みなさまこんにちは!少しずつ夏が近づいてきましたが、「夏までになんとかこのお腹をどうにかしたい…」「ダイエットをしなくては….」と感じている方も多いのではないでしょうか。
そんな方々のために、ここでは水泳のインストラクターをしているプロが、水泳でダイエットをする方法についてお伝えします。
ダイエットに有効な水中運動の特性
水泳はスポーツの中でも特にダイエットに効果的と言われていますが、それはなぜでしょうか。以下の4つの理由を解説します。
1.水中の高いカロリー消費効果
水温が低いため自然にカロリーを消費する
最近の多くのプールが概ね30〜31℃で推移しているようです。つまり、体温より低い温度環境に入るため、体温維持のために体は勝手に脂肪燃焼をすることで熱を作り出そうとします。基礎代謝アップが期待できるため、ダイエット向きだと言えます。
抵抗があるため2~3倍のカロリーを消費する
抵抗空気よりも粘性が高い水中は陸上と同じ時間、同じ動きをするとカロリー消費量は2倍とも3倍とも言われています。つまり、陸上よりも短い時間でカロリーが消費できることになります。
2.水中は体への負担が少ない
プールは浮力があるため動きやすい
胸まで水につかると体重は70%程度になると言われています。特に膝や足首、下半身に疾病がある、陸上での運動に制限があるけれどダイエットしたい!そんな方でも無理なく運動に取り組める点がメリットの一つと言えるでしょう。
プールの水圧の影響で血流が良くなる
深さに比例して大きくなります。プールに立った状態では足先に多くの水圧がかかります。この圧力のおかげで末端の血が液流れて心臓に戻ります。血行が良くなることで代謝を高める効果が期待できます。
水流を効果的に使う運動も可能
前後左右に自在に動く水に逆らったり、乗っかったり…普段のよりも大きな力を出したり、少ない力で効率よく動いたり…そんな事も水中ではできてしまいます。辛くなりがちなダイエットを楽しみにする事もできるはずです。
運動強度を表す指標、メッツ(METs)
メッツという言葉に聞き馴染みが無い方も多いでしょう。メッツとは、運動の強度を表す指標のことを指します。
水泳の中でも種目によって違いはありますが、例えばゆっくりとした平泳ぎでもメッツは5.3で、卓球やテニスのダブルスよりも高い指標となっています。以下の表はメッツの強度ごとにまとめた表になります。
メッツ(METs) | スポーツ |
3.0〜3.9 | ボウリング、バレーボール、ピラティス、ゴルフ |
4.0〜4.9 | 卓球、テニス(ダブルス)、水泳(ゆっくりとした背泳ぎ) |
5.0〜5.9 | サーフィン、スキー、バドミントン、野球 |
6.0〜6.9 | ウェイトトレーニング、バスケットボール、水泳(ゆっくりと泳ぐ) |
7.0〜7.9 | ジョギング、サッカー、テニス(シングルス) |
8.0〜8.9 | ランニング(134m/分)、水泳(普通の速さのクロール、46m/分)、ラグビー |
9.0〜9.9 | ランニング(161m/分)、水泳(速いクロール、69m/分) |
また、クロールだとランニングやサイクリングよりも高い、若しくは同等の指標を示しており、水泳の運動強度が高いことが分かるでしょう。
見た目以上にエネルギーを消費するため、運動不足解消や心肺機能の向上、体幹を鍛えるためなどにもってこいです。
痩せるためのスイミングプールメニュー
プールでのダイエットのためのスイミングメニューです。
ストレッチからスイミング(得意なものを進めてください)ウォーキングまで30分から1時間程度のメニューになってます。
1日に沢山やるより、運動習慣を身につけて週のプールへ通う回数を増やした方がダイエット効果が高くなります。
まずストレッチ
事故防止と、水泳や水中運動での効果を最大限に引き出すために、ストレッチから始めましょう。水泳は肩を特に使うため、肩や肩甲骨回しは必須です。指先を肩につけて前後にぐるぐると回しましょう。
大きな筋肉(胸、背中、太腿、ふくらはぎ)等をゆっくり伸ばしたら、動きのあるストレッチで肩、股関節、足首をほぐしていきます。
1.クロール
- おすすめの運動量:4往復(200m)
- 効果的なポイント:腕を回すため引き締まったり、運動強度が高いため痩せやすい
オーソドックスな泳ぎではありますが、呼吸の習得がなかなか難しいという方が多いようです。焦らず、バタ足だけでも十分なダイエットになります。呼吸をマスターしている方は、肩を大きく回し左右のバランスに気をつけて取り組んでみましょう。
2.平泳ぎ
- おすすめの運動量:4〜6往復(200〜300m)
- 効果的なポイント:キックの動作が特徴で、股関節やお尻、脚などが引き締まる
一見、簡単そうなフォームに見える平泳ぎ。実は4種目中最もテクニカルな泳ぎなのです。水泳初心者の方は息継ぎのタイミングが難しかったり、身体が沈んでしまったりすることもあるでしょう。ただ、股関節、膝、足首などに制限があり、ランニングや筋トレなどの陸上運動に取り組めない方でも、その中でできる限りの泳ぎは作ることはできます。
泳ぎが完成している方は、4〜6往復(200〜300m)を目標に続けてみましょう。
3.水中ウォーキング
- おすすめの運動量:お好み
- 効果的なポイント:疲労を貯めずに量をこなすための、休憩も兼ねた体力回復
クロールや平泳ぎの合間にウォーキングで心拍数を落ち着かせて、違う動きを行うこともダイエットにはおすすめです。
プールの床をしっかりと踏みしめるために、前に出した足へ体重を乗せてから次の一歩を出します。プールの床は意外と滑るため、浮力や抵抗や水流、水の特性を実感しながらゆっくりと大きな歩幅で歩いてみましょう。
4.バタフライ
- おすすめの運動量:1〜2往復(50〜100m)
- 効果的なポイント:腕や腹部の引き締め、バタ足による脚の引き締め
ダイエット目的の方がこの泳ぎをチョイスする可能性はかなり低いとは思いますが、できるとカッコイイです!中級者から上級者向けであるため、初心者の人には難易度が高いでしょう。
また、ダイナミックな動きで水しぶきが上がり波もできるため、空いている時に行うようにしましょう。1〜2往復(50〜100m)程度がオススメです。
5.背泳ぎ
- おすすめの運動量:2〜4往復(50〜100m)
- 効果的なポイント:腕と太ももの引き締め
得意、不得意が結構はっきりします。唯一、顔が見える泳法であるため、あまり苦悶の表情を見せると監視の方を心配させてしまうのでご用心!
また、肩を後ろ回しに動かすため、肩関節の脱臼グセのある方は細心の注意が必要でしょう。
そして、蛇行の多い泳ぎでもあるため、空いているレーンを見つけて泳ぐようにしましょう。目標は2〜4往復(50〜100m)にしましょう。
水泳でダイエットするためのポイント
1.水泳後の食事管理に注意する
水泳は全身運動であることから、終えた後はとてもお腹が空きますよね。眠くなってしまう方も多いでしょう。
それは、予想以上にエネルギーを消費している証拠です。そこで誘惑に負けないように、食欲を抑えるためにも糖質制限をしてたんぱく質中心の健康的な食事内容から、エネルギー摂取を心がけることが大切です。。もちろん、消費以上の摂取は厳禁です。
タンパク質をより多く摂取して筋肉量を効果的に増やしたい方は、水泳の前後どちらかでプロテインを飲むと良いでしょう。脂質の摂取量を調節することで、体脂肪の減少も見込めます。
食生活や食事制限を意識することで、さらなるダイエット効果が期待できます。
2.水泳の時間は30分〜1時間から
『一度水着に着替えたから、せっかくだから…』なんて、ついつい頑張りすぎていませんか?
長時間にわたるワークアウトや身体活動は、過度な疲労をもたらす原因となり得ます。せっかくのリラックス効果も無駄になってしまうかもしれません。目安として、一回の量は30分程度で十分。長くても1時間以内に切り上げることが重要です。
1時間近く行う場合は、適度に休憩を挟むと体力の温存ができます。
もちろん、ワールプールのようなリラックス設備があるのなら運動後に10分程度利用するのも気持ちが良いですよ。
3.本気で痩せるなら週4回
一回の時間は短くても頻度(回数)は増やしてほしいです。これは、ダイエットに限らず技術習得、泳力アップにも同じことが言えます。
まずは、継続するための第一歩として、2日に一度のペースで通うことを実践してみてください。
習慣化することでモチベーションもアップして、自信に繋がるでしょう。
4.週1からでも始めてみよう
どうしても時間を確保することが難しいという人もいるでしょう。
理想は週に4日以上プールで運動をすることですが、難しい人は週に1日行くことから初めてみましょう。
もしも慣れてきて、時間のやりくりが出来そうであれば、徐々にその回数を増やしていくのがおすすめです。
5.1ヶ月などの短期的な結果に固執しない
これも、『結果』の質によりますが、個人的にはあまり短期間の成果を追いすぎないように注意しています。痩せる、体型がかわる⇒そして、アナタが幸せになる!その事のお手伝いができたら、プロとしてこんなに嬉しいことはありません。
もちろん、お望みとあれば体が許す限りご相談にのる事も可能です。
プールで楽しく泳いでダイエットしよう
今回は、プールでダイエットをする方法やコツについて解説しました。ダイエットは辛くて厳しいと続きません。私の経験上、高い確率でケガをするかリバウンドします。ぜひとも、『ダイエット、水泳』=楽しくて楽しくて早く次に行きたい!継続したい!と思ってほしいです。
そのためのコツは『ひとりでやらない事』。別にプロにお願いするだけが『ひとり』にならない事ではありません。いつも顔を合わせる同年代、やたら世話好きなご年輩、受付のステキな女性、監視のカッコイイ男性…プールを取り巻く環境には多くの方々が関わっております。そんな方達と少しでも会話し、関係を作ることで楽しく効果的なダイエット、水泳が続けられるはずです。
プールで泳ぐとたとえ体重が減少しない場合でも、体はシェイプアップされます。
カッコイイ体になることを信じてやっていきましょう。
さあ、夏はすぐにやってきますよ!
躊躇しているヒマはありません。まずは、お気に入りのスイムウェアやゴーグル、キャップとこの夏に着たいオシャレ水着を探しに行ってみましょう。皆様にステキな夏が来ることを願っています。