「芸術」と「美術」の違いを知っていますか?わかっているようでも、言葉で説明できる方は少ないのではないでしょうか。この記事では、「芸術」と「美術」の違いを、具体例や図を使って分かりやすく説明しています。
目次
・「芸術」と「美術」の違い
・「芸術」の意味
・「芸術」の種類
文芸(言語芸術)
美術(視覚芸術・造形芸術)
音楽(音響芸術)
総合芸術
デザイン(応用芸術)
・「芸術」と「美術」の言葉の歴史
・芸術の秋に「美術」を学びたい人へ
・Zehitomoで芸術レッスンを探してみる
「芸術」と「美術」の違い
「芸術」と「美術」の違いは何でしょうか。一般的な考え方としては、 カテゴリの大きさです。 「美術」は芸術の中の一つであり、「芸術」が美術など複数のカテゴリーを束ねたカテゴリになります。
「芸術」という大きなカテゴリの中に、「美術」というカテゴリがあります。そして、「美術」の中に、彫刻や絵画といった更に小さなカテゴリが入っています。
図で表すと以下のようになります。
例えると、「動物」の中に「哺乳類」があるようなものです。「動物」が「芸術」で、「哺乳類」が「美術」です。そして、「哺乳類」の中に「ヒト」や「ライオン」など個々のカテゴリが入っています。
「芸術」の意味
一定の素材・様式を使って、社会の現実、理想とその矛盾や、人生の哀歓などを美的表現にまで高めて描き出す人間の活動と、その作品。文学・絵画・彫刻・音楽・演劇など。 (新明解)
一定の材料・技術・身体などを駆使して、観賞的価値を創出する人間の活動およびその所産。絵画・彫刻・工芸・建築・詩・音楽・舞踊などの総称。特に絵画・彫刻など視覚にまつわるもののみを指す場合もある。 (広辞苑)
特殊な素材・手段・形式により,技巧を駆使して美を創造・表現しようとする人間活動,およびその作品。建築・彫刻などの空間芸術,音楽・文学などの時間芸術,演劇・舞踊・映画などの総合芸術に分けられる。 (大辞林)
これらから、 「芸術」とは、「何らかの表現媒体を用いて、美を表現する人間の活動とその作品のこと」とまとめることができます。
「芸術」の種類
「芸術」は、表現媒体の違いによって、一般に5つのカテゴリ(種類)に分けることができます。
・文芸(言語芸術)→ 表現媒体が言語
・美術(視覚芸術・造形芸術)→ 表現媒体が視覚的なもの(色や形)
・音楽(音響芸術)→ 表現媒体が音
・総合芸術 → 表現媒体が様々な要素を含んでいる
・デザイン(応用芸術) 以下、これらを具体的な事例とともに見ていきます。
文芸(言語芸術)
文芸(言語芸術)は、言語を使って美を表現する芸術です。
・詩
・小説
・戯曲 など
美術(視覚芸術・造形芸術)
美術は(視覚芸術・造形芸術)は、色や形といった視覚的なものを使って美を表現する芸術です。
・絵画
・彫刻
・書道
・陶芸
・華道(いけばな)
・写真
・建築 など
音楽(音響芸術)
音楽(音響芸術)は、音を使って美を表現する芸術です。
・クラシック音楽
・現代音楽
・作曲
・演奏
・歌唱
・指揮 など
総合芸術
総合芸術は、様々な表現媒体を使って美を表現する芸術です。そして、それは「舞台芸術」と「映像芸術」の2つに大きく分けられます。
◯「舞台芸術」
・演劇
・オペラ
・能/ 狂言
・歌舞伎
・ダンス
・バレエ
◯「映像芸術」
・映画
・アニメーション
・コンピュータグラフィックス
・コンピュータゲーム
デザイン
「デザイン」という言葉の扱いは、文脈によって大きく異なるため、ここでは「芸術」の中の1つとして紹介します。
・グラフィックデザイン
・ユニバーサルデザイン
・空間デザイン など
「芸術」と「美術」の言葉の歴史
「芸術」と「美術」の言葉の歴史を知ると、これらの言葉の理解度が更に上がります。
「芸術」の言葉の歴史
「芸術」は、明治時代に西洋から輸入した”art”を翻訳したものです。
”art”の意味
the making of things such as paintings or drawings, or the things that are made
絵画や素描といったものを作ること、またはその作品( 英英辞書『Cambridge Dictionary』より引用 )
上記より、”art”の意味と「芸術」の意味は、ほぼ同じことがわかります。 また、カタカナの「アート」は英語の ”art”とは少し異なります。 「アート」は、「芸術」をもっと一般の人たちにも馴染みやすくするために作られました。
・「芸術」= ”art”の翻訳語(明治時代以降)
・「アート」=「芸術」をよりキャッチーにしたもの
「美術」の言葉の歴史
「美術」も、明治時代に西洋から輸入した”fine art”を翻訳したものとされています。
”fine art”の意味
a type of art that is admired for its beauty, for example painting, sculpture, music, and dance
その美しさに賞賛される芸術の一種。例えば、絵画、彫刻、音楽、ダンス。( 英英辞書『Cambridge Dictionary』より引用)
“fine art”の具体例が「絵画、彫刻、音楽、ダンス」となっていることから分かるように、 英語の”fine art”は、もともと芸術一般の意味です。 英語の”fine art”からの翻訳である、明治期の「美術」という意味は、現在の視覚的なもの以外にも、詩歌、小説、音楽なども含んでいました。 しかし、時が経るとともに、「美術」は視覚的なもののみを表すようになっていきました。
・「美術」=”fine art”の翻訳語(明治以降)
・「美術」の意味は、「芸術一般」→「視覚的なもの」になっていった
芸術の秋に「美術」を学びたい方へ
秋が来ると、日本人は芸術を始める人が多くなります。 そもそも、なぜ秋が芸術と結びつくのでしょうか? 起源は、1918年発行の雑誌『新潮』に「美術の秋」という言葉が使われ、そこから派生してきたことによるとされています。
「芸術」の何を学ぶ?
まずは、「芸術」の中で何を学びたいのか決めましょう。 「芸術」には主に5つの分野に分かれています。文芸、美術、音楽、総合音楽、デザインです。実はその他にも、漫画なども芸術に含まれると言われています。 そして、それぞれのカテゴリーの中に、更にいくつかのカテゴリーがあります。この記事の『「芸術」の種類』という項目を参照してください。
「芸術」をどうやって学ぶ?
自分の学びたい「芸術」が決まったら、次はどう学んでいくかです。 学び方は大きく分けると2つあります。一つは独学、もう一つはレッスンで先生に教わる方法です。レッスンは、更に、個別教室・集団教室・家庭教師・オンラインの4つに分けられます。
独学 →費用を抑えたいが、時間的に余裕があり、自分のペースで進めていきたい人
レッスン(教室・集団) →仲間と一緒に学びたい人
レッスン(教室・個別) →予算に余裕があり、教室で学びたい人
レッスン(家庭教師)→予算に余裕があり、対面かつ自宅で学びたい人
レッスン(オンライン) →効率的に、場所にとらわれず学習したい人
Zehitomoで芸術レッスンを探してみる
芸術の何を学ぶのかが明らかになり、レッスンを通じて学んでいこうと思った方は、ゼヒトモでその道のプロを探してみましょう。
例えば、「絵を描き始めたいけど、何から初めていいかわからない」、「正しい描き方ができているか、確認したい」という人は、ゼヒトモから絵画レッスンを探してみてはいかがでしょうか。
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