犬が肉球を舐めるという光景はよく見られると思います。多少舐める程度でしたらそこまで気にする必要はありません。ただし異常に舐めている姿が続くようであれば、早めにかかりつけ医に相談しましょう。肉球が真っ赤になるまで舐めてしまう子も多くいます。
ここでは犬が肉球を舐める理由やその対処法と手入れ方法を説明しています。
(こちらの、ペットの医療に関するサイトを参考に執筆しています。ご自身でも調べるようにしてください。また不安な場合は必ず獣医の判断を仰ぐようにしてください。)
犬が肉きゅうを舐める理由
1. もともと犬は肉きゅうを舐めるもの
病気以外で犬が肉球を舐めたり噛んだりする理由は幾つかあります。
・グルーミング
・ストレス発散
・退屈しのぎ
・体温が高いとき
基本的に犬が肉球を舐める理由はこの4つです。
グルーミング
グルーミングとは犬の毛や皮膚の手入れをすることです。体に傷があったり、目に見えない寄生虫などを駆除していたりする場合もあります。この行動自体は異常なことではなく、むしろ正常な行動なのです。
ストレス発散、退屈しのぎ
退屈しのぎとストレスは似ていますが、忙しい飼い主がほとんど犬に構うことなく放置していると、退屈してストレスが溜まってしまうことがあります。そんなときには一緒に遊んであげたり、散歩に行ったりとストレス発散に協力してあげましょう。そうすることで少しずつ改善されていきます。
体温が高いとき
犬の体には人間と違って汗をかくための汗腺が肉球にしかありません。そのため体温調節が苦手です。汗腺のある肉球を舐めることで冷却させている場合もあります。
2. 肉球が赤くなって炎症を起こしている
肉球を舐めすぎて炎症を起こして赤くなる場合もあります。赤くなるまで舐めてしまうときには病気を疑うべきでしょう。アレルギや皮膚炎、もしくは過度のストレス、この2つが大きな要因だと考えられます。
アレルギー、皮膚炎
病気の場合はアレルギーや皮膚炎、ダニなどの疑いがあります。アレルギーによる皮膚炎は人間と同じでアレルギーの原因を取り除くしかありません。原因は様々です。アトピー性皮膚炎は、犬の餌にアレルギー物質が含まれている、花粉やハウスダストなどの環境要因が原因で起こることがあります。接触性皮膚炎は、首輪などに付いた金属、洋服の繊維、草や木など、毎日体に触れているものや散歩で出会ったものからの刺激が原因になりえます。
どちらのアレルギーも家庭環境の改善が必要ですが、まずは病院でかゆみを抑えるなどの緩和ケアが必要になってきます。また、原因の特定も必要になるので必ず病院の診察を受けましょう。他にもマラセチアやニキビダニなど犬の皮膚病の原因は様々です。
過度のストレス
軽いストレスの場合は遊んであげるだけで肉球を舐めることをやめますが、過度のストレスの場合肉球に炎症が起きるまで舐め続ける場合もあります。また、日々の軽いストレスによる肉球を舐める行動が常習化してしまって舐めてしまうこともあるため、できるだけストレス発散の協力をしてあげましょう。
3. 足に怪我をしている
散歩や山登りなどアクティブに出かける犬は、肉球に小石やトゲが刺さってしまうこともあり、怪我を治そうとして必死に舐めます。傷口からばい菌が入って悪化してしまう場合もあるので注意してみてあげましょう。
4.肉球と 爪の間に異物が引っかかっている
肉球と爪の間に異物が引っかかってしまうことは多々あります。特に大型犬の場合爪の隙間が大きいことや散歩に行く機会が多いこと、外犬の場合はなかなか足を拭いたり洗い流すことがないという理由から異物が長期間放置されてしまい、犬が自分で取り除こうとして、噛んだり舐めたりをやりすぎて、悪化してしまうこともあります。
肉きゅうの状態別に見る犬の健康状態
1. 肉きゅうが赤い(肉球が赤くなって腫れている)
肉球がいつもより赤い場合のほとんどは舐めすぎてしまうことによる炎症です。舐めすぎて起きてしまう指間炎が考えられます。この病気は舐めすぎて起きてしまう病気です。アレルギーやニキビダニなどが原因でない場合は指間炎の可能性があります。
かゆみや痛みが発生するためそれらを取り除こうとしてどんどん舐めることで悪化します。皮膚病の可能性もあるので獣医師への受診をお勧めします。
2. 肉きゅうがピンク色
肉球がピンク色の子犬も多いです。これは肉球の色素の問題で病気ではありません。もともと肉球が黒い子もいればピンク色の子もいるので特に心配はありません。
3. 肉きゅうが黒い
子犬の頃は鮮やかなピンク色だったのに成犬になるにつれて肉球が黒くなってしまった!ということはありませんか?これは病気ではありません。
犬の肉球は足を守るクッションの役割をしています。何度もお散歩に行っておうちでも元気に走り回ることで皮膚が鍛えられて色素沈着をしていくことによって犬の肉球は黒くなると言われています。
4. 肉きゅうに白いできものがある
犬の肉球に白いイボのようなものができたことはありませんか?それは幾つかの可能性があります。腫瘍であったりただのイボだったり、カビが繁殖していたり、外部寄生虫と出会ったりと原因は様々です。腫瘍には人間と同じように悪性と良性があります。
良性腫瘍
しこりや腫れはゆっくりと大きくなっていきます。良性の腫瘍であれば転移などもなく、命に問題のないと言われています。特に問題もないものなので経過を見ることが多いですが、手術で取り除くこともあります。
悪性腫瘍
悪性腫瘍の特徴はしこりが急激に大きくなることです。まれに見た目の変化を感じないということもありますが一般的にしこりの大きくなるスピードは速く、他臓器への転移があります。発見が遅れると命に関わる可能性もあります。
イボ
年をとることでイボができやすくなります。できたイボが何かに引っかかって出血してしまうなどの可能性もあるので注意しましょう。あまり気にしてしまって飼い主がイボを触りすぎると悪化してしまうこともあるため、触りすぎないようにしてください。足の裏を洗う、拭くときにはイボをこすらないように気をつけましょう。
外部寄生虫
常在菌によって出来物ができることもあります。免疫力の低下などによってブドウ球菌が繁殖し、膿皮症などの原因になります。投薬などの治療も必要になるので病院に行くようにしましょう。
5. 肉きゅうや足の裏から血が出ている
散歩などの際に肉球に怪我をしてしまうことがあります。自然に治癒することが多いですが、出血が多い、傷が深い場合は対処が必要です。衛生的なタオルやガーゼで止血をしてください。出血が多く止血しても止まらない場合は必ず病院を受診してあげてください。
足を触られることを嫌がる犬もいます。足を飼い主にすら触らせない犬は傷口から雑菌が入る可能性もあるため病院で処置してもらうといいでしょう。
6. 肉きゅうが乾燥している
犬の散歩の後にウエットティッシュで拭いたり水洗いをしたりしていませんか?拭いた後にしっかりと乾燥させていますか?なんとなくドライヤーを当てただけでは冬の乾燥の季節には肉球のひび割れの原因になってしまいます。なんども水洗いをすることによって皮膚表面にある必要な脂も流れてしまうことになります。
過度に清潔にすることはお勧めできません。散歩の後にはタオルで拭く程度にすることがお勧めです。また、ペット用品のメーカーはこまめに洗うことを勧めてきたりもしますが、それによって乾燥した肉球をケアする商品を売りたいだけではないか?という獣医さんもいるようです。
病気や加齢に伴う乾燥の場合は必要になりますが、過度な清潔は犬の免疫力の低下につながることもあります。肉球の洗い過ぎをやめてもカサカサが治らない、粉を吹いたりひび割れをしているというときには注意が必要です。傷口から雑菌が入り込み炎症の原因になります。
乾燥の原因は?
アスファルトの上ばかり散歩させていませんか?衝撃が強いアスファルトの上ばかり散歩させていると肉球を痛めてしまいガサガサになってしまう子もいます。また、夏場のアスファルトが熱い時間に散歩に行くと火傷をしてしまうこともあるので注意しましょう。
他にも加齢により水分量が減ってしまって乾燥する場合もあるため、ひび割れを起こして痛みで歩きたがらなくなってしまう老犬もいます。病院を受診して対処法を確認しましょう。
7. 犬の肉きゅうが冷たい
犬の肉球が冷たいということはありませんか?犬にはシングルコートとダブルコートの、2種類の毛の生え方があります。シングルコートで代表的なのはプードルやシーズー、ヨークシャテリアです。ダブルコートでわかりやすいのは柴犬です。ダブルコートの犬は換毛期に、表面の硬い毛はあまり抜けませんが中のふわふわとした綿毛のような毛がたくさん抜けます。
シングルコートの犬は特に、そしてダブルコートの犬でも、育った環境や老齢などで寒さに弱くなります。体の冷えが引き起こす病気には、呼吸器疾患、泌尿器系疾患、感染症、低体温症などがあります。過保護すぎるのは良くないと考える方も多いでしょうが、犬の体調や体質、毛量に合わせた管理が必要です。
犬の肉きゅうの手入れ・ケアの方法
1. 足と肉球はこまめにタオルで拭いて清潔を保つ
肉球は、散歩から帰ってきたときに足を洗った際は肉球と肉球の間までしっかり乾かしましょう。ウエットティッシュを使って拭く場合でも同じです。肉球の間が湿った状態にあると雑菌が繁殖しやすくなり、あまり良くありません。できればタオルなどで拭く程度に止めたほうがいいでしょう。
2. 肉球はスキンケア材で保湿する
スキンケア材は、使ったほうがいいという意見と、いらないという意見に分かれます。しかし「状況によって必要」というのが一番正しいかもしれません。人間も、乾燥予防にクリームを塗る人と、塗らない人がいます。同じことです。
日常的に塗ってあげることを過保護だと感じる方もいますが、加齢などで肉球が乾燥しひび割れてしまうことを防ぐのはいいことです。ただしクリームを塗りすぎた肉球でフローリングなど滑りやすい場所を歩かせると、足腰に負担がかかるかもしれません。犬の行動範囲にはカーペットや滑り止めマットを敷いてあげるなど考慮しましょう。
まとめ
犬の肉球は皮膚と違った感触ですが、皮膚と同じ構造です。また、体温管理や足の保護など大切な役割を持っています。肉球を痛めることで歩くのが辛くなってしまう子もいるのでケアはしっかりとしましょう。最近では肉球のケア用品なども売られていますが、市販のケア用品が信頼できないと感じる場合は獣医師の診察をお勧めします。
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