。
インターロッキングをDIYする場合は?
インターロッキングのDIYは材料費だけでコストを抑えられますが、時間と手間がかかるため、おすすめできません。特に転圧をしっかりと行う段階では、専用の重機をレンタルする必要があります。また、ブロックを均一に敷き詰めるのはテクニックを要する作業であり、簡単にはおこなえません。業者に確実な施工を依頼するべきだと言えます。
それでもDIYでインターロッキングをおこないたいという場合は、費用面と注意点について理解しておきましょう。
DIYにかかる費用
インターロッキングに必要な材料はホームセンターで購入できます。ブロック1個あたりの価格は長方形のレンガタイプが「200円~350円」、正方形の平板タイプが「300円~1,000円」です。
DIYの注意点
インターロッキングブロックには透水性があります。そのため、雨水を吸収し地盤が緩むと表面がでこぼこしてしまう可能性があり、これを防ぐには地面に適度に珪砂をつけて水が溜まらないようにしなければなりません。
また、コンクリートやモルタルなどでしっかりと固めないため、だんだんブロック同士がずれるという劣化が起きます。縁石で周囲を囲い、ブロックが動かないようにしましょう。
加えて、砂締めに使う珪砂は、数年間のうちは表面に流出してしまいます。珪砂が外部に漏れていたら、適宜補充しましょう。
インターロッキングのメリット
インターロッキングは外構を理想通りにリノベーションするために役立つ施工方法です。素材やデザインなどを選べば、簡単に個性的な表現をおこなえます。また、機能面をあわせて考えた場合、具体的に以下のようなメリットがあります。
- 耐久性が高くメンテナンスしやすい
- 透水性が高く水はけが良い
- 地面からの放熱を防げる
- 様々なデザインを楽しめる
耐久性が高くメンテナンスしやすい
インターロッキングは、かみ合わせ効果で荷重が効率よく分散されるため、耐久性や柔軟性に優れています。アスファルトやコンクリートと比べて地面の変化に強く、ひび割れが起きにくいのがメリットのひとつです。
また、一部が破損してしまった場合も、隙間を空けてブロックを敷き詰めているため部分的な補修がしやすいという特長もあります。小規模な補修で事足りる事が多いので、他の舗装方法と比べてメンテナンス費用が抑えられるのも便利な点です。
透水性が高く水はけが良い
インターロッキングは、雨が降ってもブロックとブロックの隙間に水が浸透し、地下へと流れていきます。水はけが良いため、雨で滑りにくくなる性質は生活において重要なポイントです。
また、保水性を持ったブロックの場合、吸収した雨水を晴天時に水蒸気として放出し、路面温度を低下する事ができます。加えて、インターロッキングブロックは照り返しが少ないという特徴があるため、夏場の暑い時期も熱を持ちにくく、涼しさを保てるのもメリットです。
地面からの放熱を防げる
インターロッキングブロックは赤外線などの熱線を反射する性質を持っています。これにより地面の温度を最大で17.5度抑える事が可能で、放熱を防ぎ暑さ対策としても役立てられるのが利点のひとつです。
蓄熱しにくく、夜間に気温を抑えられるため夏場でも過ごしやすくなります。
様々なデザインを楽しめる
ブロックの組み合わせ方次第で自由にデザインを楽しめるのは、インターロッキングならではのメリットです。ブロックの素材や色、形、サイズには様々なものがあるため、周辺環境に合わせて住宅に馴染むようなデザインができます。洋風なイメージが強いインターロッキングですが、組み合わせ次第では日本家屋に馴染ませることも十分可能です。
暖かみのある雰囲気やシックな雰囲気など、アイデア次第で理想の住宅を作る事ができるので、ぜひ業者に事例を見せてもらい施工時の参考にしてください。
インターロッキングのデメリット
インターロッキングは便利な点を多く持つ一方で、施工時に不便だったり、予算を圧迫したりという芳しくない一面も持っています。また、施工後に起こり得る不調を考えた場合、具体的に以下のようなデメリットがあります。
- 施工に手間と時間がかかる
- 施工の導入コストが高い
- 経年劣化によって色褪せする
- 日陰だと苔が生えてくる
施工に手間と時間がかかる
他の舗装方法よりも細かく丁寧に作業を行わなければならないため、必然的にインターロッキングの施工には時間がかかってしまいます。材料を流し固めるコンクリートや敷き均しを行うアスファルトの場合、乾燥が必要なものの、作業自体にそれほど時間はかかりません。
一方、インターロッキングの施工はブロックを1つずつ手作業で敷き詰めていく必要があります。 また、整った外観と一定以上の強度を保つには丁寧な下地づくりが必須であり、これも施工に時間がかかる原因です。工期が長くなりやすいため、外構工事を考えている方は前もって工事の計画を立てる必要があります。
施工の導入コストが高い
施工に手間と時間がかかる分、人件費もかかるため、施工費用は他の舗装方法と比べて高くなってしまいます。また、面積が広くなったり特殊なブロックを使ったりすると、その分費用が高くなるのもデメリットです。 ただし、修繕費は抑えられるので、長い目で見ると経済的な施工方法とも言えます。
施工後、およそ20年でアスファルト舗装と合計費用が同じになり、40年後には6~19%の費用が削減できるのはデメリットをカバーできる利点です。
経年劣化によって色褪せする
施工したてのうちは綺麗な外観を保っているものの、年月が経過すると共に色褪せしてしまいます。色褪せもいい味になると言えますが、いつまでも真新しい外構のままがいいという方にとってはデメリットでしょう。
なお、顔料を使用していない天然石でできたブロックや、色落ちの対策が施されているブロックであれば色褪せを防げます。できるだけ色を長持ちさせたいという方は、こうした色褪せしにくいブロックを使うのがおすすめです。
日陰だと苔が生えてくる
日陰の部分にインターロッキング舗装を行う場合、目地の部分から苔が生えやすいというデメリットがあります。苔を放置しておくとヌメリが出てきて、足を滑らせる原因になりかねません。
また、苔が生えていると見栄えも悪くなってしまいます。対策として、定期的に高圧洗浄によるメンテナンスを行うか、できるだけ日陰部分には施工しないようにするのがポイントです。
施工の依頼時には実績のある業者を選ぼう
インターロッキング舗装は、プロでも難易度が高い施工法です。施工の完成度は業者の腕に大きく左右されるため、依頼の前には必ず施工実績を確認するようにしましょう。
ブロックの敷き詰め方が整っていても、下地の処理が甘いと、後からぐらつきやズレなどの問題が発生する恐れもあります。見えない部分も手を抜かずに作業してくれるような信頼できる業者に依頼するため、実績や口コミをチェックするようにしてください。
インターロッキングの施工は信頼できる業者に任せよう
インターロッキングはDIYするのが非常に難しいため、信頼できる業者に施工を任せる事をおすすめします。
優良業者選びに有効な手段として、相見積もりという方法が挙げられます。相見積もりとは、複数の業者の見積もりをとる事で、時間と手間をカットして効率的に費用やサービスなどを比較検討できるのがメリットです。
ぜひ相見積もりの活用を視野に入れて業者選びをおこなってください。
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