HIPHOPカルチャーの枠を飛び越えて、今では一般にも広く浸透したブレイクダンス。その激しいパフォーマンスをTVなどで一度は目にした事もあると思います。
そのトリッキーな動きから『カッコいいし踊ってみたいけど、難しそう』と思われがちなブレイクダンスですが、数多くある他のダンスと同じく、練習すれば意外と出来るものなのです。
そんなブレイクダンスの技の種類、初心者でもブレイクダンスを踊れるようになるコツや練習法、オススメの技などを紹介していきます。
ブレイクダンスの技の種類や名前一覧
1.チェアー
ブレイクダンスとは主に4つの動作から構成されています。その最後の動作、いわゆる『決めポーズ』ですね。ブレイクダンスでは、『フリーズ』と言います。その代表格なのがこのチェアーです。
名前の由来は、クールに足を組んで椅子に座っている姿を見て、どうにかダンスに取り入れられないかとはじめたのがきっかけと言われています。
ダンスの締めでもあり、また途中で一度フリーズを挟む事によってダンスにメリハリをつけるなど、ブレイクダンスの基礎と言われる技の一つです。
2.ハローバック
逆立ちの状態から、身体を反対方向にせり出した形でキープする技です。ハローバックも同じく、フリーズと呼ばれる部分になります。
頭を地面に着け、両足を弓なりに反対方向にせり出す派生技で、アローバックという技もあります。
3.トーマスフレア
トーマスフレアとは、床についた両手を軸にして、開いた足を旋回させる技です。ブレイクダンス4動作の一つ『パワームーブ』と呼ばれる部分になります。パワームーブと言う名前からも分かるとおり、メインとなるダイナミックな技が多いパワームーブですが、その中でも比較的難易度が高いと言われる技です。
名前の由来は、元々は体操選手が使用していた技をブレイクダンスに取り入れたのがきっかけで、その体操選手の名前からトーマスと呼ばれています。
4.ウィンドミル
ウインドミルとは、背中や肩を軸にしてコマの様に旋回するパワームーブの事です。ブレイクダンスと言えばコレを想像する方も多いのではないかと思われる程代表的な技で、パワームーブの基礎的な技です。
5.ジャックハンマー
ジャックハンマーとは、片手を軸に身体を地面と水平になるように浮かせたまま、片手で飛びながら旋回する技です。これもパワームーブの技の一つですが、その難易度は非常に高く、綺麗に技を決められるようになるには相当な練習が必要となります。
両手を軸にするクリケットの派生技で、ワンハンドクリケットとも呼ばれます。
初心者がブレイクダンスにおける技を選ぶポイント
1.あまり筋肉を必要としない技
ステップやターンで優雅さを表現するダンスとは違い、身体全体、頭のてっぺんからつま先までを使ったダイナミックな動作が要求されるブレイクダンスでは、相当な筋力が必要になります。
そのため、初心者の方はなるべく筋力を必要としない技から練習する事をオススメします。自分の身体と相談して、無理の無い技を選ぶようにしましょう。
2.シンプルな技を選ぶ
やはりブレイクダンスと言えば勢いのあるパフォーマンスが魅力ですが、初心者が挑戦するにはハードルが高すぎます。『難しい技にチャレンジしたのはいいが、全然出来なくて投げ出してしまう』なんて事も珍しくありませんので、まずはシンプルな技から練習しましょう。
基礎と構成がしっかりとしていれば、シンプルな技でも他のダンスに比べるとダイナミックな動きですので、インパクトは絶大です。コツコツと基礎を固めていきましょう。
初心者向け!難易度が低めな技の練習方法
1.トップロック
リズムに合わせて立ったまま踊る、ブレイクダンスの冒頭部分の事を『エントリー』と呼びます。その代表的であるステップがトップロックです。
・身体の前で腕を交差させる
・片足を前に出すと同時に、両手を左右に大きく開く。
前に出す足を左右交互にするだけで、基本的な動作はこの二つの繰り返しです。この時気をつけたいポイントは、前に出す足は真っ直ぐではなく、軸足の前に出すようにしましょう。
単純な基礎ステップですが、その分ごまかしが効かない部分でもありますので、何度も練習しましょう。
2.6歩
6歩とは、屈んだ状態で足を素早く動かす『フットワーク』と呼ばれる部分の技です。6回の足運びで一つの動作となるため6歩(シックスステップ)と言われます。
・四つんばいの状態になる。
・右足を左足の前に出す。右手は浮かす。ステップ1。
・左足のすねを、前に出した右足の膝裏に当てるように出す。ステップ2。
・伸ばしていた右足を戻す。ステップ3。
・地面に着いている左手を右手に入れ替えながら、右足を伸ばし、右に滑らせるように運びながら左足首に膝裏を当てる。ステップ4。
・右足を後ろに出す。ステップ5。
・左足を後ろに出す。これで元の状態(四つんばい)に戻る。ステップ6。
これが一連の流れです。ポイントとしては、最初の四つんばい時に頭より腰を上げない事。膝はつかない事です。初心者は、まずこの姿勢をキープする練習から始めましょう。
ステップ2のポイントは、身体を少し前に出す感じで行います。床についている右手が身体より前に出ていない状態にしましょう。
ステップ4は、6歩の中でも一番難しい動作になります。全てのステップに共通して言える事ですが、まずは一つ一つの動作をスローモーションのようにゆっくりと行っていくことが上達の近道です。
3.チェア
チェアーの練習方法ですが、ご家庭にある椅子を使用して練習していきます。
・四つんばいの状態から椅子の座面部分に両足を乗せ、身体を地面と水平に保つ。
・右手の指先を右方向へ向け、肘を脇腹に当てる。頭も床につける。
・左足を椅子から離し、曲げた状態にする。
・右足を椅子から離す。
これが一連の流れです。ポイントは脇腹に当てた右肘で、しっかりと重心を取る事です。手首を痛めやすいので、事前のストレッチは必ず行い、上記の手順で少しでも痛みを感じたら無理をせず中止するようにしましょう。
4.マックス
マックスとは、片手を軸に身体を宙で止めるフリーズの技です。
・側転の要領で左手を地面につけ、左足を身体に寄せるように伸ばし、身体を宙で止める。
宙でキープした姿勢が、キックをしているような体勢になる感じにするといいでしょう。ポイントですが、軸手と同じ方向の足を意識してしっかり身体に寄せることです。
最後に
ダイナミックなパフォーマンスで、敷居が高いイメージを持たれがちなブレイクダンスですが、初心者でも練習すれば出来る簡単な技も沢山あります。
基礎を練習する事で、体幹や筋肉のトレーニング効果も期待できますので、まずは基礎から初めて、いつかは高難易度の技に挑戦できるように頑張りましょう。