古くから保存食として作られ、体によい食べ物として重宝されている「梅干し」。お弁当やおむすびの具としても人気があり、多くの人にとって馴染みのある食材でしょう。今回は、梅干しの持つ効能と、それを生かした食養生(健康法)、さらにはよい梅干しの選び方について紹介します。
目次
梅干しの効能をおさらいしよう
発酵食品であり、体によいイメージのある梅干し。
なぜ、体によいのか?どのような健康効果が期待できるのか?まずは、梅干しの栄養や効能を具体的にみていきましょう。
酸っぱさのもと「クエン酸」が大活躍!
梅干しの栄養素と言って、真っ先にあがるのが「クエン酸」です。レモンにも豊富に含まれており、クエン酸=酸っぱいというイメージをお持ちの人も多いでしょう。クエン酸の健康効果と言えば、やはり「疲労回復効果」ですね。クエン酸には疲労物質(乳酸)をすみやかに分解、新陳代謝を活性化する効果があります。疲れた時に酸っぱいものを食べたくなるのもその証拠でしょう。ちなみに疲れが溜まっている時は、体が酸性に傾いているため、より酸っぱく感じるのだとか。
また、腸に刺激を与え、ぜん動運動を促す効果や、カルシウムや鉄などのミネラルの吸収を高める効果も。殺菌・除菌効果もあるため、お弁当やおむすびに入れるのは「おいしい」だけでなく、理にかなっていることがよくわかります。
強い抗酸化力を持つ「梅リグナン」
「梅リグナン」は、植物性ポリフェノールの一種であり、強い抗酸化作用を持つのが特徴です。老化の原因となる体のサビ・活性酸素の働きを抑制する効果があり、アンチエイジングはもちろん、さまざまな生活習慣病を防ぐ効果も期待できます。
マグネシウムや鉄分などミネラルも豊富
栄養豊富な果実である梅の実の加工品である梅干しには、たんぱく質やビタミンEをはじめ、マグネシウムやカルシウム、亜鉛、リン、鉄分などのミネラルも豊富に含まれています。中でも豊富に含まれているマグネシウムには、カルシウムの吸収を促す効果や、便の水分量を調整しスムーズな排出をサポートする効果もあります。
このほかにも、リンパや血液の流れを促進・動脈硬化予防・骨粗鬆症予防・肝機能や胃腸の働きアップなど、さまざまな健康効果を持つとされる梅干し。昔から「一日一粒で医者いらず」と言い伝えられているわけです。
デトックス効果抜群の梅干しレシピって!?
梅干しの持つ健康効果の中でも、デトックスに効果てきめん!とSNSなどでも注目を集めているのが「梅流し」です。
「梅流し」とは?
「梅流し」とは、梅干しと大根をだし汁で煮て、煮汁ごと余すことなく食べ切ることで、胃腸の働きを整える食事療法のこと。
便の排出をスムーズにするマグネシウムが豊富な梅干しと、腸内の善玉菌を増やす食物繊維やビタミンC・胃腸の働きを促進する消化酵素を豊富に含まれる大根を組み合わせることで、より高いデトックス効果が期待できます。
ファスティング前や回復食として取り入れるとより効果が高まるとされていますが、いつもの食事やおやつを「梅流し」に置き換えるだけでもOK。梅干し・大根・だし汁さえあれば、作り方はとても簡単!すぐに挑戦できる手軽さも魅力ですね。
○材料(1人分・1回分)
・大根 1/2本(400-500g)
・梅干し 中粒2〜3個
・だし汁 1500cc(だし用昆布15g)
○作り方
1)保存容器に水と昆布を入れ、30分〜一晩ほど置く。
2)1)を鍋に移し、中火にかける。ふつふつと湧いてきたら、昆布を取り出す。
3)皮をむき、食べやすい大きさにカットした大根を加える。
4)大根がやわらかくなる(竹串がすっと入る)まで煮込む。
5)梅干しの果肉をほぐして加え、さらに5分ほど煮たら、完成。
○食べ方
まずは、煮汁のみをお椀などに入れ、ゆっくりと飲み干します。一杯目を飲み干したら、次は大根や梅の実を食べながら、煮汁を飲みます。これを全てなくなるまで繰り返します。味に飽きたり、物足りなく感じたりする際には、大根に味噌や塩をつけて食べるといいでしょう。
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さらに簡単!「梅デトックスウォーター」
もっと手軽に、梅のデトックス効果を実感したい人には「梅デトックスウォーター」がおすすめです。ミネラル&塩分が含まれるので、暑い時期の水分補給としても使えます。好みで、レモンやハーブを追加すると、美味しさがさらにアップします。好みではちみつを足してもいいでしょう。
○材料(1人分・1回分)
・梅干し 中粒1個
・水もしくは炭酸水 500cc
○作り方
保存容器に水と梅干しを入れ、冷蔵庫で一晩(6時間〜)冷やしておく。
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よい「梅干し」を選ぶのも大切なポイント!
市販の梅干しは大きく分けると、【塩漬け】【しそ梅】【調味梅】の3種類があります。
【塩漬け】
黄色く完熟した梅を塩のみで漬け込んだもの。白干しともいいます。もっともシンプルな基本の梅干しです。
【しそ梅】
塩漬けに赤紫蘇を足したもの。赤紫蘇特有の色と風味が特徴です。お弁当やおにぎりで見かける、赤い梅干しはコレ。
【調味梅】
塩漬けしたものを軽く塩抜きしたあと、はちみつや昆布、かつおなどでさらに漬けたもの。ふっくらとやわらかく甘いものや、ダシの旨味が効いたものも。
ちなみに、梅流しに使うなら塩分濃度が高い(8%以上がおすすめ)【塩漬け】【しそ梅】を選ぶといいでしょう。健康効果を期待して梅干しを食べるなら、3種類どれでもOK。ただし、昔ながらの伝統的な製法で作られたものを選ぶことをおすすめします。昔ながらの作り方で作られた梅干しは、そのまま保存しても塩の効果で傷みません。(塩分濃度の低い調味梅は要注意!)
毎日食べたいものだからこそ、購入の際にはしっかりと原材料を確認し、保存料や着色料、化学調味料などが入っていないものを選びましょう。
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