TOEIC Listening &Reading Test は聞く問題(約45分・100問)、読む問題(75分・100問)からなり、約2時間で200問に解答します。2016年5月29日実施の第210回公開テストより問題に改訂が入り、新形式問題を導入したことも記憶に新しいですね。
前半の100問のリスニング問題は放送に従って解いていきますので、すべての受験者が45分の時間内で解答を進めます。そして75分のリーディング問題に挑むわけですが、問題の中で読まなければならない文書量が多いため、たとえスコア730以上の上級者の人であったとしても時間が足りないために終わらない可能性があります。
しかしながら、実はこの試験問題はたしかに文書量は多いものの、半分以上は基本的な知識で解ける簡単な問題です。実は上級者は試験問題の中でもハイレベルな問題に的を絞って勉強をすればさらなるスコアアップが期待できると考えることもできます。
今回は、上級者の人でも時間が足りないと嘆くリーディング問題の勉強法のコツについて、書いていきたいと思います。
1.TOEICのリーディング問題とは?
TOEICのリーディング問題はPart5短文穴埋め問題、Part6長文穴埋め問題、そしてPart71つの文書、複数の文書問題の3部構成です。理想的な時間配分は、Part5は10分、Part6 は10分、そしてPart7は55分です。
普段から模試を解くときにもこの時間配分を意識して対策をすることが基本となりますが、とくに満点取得を狙う上級者は基礎レベルの問題を瞬時に解いて、ハイレベル問題にかける時間を1秒でも多く捻出することを心がけてください。
それでは、Partごとに詳しい勉強法を見ていきましょう。
2.Part5の勉強法のコツとは?
自分の弱点を知る
自分で模試を解くときも時間配分10分を計って30問を解答してください。
模試を繰り返し解いていると、自分の間違えた部分にパターンがあることに気づきます。とくに上級者は前半の基本問題で間違うことはまれで、後半の同じ問題でミスしているということが往々にしてあります。
この間違いのパターンをノートにまとめると、自分の弱点を知ることができます。この弱点を克服すれば次に同じような問題が出たときには、得点のチャンスになるはずです。ただやみくもに模試を繰り返すのではなく、ピンポイントで弱点を克服することが勉強法のコツです。
接続表現をおさえる
たとえば下のように、しばしば公文書で使われるようなかたい接続表現も出題されることがあります。上級者でも苦手だと感じる人がいるはずです。
( ) its competitors advertise reasonable charges, Zehitomo Catering Company focuses on offering the delicious new menu.
(A)Provided (B)Whereas (C)Otherwise (D)Despite
正解は(B)Whereas です。
かっこの後ろが節になっているので接続詞が入ります。接続詞は(A)もしくは(B)です。
(A)Provided もし~なら (B)Whereas ~だが一方 (C)Otherwise そうでなければ (D)Despite にもかかわらず
訳)競合他社が手ごろな料金を宣伝しているのに対し、Zehitomo Catering Company はおいしい新メニューの提供に力を入れている。
3.Part6の勉強法のコツとは
文のつながりをおさえる
時間配分10分で16問を解答します。この限られた時間内で解答するときに時間を消耗してしまうのが、文補充問題です。
接続表現や前後の文のつながりから判断し消去法で答えを導き出す方法で解きますが、普段からこの試験特有の出題形式に慣れるトレーニングをすればスコアアップにつながります。
普段の勉強法として効果的なのは模試の演習です。
ブログを書く
もう一つの勉強法として、英語でブログを書くというものがあります。
模試によるトレーニングは有効ですが、与えられたものを解くスタイルですので「自分ならどう書くか」という観点ではありません。相手に伝えたい情報があるときに自分なら空所にどんな文を入れるかという見方ができれば、文補充問題を有利に解けるはずです。
自分で文章を書くことによって、文のつながりを考える訓練をするということがもう一つの勉強のコツです。
4.Part7の勉強法のコツとは
文書の構成をつかむ
時間配分は55分で54問を解きます。この厳しい時間制限の中で文書の内容を素早くつかめるようになるために、文書の構成をつかむという勉強方法があります。
英文の多くは導入部(Introduction),主文(Body),まとめ(Conclusion)の3部構成になっています。3部構成を具体的に見ると、①結論、②より詳しい情報や例、③もう一度結論という内容になっています。
普段からこの3部構成を意識して文書を読んでいると、スピーディに読む力がついてきます。
読んだ文書を要約する
3部構成をつかめるようになってきたら、文書を要約してみましょう。筆者は何を言いたいのか、その主張を裏付けるためにどんな例をあげたり理由を述べているのかを紙に書き出してみます。
毎日このトレーニングを繰り返せば、どこに何が書いてあるのか素早くつかめるようになってきますので、速読力だけでなくPart7特有の文の位置を選ぶ問題を解く力にもつながってきます。
最後に
TOEICの問題を時間内で解くために模試を繰り返し解くという方法は、多くの上級者の方が実践されていることです。
しかし、上級者はもう楽勝の基礎問題に費やす時間は極限まで縮めています。時間短縮を考えた時に、これ以上縮めることは至難の技です。上級者が縮めるべきは短時間では終わらない問題に今まで費やしていた時間です。
アメリカの哲学者であり作家のエマーソンの言葉に、「私たちの強さは弱さから生まれる」とあります。皆さんが今まで弱点としていた部分を強みに変えて、目標達成されることをお祈りしています。
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