人生の節目で撮影される家族写真。どんなタイミングで、どのように写真撮影をすればいいでしょうか。
本記事では家族写真の撮影を考えている方に向け、家族写真撮影についてわかりやすく解説していきます。記事内で使用している写真は、プロによる撮影写真です。無断転載を許可しません。
取材にご協力をいただいたプロ
出張撮影アウトドアスタジオ 宮本さま
2012年の開業以来、毎年400件前後のお宮参りや七五三や家族写真、企業向け撮影を手掛ける。
撮影前には的確なアドバイスを、撮影中〜そして撮影後もずっと喜ばれる仕上がりの写真とサービスを心掛ける。リピートでの依頼や、撮影をした方からの紹介件数も多い。
家族写真とは
アウトドアスタジオ宮本さんによる撮影写真
家族の節目や年賀状用など、家族の姿を写真に収めたものが家族写真です。
家族写真のタイミングになりやすい行事
アウトドアスタジオ宮本さんによる撮影写真
・年末(年賀状、クリスマスカード用)
・お宮参り
・お食い初め
・七五三
・誕生日
・ひな祭り
・こどもの日
・入園入学
・卒園卒業
・成人式
・婚約
・結婚式
・結婚記念日
・マタニティ(妊娠中)
・還暦(61歳)、古希(70歳)、喜寿(77歳)、傘寿(80歳)、米寿(88歳)、卒寿(90歳)、白寿(99歳)、百寿(100歳)
家族写真の撮影料金の相場
時間による値段の違い
アウトドアスタジオ宮本さんによる撮影写真
撮影料は1時間●●円、と時間制の料金体系です。値段の相場は1時間:1万円〜3万円1時間単位で刻んでいることもあれば、3時間程度のまとまった時間数での料金を設定しているような料金体系もあります。
そのほか「納得行くまで何枚でも撮影します」という時間体系を設けているところもあります。
カット数による値段の違い
アウトドアスタジオ宮本さんによる撮影写真
納品カット数が多いほど値段が上がる傾向にあります。1時間の撮影で「納品カット数は20枚です」と納品カット数を設定しているところもあれば、1時間の撮影で「撮影できたデータのほとんどを納品しますよ(100枚以上)」というフォトグラファーもいます。
一定した規則性がなく、カメラマンや会社によって大きく異なります。
写真の納品方法による値段の違い
アウトドアスタジオ宮本さんによる撮影写真
写真の納品方法にはいくつかの種類があります。
・データ納品(メールでの送付やCD-ROMに焼いて納品)
・印刷納品
・印刷したものをアルバムや台紙などに貼り付けて納品
データ納品は、データ代金が撮影料金に含まれていることが多いです。印刷、もしくは、印刷したものをアルバムや台紙などに貼り付けて納品してくれる料金体系の場合、「撮影料金」と「写真の納品料金」は別になっていることが多いです。
例
・A社:撮影料金は3,240円+印刷した写真は1枚あたり3,240円〜10,584円(サイズによって異なる)、写真2枚をアルバムに貼り付けての納品は17,928円、写真16枚をアルバムに貼り付けての納品は40,932円
・B社:撮影料金は15,000円(写真2パターン)+写真印刷料金は1,944円〜8,748円
・C社:合計価格の53,600円(撮影データ50枚、アルバム、衣装レンタル、ヘアメイク含む)
写真館やスタジオでの家族写真の撮影
アウトドアスタジオ宮本さんによる撮影写真
メリット
・背景が白いなど、被写体が目立つ撮影環境が整えられている。
・照明ライトがあらかじめ設置され、ベストショットが撮影できる場所が整えられている。
・天候に左右されることなく撮影ができる。
デメリット
・慣れない環境に緊張してこわばってしまったり、子供や赤ちゃんは泣き出してしまうこともある。
・ポースや構成にバリエーションがなく、どの家族も同じような写真になる。
・わざわざ写真館やスタジオに出向かなくてはいけない。
出張カメラマンによる普段の場所での家族写真の撮影
アウトドアスタジオ宮本さんによる撮影写真
メリット
・家族らしい表情、その人らしい表情が撮影できる
・緊張しやすい人や子供、赤ちゃんもリラックスして撮影に臨みやすい
・慣れない場所に出向く必要がなく、カメラマンが来てくれる
・ペットも参加しやすい
デメリット
・屋外の場合、スケジュールや光の入り具合は天候や時間に左右される
・場所をうまく選ばないと家族以外の人が映り込んだり、背景が雑多としてしまうことも
・カメラマンが場所に慣れておらず「いい撮影ポイント」や「ベストポジション(ベスポジ)」などを把握できていないことも多く、カメラマンのその場その場の臨機応変な対応力が求められる
【プロカメラマンが回答】家族写真の撮影をするメリット
アウトドアスタジオ宮本さんによる撮影写真
・プロカメラマンならではの撮影技術と光の読みで、普段とは全く違った雰囲気の写真を撮ってもらうことができます。
・普段はお父さんお母さんがカメラマンをしているかもしれません。しかしカメラマンに撮影を全て任せて家族みんなと大切な時間を共有することができます。
・家族全員揃った自然な写真は家族の本来の姿ですが、しかし多くのご家族が、家族の誰かがカメラマン役に回ってしまうことになりがちなので、記憶には残っていても意外と写真として残すことはできません。撮影してもらった写真は一生の宝物になります。そしてその写真はどんなタイミングも逃さない第三者のプロカメラマンでなければ撮ることができません。
【プロカメラマンが回答】どのようなタイミングで家族写真を撮影する(検討する)方が多いですか?
アウトドアスタジオ宮本さんによる撮影写真
夫婦の結婚記念日やお子様のお誕生日のタイミング、もしくはお宮参りは出産後落ち着いてから。または、早い方はご出産前に予約なさいます。
カメラマン目線では、どのようなタイミングで家族写真を撮影するといいと思われますか?
アウトドアスタジオ宮本さんによる撮影写真
子供が産まれる前の「これから3人家族になる」前に撮影する夫婦だけのマタニティーフォト、その後お宮参り、ハーフバースデー、子供の1歳の誕生日、その後1年毎に写真撮影の機会を設けると子供の成長過程を継続して綺麗に残すことができ、とても喜ばれます。中には数ヶ月毎に御依頼を頂くお客様もいらっしゃいます。
結婚記念日のタイミングなど、家族それぞれのベストな時期の依頼も良いと思います。
神社や公園などでの撮影は、可能であれば有給を使用してでも平日を利用すると、人の写り込みが少なくのびのび撮れるなど、様々なメリットがあります。
【プロカメラマンが回答】家族写真のお仕事で、面白かったものや印象に残ったものがあれば教えてください。
子供の「初めて」に遭遇
実際のお写真。もちろんアウトドアスタジオ宮本さんによる撮影
「子供が1歳になる、初めての誕生日の記念撮影」で、撮影中に初めて1人で歩いてご家族が驚く、という素敵なシーンを撮影したことが二度あります。初めて寝返りしたシーンもありました。
こんな特別な瞬間がプロカメラマンの撮影中に起きて、写真に残すことが出来る機会はそうそうありません。家族にとっても本当に素晴らしい思い出になると思います。
子供からの感謝の手紙
アウトドアスタジオ宮本さんの撮影写真
撮影後にお子様から一生懸命書いてくれた感謝の手紙を貰うこともあります。泣きます(笑)全部宝物です。
人見知りな子供とのエピソード
子供の心を掴むのがうまいアウトドアスタジオ宮本さん
幼稚園の入学記念で、公園にて家族写真を撮影するお仕事でした。予約の時点からご家族は「人見知りの激しい子なので、カメラ目線の写真を1枚でも撮れたら嬉しいです」とのこと。そうおっしゃると「よし、カメラ目線の写真を撮影するぞ」と燃えました。
当日は案の定、全くカメラの方を向いてくれず、常にご両親の後ろに隠れていたので、一旦レンズを向けるのをやめてかくれんぼなどで一緒に遊ぶことに。
撮影終了時には「今度は僕の家で、オモチャで遊ぼうよ」となついてくれました。また、別れの時間をわかっているのか、頑なに私の手を離しません。しかし次の撮影が迫っていたので時間が押すわけにもいかず、困りました。
そこで、まず家族の皆さんに車に乗っていただき、「カメラマンは反対側から車に乗るから、一度手を離してね」と手を離して、子供が乗り込んだすきに発車してもらいました。車の窓からは「なんでだよー、もっと一緒に遊びたいよー」と叫ぶ声が聞こえました。とても心が痛かったです。
最初は人見知りでものすごく避けられていたのに、態度が180度変わって打ち解けてくれました。今でも強烈に印象に残っているエピソードのひとつです。私は3人の子供がいる父親でもあるため、どんな人見知りの子供でも必ずお友達になります。
【プロカメラマンが回答】家族写真の撮影を検討している方へ、アドバイスをお願いします
子供が小さいうちは行き慣れている場所の撮影がおすすめ
アウトドアスタジオ宮本さんによる撮影写真
初めての出張撮影での家族写真撮影を考えているようでしたら、子供が小さいうちは自宅や公園など行き慣れている場所がおすすめです。
七五三の撮影は、家族の事前準備〜当日の声かけが大切
アウトドアスタジオ宮本さんによる撮影写真
七五三の撮影は、当日に着物を嫌がらないように、前もってテレビCMやカタログの着物の写真を見せて「お着物きれいだねー。今度着ることができるんだよー、楽しみだね」などとポジティブなイメージを植えつけておき、あらかじめ警戒心を解いたり、「七五三っておもしろいんだよ、こういうことをするんだよ」と伝えておくなどのコミュニケーションを取っておくと、当日の撮影もスムーズに行くことが多いです。
七五三は着付け、美容院、撮影といくつかのお出かけが連なって進む行事です。「この日に撮影してほしい」というよりも「この日にしか撮影できない、スケジュールを空けることができるのはこの日だけ」というご家族は多いです。撮影、着付け、ヘアメイクの美容院など全て、スケジュールの相談や予約は確実に早い方が希望日に撮影ができます。秋の運動会など、きょうだいの学校のイベントと重なってしまわないかの確認もおすすめします。
事前に家族が七五三の話をしておくことで、子供が「早く七五三をやりたいよ」と気分が乗って嬉しくてたまらない、楽しくてたまらないという子供もいます。
着物の着付けの時に、子供の気持ちを盛り上げてあげることも大切です。着付け時には必ず「着物が苦しくないか、どこか痛いところはないか」と確認してください。着物の着崩れの心配よりも、『着物のきつさと息苦しさで嫌がる』方が後々大変になりますよ。そして、「写真をたくさん撮ってくれるカメラマンも、七五三のお参りに来てくれるんだよ、楽しみだね」の一言も忘れずに伝えてください、子供も初対面の人には「この人、誰?」と驚いてしまいますから。
【プロカメラマンが回答】カメラマンを選ぶなら、こんな人を選んだほうがいいですよ、というアドバイスをお願いします
アウトドアスタジオ宮本さんによる撮影写真
・経験豊富で様々なジャンルの撮影の経験があるカメラマンは、どんな状況でも対応力が高いと思います。
・カメラにもメーカーや型番ごとに個性があるように、カメラマンそれぞれにも個性があります。事前にカメラマンの作品を見て、好みの色合いや雰囲気の写真を撮影するカメラマンを選ぶのも大切かと思います。
・サンプルの写真を見るときは、写真の中の距離感にも注目してみてください。遠くから引いて全員の体全体が写り込むような構図も良いですが、臨場感のある、目の前での笑顔の写真などは、楽しい会話をしながら撮影していたり、カメラマンが被写体と打ち解けている証拠でもあります。
(逆に、「こんなカメラマンはやめた方がいいかも?」というアドバイスがございましたらぜひ教えてください)
アウトドアスタジオ宮本さんによる撮影写真
場所によっては撮影禁止のところも良くあります。長年様々な現場を、何年も何度も経験していないと、禁止の場所などを含めて急な対応力に差が出ます。
家族写真は大切な記念撮影です。カメラ機材やレンズ、ストロボのグレードによって写真の色味や表現力に違いが出るのは間違いありません。また、撮影データを記録するメモリーカードを2枚同時に記録できる機材を使用していると、何かが起きる際の気配りに影響します。天気や現場の状況に応じて機材の対応力で差も出ます。
黙って撮りつづけることは誰にでも出来ます。安心してお任せ出来る明確な事前のアドバイスや、リラックスして自然な笑顔が出せるトークなど、お会いする前から〜撮影後まで、トータルで評判が良く、不明瞭で分かりづらくない料金体系も含め、一切不安を感じることのないカメラマンを起用することをおすすめします。
Zehitomoで家族写真撮影の依頼を出すと、地域のプロカメラマンから複数の見積もりを受け取り比較することができます。