洗面所は、洗面台や浴室が隣接しているため、結露やカビが発生しやすい環境です。そのため、リフォームを行う際には、機能性に優れた壁紙やクロスを選ぶことが重要です。
また、洗面所は圧迫感を覚えやすく、デザインコーディネートにも気を配らなければなりません。この記事では、洗面所リフォーム向けの壁紙・クロスの選び方や、費用相場などについてご紹介します。
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洗面所リフォームでの壁紙・クロスの選び方
洗面所に貼る壁紙やクロスは種類が豊富です。そのため、どのように選べばいいか悩む方も多いでしょう。壁紙・クロスの選び方を間違えると、後悔する可能性もあります。ここでは、洗面所の壁紙・クロスの選び方のポイントをまとめました。
1.水汚れに強いクロス素材を選ぶ
洗面所には水汚れに強く、耐久性に優れた素材のクロスを使用しなければなりません。洗面所に適したクロスの素材としておすすめなのが、ビニールクロスとオレフィンクロスです。
ビニールクロスは、機能性とデザイン性を兼ね備えている点が特徴です。他の素材に比べて安く、コストパフォーマンスに優れています。一方、オレフィンクロスは有害物質がほとんど発生しないため、健康被害の不安を抱える心配がいりません。
ビニールクロス
- 塩化ビニール樹脂が主原料で紙製の施工用シートを貼り付けたクロス
- 耐水性や吸湿性に優れている
- 水を通しにくく油汚れにも強い
- 拭き掃除で水汚れや化粧品汚れを簡単に落とせる
- 消臭や抗菌、防カビ機能つきなどの商品もある
- エンボス加工やプリント加工など、デザインバリエーションも豊富
- 有害物質のホルムアルデヒドが使用されているため、シックハウス症候群を招く可能性がある
- リフォーム費用を抑えたい方、アレルギーの不安がない方におすすめ
オレフィンクロス
- ポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂を主原料とするクロス
- ビニールクロスと性質が似ており、耐水性や耐衝撃性、防汚性に優れている
- 木目調や石目調など、ナチュラルなデザインも豊富
- ビニールクロスよりも価格相場が高い
- 有毒ガスはほとんど発生しないため、アレルギー体質の方でも安心
2.デザインテーマや色の使用数を決める
壁紙・クロスのデザインバリエーションは年々増えています。スタイリッシュやナチュラル、ゴージャスなど、事前に洗面所のテーマを決めておくことが重要です。
また、洗面所で使う色の数を限定しておくのも1つの方法です。3〜4色前後に限定すると、まとまった印象を与えられます。ホワイト・ベージュ・オレンジ・薄いピンクは清潔感や華やかさを演出できるため、おすすめです。
3.配色比率を意識する
インテリアのカラーコーディネートで使用される配色比率を意識して、洗面所の配色を考えるのも1つの選択肢です。配色比率は「70%:25%:5%」が黄金比率といわれています。70%がベースカラー、25%がメインカラー、5%がアクセントカラーの位置づけです。
3つの役割を以下の表にまとめました。
色の種類 | 役割や特徴 |
ベースカラー | ・もっとも多くの面積を占める色 ・メインカラーやアクセントカラーを引き立てる役割 |
メインカラー | ・インテリアや空間の中心的役割を果たす色 ・色や柄の違いが空間の印象に大きく影響 |
アクセントカラー | ・空間に変化をつけるために使用 ・ベースカラーやメインカラーと明るさを揃えるのが効果的 |
ベースカラーには、ホワイトやアイボリー、グレーなど、明度が低く見やすい色を選ぶのがおすすめです。また、ベースカラーにメインカラーと明度が近い色を選ぶと、全体が引き締まった印象を与えられます。
そして、アクセントカラーは面積が小さい一方、視線の関心や注目を集める箇所です。金色やピンクなどを選ぶと、インパクトを与えられます。
4.家電やインテリアと色を合わせる
洗面所に置かれている家具や住宅設備の色に合わせるのも1つの方法です。色のトーンが統一されると、スッキリとした印象を与えられます。
たとえば、洗濯機や洗面化粧台、洗面ボウルをホワイトに統一していたとしましょう。ホワイトを基調とした壁紙・クロスを選ぶと、清潔感や透明感を演出できます。
アクセントを与えたい場合は、タイル調や花柄の商品を選ぶのも1つの選択肢でしょう。
また、キャビネットや収納棚が木目調の場合、ブラウン系を選ぶのがおすすめです。全体のトーンが統一され、落ち着きや安らぎを感じる空間に仕上がります。
洗面所に置く小物の色や雰囲気も合わせて、まとまりを考えると良いでしょう。
5.大きい柄物を選ぶなら使い方を慎重に
近年はタイル調や木目柄など、柄を使った壁紙・クロスも珍しくありません。柄はデザインにアクセントを与えられますが、洗面所で使う場合は、小さめの柄物を使いましょう。洗面所はスペースが狭く、大きな柄が描かれていると圧迫感を与えます。
柄が途中で切れてしまい、意図していた印象を与えられない可能性もあるでしょう。柄物を使う際は、洗濯機や洗面化粧台の周辺など、施工範囲を限定しておくのが有効です。
洗面所に使用する壁紙やクロスに便利な機能
機能性の高い壁紙を選ぶことで、掃除やメンテナンスが楽になり、綺麗な状態が長持ちします。生活スタイルに合ったものを選んでください。ここでは、代表的な機能壁紙をご紹介します。
汚れ防止機能
洗面所に使用する壁紙・クロスは、水汚れに強い加工を施した壁紙・クロスを貼ると良いでしょう。
洗面ボウルの設計によっては洗顔や歯磨き、メイク落としの際に、水やお湯が周囲に飛散します。
子どものいる家庭の場合は、泥の付いた衣服や靴を洗う機会も多くあります。その時、土汚れが壁紙やクロスに跳ねると、シミや跡になりやすく掃除が大変です。
表面にフィルムのラミネート加工を施している壁紙・クロスを選ぶと、水拭きで簡単に汚れを落とせます。ダブルクリーン壁紙やフィルム汚れ防止壁紙などを選び、清潔な状態を保ちましょう。
抗菌機能
洗面所は湿気が多く、雑菌が繁殖しやすい環境です。水やお湯、洗剤の飛散によって、雑菌が繁殖する可能性も十分考えられます。
ご自身と家族への健康被害を防ぐため、リフクリーン壁紙やファンクレア壁紙など、抗菌作用を持つ壁紙・クロスを選択するのがおすすめです。
雑菌の繁殖を防ぐ効果が期待でき、アレルギーや感染症の発症を避けられます。
消臭機能
洗面ボウルや排水溝に汚れが溜まると、悪臭の原因となります。衣服に染み込んだ汗の臭いが洗面所全体に充満することもあるでしょう。
消臭機能を持つ壁紙・クロスを選ぶと、洗面所の不快な臭いを和らげられます。ファブリーズ壁紙やルームエアー壁紙などを選び、快適な空間をつくりましょう。
防カビ機能
洗面所は湿気がこもりやすい環境です。防カビ機能がついた搭載した壁紙・クロスを選ぶのがおすすめです。
仮に洗面所にカビが発生すると、水虫や皮膚炎、夏型過敏性肺炎など、さまざまな健康被害を及ぼします。黒カビが繁殖した場合は、完全に除去するのが困難です。
防カビ・撥水・抗菌機能がついたサンゲツSPやリリカラLBなどを選ぶことで、お手入れしやすくなります。
なお、防カビ機能を搭載した壁紙・クロスは、必ずしも洗面所全体に貼る必要はありません。洗面台や浴室付近など、カビが繁殖しやすい箇所にピンポイントで貼り付ける方法も選択できます。
防水機能
洗面台や浴室の付近など、水まわりは結露が発生しやすい状況です。防水機能がついた壁紙・クロスを選ぶと、壁に付着した水や結露を簡単に拭き取れます。
防カビ機能がついた壁紙・クロスは、防水機能も兼ね備えているケースが多いです。
洗面所リフォームでの壁紙・クロスの工事費用相場
洗面所の壁紙・クロスの張り替えを工事業者に依頼した場合、施工面積やクロスの種類などによって、費用は変わります。
壁の下地が劣化している場合、補修作業や下地処理が必要です。相場よりも多額の工事費用が必要になる点を覚えておきましょう。ここでは、おおよその費用相場をご紹介します。
ビニールクロス:約1,500円~4,000円/㎡
• 材料費(1㎡あたり): 500円~1,500円
• 施工費用(1㎡あたり): 1,000円~2,500円
• 合計費用(1㎡あたり): 約1,500円~4,000円
オレフィンクロス(Olefin Wallpaper):約2,200円~5,000円/㎡
• 材料費(1㎡あたり): 1,000円~2,000円
• 施工費用(1㎡あたり): 1,200円~3,000円
• 合計費用(1㎡あたり): 約2,200円~5,000円
洗面所リフォームの場合、リビングや寝室などと比べて施工面積がさほど広くありません。他の箇所を作業するときと比べて、リフォーム費用の計画が立てやすいです。
機能性やデザインを重視した、長く使えるものを選ぶのがおすすめです。
洗面所の壁紙・クロスに関するよくある質問
洗面所リフォームに関して多く寄せられた質問をまとめました。
洗面所リフォーム人気を集めるサンゲツの商品は?
株式会社サンゲツは、インテリア・エクステリア商品を扱う専門商社です。機能性とデザイン性を兼ね備えた壁紙を多数扱っています。洗面所での使用に適した壁紙は、フィルム汚れ防止壁紙と吸放湿壁紙です。
フィルム汚れ防止壁紙はバリアタイプとバランスタイプ、2種類から選択できます。バリアタイプは防汚性に優れている点が特徴です。汚れが付きにくく、仮に付着しても水拭きで簡単に汚れを落とせます。
抗菌性と耐薬品性にも優れており、お手入れに中性洗剤を使用しても問題ありません。一方、バランスタイプは水汚れに特化した汚れ防止機能を搭載し、清潔な状態を長く保てます。施工もしやすく、美しい仕上がりを望める点が魅力です。
また、吸放湿壁紙は調湿性に優れ、結露やカビの発生を抑えられます。
洗面所リフォームでおすすめの防水性壁紙とは?
ファンクレア壁紙やリフクリーン壁紙がおすすめです。ファンクレア壁紙とは、水汚れに強いファンクレア®フィルムを表面にラミネートしたタイプの壁紙を指します。大腸菌や黄色ブドウ球菌の繁殖も防げるため、育児中の方も安心できるでしょう。
ファンクレア壁紙はルノン株式会社や東リ株式会社が扱っています。一方、リフクリーン壁紙とは、防水・消臭・防カビ機能など、多くの機能を搭載した壁紙です。ファンクレア壁紙は、シンコールインテリア株式会社が扱っています。
洗面所の壁紙を貼りかえる際のデザインのポイントは?
ご自身のデザインテーマに合っているか、家具や小物との相性は悪くないかなど、複数あります。テーマに関してはスタイリッシュやナチュラルなど、リフォーム前にどのような雰囲気にしたいか、決めておくことが重要です。
アイデアがまとまらない場合は、工事業者の担当者に相談しながら固めていきましょう。また、洗濯機や洗面ボウル、キャビネットの色と合わせると、統一感を演出できます。落ち着いた色を選ぶと、小物がカラフルな場合でも色目立ちを避けられるでしょう。
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監修したプロのコメント
洗面所の壁紙・クロス選びは選択肢が多く、悩む方が多いです。比較的狭い空間のため、配色や柄選びで失敗しやすいのが特徴です。理想の空間を作るには、施工事例を参考にしつつ、プロの意見を聞くことをおすすめします。これにより、機能性とデザイン性のバランスが取れた、満足度の高い仕上がりが期待できます。
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