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  6. 戸建て・マンションのフルリフォームの費用相場を分かりやすく解説!
2022/12/07 2024/03/29

古くなった設備や資材を取り替えてフルリフォームをすると、新築の頃の暮らしやすさを取り戻すことができます。また、基礎や構造に手をつけずに工事を行うこともでき、建て替えと比べると施工費用を抑えられる点も魅力です。とはいえ、住宅の設備や壁、床などをすべて取り替えると高額な費用がかかるのではないかと不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、フルリフォームを検討している方に向けて、必要な情報を詳しく紹介しています。フルリフォームの種類や費用相場、工事の事例も解説しているので、ぜひ参考にしてください。

フルリフォームと建て替えの違い

リフォームとは、不具合がある部分や古くなって見た目・機能が劣化した部分を回収することです。例えば、古くなった壁紙を張り替えたり、壊れている給湯器を取り替えたりすることは、リフォームと呼べます。

フルリフォームとは、住宅全体の大規模なリフォームを実施することです。全面リフォームとも呼ばれ、古くなった設備や壁材、床材、配管などを修繕・補強したり取り替えたりします。何度もリフォーム業者に来てもらうよりも一度に工事を済ませられるだけでなく、別々に工事をするよりも費用を抑えられるというメリットもあります。

建て替えとは、建物をすべて取り壊して、新築物件を建てることを指す言葉です。見える部分だけでなく内部もすべて新しくなります。ただし、解体費用や基礎工事費用などもかかるため、工事費用が高額になる点に注意が必要です。

一方、リノベーションとは、付加価値を与える方向で改修工事を行うことを指します。例えば、古くなったフローリングを単に張り替えるのではなく、床暖房機能をつけたり防音効果のあるものに変更したりすることはリノベーションと呼ぶことが一般的です。

ただし、リノベーションとリフォームは法的に言葉が規定されているわけではないため、違いが明確ではないケースもあります。例えば、フローリングを張り替えたとき、新しいものにしたことで消音性や断熱性が高まった場合であれば、リフォームではあるもののリノベーションとも呼べるでしょう。

フルリフォームの種類

フルリフォームでは、住宅全体をリフォームするとは限りません。屋外から見えにくい内部だけを工事する「内部のみフルリフォーム」と、反対に屋外から目に見える部分だけを工事する「外部のみフルリフォーム」、内部も外部もフルリフォームする「内部・外部のフルリフォーム」の3つの種類があります。

内部と外部では、それぞれどのようなリフォーム工事をするのか見ていきましょう。

内部のみフルリフォーム

内部のみフルリフォームとは、目に見えにくい部分だけをフルリフォームすることです。外壁や外装は残し、内装を一新したり、設備の入れ替えや間取りの変更をしたりします。また、外側から見えない耐震補強や断熱性能の向上につながる工事も含まれます。

内部のみの工事では、外壁はそのままにするため、建物全体のフルリフォームよりは施工費用を抑えることが可能です。外観には大きな劣化が見られず、暮らしやすさや住宅機能を向上したいときに検討してみましょう。

外部のみフルリフォーム

外部のみフルリフォームとは、建物の内部はそのままで、外壁などの外装を取り替えや修繕をする工事のことです。内部の設備や機能には問題がないけれども、外観が劣化したときなどには外部のみ工事を実施して、見た目を一新することができます。

内部のみ工事をした場合とは異なり、住宅自体の印象が大きく変わる点が特徴です。外観が経年劣化したときだけでなく、台風や類焼により外壁や屋根などの外から見える部分だけが損傷したときにも、外部のみの工事を実施することがあります。

内部・外部のフルリフォーム

内部・外部のフルリフォームとは、内部だけでなく外壁などの外装も解体して、建物を構造部分だけにし、すべて新しく作り直すリフォームのことです。見た目が劣化し、なおかつ設備や機能面でも問題が生じたときに実施します。

また、工事の過程で構造部分にトラブルが判明したときは、随時、補強工事なども行います。工事の内容や使用する設備・資材のグレードにもよりますが、内部のみ、外部のみをそれぞれフルリフォームする場合と比べて高額な費用がかかることが一般的です。

戸建てとマンションのフルリフォームの費用相場

フルリフォームの費用相場は使用する設備・資材のグレードによっても変わりますが、工事を行う部分の面積によって異なります。

また、戸建て・マンションによっても異なります。おおよその相場は以下の通りです。

床面積戸建て住宅マンション
60~70㎡600万~1,000万円ほど
70~80㎡800万~2,000万円ほど
80~90㎡800万~2,000万円ほど1,000万~3,000万円ほど
90~100㎡
100~120㎡1,500~3,000万円ほど
120~150㎡2,000~4,000万円ほど

築年数で費用が変わる?

築年数が経過していると、経年劣化により傷んでいる場所や交換が必要になった設備・資材なども増えるため、フルリフォーム費用の相場は高額になります。築年数やメンテナンスの状況によっては、建物を構造のみの状態(スケルトン状態)にして、設備や資材を一新する工事が必要になるでしょう。

また、現行の耐震基準を満たしていない一戸建て住宅の場合には、耐震補強工事も必要です。場合によっては建て替えとあまり変わらない費用がかかることもあるので、リフォーム業者に見積もりを出してもらってから、建て替えかフルリフォームかを決めるようにしましょう。

【築年数別】戸建てのフルリフォーム

築年数が増えると、交換や修繕が必要になる場所も増えます。定期的にリフォームをすることで工事を分散させると、リフォーム費用の負担を軽減できるでしょう。

築年数ごとに必要になるリフォーム工事の内容と費用目安をまとめました。ぜひ参考にして、長期的なリフォーム計画を立ててください。

築年数リフォーム内容リフォーム金額の目安
5年クリーニング、畳の張り替え7万~10万円
10年クロスの張り替え、便座の交換、外壁塗装、屋根補修150万円程度
20年水回り(トイレ・キッチン・ユニットバス)の交換、クロスや床材の張り替え、外壁・屋根の塗装500万円程度
30年スケルトンリフォーム(間取り変更含む)、配管の交換、外壁・屋根の塗装1,000万円程度
40年~耐震リフォーム、断熱リフォーム、水回りの交換、クロスや床材の張り替え、外壁・屋根の塗装1,500万円程度

※定期的にリフォームをしている状況での費用目安のため、実際にフルリフォームをする場合と比べて低めとなっています。

トイレやキッチン、浴室などの水回りは、20年おきには設備全体を交換することが一般的です。また、外壁や屋根は雨風に晒される分、早く劣化します。10年単位で塗装をし直し、内装だけでなく外装も美しく保つようにしましょう。

【築年数別】マンションのフルリフォーム

マンションでも築年数が増えるとリフォーム金額も高額になります。ただし、戸建て住宅とは異なり外壁や屋根のリフォームは必要がないため、フルリフォームをしても費用は比較的安価に抑えることが可能です。間取りにもよりますが、スケルトンリフォームをするときは1坪あたり17万~60万円ほど見積もっておきましょう。 

築年数リフォーム内容リフォーム金額の目安
5年クリーニング、畳の張り替え7万~10万円
10年クロスの張り替え、便座の交換10万円~
20年水回り(トイレ・キッチン・ユニットバス)の交換、クロスや床材の張り替え150万~270万円
30年スケルトンリフォーム(間取り変更含む)、配管の交換270万~340万円

※定期的にリフォームをしている状況での費用目安のため、実際にフルリフォームをする場合と比べて低めとなっています。

【あわせて読みたい!】

2022年最新版・リフォーム減税とはどんな制度かチェック>>>

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フルリフォーム事例

フルリフォームは住宅全体のリフォームを指す言葉です。しかし、内部だけや外部だけ、解体を伴うかなどによっていくつかパターンがあり、それぞれ工事内容や費用相場が異なります。よくあるフルリフォームの事例を3パターン紹介し、施工内容や費用相場について解説します。

【事例1】内装のフルリフォームと外壁の塗装

内装のフルリフォームと外壁の塗装とは、外壁を残して内装をすべて取り払い、外壁と屋根は塗装し直して仕上げるタイプのリフォームです。フローリングや内壁をすべて張り替えるだけでなく外から見える部分はすべて塗り直すので、内装はもちろんのこと、外観もフレッシュな印象になります。

ただし、窓のサッシはそのまま利用するので、間取りを変更することはできません。間取りに問題がなく、設備と内装資材を新しくしたいときにはおすすめのリフォーム方法です。2階建てで建築面積30坪の一戸建て住宅であれば、2,000万円程度が費用相場となります。

【事例2】スケルトンリフォーム

スケルトンリフォームとは、躯体と基礎のみ残し、内装も外装もすべて取り払ってスケルトン状態にするタイプのリフォームです。外壁や屋根も塗り直しではなく張り替えるため、外観が一新されて新築同様になります。

外壁・内壁を取り外すので、窓や間仕切りの位置を変更することができ、間取りも変更することが可能です。家族構成や年齢が変わったことで部屋数を増やしたい・減らしたいといった希望があるときは、スケルトンリフォームが望ましいでしょう。

施工費用の相場は、2階建ての建築面積30坪の一戸建て住宅で2,700万円程度です。ただし、基礎に補修や補強が必要なときは、さらに費用が高額になることがあります。

【事例3】内部全面解体フルリフォーム

内部全面解体フルリフォームとは、外壁を残して内装をすべて取り払い、窓サッシも取り替えるタイプのリフォームです。窓を新しくすることで断熱性能を向上できるため、過ごしやすい住宅になるだけでなく、光熱費も抑えやすくなります。

内壁を取り払ったときに断熱材を交換すれば、さらに断熱性能が高まり、暮らしやすい住宅にすることも可能です。築30年ほど経った住宅は内装に傷みが出てきているだけでなく、住宅性能も劣化していることがあるため、内部全面解体フルリフォームが必要になります。また、間取りも変更できるので、自由度の高いリフォームを完成できる点も内部全面解体フルリフォームの特徴です。

施工費用の相場は、2階建ての建築面積30坪の一戸建て住宅で2,400万円程度になります。ただし、基礎や躯体に補修などが必要なときは、費用がさらに高額になるので注意しましょう。

フルリフォームの工事期間

木造中古住宅フルリフォームの工事期間の目安は以下の通りです。

  • 内部のみの解体:約3ヵ月~
  • 内部の解体、外壁はそのままで窓サッシのみ交換:約4ヵ月~
  • 内部・外部すべてを解体:約5ヵ月~

いずれの場合も仮住まいが必要です。また、長期優良住宅関連の制度を利用する場合は、インスペクションや申請などに時間がかかるため、さらに工期が長引く可能性があります。

フルリフォームをする際のポイント

フルリフォームの費用目安は、2階建ての建築面積30坪の一戸建て住宅で2,000万~2,700万円程度となります。しかし、基礎や躯体にトラブルがある場合や断熱材の入れ替えなどが必要になる場合は、さらに高額になることもあるでしょう。

また、グレードの高い設備や資材を選ぶ場合も費用が高額になります。場合によっては、建て替えよりも高額になることもあるので注意が必要です。外観や設備などの気になる部分を一新し、なおかつ費用が高額になり過ぎないためには、次のポイントに留意するようにしましょう。

  • リフォーム内容に優先順位をつける
  • 見積もりを比較する
  • 予算とスケジュールを合わせて検討する
  • 信頼できる業者に依頼する

それぞれのポイントについて解説します。

リフォーム内容に優先順位をつける

リフォームプランを立てるときは、工事内容ごとに優先順位をつけておくことが重要です。例えば、リフォーム業者の見積もりが予算を超えるときは、優先順位の低い工事内容を削ることで費用を抑えられます。

反対に、見積もりが予算を下回るときは、優先順位の高い工事内容について、設備や資材のグレードアップなどを提案できるでしょう。事前にリフォーム業者から過去の事例を見せてもらっておくと、工事内容ごとの費用感を理解できるので、より満足度の高いリフォームプランを立てやすくなります。

見積もりを比較する

リフォーム工事を依頼する業者がすでに決まっている場合を除き、いくつかのリフォーム業者に見積もりを依頼し、リフォームプランやコストを比較してから依頼する業者を決めるようにしましょう。

見積もりを依頼するときは、工事内容や新たに導入する設備、使用する資材などを統一しておくと比較しやすくなります。同じ設備や資材を使う場合でも、業者によって仕入れ価格が異なるため、トータルの費用に差が出ることが少なくありません。

また、工事内容が同じでも、作業工程が異なることもあります。例えば、あるリフォーム業者では外壁塗装の下地を何度も重ね塗りするため作業工程が増え、その分、工期が長引いたり、トータルの費用が高額になることもあります。費用だけでなく作業工程が丁寧か、資材や設備の単価を明確にしているかなども比較してから業者を決めるようにしましょう。

ただし、あまり多くのリフォーム業者に見積もりを依頼すると、比較する作業が大変になってしまいます。リフォーム業者の評判や実績を公式ホームページなどで確認し、2、3社程度に候補となる業者を絞ってから見積もりを依頼するようにしましょう。

予算とスケジュールを合わせて検討する

フルリフォームは工事期間が長引くため、基本的にはマンションなどの賃貸物件を借りて、仮住まいをすることが一般的です。あまり長引くと家賃の負担も増えるため、できれば工期が短いプランを提案してくれるリフォーム業者が望ましいといえます。作業工程やスタッフの人数なども確認し、納得できるリフォーム計画を立ててくれる業者を選ぶようにしましょう。

また、予算に合わせて適切なアドバイスをしてくれるかどうかもチェックしてください。予算を超えそうなときには、機能が変わらず単価が安い資材を紹介してくれたり、利用できる設備は取り替えずに再利用したりなどの提案を受けられると、予算以内で希望するリフォーム工事を完成できることがあります。

信頼できる業者に依頼する

フルリフォームは工事範囲が広くなるため、どうしても費用が高額になります。リフォーム業者を比較するときも、つい工事費用に注目してしまい、少しでも安価なプランを提案する業者を選んでしまうかもしれません。

もちろん工事費用も重要な要素ですが、短期間で修繕が必要になったり、アフターフォローの対応がなかったりするのでは困ります。費用やプランはもちろんのこと、実績と経験が豊富で信頼できるのかという点にも注目して業者を選ぶことが大切です。

信頼できるかどうかは、普段の対応でもある程度チェックすることができます。見積もりを丁寧に作成すること、依頼主の要望を誠実に反映したプランを立てることなどにも注目し、信頼できる業者を見つけましょう。

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フルリフォームをすることで、住宅を新築の頃の機能や外観を取り戻すことができます。定期的にリフォーム工事を実施しているなら、フルリフォームの費用を抑えることができるだけでなく、住宅をより長持ちさせることができるでしょう。

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