近年、ダイエットやボディメイク、健康維持などを目的にパーソナルトレーナーを利用する人が増えてきています。増加する需要に伴い、職業であるパーソナルトレーナーにも注目が集まるようになりました。
そこで今回は、パーソナルトレーナーの役割や仕事内容、取得しておきたい資格などを解説します。パーソナルトレーナーになりたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
パーソナルトレーナーとは
パーソナルトレーナーとは、クライアントの目的やライフスタイルに応じてトレーニングプログラムを作成し、マンツーマンで指導や食事管理を行う指導者のことです。
かつてはスポーツ選手に指導することが一般的でしたが、近年ではダイエットや健康維持を目的にした一般の方向けの指導も行われています。
また、必要に応じて、食生活などを含む生活習慣の指導を行うのも特徴です。パーソナルトレーナーとして活躍したい場合は、トレーニングに関する知識や経験だけでなく、栄養や身体の仕組みなどさまざまな知識を身につける必要があります。
パーソナルトレーナーの役割と目的
パーソナルトレーナーは、クライアントの特性やライフスタイルに応じた提案を行い、マンツーマンでサポートする役割があります。健康管理や食事生活の改善指導、精神面のケアを担うこともあるでしょう。
パーソナルトレーニングを受ける目的はさまざまですが、主にダイエットや健康管理、ボディメイク、リハビリテーションなどが挙げられます。運動知識や技術を保有する専門家による指導を受け、フィットネスジムより短期間で効果を実感したいと考えている場合が多いです。
パーソナルトレーナーの仕事内容
パーソナルトレーナーと聞くと、トレーニングを指導する業務を想像する方も多いでしょう。しかし、パーソナルトレーナーの仕事は、トレーニングの指導だけではありません。ここからは、パーソナルトレーナーの仕事内容について確認していきます。
カウンセリングと目的に合わせたトレーニングプログラムの作成
パーソナルトレーナーの仕事のひとつに、トレーニングプログラムの作成があります。トレーニングプログラムとは、目的を達成するために指導内容を計画したものです。
適正なトレーニングプログラムを作成するためには、カウンセリングでクライアントの目的を把握しなければいけません。カウンセリングなしでトレーニングを始めると、計画的に取り組めず、クライアントが目指す目的を達成できない場合があります。
非効率的な運動で目標達成まで時間を要する場合もあるため、まずはカウンセリングでクライアントの目的や悩みを確認することが必要です。またトレーニング中は、身体の変化に応じてプログラム内容を調整することが求められます。
トレーニングの指導
トレーニングプログラムを作成したら、その計画のもとマンツーマンで指導を行います。トレーニングの指導で重要なのは、クライアントに寄り添う姿勢です。
クライアントがマンツーマンの指導を求める理由をきちんと把握し、その期待に応えられるように一人ひとりに合わせたアドバイスを行う必要があります。
また、クライアントの体調は日によって変わる場合もあるでしょう。たとえば、身体の一部に痛みを抱えている場合は、負担の少ないトレーニングに切り替えることも重要です。
パーソナルトレーナーは、目の前にいるクライアントの体調を把握しながら、その状況に合わせて柔軟に対応することが求められます。
クライアントの食事管理
パーソナルトレーナーの仕事は、トレーニングの指導以外に食事の管理があります。カウンセリングで普段の食生活を確認し、必要に応じて改善点をアドバイスすることが必要です。ときには、具体的な食事メニューを提案する場合もあります。
たとえば、クライアントがダイエットを目的とする場合、食事量を調節したり糖質を抑えるメニューを提案したりすることもあるでしょう。しかし、無理に食事の量を減らすのではなく、健康的に目的を達成できる食事を提案することが求められます。
パーソナルトレーナーのなり方
パーソナルトレーナーになるために、国家資格の取得は必要ありません。しかし、パーソナルトレーナーとして働くには、民間資格を取得したほうが有利に働く場合が多いと言われています。
また、トレーニングに関する知識も必要なため、知識や技術を習得できる学校に通う方も多いです。ここからは、パーソナルトレーナーになる方法をご紹介します。
知識や技術を学べる学校や養成スクールに通う
パーソナルトレーナーになるために国家資格の取得は必要ありませんが、学校や養成スクールに通う方は多いです。クライアントの目的を達成するにはさまざまな専門知識や技術が必要になるため、独学ではなくプロの授業を受講するほうが効率的と言えます。
体育大学やスポーツ専門学校などの学校と養成スクールに通うメリットは、以下のとおりです。
学校 | 養成スクール |
・時間をかけてじっくり学べる ・広く網羅的な知識を習得できる ・民間資格取得の支援制度がある | ・短期間で基本的な知識を習得できる ・現場指導に特化カリキュラムである ・提携ジムへの就職支援を受けられる |
資格を取得する
パーソナルトレーナーになるために、国家資格の取得は必要ありません。しかし、パーソナルジムの中には、資格を必須条件としている場合があります。また、フリーランスや独立開業をする場合も資格がお客様の信頼につながり、顧客を獲得できる場合も多いです。
パーソナルトレーナーの資格を取得するメリットは、次のとおりです。
- トレーニングや食事指導で必要な知識を得られる
- 専門知識や専門技術があることを証明できる
- 就職や転職で有利に働くことが多い
- 顧客獲得につながりやすい
取得しておきたい資格4選
パーソナルトレーナーの民間資格には、さまざまな種類があります。ここでは、取得しておきたい資格に関する受験要件や受験費用、難易度などをまとめました。概要を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定パーソナルフィットネストレーナー)
PFT認定資格は、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会「NESTA」が発行する資格です。身体に関する知識や高い指導技術、クライアントを得るためのビジネススキルなどを習得できます。
PFT認定資格の概要は、以下のとおりです。
受験要件 | ・CPR・AEDの技能を習得・保持者 ・日本国籍、日本での就労可能な在留資格を有する者 ・PFTテキストの購入者 ・満18歳以上で高等学校卒業以上の者、高等学校卒業程度認定資格試験合格者、またはNESTAが認定する教育カリキュラム修了者 |
受験料金 | 【ダイレクトコース】72,500円(税別) 【ゼミコース】168,500円(税別) 【ショートゼミ】120,500円(税別) 【WEBコース】107,500円(税別) |
難易度 | 合格率は50~60%程度 |
参考:NESTA
NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)全米ストレングス&コンディショニング協会
世界的なストレングス&コンディショニングの教育団体「NSCA」が発行する資格です。非常に歴史が長く、日本でも知名度の高い資格のひとつと言えます。クライアントの目的に応じて指導できる、専門的な能力を持つ人材であることを認定します。
NSCA-CPT資格の概要は、以下のとおりです。
受験要件 | ・NSCAジャパン会員 ・満18歳以上である者 ・高等学校卒業者、高等学校卒業程度認定試験の合格者 ・CPR/AEDの認定者 ・NSCA-CPT認定試験の合格者 |
受験料金 | 46,000 円(税込) |
難易度 | 合格率は80%程度 |
参考:NSCA資格認定試験
CSCS(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
安全で効果的なトレーニングプログラムを計画・実行する知識と技能を有する人材であることを認定する資格です。
NSCA-CPTと同じく「NSCA」から発行されており、スポーツ心理学や栄養学、組織と運営など幅広い知識を習得できます。CSCSの概要は、以下のとおりです。
受験要件 | ・NSCAジャパン会員 ・学位取得者、または高度専門士の称号の保持者 ・CPR/AEDの認定者 ・CSCS認定試験 基礎科学セクションの合格者 ・CSCS認定試験 実践/応用セクションの合格者 |
受験料金 | 50,200 円(税込) |
難易度 | 合格率は50%程度 |
参考:NSCA資格認定試験
JATI-ATI(日本トレーニング指導者協会認定トレーニング指導者資格)
特定非営利活動法人である日本トレーニング指導者協会「JATI」が発行する資格です。競技スポーツとフィットネスの両分野で活躍できる運動指導者であることを認定します。
運動生理学や運動と栄養、各種トレーニング法の理論など幅広い知識を得られるのが特徴です。JATI-ATIの概要は、以下のとおりです。
受験要件 | JATIの正会員である者 |
受験料金 | 30,000 円(税抜き) |
難易度 | 合格率は50~90%程度 |
パーソナルトレーナーとしての働き方と給料など
パーソナルトレーナーとして働く場合、どのような働き方があるのか知りたい方も多いでしょう。働き方によって給料も異なるため、自分に適した勤務形態を選ぶことが大切です。
ここからは、パーソナルトレーナーの働き方や給料を確認していきます。
大手ジムなどで正社員として働く
パーソナルトレーナーの最も一般的な働き方として、大手ジムなどで正社員として働く方法があります。未経験でも正社員として採用してくれるフィットネスジムもあり、パーソナルトレーナーとして経験を積む第一歩になります。
年収はフィットネスジムや指導力などによって異なりますが、約320万〜360万円程度です。
正社員として働くメリット・デメリットは、次のとおりです。
【メリット】
- 保険制度や社員割引、福利厚生が充実している
- 未経験でも働きやすい
【デメリット】
- 企業やスキル・経験によって年収が変わる
フリーランス(業務委託)として働く
パーソナルトレーナーとしての高い経験値や集客につながる人脈がある場合は、フリーランス(業務委託)で働く方法もあります。正社員のように固定給はありませんが、売上の5割程度はパーソナルトレーナーの報酬となります。
働き方にもよりますが、頑張り次第では約600万円程度の年収が見込めるのが魅力です。フリーランスとして働くメリット・デメリットは、次のとおりです。
【メリット】
- 頑張り次第で高収入が狙える
- 自由な働き方を実現できる
【デメリット】
- 収入が不安定になり場合がある
独立し開業する
パーソナルトレーナー自身が開業して、フィットネスジムを運営する方法もあります。固定給はないため収入が不安定になる可能性もありますが、実力次第では短時間で高収入を狙えるのが魅力です。クライアント数によっては、年収1,000万円以上を稼ぐことも可能でしょう。
独立開業して働くメリット・デメリットは、次のとおりです。
【メリット】
- 実力次第で高収入を狙える
- 会社に縛られず自由に働ける
【デメリット】
- 経営に失敗すれば損失が生じる
パーソナルトレーナーの将来性
パーソナルトレーナーを目指すうえで、業界の需要や将来性が気になる方も多いはずです。ここからは、パーソナルトレーナー業界の需要や将来性について詳しく確認していきます。
需要の増加
高齢化が進んでいる日本では、医療の現場を助ける存在としてパーソナルトレーナーの需要が増加しています。
高齢者がパーソナルトレーナーから運動や食事に関する適切な指導を受けることにより、健康的な身体を維持できます。結果として通院する高齢者が減り、医療崩壊のリスク軽減が期待できると言われているのです。
また、健康を維持する方法としてパーソナルトレーナーの利用が選択肢にあることで、肩こりや腰痛など身体のトラブルを未然に回避することもできます。トレーニングに加えて食事の指導を受ければ、生活習慣病による身体の不調も防げるでしょう。
以上のことから、パーソナルトレーナーは、日本社会のニーズに応えられる将来性の高い専門職と言えます。
技術と経験があれば年齢関係なく働ける
パーソナルトレーナーとして働くにあたって、年齢制限があるのか気になる方もいるかもしれません。パーソナルトレーナーは技術と経験があれば、年齢に関係なく働き続けられます。
たとえば、パーソナルジムで経験を積んだあとに独立開業すれば、経営者やマネジメントの役割として活躍することも可能です。
また、近年は女性のパーソナルトレーナーも増えており、女性専用のフィットネスジムも存在します。フリーランスや独立開業すれば自由な働き方も実現できるため、結婚や出産後も働き続けられるのが魅力です。
ただし、パーソナルトレーナーとして長く働き続けるには、知識と技術を高めるための努力が求められます。
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今回の記事では、パーソナルトレーナーの仕事内容や取得するべき資格、働き方などについて解説しました。少子高齢化が進む日本において、パーソナルトレーナーはますます需要が高まる職業のひとつです。
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