水泳大会でもよく目にするバタフライは、初心者にとって難しい泳ぎ方のひとつです。バタフライを上達させるには「深く潜らない」「うねりのタイミングを意識する」などのコツを押さえる必要があります。
この記事では、水泳でより速く泳ぎたいと考えている方に向けて、バタフライ上達のコツをご紹介します。ほかの泳ぎ方との違いやバタフライのカギとなるドルフィンキックのコツも解説するので、ぜひ参考にしてください。
そもそもバタフライとは?
バタフライとは、左右対称に腕を回し、足を上下にうねらせるように動かす泳ぎ方のことです。手足のいずれもが特徴的な動きをするため、少し難しい泳ぎ方だと感じている方も多いのではないでしょうか。
バタフライは華麗なフォームだけでなく、そのスピードも特徴のひとつです。クロールの次に速く泳げるともいわれているため、泳ぎの速さにこだわりたい方にもおすすめです。
バタフライの泳ぎ方が誕生したのは、1928年のアムステルダムオリンピックだといわれています。平泳ぎの選手が、手を水面のうえに出す動きで泳いだことがきっかけです。
当時の平泳ぎのルールでは、手を左右対称に動かせばよいとだけ定められていたため、現在よりも自由度が高く、バタフライのように異なる泳法が生まれたのでしょう。
バタフライでは、手を次の順番で動かします。
- 肘から上を回すように水をつかみ、水中で一気に後ろまで腕を動かす
- 後ろから腕を大きく回し、入水角度が45度になるように両腕を水中に入れる
- 水中で一気に後ろまで動かす
足は次のように動かします。
- 上半身の動きと連動し、そろえた足を大きく下に蹴りだす
- 上がったお尻を下げて前進する
バタフライでは足だけを動かすのではなく、全身を使って前に進みます。体力は必要ですが、その分スピードが出るため、泳ぐ楽しさを味わえるのが魅力です。
バタフライと他の泳ぎ方を比較
バタフライ以外の泳ぎ方をすでにマスターしている方なら、類似点や違いに注目することで、よりバタフライの泳ぎ方を理解しやすくなるでしょう。背泳ぎ・平泳ぎ・クロールとの類似点と違いを紹介します。
背泳ぎとの比較
水泳の主な方法は、バタフライと背泳ぎ、平泳ぎ、クロールの4つです。このうち、背泳ぎのみが仰向けの体制で泳ぎます。手を肩から大きく後ろに動かし、足は付け根から真っすぐにバタ足することで前進するのが特徴です。
バラフライと背泳ぎの共通点としては、左右対称の手の動きが挙げられます。ただし、バタフライでは前に回しますが、背泳ぎでは後ろ回しが原則です。
一方、足の動きは対照的です。バタフライでは両足そろえたドルフィンキックで進みますが、背泳ぎではバタ足で進むことになります。
いずれもスピードの出る泳ぎ方ですが、熟練者で比較するとバタフライのほうが速いとされています。どちらもクロールや平泳ぎと比べると難しいと感じる方が多く、練習量が必要です。
次の記事では背泳ぎのコツを紹介しています。背泳ぎで沈まないコツについてもまとめているので、ぜひご覧ください。
〉〉〉背泳ぎが劇的に上達!初心者・子どもでも簡単な沈まないコツも紹介
平泳ぎとの比較
平泳ぎは、腕をまっすぐに突き出して半円を描いて戻るという手の動きと、足首を曲げて足裏で水を押し出す足の動きを重ね合わせた泳ぎ方です。水泳の方法のなかでは、比較的疲れにくいとされているため、長時間連続で泳ぐときなどに用いられることがあります。
バタフライと平泳ぎの共通点としては、左右対称の手の動きが挙げられます。動かし方は異なりますが、肩をしっかりと回して大きく動く点は同じです。
一方、足の動きは大きく異なります。バタフライでは両足をそろえて動かしますが、平泳ぎでは三角形を描くように動かすことが一般的です。
なお、平泳ぎは遠泳などには適していますが、スピードが出る泳法ではないため、バタフライと比べるとゆっくりと進みます。また、動きが特徴的ですが、慣れるとスムーズに泳げるため、バタフライよりは習得までに時間がかからないかもしれません。
次の記事では平泳ぎのコツを紹介しているため、上達させたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
〉〉〉 【初心者おすすめ】平泳ぎを上達させたい!手・足・息継ぎのコツやおすすめの練習方法
クロールとの比較
クロールは、腕を互い違いに回すことで前進する泳法です。足は付け根からバタ足で、背泳ぎと同じ動きをします。
バタフライとクロールの共通点としては、肩から大きく腕を動かすことが挙げられます。そのほかの要素に関しては、特に共通点はありません。
いずれもスピードが出やすい泳ぎ方のため、速さにこだわって水泳をしたい方におすすめの泳ぎ方です。また、クロールはバタフライと比べるとシンプルな動きで泳げるため、比較的短時間で習得できます。短い練習時間で水泳をマスターしたい方には、クロールが適しているでしょう。
クロールはスピードをコントロールすれば、長時間泳ぐことも可能です。次の記事ではクロールをダイエットに活かす方法を紹介しています。ぜひご覧ください。
〉〉〉 ダイエットに効果的な泳法はクロール!長く泳ぐコツを解説
バタフライで速く泳ぐコツ
バタフライで速く泳ぐコツとしては、次の5つが挙げられます。
- うねりのタイミングを意識する
- 深く潜らない
- 飛び込みを練習する
- ひとかき目に呼吸しない
- ストロークのピッチに目を向ける
それぞれのコツをマスターすることで、バタフライを上達させることが可能です。詳しく見ていきましょう。
うねりのタイミングを意識する
バタフライでは上半身の動きと下半身の動きにより、うねりを作ります。うねりのタイミングがあわないときは、第一キックと第二キックが正しくできていないのかもしれません。
第一キックとは下に足を蹴りだしてお尻を上げるキックで、第二キックとは股関節を曲げずにお尻に力を入れて前進するキックのことです。手の動きとあわないときは、まずは足だけで練習してみてください。
深く潜らない
手が水面に入ったタイミングで深く潜ってしまうと、水の抵抗を受けるだけでなく、手を前に戻すまでに時間がかかってしまい、水をかき始めるタイミングが遅くなってしまいます。水かきのタイミングが遅くなる分、スピードも落ちてしまうため注意が必要です。
深く潜らないことを意識して手を動かすと、スピードが上がるだけでなく、バタフライそのものの動きもキレイになります。
飛び込みを練習する
飛び込んだ瞬間からバサロキックをすると、水中で一気に前進でき、タイムが大幅に縮むことがあります。バサロキックが苦手な方も、飛び込みのスキルが上達することでタイムを縮められるでしょう。
飛び込むときは、顎をしっかりと引き、指先から水面に入水するように意識することが大切です。お腹をぐっと引き締めて飛び込むと、飛び込んだ勢いで前進しやすくなります。
ひとかき目に呼吸しない
ひとかき目は、呼吸をせずに前進しましょう。ひとかき目に呼吸をすると、飛び込み後のキックやターン後の壁を蹴る勢いが弱くなることがあります。
バタフライは腕の動きにあわせて上半身が水面から大きく出るため、息継ぎのタイミングが取りやすい泳ぎ方です。しかし、呼吸の回数が多すぎるとペースが乱れるため、適切に調整することが上達のポイントといえます。
ストロークのピッチに目を向ける
ストロークのピッチを上げると、前進するスピードが上がり、タイムを縮められます。体力が必要なため、すぐには難しいですが、手と足の動きをそれぞれ身体に覚えさせ、ピッチを上げていきましょう。
バタフライ上達にはキックへの意識が大切
バタフライはキックを改善することで、スピードも上がり、全身の動きも美しくなります。とくにドルフィンキックへの意識が大切です。ドルフィンキックの練習方法と上達のコツを紹介します。
バタフライに必須のドルフィンキックとは
ドルフィンキックとは、その名のとおり、イルカのような泳ぎ方のことです。全身をうねらせることで前進していきます。
強く足で水を蹴ろうとすると全身が滑らかに動かないので、身体を意図的に大きく動かすのではなく、自然な形でうねらせることを意識するのが大切です。
ドルフィンキックの練習方法
ドルフィンキックを練習するときは、水中で蹴伸びをして、身体を上下にうねらせてみてください。このときビート板を持ってしまうと上半身が浮かび上がり、うねりが上手に出ません。手には何も持たずに練習しましょう。蹴伸びの動きが苦手な方は、プールの縁をつかんで身体をうねらせても問題ありません。
また、ドルフィンキックを上達させるためには体幹の訓練も重要です。普段から、肘とつま先で全身を支えるプランクの姿勢で体幹を鍛えておきましょう。
ドルフィンキック上達のコツ
ドルフィンキックの上達のコツは以下のとおりです。
- 無理にうねろうとしない
- 水を強く蹴ろうとしない
- 下半身を動かし過ぎない
- 股関節を曲げずにお尻を動かす
コツを頭に入れておき、練習でドルフィンキックを上達させましょう。ドルフィンキックを改善すれば、バタフライのスピードを上げることができます。
バタフライのきれいな泳ぎ方のコツは?
バタフライで速く泳ぐコツをつかんだら、次はより美しい動きを目指しましょう。次の記事ではバタフライのキレイな泳ぎ方のコツを紹介しています。ぜひ参考にして練習してください。
〉〉〉 【水泳プロ監修】バタフライの正しくキレイな泳ぎ方とコツ
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今回の記事では、バタフライのコツをご紹介しました。バタフライを上達させるには、手や足の動きはもちろん、ドルフィンキックの練習が必要不可欠です。
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