「畳が古くなってしまった」「お手入れが大変」などを理由に、和室を洋室にリフォームしたいと考える人もいるのではないでしょうか。現代の生活では、和室よりも洋室のほうが人気は高く、暮らしやすいと感じる人も多いようです。
そこで今回は、和室の床を洋室にDIYする方法を紹介します。DIYする時の注意点やリフォーム業者に依頼するメリット、費用相場も解説するので、あわせて参考にしてみてください。
株式会社ディセノ
和室を洋室にリフォームするメリット
畳が敷かれている和室は、高温多湿を好むダニの温床となりやすい上に、手入れが大変です。また、畳が傷むため、ベットなどの重たい家具を置くことができない場合もあります。
そこで、床をフローリングにすることで、家具が置きやすくなるだけではなく、段差が減るため、車いすでの移動が楽になったり、傷や汚れを気にせず掃除出来たりとたくさんのメリットがあります。DIYでリフォームすれば、自らのアイデアを活かして魅力のある綺麗なリビングになります。
畳からフローリングへのリフォーム方法
和室から洋室へリフォームする方法は、「捨て張り工法」と「根太張り工法」の2種類となります。DIYで模様替えを行う方は以下の手順を参考にして、おしゃれな家づくりにチャレンジしてみてください。
捨て張り工法
捨て張り工法とは、木材や下地合板を用いて下地を作り、その上に新しい床材を施工する方法のことです。
捨て張り工法の場合はフローリングだけではなく、フロアタイルやタイルカーペット、クッションフロアなど、好みの洋室へとリメイクできるのが特徴です。DIY向けの床材でも仕上げられるため、手軽で自由度の高いリフォーム方法といえるでしょう。
根太張り工法
根太張り工法とは、長い角材で床組を行い、その上にフローリングを直接施工する方法のことです。シンプルですが根太張り専用のフローリングを使用する必要があることから、捨て張り工法よりも自由度が低くなります。
捨て張り工法の手順
準備物
道具:のこぎり、電動ドライバー、鉛筆、メジャー、手袋 、差し金、メジャー、鉛筆、カッター(大)、ゴムハンマー
材料:普通合板(900×1800×12mm厚)、根太材(35mm角)、コンパネビス、ネダボンド 、床材、ボンド
1. 畳を剥がす
まず、DIYしたい和室の畳を剥がしていきましょう。もし畳の下の合板が腐っていたり、カビが生えていたりすれば、合板もあわせて撤去して張り直す必要があります。
2. 根太材を設置する
畳を剥がしたら、根太材を設置しましょう。まず、壁際に根太材を置いていき、その後等間隔で並べていきます。根太材の間隔の目安は450mmですが、より頑丈な造りにしたい場合は300mm間隔で設置するのがおすすめです。
根太材の上に合板を仮置きしていきますが、この時に合板の端が乗るように微調整を行います。合板の端が根太材の上に乗っていないと、床の沈みや軋みの原因ともなるため注意しましょう。
根太材の位置が決まったら、1本ずつボンドで固定します。 なお、畳を撤去する前に和室の寸法を測っておき、事前にホームセンターで角材をカットしておくとスムーズに設置できます。
3. 合板を張る
根太材の設置が完了したら、合板を張っていきましょう。根太材の上に合板を敷いていき、ビスで固定していきます。合板を全部敷いてしまうと、どこに根太材があるかわからなくなるので、合板の表面に印を付けてから作業するのがおすすめです。
4. 床材を張る
最後に、床材を張っていきましょう。床材の並び方向に向かって、和室の奥行きまでを測ります。その後、床材が何列分必要になるかをチェックしましょう。最後の列が狭い場合は、1列目もカットして幅が均等になるように調整します。
床材の準備ができたら、1列目から順に並べて張っていきましょう。この時、コツはカットした面が壁側を向くように施工することです。 和室の端まで床材を張ったら完成です。
根太張り工法の手順
準備物
道具:電動ドリル、スケール、さしがね、のこぎり、かなづち、ゴムハンマー、チョークリール、えんぴつ、ペンチ、ポンチ、丸ノコ
材料:
根太材、ビス、フローリング材、根太ボンド、フロア一釘、仮釘、コーキング剤、マスキングテープ
1. 根太を組む
根太は四方の壁にぴったり沿わせて配置し、中心線の上、中心線から左右に30cm間隔で組んでいきます。
使う根太の太さは根太の上にフローリングを置いて敷居まで2~3mmの余裕が出る太さにしましょう。
根太の配置ができたらビスで根太を固定します。
2. ガイドラインを引く
壁際の長さを測り、中心の位置を算出します。その位置にチョークリールを使い、まっすぐに線を引きます。
このガイドラインから左右対称に、奇数列はフローリングの境目がライン上に、偶数列はカットしていないフローリングの中央がライン上に来るように配置します。
配置するときは必ずフローリング同士のつなぎ目が根太の上にくるように注意しましょう。
3. 仮置きする
1壁からガイドラインまでの長さを測り、フローリングにカットするラインを書きます。カットラインが引けたら、線に沿ってカットしましょう。
カットができたら1列目を入れこんでいきます。入れ込むときは、右側のフローリングから先に置き、次に置くフローリングのサネを入れていきます。
次に2列目を仮置きしていきます。フローリングの中心がガイドライン上に来るように置きましょう。
端に必要な長さを測り、1列目と同じようにカットし、はめ込んでいきます。
この後は1列目と2列目の工程の繰り返しです。ゴムハンマーを使ってしっかりサネを入れ込みながら進めていきましょう。
一番最後の列は長さのカットまでを済ませて上に乗せておきます。
4. 最後の列の幅をカットする
最後の列の幅をカットするために、手前の列を外します。
手前の列を外したところに最後の列をはめ込みましょう。
最後の列を入れ込んだら、用意しておいた定規をぴったり壁に押し付け、水平を保ちながら、カットするラインを引きます。
カットラインを引いたフローリングを外し、線に沿ってカットしましょう。
最後の列のカットが終わったら、外していた手前の列を入れ込み、最後の列の幅を確認しましょう。その時、入れ込んでしまうと外せなくなるので、上から乗せれるようにして確認しましょう
5. フローリングを貼る
仮貼りを外していきます。外した並んでいた順番が分かるようにして置いておきましょう。
根太の上にボンドを筋状に出し、壁際の根太も忘れないようにフローリング1列文づつ出していきましょう。
ボンドが1列分出せたらフローリングを置き、ゴムハンマーで上からしっかり叩いて、圧着します。
圧着が終わったら、フロアー釘で固定していきます。根太のある場所へ凸サネに45°の角度になるように釘を打ち込み、最後はポンチを使ってしっかり打ち込みましょう。
同じようにして残りも貼っていきましょう。
6. 最後の列の入れ込みをする
根太にボンドが出せたら、始めにフローリング同士のサネをはめ込み、フローリングを斜めに倒し、列同士のサネをゴムハンマーで叩きながら少しずつ入れ込んでいきます。
ゴムハンマーの頭を斜め手前に逃がすように少しずつ叩きながら、フローリングを動かしてサネを入れ込んでいきましょう。
フローリングが入れ込めたら、上からゴムハンマーで叩いてよく圧着させましょう。
圧着後はフローリングの中心から両側に向かって30cm間隔で仮釘で固定し、ボンドが乾くまで待ちます。
次は隙間の処理をしていきます。
隙間を囲うように床側と壁側にマスキングテープを貼ります。
隙間にコーキング剤を流し込みます。流し込んだ後は指で表面をならしましょう。
コーキング剤が乾く前にマスキングテープを剥がし、隙間の処理は完了です。
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和室を洋室にDIYする時の注意点
和室を洋室にDIYする時の注意点は、主に以下のとおりです。
- 畳の上から床材を敷かない
- 畳の処分方法を確認する
- しっかりと採寸する
- 床の下組をしっかりと組み上げる
それぞれの注意点を詳しく見ていきましょう。
畳の上から床材を敷かない
和室を洋室にDIYする時は、畳の上から床材を敷かないようにしましょう。畳の上に直接床材を敷いてしまうと湿気がこもってしまい、カビやダニが繁殖する原因になります。そのため、畳からフローリングにリフォームしたい場合は、畳を外したうえで行うのがおすすめです。
ただし、マンションや賃貸住宅の場合は退去時に原状復帰をする義務が生じます。原状回復義務とは、退去時に借りた状態のままに戻す義務のことです。
つまり、リフォームをしたとしても、元の状態に戻してから退去する必要があります。 その場合は畳を外して交換することができないので直接床材を敷いておき、定期的に床材を剥がして畳を空気に触れさせるといいでしょう。
畳の処分方法を確認する
和室を洋室にDIYする場合は、畳の処分方法をあらかじめチェックしておきましょう。基本的に、畳は燃えるゴミとして処分することはできません。 一般的には粗大ゴミとして扱われるものの、畳の処分方法は各地方自治体によって異なります。DIYを行う前には、住んでいる地域のゴミ出しルールを確認しておきましょう。
しっかり採寸する
和室を洋室にDIYする場合は、しっかりと採寸するようにしましょう。1つでも採寸を間違ると、全体に影響し、1からやり直しをする可能性もあります。
そのため、材料を購入したり、カットしたりする場合は事前にしっかりと採寸を行い、どの部材が何センチ必要なのかを把握しておかなければいけません。大がかりなDIYをする場合は、念入りに寸法を測っておきましょう。
床の下組をしっかりと組み上げる
和室を洋室にDIYする場合は、床下地をしっかりと組み上げておきましょう。下組を適当に組んでしまうと床が軋んでしまったり、沈みの原因になったりとアクシデントにつながります。また、必要であれば、断熱材や乾燥剤を使用することも大切です。
安心安全な生活を確保するには、簡単に住宅の雰囲気を変えられるDIYだとしても、しっかりとした下組を作ることが何よりも重要だといえるでしょう。
壁を洋風に
和室を洋室にアレンジしたいと思ったとき、床の張替えが思い浮かぶのではないでしょうか。しかし、壁を洋風にすることも部屋の印象を変える一つの方法です。
塗料をペイントしたり壁紙を貼ったりして、和モダンな部屋を洋風な空間にしてみてください。また、一戸建ての和室は「真壁」と呼ばれる柱が露出したタイプの壁であることが多いのに対し、洋室の壁は「大壁」と呼ばれる、柱が見えない仕様になっているのが一般的です。
壁紙を貼る
壁の雰囲気を変える手っ取り早い方法は壁紙を貼ることです。ペンキで塗装できない賃貸でも使えるような、貼ってはがせる専用糊も安価であり、1000円程度で購入できるため、比較的簡単なやり方です。
複数の壁紙を使ってみるのもおすすめで、色はもちろん、レンガやタイル風などの柄壁紙を使って、ツートンに仕上げるのも良いですし、柱や出っ張りをアクセントにしてみるのも良いでしょう。内装をイメージチェンジして、ぜひ自分好みのオシャレなお部屋を作ってみてください。
リフォーム業者に依頼する場合
これまでは、自分で和室を洋室に変える方法など、DIYについて述べてきましたが、自らリフォームするとなると技術や体力、時間などが必要となってきます。
また素材や工具を用意する必要もあるため、業者に依頼するという場合もあるでしょう。ここでは、業者に頼むメリットや頼んだ場合の費用を詳しく見ていきます。
リフォーム業者に依頼するメリット
和室リフォームを業者に頼むメリットは、主に以下のとおりです。
- DIYより工事が早く終わるため、和室を使えない期間を短くできる
- リフォームのプロに依頼できるため、ニーズに合わせた施工をしてもらえる
- 失敗するリスクが減る
和室リフォームを業者に依頼すると、自分でDIYするよりも工期を短くできます。DIYした場合は、1ヵ月ほど床がない状態になることも珍しくなく、長期間不自由な生活を強いられることもあるでしょう。
しかし、業者に依頼すれば、和室を使えない期間をかなり短くでき、快適な生活を送れます。しかも、業者はリフォームのプロであるため、きれいな仕上がりが期待でき、具体的なニーズに合わせた施工も可能です。
例えば、床の土台からリフォームしなければいけない場合、耐震性や耐衝撃性を考慮したうえで頑丈な土台を作ってくれます。他にも、素人にはできないようなプロの技で自宅をリフォームしてくれるでしょう。
さらに、当然業者に依頼する方が、失敗する可能性は低いでしょう。床のリフォームは失敗すると場所により高さの違いが生まれたりバランスが悪くなったりして、相当生活しずらいので、少しお金を出してでも業者に依頼するのも良いかもしれません。
業者に依頼した場合の費用相場
気になるコストについてです。和室の床のリフォームを業者に依頼する場合の費用相場は、9〜35万円です(6〜8畳)。
費用をできるだけ抑えたい場合は、クッションフロアの採用を検討しましょう。畳からクッションフロアに変更する場合は、8〜18万円(6〜8畳)が相場となっています。
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監修したプロのコメント
DIYするための材料は、ホームセンターなどで簡単に手に入れることができます。器用な方ならDIYできるかもしれませんが、どうしても時間と労力がかかってしまいます。
イメージ通りに完成させるのは難しいため、DIYに自信のある方や予算がどうしても合わない方などは除き、プロに依頼した方が無難だと思います。
例えば、実際の作業内容として、以下のような点に注意が必要です。
・ベニヤを引きつめる:ピッタリ引き詰めると床鳴りの原因になる。(夏は湿気が多く、冬は乾燥しやすいため、木材が膨張・伸縮を繰り返すため。)
上記はあくまで一例ではありますが、経験豊富な大工さんの施工技術とDIYを比べると、完成度合に大きな差が出てしまいます。まずは、信頼できる業者さんに相談するようにしましょう。
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