襖(ふすま)が破れたときや経年劣化で見た目が悪くなっているときは、張り替えが必要です。ふすまは和室の印象を大きく左右するため、気になるときは早めに張り替えましょう。
この記事では、ふすま張り替えの費用相場を紹介します。また、襖紙の種類や業者選びの方法についても解説します。ぜひ参考にして、ふすまの悩みを解消してください。
襖の張り替え費用は種類やグレードで変わる
襖(ふすま)張り替え時期の目安は、5~10年程度といわれています。色褪せや破れが気になる、カビのような不快な匂いがするなども、張り替えのタイミングです。
汚れた状態で放置すると、カビが生えやすくなります。襖は基本的には紙製で、水拭きできないものが多いため、早めに張り替えて清潔な状態に維持しましょう。
襖(ふすま)張り替えの費用は、襖の種類やグレード、デザイン、サイズなどによって変わります。また、片面だけを張り替えるのか、両面を張り替えるのかによっても料金はさまざまです。
襖の種類
襖には、「本ふすま」「板ふすま」「発泡スチロール/段ボールふすま」などの種類があります。
1. 本ふすま
特徴
- 木の枠組みがあり、表面を触ると枠組みを確認できます。
- 枠組みの中は紙で作られています。
張り替えの特徴
- 古い紙を取り除き、新しい和紙やビニールを貼り付けます。
- 和紙やビニールの種類によって費用が変わります。
2. 板ふすま(戸ふすま)
特徴
- 枠組みだけでなく、全体が木で覆われている構造です。
- 表面は板張りで、重量感があります。
張り替えの特徴
- ベニヤ板に下地となる紙(下貼り紙)を貼り、その上に襖紙を重ねます。
- 表面の板が劣化していなければ、新しい紙やビニールを貼ることができます。
- 板の張り替えが必要な場合、費用が高くなる可能性があります。
3. 発泡スチロール/段ボールふすま
特徴
- 全体を持ち上げるととても軽いのが特徴です。
- 発泡スチロールや段ボールが内部に使用されているため、コストが低いです。
張り替えの特徴
- 軽量であるため、取り扱いや張り替えが比較的容易です。
- 表面材が簡単に劣化する可能性があるため、定期的な張り替えが必要になることがあります。
【種類別】張り替えの費用相場
襖に貼る紙のことを「襖紙」(ふすまがみ)といいます。
製法や素材によって価格が異なり、襖紙には「和紙」と「織物」が使われるのが一般的です。和紙は機械すきよりも手すき、織物は高級糸入りや手織りのものが高級とされています。
また、和紙は、「鳥の子」と呼ばれる襖紙を使うことが多いです。鳥の子には、「新鳥の子」「上新鳥の子」「鳥の子」「本鳥の子」の種類があり、「新鳥の子」が安く、「本鳥の子」が最高級品とされています。
並品
並品には、和紙のなかでも安価な「新鳥の子」が分類されます。新鳥の子は、機械すきの量産品です。
襖1枚(片面)あたりの張り替え費用は、1,000~2,000円が相場です。比較的安価なため、子ども部屋やリビングなどの頻繁に張り替える場所の襖に適しています。
和紙素材 | 費用相場(1枚) |
新鳥の子 | 1,000~2,000円 |
中級品
中級品には、和紙なら「上新鳥の子」、織物なら「普及織物」が分類されます。上新鳥の子は機械すき、普及織物は機械織りで、レーヨン糸やマニラ麻糸などが織り込まれています。
中級品襖紙の1枚(片面)あたりの張り替え費用は、上新鳥の子は1,500~3,000円、普及織物は1,500~4,000円が相場です。
和紙素材 | 費用相場(1枚) |
上新鳥の子 | 1,500~3,000円 |
織物素材 | 費用相場(1枚) |
普及織物 | 1,500~4,000円 |
上級品・高級品・最上級品
上級品・高級品・最上級品には、和紙なら「鳥の子」「本鳥の子」、織物なら「中級織物」「高級織物」「最高級織物」が分類されます。高級素材を使っているだけでなく、質感も優れているため、和室全体が高級かつ上品な印象に仕上がります。
ただし、既存の襖紙が中級品以下の場合は、襖の枠や壁の質感、建具などとバランスが取れないかもしれません。和室全体のグレードを上げるのであれば、襖紙以外のリフォームも検討しましょう。
和紙素材 | 費用相場(1枚) |
鳥の子 | 2,000~10,000円 |
本鳥の子 | 2,500~6,000円 |
織物素材 | 費用相場(1枚) |
中級織物 | 2,500~6,000円 |
高級織物・最高級織物 | 15,000~40,000円 |
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襖の張り替えの依頼先と選び方は?
襖を張り替えるには、専門的な知識や技術が必要です。綺麗な仕上がりを求めるのであれば、業者に依頼するのが良いでしょう。リフォーム業者によって費用や取り扱う襖紙の種類が異なります。
襖専門店
襖専門店は、襖紙の張り替えや襖の修理・交換などを専門的に行う業者です。取り扱う襖紙の種類が多いだけでなく、経験豊富で技術が確かな傾向にあります。
ただし、地域密着型の店舗が多く、対応エリアがあまり広くありません。住んでいる地域に対応しているのか、確認してから依頼しましょう。
リフォーム業者・工務店
リフォーム業者や工務店でも襖の張り替えに対応していることがありますが、リフォーム工事の作業内容に含まれる場合のみ応じていることが多いため注意が必要です。
ただし、襖専門店とは異なり、襖張り替えのプロが在籍しているとは限りません。襖の張り替えは手作業で行うため、技術の差が見た目ですぐにわかります。仕上がりや施工方法にこだわるならば、襖専門店を検討してみましょう。
ホームセンター
ホームセンターのなかには、襖の張り替えに対応している店舗もあります。
ただし、実際に施工するのは下請け業者の場合がほとんどです。そのため、施工日数が長くなったり、費用が割高になったりすることもあるので注意しましょう。
襖の張り替え費用を安く抑える方法
張り替える襖が多いときは、費用がかさみます。襖の張り替え費用を抑えたいときは、次の方法を検討してみましょう。
- DIYで襖を張り替える
- 業者の相見積もりをする
- 安い襖の素材を選ぶ
それぞれの方法について解説します。
DIYで襖を張り替える
自分で襖を張り替えるなら、襖紙や糊などの材料費だけで済みます。低価格の襖紙を選べば、さらに張り替え費用を抑えられます。
ただし、高い技術力がない場合は、カッティングや貼り付けの際に歪んで失敗してしまうかもしれません。また、耐久性が低くなり、短期間で張り替えが必要になる可能性もあります。作業に不安があるときは、最初から業者に依頼するほうがよいでしょう。
業者の相見積もりをする
複数の業者に、相見積もりを取るのもおすすめです。襖リフォームでは、材料費・技術料・出張費・搬入搬出費などがかかります。
相見積もりを取るときは、料金だけでなく保証サービスや担当者の対応なども比較することがポイントです。また、ホームページがある場合はチェックし、実績や施工例なども確認しておきましょう。
安い襖の素材を選ぶ
襖紙の素材によって価格が大きく異なるため、予算が少ないときは安価なものを選んでもよいでしょう。
ただし、襖紙の素材によって和室の印象が大きく変わる点には要注意です。客間や茶室などの来客が想定される部屋には、ある程度は高級な襖紙が必要といえるでしょう。
賃貸物件の場合はだれが負担するのか
賃貸物件を退去するときに、襖の張り替えが必要になることがあります。しかし、通常の使用を行い、経年劣化によって破損や傷みが発生した場合なら、基本的には入居者が張り替え費用を負担する必要はありません。
通常の使用とはいえないとき、たとえば、襖紙を破いたときや芯材まで傷んでしまったときなどは、入居者が張り替え費用を負担する可能性があります。
一方、入居中に張り替えを実施するときは、入居時の襖紙の状態や張り替え目的によって費用負担が変わります。勝手に張り替えずに、まずは大家さんや管理会社に相談してみましょう。
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