観葉植物の中で、丈夫さという点でトップクラスのホンコン カポックは、家庭用だけでなくオフィスなどでも置かれている人気の品種です。楕円形の葉がかわいらしく、耐寒性、耐陰性が高く、どんな環境でも育つため、観葉植物初心者の方におすすめです。
ウコギ科シェフレラ属カポックの園芸品種で、シェフレラ属の一種です。ですから、シェフレラという呼称が一般的で、そのなかの一つにホンコン カポックという園芸品種があるということになります。
単に「カポック」と呼ばれることもありますが、カポック自体は全く別の植物なので、厳密にいうと「カポック=ホンコン カポック」ではありませんので、混同しないようにしてください。
ホンコン カポックの原産地は?
ホンコン カポックという名前ですが、ホンコンが原産というわけではありません。シェフレラは熱帯アジアなどに約150種が自生しており、そのなかでホンコン カポックは台湾や中国南部が原産地とされています。
ホンコン カポックの品種の種類とその特徴
ホンコン カポックには葉の色によりホンコン カポックや斑入りホンコンカポックがあり、斑入りホンコンカポックには黄色と白があります。緑の葉に黄色や白の斑が入っており、ホンコン カポックよりも見た目が明るい印象です。
この他にレナータというホンコン カポックの変位した品種があります。レナータは葉の形が魚の尾のようになっており、金魚葉カポックとも言われています。
ホンコン カポックの年間スケジュールは?
ホンコン カポックの生育期は春から秋なので、苗は初春ごろに購入しておくと良いでしょう。秋までの生育期で根を枝葉がしっかり生長し、冬には休眠期に入ります。
1.苗の購入
ほんこん
寒さにも強く、通年売られているホンコン カポックですが、苗の買い時は4、5月頃です。生育期である春から秋にしっかり根を張らせるためには、初春に購入して鉢や地植えをするのが適しています。
2.育苗
苗を育てる際には、成長にあわせて支柱と剪定を適宜行ってください。ホンコン カポックは茎が柔らかいので大きくなってくると自分の重さに耐えられず、まっすぐ伸びることができません。支柱と剪定により、生長を助けてあげましょう。
3.最も生育が活発な時期
最も成長が活発になるのは夏です。色が濃く美しく、ハリと艶のある葉が茂り、ホンコン カポックの特長である丸みのあるかわいらしい葉の姿を楽しむことができます。
ホンコン カポックの栽培におけるポイント5つ
1. 日当たりや場所
1年通して日が良く当たる場所に置きましょう。耐陰性の強い植物ではありますが、好むのは日なたです。良く日を当てることで株がしっかり育ち、丈夫になるのです。
2. 水やり
生育期は土が乾いたらたっぷりあげましょう。乾燥にも強いですが、乾燥しすぎると落葉の原因になりますので注意してください。ただし、水をあげすぎると徒長気味になります。徒長とは、植物が成長し芽や茎が伸びるけれども、芽や茎として十分な充実を伴わないまま成長することです。
どちらかというと、やや乾燥気味にしておいた方が根がしっかり張り、引き締まった株になります。
冬にはほとんど生長しないので、水やりは土が乾いてから2日後ぐらいにあげる程度でかまいません。乾燥気味に管理してください。
3. 肥料
ゆっくり効果の出る固形タイプの肥料を2ヵ月に1回程度あげます。市販されている観葉植物の肥料で問題ありません。ただし、肥料をあげるとものすごく良く成長しますので、もしあまり大きく成長させたくないのであれば、肥料は控えめにしておくと成長スピードを緩やかにすることができます。
4. 用土
水はけがよく肥沃な土であれば育てられますので、市販されている観葉植物の土を使用するのが良いでしょう。
5. 病気や害虫
病気は特に注意が必要なものはありませんが、害虫に関してはハダニに注意してください。ハダニは葉に付き、養分を吸い取るため植物が弱ってしまいます。見つけ次第駆除剤で除去しましょう。高温で乾燥している状態だとハダニが付きやすいので、葉水をあげるなどして日ごろのお世話の際に対策をしてください。
ホンコン カポックの栽培ステップ
1. 苗・木を購入する
人気の観葉植物なので、園芸店やホームセンターなどの店舗やインターネットでも数多く取り扱われています。気に入った種類や大きさのものを探してみてください。自宅で育てることを考えると、購入時期は生育期に入る前から生育期間中の春から初夏ごろがおすすめです。
2. 日々のお手入れ
生長に伴い、支柱と剪定を行いましょう。ホンコン カポックは茎が柔らかいので、生長してくると重さで倒れてきてしまいます。支柱で茎を支えることと、剪定で余分な葉を切ることで形状を管理していく必要があります。その他、葉水などによりハダニ対策も行ってください。
3. 水やりと追肥
生育期には、土の表面が乾いたらたっぷりとお水をあげます。最盛期である夏にはほぼ毎日水やりが必要です。ただし、やり過ぎないようにします。
秋から冬にかけては土が乾いてから2日後ぐらいにあげる程度で、乾燥気味に管理します。肥料は、生育期間のみ固形タイプのゆっくり効果のあるものを2ヵ月に1回程度あげましょう。
ホンコン カポックの植え替え
頻度
根が鉢いっぱいになったら植え替えをします。小さい鉢だと1年に1回、大きな鉢だと2年に1回ぐらいが目安です。
植え替えの手順
鉢から抜いて、3分の1ほど土を残したものを、一回り大きな鉢に植え替えて新しい土を入れます。植え替え後は半日陰で管理し、根を落ち着かせてから、徐々に明るい場所へ移動させましょう。植え替えの時期は5月から7月頃が適しています。
ホンコン カポックに花は咲くの?
ホンコン カポックには赤やオレンジの小さな花が咲きます。花は「オクトパスツリー」と呼ばれているのですが、これはタコが逆立ちした姿に似ているため、このように呼ばれています。ただし、花が咲くためには20年ほどかかるため、花を見られる機会は稀のようです。
ホンコン カポックの冬の手入れについて
耐寒性があり気温0度まで耐えられるので、西日本では屋外での越冬も可能です。しかし心配であれば冬は室内で管理する方が良いでしょう。0度を下回ると株が弱ってきたり葉が傷んできます。それ以外では特に注意する点はありません。
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ホンコン カポックの増やし方は?
ホンコン カポックは挿し木で簡単に増やせます。10㎝ほどに切った茎を土に植えて、お水をたっぷりあげてください。根が張るまでは土を乾燥させず、明るい日陰で管理します。1ヵ月ほどで根が張ってきますので、根が出てきたら鉢に植えましょう。挿し木の時に使う土は川砂がおすすめです。
最後に
観葉植物の中でもトップクラスの管理のしやすさで、初心者におすすめのホンコン カポック。見た目がかわいく丈夫で、取り扱っているショップも多く、簡単に手に入るので、観葉植物を育ててみたいなと思ったらぜひ候補として購入を検討してみてください。
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