ダンベルトレーニングはマシントレーニングとは異なり、フリーウェイトトレーニングの一つとして数えられるトレーニングです。筋肉に負荷をかけるダンベルを自由自在に動かすことで“緊張”と”興奮”そして“集中”することができ、以前に説明させて頂いた予測適応能力を引き出すための重要なポイントとなります。その効果は絶大です。
その分誤った知識、フォームでトレーニングしてしまうと、ターゲットとする部位に負荷をかけられないほか怪我にもつながります。
ということで今回は“ダンベルトレーニング”について触れていきましょう!
ダンベルでの筋トレについてのポイント5つ
1.ダンベルとは?
ダンベルとは片手で扱うトレーニング器具で、和訳すると「亜鈴(あれい)」となります。英語ではダン(dumb)ベル(bell)=音のでない鐘となります。鐘をならす運動(西洋の鐘はロープを引っ張ってならす)にトレーニング効果があるということで、トレーニング用に“音のでない鐘〔ダン(dumb)ベル(bell)〕”が用いられるようになり、形をかえて現在の片手で扱うトレーニング器具になりました。
ちなみに、バーベルは文字通り“バー(棒)”に重りをつける器具で、ダンベルから派生した造語とされています。
2.ダンベルを使った筋トレの効果
冒頭でも触れましたが、ダンベルトレーニングはフリーウェイトトレーニングの一つとして数えられます。フリーウェイトトレーニングは自由自在に動く“重り(ダンベル)”をコントロールして筋肉に負荷をかけます。
自由に動く重り(ダンベル)をコントロールするには“緊張”と”興奮”そして“集中”が不可欠です。“緊張”、”興奮”、“集中”は予測適応能力を引き出し、身体自らに変化をもたらす効果があります。マシントレーニングでは負荷はかけられるものの、安全が保障されている分だけ“緊張”、”興奮”、“集中”が乏しくなります。
3.何キロを選べばいいの?ダンベルの選び方
ダンベルに限らず、トレーニングで使用する重量を割り出すのに役立つ公式があります。
1RM=重量×回数×0.025+重量
1RMとは、1回挙上可能な重量をさします。
6RMでは、6回挙上可能な重量となります。
6RMを算出するには、上記の公式に0.85(85%)をかけることで割り出せます。
私が推奨するセットの組み方は、
〔1セット目・ウォームアップ〕 3セット目で使用する重量の1/4の重さを5~10回
〔2セット目・ウォームアップ〕 3セット目で使用する重量の1/2の5~10回
〔3セット目・ピーク〕 6RM(初級、中級、上級者で異なります)をできる回数だけ
〔4・5セット目・筋持久力アップ〕3セット目の40~50%の重さをできる回数だけ~休まずにその半分の重さをできる回数だけ
3セット目で使用する重さを算出することで、他のセットの重さが決まります。ということで、一度軽めの重量で何回できるか測定し、上記の公式にあてはめて〔3セット目・ピーク〕で扱う重量を割り出しましょう。
初級、中級、上級者によって〔3セット目・ピーク〕で使用する重さのRM数が異なりますので、下記にまとめます。
トレーニング初心者
トレーニング初心者(未経験者、中高年の方など)は、ダンベルを扱うためのフォームが安定していませんので、トレーナーの指示に従った上で軽めの重量からはじめます。
初心者が〔3セット目・ピーク〕で扱う重量は、10RMです。
10RM=1RM×0.75
トレーニング中級者
トレーニングを週一回のサイクルで1ヶ月も続けるとフォームが安定してきます。フォームが安定した段階は中級者となります。
中級者が〔3セット目・ピーク〕で扱う重量は、8RMです。
8RM=1RM×0.8
トレーニング上級者
フォームが安定し、トレーニングにおける“緊張”と”興奮”そして“集中”が容易に得られる上級者は、
〔3セット目・ピーク〕で6RMを選びましょう。
6RM=1RM×0.85
4.女性におすすめのダンベルの選び方
女性と男性で筋力のポテンシャルにほとんど差がないのはご存知ですか?とはいえスタート段階では女性と男性では明らかな力の差があります。女性は上記の“トレーニング初心者”の重量を扱うことをおすすめします。ただし女性も経験の向上にともない、中級・上級とステップアップしていきましょう。
女性が筋トレすると「手足が太くなるのではないか」とよくいわれますが、
手足が太く見える原因は間違った姿勢によるトレーニングによって付いた不必要な筋肉にあります。
詳しくは【トレーナー直伝】筋トレ初心者向け3つの厳選メニューと注意点6つをご覧ください。
5.こんなダンベルがおすすめ
自宅でダンベルを購入してトレーニングしたいという方は、最近ではネット通販(Amazon、楽天など)で手軽にご購入頂けます。そのなかでもおすすめなのが若干高額になりますが、ダイヤル式で重さを変更できるダンベルです。ダンベル自体は一つなので、場所もとらずに低重量から高重量までまかなえます。
自宅でトレーニングをする際のポイントは、特に落ち着くリビングや寝室でのトレーニングは避け、書斎や勉強部屋などの少しでも活動的になれる部屋を選びましょう。
リビングなどのリラックス空間ではどうしても気持ちがおちついてしまい、トレーニングに対するモチベーションが上がりません。せっかく購入したダンベルも、三日坊主でお荷物にしてしまう原因となります。
6.自宅でのダンベル保管方法
軽い重量のダンベルでも、ある程度の重さと硬さがあることには変わりはありません。誤ってつまづいてしまったり、落としてしまうことのないよう、なるべく低い位置に保管しましょう。
また、お子さんがいるご家庭では、お子さんのての届かない場所を選ぶようにしてください。大半の素材が金属ですので、湿気の多いところは避けましょう。ダンベルを床に直接置く場合は、市販のゴムマットをダンベルの下に入れておくと床を傷つけずに保管できます。
7.ダンベルのお手入れ方法
金属のダンベルの場合は全体が錆びやすいのでこまめに乾拭きすることが大切です。特に、プレートを固定するナット部分が錆びてしまうと重さの調節ができなくなりますので、ナット内部とバーのネジ部分の乾拭きは重要です。
だからといって、錆びとめスプレーを使用するのはやめてください。すべり易くなってしまい、トレーニング中に落としてしまう危険性があります。
肩のダンベルトレーニング
サイドレイズ
【姿勢】
・重心は足のつま先(親指の付け根)あたり
・骨盤はやや前傾(骨盤をかるく前に回転させたくらい)
・背骨は直立した自然なS字カーブ
・若干肩甲骨をよせて胸をはった状態
【呼吸】
・上げるときに吐く
【ポイント】
・上記の姿勢を維持し、腕はのばしたまま左右(耳の高さくらい)まで上げる。
・上げるときは出来るだけ速く上げる。
腕のダンベルトレーニング
1.ダンベル トライセップスエクステンション(上腕三頭筋)
【姿勢】
・片足を前に1歩だして膝を曲げ、曲げた膝の上に手をつく。
・上半身は胸をはった状態
・肘を曲げて上腕が天井と平行になるいちまで肘の位置を上げる。
【呼吸】
・腕を伸ばすときに吐く
【ポイント】
・腕を伸ばしきったことろで、小指をかえす(天井にカナヅチで釘を打ち込むイメージ)
・上げるときは出来るだけ速く上げる。
2.ダンベルカール(上腕二頭筋)
【姿勢】
・重心は足のつま先(親指の付け根)あたり
・骨盤はやや前傾(骨盤をかるく前に回転させたくらい)
・背骨は直立した自然なS字カーブ
【呼吸】
・上げるときに吐く
【ポイント】
・反動をつかわないように腕を固定するため、片手をトレーニングする腕の肘のしたに入れる。
・上げるときは出来るだけ速く上げる。
胸のダンベルトレーニング
ダンベルプレス
【姿勢】
・ベンチに横になる
・足をベンチの上にあげる
・肩甲骨をよせて、肩が前へでないようにする
【呼吸】
・上げるときに吐く
【ポイント】
・よせた肩甲骨を維持し、挙上したときに肩が前へでないようにする。
・上げるときは出来るだけ速く上げる。
下半身のダンベルトレーニング
ダンベルスクワット
【姿勢】
・重心は足のつま先(親指の付け根)あたり
・骨盤はやや前傾(骨盤をかるく前に回転させたくらい)
・背骨は直立した自然なS字カーブ
【呼吸】
・上げるときに吐く
【ポイント】
・垂直とびをする際のしゃがみ込む位置まで下げる。そこから立ち上がる。
・上げるときは出来るだけ速く上げる。
最後に
ダンベルトレーニングは今回記した以外に様々なトレーニングメニューがあります。ですが、誤ったフォームでトレーニングしていまうと、事故や怪我の原因にもなりますので、最初はトレーナーの指示に従ってトレーニングしましょう。
マシントレーニングよりも効果はありますので、是非取り入れてみてください!