トイレリフォームは、便器や便座の交換、内装工事、さらには給排水工事など多岐にわたる作業工程が必要となるため、専門的な知識と技術が求められ、費用も高くなりがちです。
費用が理由でトイレリフォームを断念・先延ばしにする方も多いのではないでしょうか。迷っているという方もいるでしょう。国・政府が実施している助成金や補助金制度、自治体が実施する給付金をリフォーム費用に充てることが可能です。
この記事では、助成金制度や補助金制度を利用してトイレリフォームを考えている方に向けて、必要な情報を詳しく紹介しています。制度の種類や申請方法、注意点なども説明しているので、ぜひチェックしてみてください。
株式会社ホーダイホーム
トイレリフォームの助成金・補助金の種類
トイレリフォームは、以下の助成金・補助金を活用することで費用を安く抑えられます。
助成金・補助金制度では、申請条件や補助金額、対象となる工事の範囲が異なるため、
事前に自治体やリフォーム会社に確認しましょう。
①介護保険における住宅改修
介護保険の住宅改修費とは、要介護認定・要支援認定を受けた方が居住している場合に利用できる制度です。ケアマネジャーに相談して手続きを進めていきますが、まだ要介護認定、要支援認定を受けていない場合は、自治体の窓口に問い合わせて認定を受けることから始めましょう。
対象となるリフォーム工事 | ・手すりの取付け ・段差の解消 ・床または通路面の材料の変更 ・引き戸への扉の取り替え ・和式便器から洋式便器に取り替えなど |
受給条件 | ・要支援1~2 ・要介護1~5いずれかの要介護認定を受けていて有効期間内であること |
支給限度基準額 | 20万円(要支援、要介護区分にかかわらず定額) 要介護状態区分が3段階上昇、または転居 した場合、再度上限額20万円まで請求できる |
申請の流れ | 1.ケアマネジャーに相談する 2.書類提出 3.リフォーム工事の施工、完成 4.助成金の支給 |
申請期限 | リフォーム工事の着工前。 ただし、やむを得ない状況のときは、工事完成後に申請可能 |
②子育てエコホーム支援事業
子育てエコホーム支援事業は、2050年カーボンニュートラル実現を目指し、省エネ性能の高い住宅の普及を促進するための国の制度です。特に子育て世帯や若者夫婦世帯を対象に、住宅の新築や購入、リフォームに対して補助金の交付を行います。
子育てエコホーム支援事業を活用することで、最大100万円を給付金でまかなうことが可能です。経済的な負担を軽減しながら省エネ性能の高い住宅を実現でき、光熱費の削減にもつながります。
対象となるリフォーム工事 | ①開口部の断熱改修 ②外壁、屋根・天井又は床の断熱改修 ③エコ住宅設備の設置 ④子育て対応改修 ⑤防災性向上改修 ⑥バリアフリー改修 ⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置 ⑧リフォーム瑕疵保険等への加入 ※④~⑧については、①~③のいずれかと同時に行う場合のみ補助の対象 |
受給条件 | 以下の①②を満たす方 ①エコホーム支援事業者※と工事請負契約を交わしてリフォーム工事をする方 ※補助金の交付申請を代行し、受け取った補助金を建築主に還元するために登録された住宅事業者。 ②リフォームする住宅の所有者であること |
補助額 | 補助額は、工事内容によって異なるため、公式ホームページの「対象となるリフォーム工事」から確認 |
着工日の期間 | 2023年11月2日~交付申請まで(遅くとも2024年12月31日) |
手続き期間 | ・交付申請の予約2024年4月2日~予算上限に達するまで(遅くとも2024年11月30日まで)※ ・交付申請期間2024年4月2日~予算上限に達するまで(遅くとも2024年12月31日まで)※ ※締切は予算の執行状況に応じて公表。交付申請の予約を行っている場合、当該予約期限または2024年12月31日のいずれか早い日まで交付申請が可能。 |
➂長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業とは、省エネ化などの住宅の性能向上につながるリフォームや、子育てしやすい住宅へとリフォームするときに適用される補助金制度です。
ただし、トイレリフォームだけでは利用できないため、耐震改修や断熱改修などの工事も合わせて行いましょう。
対象者 | ・リフォーム工事の施工業者または買取再販事業者 ・個人の住宅所有者 ・既存住宅(中古住宅)の所有者 ・戸建住宅、賃貸を含む共同住宅の所有者 ・若者・子育て世帯 |
対象工事 | ・省エネ化のための工事 ・耐震性向上のための工事 ・バリアフリー化工事 ・三世代同居に対応するための工事 ・子育て世帯向けの工事 ・テレワーク環境の整備 ・高齢になったときに向けての改修工事 ・自然災害対応のための工事 |
受給条件 | ・リフォーム後の住宅が耐震性や省エネ性において一定の条件を満たしていること。 ・インスペクション(建物調査)を行うこと |
助成金額 | 工事費用の1/3(1戸あたり100万円が上限) |
④自治体が実施するトイレリフォームに使える補助金・助成金制度
これまで紹介した「介護保険における住宅改修」「子育てエコホーム支援事業」以外にも、各自治体で実施している補助金・助成金もあります。ここからは、各自治体が行っている補助金・助成金の一例を紹介します。
ただし、予算が条件に達した場合は申請期間よりも早めに締切る場合もあるため、ご注意ください。
東京都府中市「高齢者自立支援住宅改修給付」
引用:https://www.city.fuchu.tokyo.jp/kurashi/machi/jutaku/koresha.html
東京都府中市の「高齢者自立支援住宅改修給付」は、高齢者が自宅で安全かつ自立した生活を送るために必要な住宅改修工事の費用を一部補助する制度です。
住宅設備改修給付 | 住宅改修予防給付 | |
対象者 | 年齢が 65 歳以上で、住宅の改修が必要と認められる方。 ただし、要介護認定の結果が「要支援」または「要介護」の方が対象 | 年齢が 65 歳以上で、住宅の改修が必要と認められる方。ただし、要介護認定の結果が「非該当」の方が対象 |
対象工事 | ①浴槽取替え及びこれに付帯して必要な給湯設備等の工事 (「課題解決シート」により、工事の必要性について事前検討が必要) ②流し台、洗面台の取替え及びこれに付帯して必要な工事 ③洋式便器等への便器取替え及びこれに付帯して必要な工事 | ①手すりの取付け ②段差の解消 (段差解消を目的とした浴槽交換は対象外) ③滑りの防止、移動の円滑化などのための床材の変更 ④引き戸等への扉の取替え⑤洋式便器等への便器取替え ⑥その他これらの事に付帯して必要な工事 |
給付基準額 | ①379,0009円 ②156,000円 ➂106,000円 | 20万円 |
給付限度額 | ①265,000円~341,000円 ②109,000円~140,400円 ③74,200円~95,400円 | 14万円~18万円 |
※事前調査・申請が必要で給付対象にならない場合もあるため、早めに相談しましょう。
東京都品川区「住宅改善工事助成事業(エコ&バリアフリー住宅改修)」
引用:https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/ct/pdf/20211221163556_1.pdf
「住宅改善工事助成事業(エコ&バリアフリー住宅改修)」は、品川区民を対象とした補助金制度。
住宅の省エネルギー性を高めるための工事・バリアフリー化改修を行う際、費用の一部が補助されるというものです。環境に配慮した住宅改修とバリアフリー化促進を目的としています。
住宅改善工事助成事業(エコ&バリアフリー住宅改修) | |
対象者 | ・品川区民 ・マンション管理組合、賃貸住宅個人オーナー |
対象工事 | エコ住宅改修 LED照明器具設置遮熱性塗装日射調整フィルム設置断熱化高断熱浴槽設置節水型便器設置換気設備新設環境に配慮した内装材使用その他、環境に配慮した工事 バリアフリー住宅改修手すり設置段差解消廊下や出入口の拡張扉改修浴室改修トイレ改修その他、バリアフリーに配慮した工事 その他の工事屋根の軽量化外壁耐火パネル設置防犯ガラスや扉等の設置家具転倒防止器具の設置その他、耐震性を高めるための工事 |
給付限度額 | ・20万円(品川区民) ・100万円(マンション管理組合、賃貸住宅個人オーナー) |
申請期間 | 令和6年4月1日(月)~令和7年2月12日(水) |
※助成交付額が予算総額に達した時点で受付を終了します。
⑤[補助金とも併用可]トイレリフォームで使える減税制度もあり
トイレのリフォーム工事をすることで、所得税や固定資産税を節税できる場合もあります。
減税制度 | 内容 | 控除期間 | 減税額 |
住宅リフォーム減税(所得税) | 10年以上の住宅ローン(リフォームローン)を組んでリフォームをするときに適用 住宅リフォームにおける減税制度について | 10年 | 年末時点のローン残高×0.7%(上限14万円) |
投資型減税(所得税) | 耐震かバリアフリー化、省エネ化、同居対応、長期優良住宅化のいずれかのリフォームをするときに適用 投資型減税(所得税) | 1年 | 工事費用の10%(上限20万~60万円) |
固定資産税の減税 | 耐震かバリアフリー化、省エネ化、長期優良住宅化のいずれかのリフォームをするときに適用 住宅リフォームにおける減税制度について | 1年 | 固定資産税の1/3~2/3 |
所得税の減税措置を受けるためには、確定申告が必要です。また、固定資産税の減税措置ではお住まいの自治体(市町村。東京23区にお住まいの場合は東京都)に申請が必要となります。
トイレリフォームで補助金・助成金を申請する際の注意点
トイレリフォームで補助金制度・助成金制度の適用を受けるには、既定の提出物を出して期間内に申請することが必須条件です。
また、制度によっては適用期限が定められていることや工事報告が義務付けられていることもあるため、申請内容を確認しておきましょう。
着工前の申請を忘れずに
助成金・補助金制度を受けるためには、原則としてリフォーム着工前に申請がマストです。リフォームする前に利用する制度の詳細を確認しておきましょう。
また、申請時にリフォーム工事計画書や見積書の提出が必要なケースもあります。業者に見積もりを依頼する前に、助成金・補助金対象の工事に対応しているか確認しておくと安心です。
申請期間や報告期限などはしっかり確認
助成金・補助金制度の多くは、申請期間が決まっていますが、変更になることもあります。期間を確認したら申請書類を揃え、早めに申請手続きを行いましょう。
また、リフォームして終わりではなく、施工後に工事完了報告の手続きが必要です。完了報告は提出期限があり、報告期限に間に合わなかったあるいは、報告を行わなかった場合、助成金・給付金が交付されないため忘れずに行いましょう。
予算に達する前に早めに申請
助成金・補助金制度は、予算の上限に達し次第、申請を打ち切ることがあります。
トイレリフォームに活用できる助成金・補助金が決まっているのであれば、受付期間内になるべく早く申請手続きを済ませておきましょう。
同じ自治体内の業者による施工を条件とする場合が多い
自治体の助成金制度では、自治体内の業者にリフォーム工事を依頼することが適用条件となっていることがあります。条件を確認することはもちろんのこと、リフォーム業者に直接制度について尋ね、書類作成や申請手続きなどのサポートを受けられるのか確認しておきましょう。
また、申請者自身が自治体に住民登録していることや、住居が自治体内にあること、住民税などを滞納していないことなども条件となります。ご自身と建物、そして施工業者の3つが条件に合致し、制度の対象になっているのかもチェックすることが必要です。
不明点については、直接自治体の窓口に尋ねてみましょう。自治体や国の補助金制度・助成金制度は提出書類や条件が多いため、不備があると何度でも提出し直しを求められます。一度で受理してもらえるように、施工業者とも相談し、万全の準備をしてから申請することが重要です。
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トイレをリフォームすることで、より快適な生活を実現することが可能です。助成金制度や補助金制度を利用すれば、リフォーム費用も抑えることができるでしょう。
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プロからのコメント
トイレリフォームも場合によっては高額な費用が必要となります。そのため、自治体やお客様の状況に合わせた補助金制度についてぜひ知って活用してほしいものです。
ただ、それぞれの補助金制度を利用するにはいくつかの条件があります。調べても分からない場合は、工事業者の方に質問してみると良いでしょう。
せっかくのリフォームを費用で諦めるのはもったいないですから、補助金制度をうまく活用してみてください。
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