文部科学省はプログラミングの学習を2020年度から小学生に対しても必修にします。2020年に小学1年生になる子供は、2037年前後には社会人として働き始めます。パソコンの資格どころか、プログラミングができる習熟度で社会に出てくるということになります。
あなたはパソコンの資格を持っていますか。資格取得を目標にすると合格/不合格で結果がわかるうえ、全く未知の内容でもテキストをみながら勉強する内容や道筋、計画を立てることができますよ。
ここでは、ぜひ取得しておきたいパソコンの資格を6種類紹介します。プロのパソコンインストラクターによるパソコン教室を主催する専門家にも意見をいただきました。
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1:パソコンに関する6種類の資格
2:パソコンに関する6種類の資格の、勉強にかかる費用と受験料
3:資格を取得する意味3つ
白井 潔さま
代田橋(京王線)、東松原・新代田(京王井の頭線)から徒歩10分圏内の主に小中学生を対象とした個別学習指導塾セルモ羽根木教室と、女性向けのパソコン教室(ワルツパソコンスクール)代表。
個別学習指導塾 セルモ羽根木教室では、最新のICT教材や塾専用問題集を使用し、個別カリキュラムで管理・指導。中学・高校の受験対策から、学校の補習授業、先取り学習、戻り学習(学園を戻って学習)等、ご要望に応じて内容を作成している。
女性向けのパソコン教室 ワルツパソコンスクールでは、パソコン初心者の方からMOSの取得を目指す方まで年齢問わず、専門の女性インストラクターによる親切、丁寧な指導に定評がある。
1:パソコンに関する6種類の資格
1.MOS試験
MOS試験(Microsoft Office Specialist)は、Microsoft社が提供している国際資格です。Word・Excelの他、PowerPoint、Access、Outlookといったアプリケーションの操作スキルに関する資格を取得できます。
資格レベルは二段階で、一般レベルは関数を利用したデータの集計、グラフやテーブルの作成など基礎的な操作スキルが問われます。エキスパートレベルと言われる上級レベルになると、高度な機能を使ったグラフ作成やデータ作成、関数を使ったデータ分析・ビジネス分析といったスキルを取得できます。しかし難易度はそれほど高くなく、高校生からの資格取得にも適しています。
公式試験は全国の指定会場で毎月1~2回ほど実施されるほか、国内のパソコンスクールでも随時試験が行われます。
2.日商PC検定
日商PC検定は、商工会議所が運営している資格です。商工会議所とは、日本の商工業の発展を目的として組織され、様々な業種・業態の企業及び商工業者が加盟している公益経済団体です。
レベルはベーシック(基礎)から1~3級までの四段階あり、ベーシックでは表計算などの基本操作を学び、トップレベルの1級では企業責任者が実務で活用できるパソコンスキルを取得できます。
試験内容には3種類あり、Wordを利用したビジネス文書作成スキル、Excelを利用したデータ作成や分析スキル、もうひとつはPowerPointを利用したプレゼン資料作成スキルです。どれも企業で活躍するには欠かせない能力ですが、自分のレベルや目的に合わせて組み合わせることができます。
資格試験は全国のネット試験会場で随時開催されており、試験の後すぐに合否がわかることがメリットです。
3.Word文書処理技能認定試験、Excel表計算処理技能認定試験
Word文書処理技能認定試験およびExcel表計算処理技能認定試験は、様々な認定試験を運営しているサーティファイソフトウェア活用能力認定委員会が実施している民間の検定試験です。ワードとエクセルのスキルを、ビジネス現場ですぐに活用できるレベルで身に付けることができます。
試験は知識試験と実技に分かれており、実技では実際に仕事で使うような出題項目になっているため即戦力も補えます。試験レベルは1級~3級の三段階で、1級は難易度が高くビジネス図表・ビジネス帳票のデータ分析や、高度なアプリケーション機能を駆使した業務を効率的に処理できるまでに至ります。
試験は、試験会場に指定された全国の教育機関やパソコンスクールで随時実施されています。企業や学校で導入されていることも多いようです。
4.PowerPointプレゼンテーション技能認定試験 初級・上級
様々な認定試験を運営しているサーティファイソフトウェア活用能力認定委員会が実施しているPowerPoint専門のパソコン資格です。実技試験では、実際にビジネス現場で使われるようなプレゼンテーション資料の作成が題材になっており、学んだスキルが業務の効率化に直結します。
試験レベルは初級と上級の二段階で初級は実務のみ、上級は知識問題と実務試験があります。
5.AccessRビジネスデータベース技能認定試験
AccessRビジネスデータベース技能認定試験とは、マイクロソフト社のアプケーションであるAccessのスキルを身につけられる試験で、サーティファイソフトウェア活用能力認定委員会が実施している民間認定試験です。
Accessは簡易的なシステムを開発できるデータベースアプリケーションで、エンジニアでなくても、Accessに内蔵されている機能から様々なシステムを構築することができます。資格階級は、1級~3級までの三段階で、1級になるとビジネス現場での高度なデータベース構築ができるようになり、例えばビジネス帳票の効率的な処理システムの構築などに役立ちます。
Accessのスキル保持者はワードやエクセルほど多くないため、就職活動では希少性の高いスキルを持つ人材として評価の対象になるでしょう。
6.VBAエキスパート
VBAエキスパートとは、VBAを使ったパソコンスキルを身に付けられる資格です。主催しているのは、日本国内でMOS試験を運営しているオデッセイコミュニケーションズです。この資格以外にも、様々な国際資格を提供している資格の運営管理会社です。
VBAとは、マイクロソフトのアプリケーションに使われているプログラミング言語です。VBAを使いこなせれば、ワードやエクセルにおけるデータを自動入力するシステム構築をはじめ、ビジネル帳票やデータ管理作業のオートメーション化、大量データの一括管理や作業を効率化するシステム開発ができます。就職活動や転職活動の際には、一歩抜きんでたスキルとして他者との差別化も図れます。
試験内容はExcelVBAとAccessVBAに分かれており、それぞれベーシック・スタンダ―ドと2つのレベルがあります。表やグラフに関わるデータの自動入力や一括管理のスキルならExcelVBA、高度なシステムの自動化や品質製造管理に関わるデータベースのシステム構築を行うならAccessVBAで、SEやプログラマーなどのプロフェッショナル向けになります。
パソコンに関する6種類の資格の、勉強にかかる費用と受験料
1.MOS試験の費用と受験料
各出版社でMOS試験を独学で勉強できるテキストや問題集が販売されています。価格は平均2,000円ほどで、価格帯は1,800~2,500円程度です。教材の内容は、フルカラーで丁寧に解説されたもの、本格的な模擬試験を収録したものとさまざまなので、内容を見てわかりやすいものを選ぶとよいでしょう。
講座やパソコン教室に通うなら、MOS試験対策として専門で教えてくれる講座が適しています。講座の平均価格は受講1回あたり2,000円で、価格帯は1,500~3,000円程度です。試験までには8~11単位ほど受けてから試験に臨みます。
受験料はスペシャリストレベル(一般レベル)で受験料10,584円(学割8,424円)、エキスパートレベル(上級レベル)は受験料12,744円(学割10,584円)がかかります。
2.日商PC検定
独学での知識習得には、商工会議所公式の問題集があります。価格は3,240円です。また商工会議所が運営するパソコン教室もあり、1回(50分)の受講は1,000円です。資格対策コースもあります。
もちろん一般的なパソコン教室でも資格対策講座があり、試験に対応できるまでには6単位~11単位あります。1講座の平均価格は2,000円程度で、価格帯は1,500~3,500円程度です。
受験料はレベルによって大きく異なり、1回の受験料は4,120~10,290円かかります。基礎級(ベーシック)受験料4,120円、3級 受験料5,140円、2級 受験料7,200円、1級 受験料10,290円です。
3.Word文書処理技能認定試験、Excel表計算処理技能認定試験
自主学習には、サーティファイが発売している問題集が便利です。過去問題と併せて、パソコンで実施できる模擬試験問題もあります。価格は1,800~2,000円です。
また、テキストでの独学が苦手であればe-ラーニング式の学習プランもあります。eーラーニングは動画を使った講義形式であるため、テキストよりも分かりやすいと感じる人も多いでしょう。購入価格はOfficeバージョンによって異なり10,800円~24,900円です。利用するには問題集も同時購入する必要があります。
パソコン教室に通う際は、サーティファイ認定試験対策講座を選びましょう。1講座の平均価格は3,000円、価格帯は2,800~3,500円程度です。一般的なWordコースやExcelコースでも学ぶことはできますが、試験内容の傾向を把握しておくのであれば専門コースが最適です。受験料は級ごとに異なり1級7,900円、2級6,800円、3級5,800円です。
4.PowerPointプレゼンテーション技能認定試験 初級・上級
PowerPointプレゼンテーション技能認定試験も自主学習用の問題集が販売されており、価格はOfficeバーションによって2,100~2,400円です。eーラーニングの購入価格はOfficeバージョンによって異なり10,800円~24,900円と同価格で提供されています。
講座やパソコン教室は、1回の講座あたり平均価格3,000円ほどで、価格帯は2,800~3,500円です。ただし、PowerPointプレゼンテーション技能認定試験を専門とした対策講座を開催しているパソコン教室は少ないため、自分のレベルに合わせて一般的なPowerPoint講座からスタートするとよいでしょう。受験料は、初級5,800円、上級6,900円です。
5.AccessRビジネスデータベース技能認定試験
自主学習を行うには、主催元が発行しているAccess®ビジネスデータベース技能認定試験の問題集がよいでしょう。試験を模擬体験できるプログラムも掲載し、試験の対応力も鍛えられます。本誌は2,700~3,000円で販売されています。
パソコン講座は、1講座の平均価格は4,000円、価格帯は3,000~5,000円程度です。試験対策コースは少ない傾向にありますが、Access®の基礎・応用コースを取り扱っているパソコン教室は多くあります。受験料は、1級7,900円、2級6,800円、3級5,800円です。
6.VBAエキスパート
独学で知識を習得する場合は、VBAエキスパート公式の模擬問題テキストが販売されており、ベーシックとスタンダードそれぞれのレベルに合わせて一冊3,024円(送料540円)です。テキストには学習用のサンプルコードプログラムデータが付いており、パソコンがあれば実践しながら学ぶこともできます。
パソコン教室でのVBAエキスパート資格対策コースは、1講座あたりの平均価格は3,750円程度、価格帯は3,000~4,500円です。ベーシックとスタンダードの2科目のセットの講座であればお得に受講できます。
受験料は、ベーシックとスタンダードで価格が異なり、ExcelVBA及びAccessVBAベーシックは12,960円(割引受験制度適用時11,664円)、ExcelVBA及びAccessVBAスタンダードは14,580円(割引受験制度適用時13,176円)です。MOS試験の資格を持っている人は割引価格で受験できます。
【専門家に質問】MOS試験について、どのような人が取得を目指していますか?世代や職業、レッスンを受ける方が「勉強をして資格を取得をする」と決めた、勉強に至った背景を教えてください。
就職活動に備える学生や派遣登録(デスクワーク)しようとしている方、すでに仕事をお持ちの方でもMicro Officeを使いこなしたい方など、自分のステップアップを考えられている方々がそれぞれのスタンスで合格を目指して学習されているようです。
最初は興味本位でWordやEXCELを学習された主婦層の方でも、より高い目標を設定するためにMOSにチャレンジしようとされている方もいます。以下は具体的な生徒の例です。
10代 高校生、専門学校生
「MOS受験対策授業をとり、勉強しています。」
10代 大学生
「就職活動に入る前の、時間に余裕がある時に、MOSを取得しておこうと考えました。」
20代 会社員
「転職先が決まり、人事担当者から『出社までにExcelを一通り使えるようにしてほしい』と言われ、MOS対策を行えば一通りの機能が学べると思いました。」
40代 アルバイト
「パソコン操作が苦手で仕事内容が限られているが、できるようになって仕事の幅を広げたいです。パソコンができることを証明するためにMOSを取得したいです。」
50代 派遣社員
「MOS取得が条件の派遣先で働きたいので、MOS合格証が必要です。そのために取得しようと考えました。」
50代 会社員
「Excelの、使ったことのない機能を使い、事務仕事を効率的に進められるようになりたいです。機能を広く知るには、MOS対策学習が早道と考えました。」
50代 自営業
「顧客へプレゼンするためにPowerPointを使いこなしたいが、Word・Excelに比べて短期スクールが少ないです。PowerPointを一通り学ぶには、MOS対策がよいと考えました。」
資格を取得する意味3つ
1.必要最低限の知識を身につけるため
企業では膨大な量のデータを効率的に処理するため、必ずワードやエクセルを利用します。また、営業活動や商品企画の際にはパワーポイントが使えなければ資料が作れません。ワード、エクセル、パワーポイントの基本操作は必要最低限スキルと言えます。
社会人になれば必要に応じて社内教育がありますが、パソコンスキルをゼロから教えてくれる企業はほぼありません。ぜひ事前にスキルを取得しておきましょう。
2.他の人と差をつけるため
基本操作はできて当たり前というイメージがありますが、もう少しレベルの高い関数やマクロといった応用スキルは必ずしも必要とは限りません。実際に、社会人でも使いこなせない人が多くいます。その中で高度なスキルを持っているとあれば、他者と大きな差をつけられます。
3.転職や就職を有利にするため
最近では履歴書にPCスキルを書くことが必須になりつつあります。「エクセルが使えます」と書いてもよいのですが、企業側からすれば「どの程度できるのか」といったスキルのレベルが重要になります。
その点、資格があればスキルレベルが分かりやすく、さらにそのスキルは公的にも証明がされています。就職や転職ではスキルが確実に提示できるため、アピールポイントとして有利になるはずです。
資格の勉強ではありますが、新しいことを学ぶことは非常に楽しいことです。
【専門家より】最後に
資格の勉強やMOS試験の勉強をするときは、新しい機能をひとつひとつ学習しながら、知識が増えていくことを楽しみながら学習していただければと思います。
当教室は女性のためのパソコンスクールで、少人数にて和気あいあいとした雰囲気でパソコンを通じて、いろいろなことを学習していきます。
MOSのような資格の取得を目標とされてもいいですし、未知の分野にどんどんチャレンジされてもいいと思います。
インストラクターも全員女性ですが、インストラクターも全員、会員の皆さまとの会話も楽しみながら仕事をさせていただいております。
初心者の方でもまったく問題ございません。
できるかぎりのサポートをさせていただきます。