今では趣味で習う方も多くなったバレエ。昭和音大舞台芸術センターバレエ研究所による2011年の調査によると、確認された日本全国のバレエ教室数は4,630か所に上るそうです。芸術的で、観客を別世界へといざなうバレエは人を引き付けてやみません。
今回は日本においてのバレエの歴史を振り返り、日本のバレエ団、日本人のバレエダンサーについてご紹介します。
1.バレエとは?バレエの歴史
ルネサンス期に西ヨーロッパで発生し広がった歴史ある歌詞や台詞を伴わない舞台舞踊です。
長いバレエの歴史と比べると、日本のバレエの歴史はとても短いと言えます。初めてクラシック・バレエが日本に入ってきたのは1912(大正元)年で、 イタリアのジョバンニ・ビットリオ・ローシーが帝国劇場に招かれ専属俳優にバレエを教えました。1922(大正12)年にアンナ・パブロワが来演、特に彼女の踊る『瀕死の白鳥』は 絶賛を浴びて、日本人にバレエの美しさを印象付けました。
戦時中は敵性芸術と見なされたため抑圧され、終戦後に再び息を吹き返していき、今では日本におけるバレエ人口は40万にも上ると言われています。(昭和音大の調査による)
日本のバレエ団4選(五十音順)
1.新国立劇場バレエ団
1997年にオープンした新国立劇場の中劇場を活動拠点としたバレエ団です。歴史が浅いにも関わらず、優れたダンサーに恵まれています。
2.チャイコフスキー記念東京バレエ団
1964年創立です。名称は「東京バレエ団」と呼ばれることが多く、正式名称よりもこちらの名称の方が知名度が高いかもしれません。演目のレパートリーの豊富さが特色で、日本だけでなく海外でも積極的に活動を行っています。公式サイトは日本語と英語を用意しています。
3.牧阿佐美バレヱ団
代表は牧阿佐美さん、芸術監督は三谷恭三さんです。ダンサーの層が厚いため、古典作品から現代作品までオールマイティーのバレエ団です。団員のテクニックの平均値がとても高いのが特徴です。
4.松山バレエ団
1948年に清水正夫さんと松山樹子さんが創設しました。団長でありプリマである森下洋子さんを筆頭に女性ダンサーの層が厚いことが特徴です。
日本人のバレエダンサー7人(五十音順/敬称略)
1.岩田守弘
1970年生まれ。1979年岩田バレエスクールでバレエを始め、1991年国立ロシア・バレエ団に入団しました。1995年にボリショイ劇場研究生となり、2003年にはボリショイ劇場の第一ソリストに昇格しました。(ボリショイでの外国人第一ソリストは史上初です。)2012年には退団し、国立ブリヤートオペラ・バレエ劇場バレエ団の芸術監督に就任しました。身長166㎝と小柄ながら卓越した技術を持つダンサーです。
2.上野水香
1977年生まれ。5歳でバレエを始め、93年15歳でローザンヌ国際バレエコンクールでスカラシップ賞を受賞後、モナコのバレエ学校に二年間留学し、同学校を首席で卒業した1995年、牧阿佐美バレヱへ入団しました。2004年に牧阿佐美バレヱ団を退団し、東京バレエ団にプリンシパルとして所属しています。
3.熊川哲也
1972年生まれ。10歳のときバレエを始め、89年ローザアンヌ国際バレエ・コンクールにてゴールド・メダル受賞。同年にロイヤル・バレエに東洋人として初めて入団し、四年のうちにプリンシパルになりました。98年には同バレエ団を退団し、次の年には日本でKバレエ・カンパニーを立ち上げました。空を飛んでいるような躍動感と爽快感にあふれた踊りが特徴です。
4.小林十市
1969年生まれ。落語一家の出身ですが、1979年にバレエを始め、1989年にスイスのベジャール・バレエ・ローザンヌに入団しました。2003年にバレエ団を退き、指導者の道を歩み始め、俳優、振付師としても活躍しています。
5.平野亮一
1983年生まれ。2001年ローザンヌ国際バレエコンクールにてプロフェッショナルスカラーシップ賞を受賞、研修生として入団し、2002年に正式入団しました。2016/2017年シーズンによりプリンシパルに昇格しました。長身を生かしたダイナミックな踊りと演技の幅の広さが魅力です。
6.森下洋子
1948年生まれ。三歳でバレエを始め、71年松下バレエ団に入団しました。74年ヴァルナ国際バレエ・コンクールで日本人初の第一位金賞を受賞しました。世界各地の劇場でも活躍し、2002年日本芸術院会員に就任しました。
7.吉田都
1965年生まれ。9歳でバレエを始め、松山バレエ学校に入学した後、1983年にローザンヌ賞を得て、英国ロイヤル・バレエ学校へ留学することとなりました。同学校卒業後、84年にサドラーズ・ウエルズ・ロイヤル・バレエを経て95年に英国ロイヤル・バレエに入団しました。2010年に退団し、今はフリーランスで活躍しています。軽やかさ、さわやかさが際立った踊りが特徴です。
最後に
いかがでしたでしょうか?アジア人は欧米人よりも線が細く華奢な印象を与えることもでき、ダンサーは男女ともに化粧を施すことでオリエンタルな雰囲気が引き立ちます。日本は世界中で活躍するバレエダンサーを多数輩出しています。
大人になってバレエを習い始め、表現力やしなやかさを身に着けた方もたくさんいらっしゃいます。あなたもバレエの楽しさを味わってみませんか?
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