クロトンは常緑の低木で、一般家庭だけでなくオフィスや商業施設のあるビルにも置かれていることが多い観葉植物です。
別名「変葉木(へんようぼく)」とも呼ばれ、葉の色や形がたくさんあるのが特徴です。葉の色は緑以外に黄色や白、赤などがあり、葉の形も広いものから細長いもの、尖ったものまでさまざまです。
もともと、トウダイグサ科クロトン属に属していたためクロトンと言われていますが、現在はトウダイグサ科コディアエウム属です。
今回は、種類が豊富で選ぶ楽しみも多いクロトンの育て方についてご紹介します。
クロトンの原産地は?
クロトンはマレー半島やオーストラリアなど太平洋の諸島が原産地です。熱帯地方原産であることから、暑さに強く寒さに弱い性質があります。
クロトンの品種の種類とその特徴
クロトンは葉の形状から種類を分けることができ、広葉系の「アケボノ」や長葉系の「オウハンヨウ」、螺旋系の「キラセン」などがあります。
クロトンはもともと1種類だったものが、今は100種類以上に増えており、変異の激しい植物と言われています。全てを紹介することはできませんが、葉の形状で大まかな分類ができるとご理解ください。
ちなみに螺旋形の「キラセン」は葉に金色の線が入っており、風水では金運アップの観葉植物と言われています。
クロトンの年間スケジュールは?
1.苗の購入
植付けに適しているのが5~8月なので、その間に苗を購入しましょう。
とにかく種類が豊富な植物なので、店舗よりもインターネットで探す方が気に入った形状のものを見つけやすいです。もし実物を見ずに買うことに抵抗がなければ、インターネットで購入するのも良いでしょう。
2.育苗
苗を植え、夏に向けてしっかり根を張らせましょう。クロトンは寒さに弱く、気温が10度を下回る環境下だと枯れてしまう可能性が高いため、冬場に室内に移動できるよう鉢植えで育てるのがおすすめです。そして1年を通じて日当たりの良い場所に置き、日光をたっぷり当ててあげると元気に育ちます。
3.最も生育が活発な時期
熱帯地方原産のクロトンの最盛期は夏です。春から成長をはじめ、夏である7,8月頃に最盛期を迎え、7,8月頃に葉が最も色鮮やかに茂ります。9月以降は休眠期に入ります。
4.種の収穫と、夏以降の育て方
10月以降は休眠期に入っていくため成長は緩やかになります。寒さに弱いので冬は室内で管理しましょう。休眠期には成長はほとんどありませんが、落葉などしないので観葉植物としては1年中楽しめます。
クロトンは花が咲いた後に実をつけ、種の収穫ができます。実が黒く固く乾燥してきたら収穫して割ってみると、中に種が入っていますよ。この種を植えて育てる方法もありますが、増やす場合は挿し木で増やすほうが簡単なので一般的には種から育てることはあまりありません。
クロトンの栽培における各ポイント
1. 日当たりや場所
1年を通して日が良く当たる場所に置きましょう。日が良く当たるほど鮮やかに大きく育ちます。また、寒さに弱いので冬には室内で育て、気温が10度を下回らない場所に置くようにしましょう。
ただし、種類によっては日にあたり過ぎることで葉焼けをおこすものもありますので、育てる種類ごとに置き場所を考慮してください。
2. 水やり
生育期(5~10月)には土の表面が乾いたらたっぷりとあげます。特に夏場は水が枯れないよう、1日に数回水やりをしてください。クロトンは多湿を好むので葉水もしてください。
葉水は霧吹きで葉に水をかける方法以外に、上から水をかけたり、湿らせたタオルなどで葉を拭く方法もおすすめです。これらの方法だと、葉を元気にする以外に、葉についたほこりを落とすこともできるので、葉をきれいに保つことができます。
休眠期には、土が乾いてから1,2日程度日をおいてから水やりをする程度で構いません。
3. 肥料
生育期に、ゆっくり効果の出る固形タイプの肥料を2ヵ月に1度程度あげます。観葉植物用の固形肥料が売られていますのでそれを使用すると良いでしょう。冬場は肥料は不要です。
4. 用土
水はけ、水持ちともに良い土が必要です。市販されている観葉植物の土で問題ありません。自分で土づくりをする場合は、小粒赤玉:ピートモス:川砂(もしくは堆肥)を6:3:1の割合で合わせたものが良いでしょう。
5. 病気や害虫
ハダニとカイガラムシに注意します。ハダニは葉に付き、カイガラムシは葉と茎に付き、そこから養分を吸い取ってしまうため、植物が弱ってしまいます。見つけ次第駆除剤で処分してください。乾燥すると発生しやすいので、定期的に葉水を行うようにしましょう。
かかりやすい病気は特にありませんが、多湿になるとかかりやすいものに褐斑細菌病がありますので、注意が必要です。
クロトンの栽培ステップ
1. 苗・木を購入する
5~8月頃に苗もしくは木を購入します。
2. 日々のお手入れ
クロトンは葉の形状が大きかったり上を向いていたりクルッと丸まっていたりと、ほこりが溜まりやすい形状のものが多いので、濡らしたタオルなどで葉を拭いたり、流水をかけるなどして定期的にほこりを落としてください。夏にはとにかく水やりを忘れないように注意してください。
3. 水やりと追肥
生育期には土の表面が乾いたらたっぷりと、夏には1日に数回水やりをし、鉢が乾燥しないようにしてください。肥料はゆっくり効く固形肥料を2ヵ月に1回程度あげましょう。冬場は肥料は不要で、水やりも土が乾いてから2日後ぐらいにあげる程度で構いません。
植え替えについて
頻度
鉢の中が根でいっぱいになったら植え替えをしましょう。目安としては1~2年に1度のペースです。
植え替えの手順
植え替えに適しているのは5~8月頃です。根鉢の土を少し残して、新しい用土に植えます。新しい鉢は現状の鉢より一回り大きな鉢にします。
植え替え後は1週間ほど明るい日陰に置いて落ち着かせてから日向に移動させ、徐々に日差しに慣らしていきましょう。
クロトンに花は咲くの?
夏に小さなかわいらしい花を咲かせます。葉の鮮やかさとインパクトの強さとは対照的な印象の花で、あまり目立ちません。
クロトンの冬の手入れについて
冬は少々の水やりと、温度管理に気を付けておけば、さほど手入れは必要ありません。室内で気温が10度以下にならないように管理してください。
クロトンの増やし方は?
挿し木で増やすのが一般的です。生育期である5~7月頃に行いましょう。まず、枝の先端から10㎝ぐらいを切り、下の方の葉を取ります。枝から白い液体が出てきますが、それはきれいに洗い流してください。
その枝を土に挿し、水をあげてから根が張るまで日陰で管理します。風で倒れてしまうといけないので、風の当たらない場所に置いてください。その間、土が乾かないように水を定期的にあげましょう。土は小粒の赤玉土がおすすめです。しっかりと根が張ったら、鉢植えにして育ててください。
最後に
色も形もかなりの種類がるクロトンは、一つ一つの個性が際立ち、観葉植物として育てるにも愛着の湧きやすい植物です。生命力が強く、1年を通して葉を楽しめるので、お気に入りを見つけて育ててみてはいかがでしょうか。
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