リフォーム業者を選ぶとき、複数の業者に見積もりを依頼することが多いでしょう。しかし、どのように比較検討すればよいか悩むもの。
そこで今回は、リフォームの見積もりを依頼する際の注意点やマナーについて解説します。リフォーム費用がかかるケースも紹介するので参考にしてください。
株式会社ユーアンドエー建築事務所
リフォーム時は「相見積もり」が一般的
「見積もり後は契約しないと申し訳ない」と考え、見積もり依頼に躊躇する方もいます。しかし、見積もりを取らないと工事費用や工事内容が分からないので、業者選びに迷う方も少なくありません。
リフォーム業者を選ぶ際には、複数の会社に見積もりを取って比較検討するのが一般的です。いわゆる相見積もりと呼ばれる方法で、料金や工事プランなどを比べて自分に適したリフォーム業者を選べます。
相見積もりを取るメリットとは
相見積もりを依頼するメリットは、リフォーム業者の相場を把握できることです。リフォーム工事は定価がある商品ではありません。そのため、料金設定や工事プランは業者によって異なります。
複数のリフォーム業者に見積もりを依頼すれば、相場を把握できます。高額請求や不要な工事施工など、リフォームのトラブルに巻き込まれる心配もありません。
また、注意点としては、「料金が安い業者=良い業者」ではないことです。見積もりの際には料金だけでなく工事内容もしっかりチェックして、自身に適したリフォーム業者を選びましょう。
相見積もりを取る際の注意点
相見積もりを依頼することで、工事費用を比較できます。またリフォーム工事の内容をイメージできるなど、他にも多くのメリットがあるでしょう。
しかし、複数のリフォーム業者に相見積もりを依頼する際には、チェックする注意点がいくつかあります。トラブル回避にも役立つため、事前に確認しておきましょう。
質が低下していないかチェック
リフォーム業者を選ぶときには、相見積もりを取るのが一般的です。そのため、お客様から受注してもらうために、低価格を売りにすることがあります。相場よりかなり安い施工見積もりの場合は、工事の質を勝手に下げられて値引きされていることも考えられます。
コストをおさえてリフォームしたい場合は、費用ばかりに目がいきがちです。しかし、工事の質が悪いと、施工後にトラブルに発展する場合もあります。相見積もりをとる際の注意点として、工事内容の質が低下していないか必ずチェックしましょう。
見積は多くても3~5社に
リフォーム業者に見積もりを取るときは、多くても3〜5社にしましょう。リフォームの見積もりを作成するときは、工事内容に関する打ち合わせをおこなう必要があります。業者の数が増えると、その分だけ打ち合わせの手間や労力がかかります。
また、複数の業者にリフォーム内容の相談をする過程で、当初のリフォームイメージからブレてしまうことも起こりがちです。「相見積もりをたくさん依頼して比較検討したほうが良い」と考えられがちですが、打ち合わせの手間や労力も考慮する必要があります。
条件や予算は統一する
複数のリフォーム業者に見積もりを依頼する際は、条件や予算を統一しましょう。特にリフォーム工事の条件が業者によって変わると、提案された見積もりプランを比較検討するのが難しくなります。
相見積もりを取るメリットは、同じ希望や要望を出したときにどのような提案をしてくれるかを知ることができることです。また設備や材料の種類でリフォーム費用は変わるため、予算を正確に伝えることも大切になります。
見積項目を細かく出してもらう
リフォーム業者を選定しやすくするために、見積もりは細かい項目に分けて工事費用を記載してもらうようにしましょう。一般的なリフォーム価格は、施工費・材料費・諸経費に分けられます。
見積項目を細かく出してもらえば、不要な工事もわかりやすいです。リフォーム業者と齟齬が発生する心配もありません。比較検討もしやすくなるので、内訳を出してもらえるように事前に伝えましょう。打ち合わせ時に間取りを用意しておくと、リフォーム業者もより詳細な費用を出しやすくなります。
各社に同じタイミングで依頼する
リフォームの相見積もりは、各社同じタイミングで依頼するようにしましょう。業者に見積もりの依頼をする時期がズレてしまうと、条件や工事内容が変わることも多いです。
条件や工事内容が変わると、相見積もりで比較検討することが難しくなります。同じ条件で比較できるように、タイミングを揃えましょう。
対面で打ち合わせをする
リフォームの見積もりの打ち合わせには、メールや電話などさまざまな方法があります。しかし、見積書の打ち合わせは直接会って対面でおこなうのがおすすめです。担当者と対面で打ち合わせをすることで、疑問や不安に感じたことを確認できます。
担当者と直接コミュニケーションをとることで、相性もチェックできます。相性の良い担当者を選べばストレスなく工事を進められるうえに、リフォーム後に「想像と違った……」といったトラブルを回避することも可能です。リフォームの打ち合わせは、できる限り対面でコミュニケーションをとりましょう。
費用以外に、相性やアフターサービスなども比較する
リフォーム業者を選ぶとき、予算の範囲内におさまるかを重要視する方も多いでしょう。施工価格の確認は重要ですが、担当者との相性やアフターサービスの充実性もしっかり比較することが大切です。
特にアフターサービスは、リフォーム業者によって大きく異なります。充実したアフターサービスのある業者を選べば、施工後に何か問題が起きても早急に対応してもらえるので安心です。また相性の良い担当者であれば、リフォームの完成形を共有しやすいので信頼して施工を任せられます。
見積書の正しいチェック方法
リフォームを成功させるためには、複数の業者から相見積もりを取り、内容を比較検討することが重要です。
しかし、ただ単に見積もり金額を比較するだけでは不十分です。見積書の内容をしっかりと確認し、各項目に漏れや不備がないかチェックする必要があります。
ここでは、見積書のチェックポイントについて解説します。
見積書の基本構成
見積書には基本の構成があります。以下の構成を踏まえて、正しい確認方法を覚えてみましょう。
- 工事番号:個々の工事ごとに割り振られる番号
- 作成年月日:見積書を作成した日付
- 発注者:工事の発注者(顧客)の情報
- 施工者:工事を行う業者の情報
- 工事内容:工事の内容を具体的に記載
- 数量:各工事項目の数量
- 単価:各工事項目の単価
- 諸経費:工事に関わる経費
- 合計金額:すべての工事を含めた合計金額
- 支払い条件:工事費の支払い方法
- 有効期限:見積書が有効な期間
- その他:特記事項など
特に確認が必要な重要項目
以下の8つの項目では、それぞれ特に確認が必要な項目の確認すべき点を詳しく記載しています。
相見積もりを依頼した際の参考にしてみて下さい。
<工事内容>
- 工事内容が希望通りに記載されているか
- 使用する材料や設備が明確に記載されているか
- 諸経費の内容が明確に記載されているか
<数量>
- 必要な材料や設備の数量が正しく記載されているか
- 数量に過不足がないか
<単価>
- 単価が適正な価格かどうか
- 他の業者と比較して価格に差がないか
<諸経費>
- 諸経費の内容が妥当かどうか
- 諸経費の割合が高すぎないか
<合計金額>
- 合計金額が予算内に収まっているか
- 他の業者の見積もりと比較して価格に差がないか
<支払い条件>
- 支払い条件が納得できるか
- 前払い金などの有無を確認する
<有効期限>
- 有効期限内に契約できるか
<その他>
- 保証内容を確認する
- 契約書の内容を確認する
- 疑問点は遠慮なく業者に質問する
見積書の例
見積書にあまり馴染みがないという方も多いでしょう。以下の例でチェックポイントをおさらいしておくのがおすすめです。
どこまでが無料?見積にかかる費用とは
正式な契約をするまでは、無料で見積もり依頼に対応してくれるリフォーム業者が多いです。特に簡単な見積もりを作る場合、費用がかかることはほとんどないでしょう。
ただし、例外的に見積もり作成で費用が発生する場合があります。見積もり費用がかかるのか分からない場合は、事前に確認しておくことがおすすめです。
料金が発生するケースとは
見積もりを依頼するときには、料金が発生するケースがあるので注意が必要です。見積もりを取る前に、事前にチェックしておきましょう。
料金が発生するケース | 費用 |
対応地域外の場合 | 出張費 |
詳細な見積書を作成する場合 | プランニング費 |
雨漏り診断・耐震診断の場合 | 診断費 |
相見積もりのマナーとは
見積もりを依頼する業者は、その後リフォーム工事をお願いする可能性があります。マナー違反をすると信頼関係が崩れることがあるため、注意して行動することが大切です。ここでは、相見積もりを依頼する際のマナーについて解説します。
業者によって希望条件を変えない
相見積もりを依頼する場合、複数の業者に見積もり作成の依頼をします。しかし、各業者によって希望条件が異なると、何を基準に比較検討すればいいか分からなくなります。
見積もりの依頼をするときは、希望条件を統一するようにしましょう。各社で料金や施工内容の違いが明確になるので、依頼する1社を選びやすくなります。
他社の見積もりを見せて値引き交渉しない
価格競争をさせるために、他社の見積もりを引き合いに出すのは良くありません。値引き交渉することで、価格を少し安くしてもらえる可能性はあります。
価格を下げた分、雑な工事になることもあるかもしれません。また、信頼できるリフォーム業者の場合は、始めから適正価格で提案してくれている場合が多いです。値引きに対応できず担当者を困らせてしまうことがあるので、注意しましょう。
何度もプラン変更をする
正式な契約を交わしていない段階で、何度も見積書のプランを変更するのはやめましょう。プランを変更するとリフォーム業者は、その修正作業に時間や労力をかけなければいけません。
未契約のお客様に対して時間や労力はかけられないと考える業者も多いです。最初に提出してもらった見積書をもとに比較検討しましょう。ただし、見積書を見て気になるところがある場合は担当者に質問しても問題ありません。疑問をすべて解消してからほかの見積書と比べてみましょう。
見積書は数字だけで判断しない
見積書の判断基準は、数字だけはありません。リフォームで使用する設備や素材は、各社で異なるため費用に違いが生まれます。施工費用が安いからといって、良いリフォーム業者とは限りません。
施工費用が異常に安い場合は、低品質の素材や設備を使用してコストダウンしている場合も多いです。施工費用が安い業者が必ずしも良い業者とは限らないので、施工内容や担当者の相性、アフターサービスの内容などもしっかりチェックしましょう。
断るときははっきりと理由も
リフォームを依頼しない業者が決まったら、曖昧な態度をとったり連絡せずに放置したりするのは良くありません。リフォーム業者も時間と労力をかけて見積書を作成してくれているので、契約しない旨を担当者にきちんと伝えることが大切です。
断るときは曖昧にせず、はっきりと理由を伝えるのがいいでしょう。その理由を伝えることで、リフォーム業者はその内容を他のお客様に活かすことができます。打ち合わせやプランの提案に関しても、しっかりお礼を伝えておきましょう。
業者選びを慎重に
リフォーム業者が数多くあるため、選ぶときに迷う方もいるでしょう。しかし、見積もりの施工費用が安いという理由だけでリフォーム業者を選ぶのは危険です。施工後に問題が起こる場合もあるので、信頼できる業者かどうかしっかり見極めましょう。
リフォーム費用を抑えるコツ2選
リフォーム費用は、工事内容や使用する材料・設備によって大きく異なります。しかし、ちょっとした工夫で費用を抑えることも可能です。
ここでは、リフォーム費用を抑えるための2つのコツを紹介します。
見積書の項目で節約できるのは?
まずは工事内容を見直してみましょう。希望をすべて詰め込もうとすると、どうしても費用が高くなってしまいます。しかし、施工内容での希望を変更したくない場合は、使用する材料のグレードを下げたり、機能を抑えたものを選んだりすると費用を抑えられます。
また、DIYでできる部分は自分でやることも節約に繋がります。簡単な塗装や壁紙の張り替えはセルフで出来ることもあるため、DIYへのチャレンジを考えてみても良いでしょう。
補助金や税制優遇の利用
リフォームには、補助金や税制優遇制度が利用できる場合があります。下記の制度を活用することで、費用を抑えることができます。
代表的な制度は以下の通りです。
- 省エネ改修等促進事業: 省エネ性能の高い設備を設置するリフォームに補助金が支給される。
- バリアフリー改修等促進事業: 高齢者や障がい者が住みやすいように住まいを改修するリフォームに補助金が支給される。
- 住宅リフォーム特別控除: 一定の条件を満たすリフォームであれば、所得税の控除を受けることができる。
補助金や税制優遇制度を利用するには、事前に条件を確認する必要があります。詳しくは、お住まいの自治体や税務署にお問い合わせください。
こんな業者には気をつけて!
相見積もり後の業者選びで注意したいのは、「一式」や「材工」の項目が多かったり材料費や施工費を大幅に値引きしていたりする業者です。見積書の「一式」「材工」の記載は、材料費や工事費用が合算されているので内訳を把握できません。
材料費や施工費を大幅に値引きする業者は、一見安い価格でリフォームできると思われがちです。しかしリフォーム後に費用が上乗せされ、最終的に支払い費用が高くなる可能性があります。信頼できる業者かどうか、しっかりチェックしましょう。
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リフォーム業者は数多くあるため、相見積もりで比較検討することが大切です。しかし、施工費用が安いからといって良いリフォーム業者とは限らないので、業者選びに迷う方も少なくありません。
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監修したプロのコメント
リフォーム工事では、業者の技術や対応により、仕上がりが予想と異なることがあります。まずは小規模な工事を依頼して、業者の技術力や相性を確認するのも一つの方法です。
また、工事中に隠れた箇所に予期しない問題が発覚することもあります。例えば、外壁や浴室などのリフォームで柱が腐食していた場合、追加の修繕が必要になることがあります。そのような場合、追加費用の確認と予算内で進めるための慎重な対応が重要です。
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