出産後ひと段落すると、可愛い赤ちゃんとの生活に喜びや幸せを感じる反面、妊娠中の体重の増加や骨盤の歪み・ホルモンバランスの乱れなどによる自身の体型の変化が気になりがちです。出産をすると生活が一変するので、精神的な疲れや不安定さを解消したいと感じる方も多いと思います。
そのような不調を改善したり、産後の生活をより良いものにするエクササイズの代表的なものとして、「産後ヨガ」があります。この「産後ヨガ」がより効果的なものになるよう、始める前にいくつかポイントをおさえておきましょう。
産後ヨガの効果やメリット
まずは、一番気になる産後ヨガの効果やメリットをご紹介します。
1. リラックスして身体の調子を整える
深く呼吸をし、ゆっくりと体を動かしていくことで、リラックス効果が期待できます。はじめは決して無理なく負担のない程度に産後ヨガを行い、慌ただしい産後の生活の中にゆったりとした時間を見つけていきましょう。
2. 運動不足の解消につながる
毎日の育児や家事で一日中バタバタ動き回ってはいるものの、赤ちゃんが一人で動けるようになる頃までは、行動範囲も狭く、スポーツやエクササイズなどをする機会は少なくなります。産後ヨガなら、ヨガマット一つあれば育児や家事の合間を見つけてすぐに取り掛かることができます。
ヨガマットは持ち運びの出来るもの、カラフルなものなど様々な種類があるので、インターネット等で調べてじっくり選ぶのがおすすめです。服装も、特別なウェアを買う必要はなく、産後の身体を締め付けすぎない動きやすい普段着で十分です。汗をかくので、通気性の良いものを選ぶと良いでしょう。
3. 自宅で簡単に始められる
「赤ちゃんが泣いてしまうので、一人での外出がまだできない」、「赤ちゃんを預けておく人がおらず、子連れで行ける教室も近くにない」などの理由でレッスンに通えない場合でも、産後ヨガならお家で気軽に始められます。レッスン本やDVD、動画投稿サイトやヨガ専門のサイトなどで無料公開している動画など、いくつかの方法を試してみてはいかがでしょうか。また、出張で自宅に来てくれる先生もいるようですので、比較検討してご自身にあったやり方を見つけましょう。
産後ヨガの注意点
産後ヨガを始めるにあたって、いくつか注意点があります。ここでは、産後ヨガを行うタイミングについての注意点を2点ご紹介します。
1. 食後、2時間以内にやらない
食事をしてすぐに産後ヨガを行うのはあまりおすすめできません。なぜなら、食後は消化のために胃に血液が集まっており、そこで運動を始めてしまうと食べたものの消化が悪くなってしまうからです。また、満腹の状態だと深い呼吸がしっかりとできないため、効果的な産後ヨガを行うことができません。消化も進み、血糖値も安定してくる食後およそ2時間後以降に、ゆっくりと身体を動かしはじめましょう。
2. 入浴する前や入浴した後はやらない
入浴後は血行が促進されており、その状態でさらに産後ヨガを行って体を動かそうとすると、心臓に負荷がかかりすぎることになってしまいます。また、産後ヨガの後すぐに入浴するのも避けましょう。運動直後、本来なら疲労回復のために筋肉に回るはずの血液が、入浴によって全身へと回ってしまい、産後ヨガの効果が薄れてしまうのです。
産後ヨガのポイント
より効果的に、より楽しく産後ヨガを行うために、以下の3点のポイントに気をつけることが大切です。
1. 産後1ヶ月あたりから始める
産後6~8週間は「産褥期(さんじょくき)」と呼ばれ、10か月の妊娠および出産で大きく変化した身体が、妊娠前の状態に戻っていく期間のことをいいます。産後2~3週間もすると、会陰の痛みなども徐々に和らぎ、中には少しずつ運動を始めるママもいますが、自己判断による急な運動は絶対に避けてください。必ず医師から運動をして良いかどうか許可を得るようにしましょう。
産後1か月健診で子宮の戻り具合や全身状態が良好であることを確認し、その後もご自身の体調ときちんと向き合いながら、少しずつ産後ヨガに身体を慣らしていきましょう。
2. 呼吸に意識を集中させる
深く呼吸をすることで、脳の血流が良くなり、リラックス効果や集中力を高めることに期待できます。また、呼吸は交感神経・副交感神経といった人間の生命維持活動に欠かせない自律神経の働きにも大きな関わりがあります。夜中の授乳や夜泣きなどによる寝不足や産後のホルモンバランスの乱れ、慣れない新しい生活のストレスなどによって乱れた自立神経を整えることは、産後の回復に大変重要なことです。
しっかりとした呼吸法は、カラダとココロの両方を整えることを目的とした「産後ヨガ」になくてはならないものなのです。
3. 自分の体調やペースを重視する
さて、ここまで産後ヨガについていくつか記述してきましたが、一番大切なのはママの体調と心が安定し、赤ちゃんと笑顔で過ごすことです。「産後ヨガをすること」に精一杯になり、育児・家事をする体力や気力が残っていないなど、産後ヨガの本来の目的を見失うことのないよう心がけましょう。育児中は毎日が大変で気づきにくいことですが、我が子を”赤ちゃん”と呼べる時期は案外短いものです。「産後ヨガ」も、「赤ちゃんとの生活」も、自身のペースと体調を第一に考え、自分に一番ぴったりのスタイルを探してみてはいかがでしょうか。
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