「今まで運動をしたことがない」「スポーツクラブに通う前に基礎筋力を向上させたい」
「長期入院で筋力が衰えてしまった」という方のために、今回は自重筋トレについて触れていきたいと思います。
自重筋トレは文字どおり自分の体重を利用したトレーニングです。ポイントはダンベルやマシンを利用するトレーニングと全く同じです。自重筋トレで基礎筋力を維持するもよし、基礎筋力を向上させてダンベルやマシンを利用したトレーニングにステップアップするもよし。
いつでも、どこでもできる自重筋トレについて解説していきます。
自重筋トレにおけるポイント
1.姿勢
姿勢のポイントは、
- 重心は足のつま先(親指の付け根)あたり
骨盤はやや前傾(骨盤をかるく前に回転させたくらい)
背骨は直立した自然なS字カーブ
人間が直立二足歩行する上で、基本となる姿勢です。
人類が裸足で生活していた数百万年の間は上記の姿勢で生活していました。そのため、骨格や筋肉は上記の姿勢に合わせて形成されております。運動能力を効率よく発揮するための基本姿勢となります。
背骨の自然なS字カーブとは、背すじをのばしたまま上半身を左右にゆっくり振り、ふり幅を少なくさせていきながら自然に動きが止まる位置と、背すじをのばしたまま前に45度くらい傾けた状態から、骨盤の前傾をキープしたままゆっくりと上げて行き、腰や背中に無理な力を入れなくても自然に直立する位置です。
2.スピード
力学の公式です。
負荷(力)=質量 × 加速度
つまり、速く動かすことによって、筋肉には強い負荷(力)がかかります。より速く挙上することに集中すれば、強い負荷(力)を得ることができるのです。
3.呼吸
呼吸を止めて力が入ると、血圧が急上昇してしまい、とても危険です。
挙上するときに息を吐くことが基本的な呼吸法となります。
おすすめ自重筋トレメニュー
1. 脚のトレーニング:スクワット
【姿勢】
・重心は足のつま先(親指の付け根)あたり
・骨盤はやや前傾(骨盤をかるく前に回転させたくらい)
・背骨は直立した自然なS字カーブ
【呼吸】
・上げるときに吐く
【動作・ポイント】
・垂直とびをする際のしゃがみ込む位置まで下げる。そこから立ち上がる。
・上げるときは出来るだけ速く上げる。
2. 脚のトレーニング:もも上げ
【姿勢】
・重心は足のつま先(親指の付け根)あたり
・踵はつけない。
・壁に手をつき、背すじをのばす。
【呼吸】
・上げるときに吐く
【動作・ポイント】
・片足ずつ膝が胸につくようにももを上げる。
・リズミカルな音楽にあわせて1回ずつ左右交互にももを上げる。
・3~4分休まずに続ける。
3. 胸のトレーニング:腕立て伏せ
【姿勢】
・うつ伏せの状態で、手を肩幅より拳1~2個分外側につく。
・頭から足先まで直線をキープ。(初心者は膝をついて構いません)
【呼吸】
・上げるときに吐く
【動作・ポイント】
・おろす位置は床ギリギリまで。
・上げるときは出来るだけ速く上げる。
・頭から足先までの直線をキープ。
4. 腕(後側〔上腕三頭筋〕)のトレーニング:腕立て伏せ
【姿勢】
・うつ伏せの状態で、手を肩幅の位置につく。
・頭から足先まで直線をキープ。(初心者は膝をついて構いません)
【呼吸】
・上げるときに吐く
【動作・ポイント】
・脇をしめて挙上、挙上時しっかり腕を伸ばしきる。
・おろす位置は床ギリギリまで。
・上げるときは出来るだけ速く上げる。
・頭から足先までの直線をキープ。
5. お腹のトレーニング:クランチ その①
【姿勢】
・仰向けの状態で、脚・腕を天井に向かって垂直にのばす。
【呼吸】
・上げるときに吐く
【動作・ポイント】
・腕は伸ばしたまま、手の指先を天井に突き刺すように肩甲骨を挙上。
・上げるときは出来るだけ速く上げる。
6. お腹のトレーニング:クランチ その②
【姿勢】
・仰向けの状態で、両手であごを覆うように手をあてる。
・舌を上あごにつける。
・脚を曲げて膝をお腹に近づける。
【呼吸】
・上げるときに吐く
【動作・ポイント】
・膝を見るように上体を上げる。
・上げるときは出来るだけ速く上げる。
7. お腹のトレーニング:クランチ その③
【姿勢】
・仰向けの状態で、両手であごを覆うように手をあてる。
・舌を上あごにつける。
・脚を曲げて膝をお腹に近づける。
【呼吸】
・上げるときに吐く
【動作・ポイント】
・膝を胸につけるようにお尻を上げる。
・上げるときは出来るだけ速く上げる。
8. お腹のトレーニング:クランチ(セット)
【動作・ポイント】
・上記のクランチ その①②③を10回~ずつ休みを入れずに連続で行う。
・上げるときは出来るだけ速く上げる。
最後に
自重筋トレは道具を使わず、いつでも・どこでもできる筋力トレーニングです。
また、体力に自身がない方や長期入院などで筋力が衰えてしまった方が気軽に始められるトレーニングでもあります。さらには、関節への負荷が低いことから子供の体力向上にも活かせるトレーニングです。
筋トレをして筋肉がつくと背が伸びないということを昔から言われておりますが、成長ホルモンは骨の成長を優先しますので、背がとまってから筋肉がつくが正解です。老若男女どなたでも気軽に始められる“自重筋トレ”を体力づくりに是非取り入れてみてください!
自宅でできる自重メニュートレーニングに慣れた方、本格的なトレーニングをご希望の方はパーソナルトレーナーの力を借りる、ジムに行きマシントレーニングを取り入れるなどのメニューもおすすめです。自分の目標と現状を鑑みて指導を受けることができますよ。
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