英検、TOEIC、TOEFL、IELTSなど英語検定試験は様々。今回は、その中でも比較的認知度の高いTOEICやTOEFLについて、目的や用途、試験内容など様々な面で比較しながら特徴や違いを紹介していきます。
「いったいどれを受ければいいのだろう?」と今迷っている方はぜひ参考にしてみてください!
TOEICとTOEFLの特徴
まず、二つの違いを比較する上で重要なのが、実施している団体の違い。
TOEICの運営実施団体は、日本の国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)。TOEIC-IPテストは、IIBCを通じて企業や団体が開催を主催しています。そのため、TOEICは日本での就職や転職の際に自分の英語能力を示すうえで非常に役立ちます。
一方、TOEFLの開催団体はアメリカの教育試験サービス(ETS)。ちなみに、このETSはTOEICの試験の開発や試験結果の評価も行っている機関です。そのため、海外の学校への留学を考えている方にはTOEFLをおすすめします。
次に、二つの試験の基本情報を表で説明します。
TOEIC (TOEIC L&R) | TOEFL iBT | |
費用 | ¥7,810 | 245ドル(アメリカドル) |
時間 | 2時間 | 3時間 |
実施回数 | 10回 | 50回以上 |
実施場所 | 各都道府県ごとに異なる | 日本各地の教育機関およびテストセンター |
受験資格 | 特になし | 特になし |
一般社団法人国際ビジネスコミュニケーション協会、TOEIC L&Rテスト
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TOEICとTOEFLの違い5つ
1.TOEICとTOEFLの受験目的の違い〜何のために受験するの?
TOEIC
TOEICは、日常生活やビジネスでの英語のコミュニケーション力を測るテスト。日本企業におけるTOEICの認知度はとても高く、就職や転職、企業の査定基準に導入されていて昇進や昇格のために受験する人もいます。
TOEFL
TOEFLは、英語を母国語としない人が対象の試験。海外の大学に入学するための英語力評価基準として活用している大学が世界中にあります。留学や移住の申請で英語力を提示するために受験する人が多いようです。
2.TOEICとTOEFLの使い道の違い〜社会人ならどっちを受けるべき?学生はどっちが使える?
TOEIC
TOEICは、日系企業からの認知度が高く就職や転職の際の英語力のアピールとして有効になることが多いです。900点台になると求人にある英語力の条件は満たしていることが多いでしょう。スコアに実力が伴っていれば、英語を使う仕事の幅も広がります。
TOEFL
TOEFLは、リーディングやライティング、リスニングやスピーキングの4技能すべてのレベルを把握できる点がメリット。高得点が取れるようになると、総合力が身に付いているということが世界レベルで評価、認識されるでしょう。
世界での認知度も高く留学の際の審査や就職や昇進にも役立てられることもあるようです。総合的に英語の実力が付いているので、学業でもビジネスでも役立つシーンは広いと言えます。
3.TOEICとTOEFLの受験者の違い〜誰が受験するの?
TOEIC
TOEICは、就職やビジネスに活かしたいビジネスパーソンの受験と思われがち。しかし、実際は年齢制限がないため、社会人と学生の割合は半々くらいです。近年は企業の英語のニーズも高まり、社会人現役層の受験がさらに増えている傾向にあります。
TOEFL
TOEFLは、海外の大学に留学するための基準を満たしているかの判断材料に使用されることが多くあります。そのため、受験者は高校生や専門・大学・大学院生が多いようです。海外就職や移住を目的とする社会人も受験しています。
4.TOEICとTOEFLの問題内容の違い〜どんな試験なの?
TOEIC
TOEICは、リスニングとリーディングのテストTOEICL&R、スピーキングとライティングのテスト、スピーキングのみのテスト、初級レベル対象のリスニングとリーディングのテストがそれぞれ開催されています。個人申し込みによる公式テストと企業や団体主催のTOEIC-IPがあります。
最もよく受けられているTOEIC L&Rは、リスニング(約45分間・100問)、リーディング(75分間・100問)、合計約2時間で200問に答えるマークシート方式のテスト。基本的に、日本語で解答する問題はないため英文和訳・和文英訳といった設問はありません。(出典:一般社団法人国際ビジネスコミュニケーション協会、TOEIC Listening & Reading Tstとは)
TOEFL
TOEFLは、インターネット受験のiBT、学校や団体受験のIPTが行われています。テスト内容は、リスニングとリーディング、スピーキングとライティングで4技能すべて。
最も一般的なTOEFLiBTは、リーディング(54~72分間・30~40問)、リスニング(41~57分間・28~39問)、スピーキング(17分間・4つのテーマ)、ライティング(50分間・2つのテーマ)の順に行われます。(出典:ETS、TOEFLiBTテスト内容)
試験の内容が日常により近いTOEICの方が、比較的難易度が低いといわれています。TOEFLは、より専門的でアカデミックな内容が多く含まれています。
TOEICとTOEFLの難易度
一般的に難易度が高いとされているのはTOEFL。まずリスニングに関して、TOEICの放送で流れる英語は比較的ゆっくりで、すべてネイティブスピーカーの会話です。
日常的に触れている身近な内容が多いので、何について書かれているか、何が話されているかのイメージも掴みやすいでしょう。
TOEFLは、大学の講義やディスカッションのシチュエーションのものが多く、会話のスピードが速いのが特徴。リーディングの内容もアカデミックなものが多く、ネイティブでも勉強をしていないと分からない問題が出るといわれています。
TOEICは、10~990点で採点。日本人の平均スコアは、560~580前後です。
TOEFLは、iBTの場合、各セクションが0~30点で採点され、その合計(満点120点)が出されます。日本人の平均スコアは、70前後です。
TOEICとTOEFLの完全なスコア換算は出せませんが、以下は、外国語レベルを同一の基準で評価する国際標準CEFR(セファール)に換算した表です。
レベル | TOEIC (TOEIC L&R) | TOEFL iBT |
C1 | Listening 490~ Reading 455~ 合計945~ | 95~120 |
B2 | Listening 400~ Reading 385~ 合計785~ | 72~94 |
B1 | Listening 275~ Reading 275~ 合計550~ | 42~71 |
A2 | Listening 110~ Reading 115~ 合計225~ | 該当なし |
A1 | Listening 60~ Reading 60~ 合計120~ | 該当なし |
ETS、TOEIC TestsスコアのCEFRレベルマッピング方法について
TOEICやTOEFL、IELTSについて
1.TOEICとTOEFLとIELTSはどう違うの?
TOEICとTOEFLのほかに、IELTSという英語の試験があります。
IELTSも、4技能のすべての力が測られます。IELTSは、試験でPCが使われることはなくリーディングやライティング、リスニングは筆記試験、スピーキングは試験官と直接話す面接スタイルで行われます。
TOEFLがアメリカ英語に特化されているのに対し、IELTSは、イギリス、もしくはイギリス関連国の英語が使われています。そのため、イギリス留学を希望する人はIELTSの受験が適しています。
2.TOEFL PBTとTOEFL iBTってなに?
TOEFLには、iBTの他に、PBTというものがあります。PBTは、試験会場でペーパーテストで行われますが、現在日本では実施されていないようです。
また、ITPというものもあります。ITPは、企業や大学などが主催して行うTOEFLテストで個人での申し込みはできません。大学生や英会話スクールに通っている人はITPを受ける機会が多いかもしれません。
TOEFLの勉強法3つ
比較的難しいとされているTOEFL。海外の大学や高等教育機関に留学する際には、入学基準として点数の制限が設けられていることが多くあります。ここでは、TOEFLで高得点を取るための勉強方法を紹介します。
1.単語力の強化
TOEFLで高得点を取るには、相当のボキャブラリーが必要になります。アカデミック(伝統的・学究的)な内容も多いので、高得点を狙う方は効率的に学んでおきたいところです。
また、いろいろな分野のトピックに触れることも大切です。おすすめは自分だけの単語帳をつくること。分からなった単語とその意味、例文まで書いておくと見返したときに分かりやすいでしょう。
さらに反意語、同義語、類義語、関連用語などを同時にチェックしていくことで、ひとつひとつで覚えるよりも記憶に定着します。
2.集中してリスニング
たくさん聞き込んで多くの英語に触れることはとても大切。リスニングの際には、意味を理解しながら聞く意識を持ちましょう。1時間、何かをしながら何となく聞き流すよりも、10分間、集中して聞く学習のほうがリスニング力は向上していきます。
聞いた後に、理解しているかを確認するために要約を書き出すこともおすすめ。英語で書けば、語彙の強化やライティングのトレーニングにもなるでしょう。
また、聞いた内容を簡潔にメモするよう意識づけることで、本番のリスニング問題にも役立ちます。
3.表現レパートリーを増やす
スピーキングやライティング対策として、表現の幅を広げておくのがおすすめ。リーディングやリスニングの際にも新しい表現をどんどん吸収していくことを意識しましょう。
特に、話のはじめや具体例、理由や根拠、締めの言葉の最初の言い回しのレパートリーを増やしておくと、途切れることなくすらすらと話すことに役立ちます。
覚えた表現をピックアップして、その表現を使った例文に触れたり、活用シーンを思い浮かべたりしてニュアンスを掴みましょう。
最後に
TOEICとTOEFLは、難易度も目的も異なるので、受験の際は、募集要項や試験内容をしっかり確認しておきましょう。どちらも試験形式に慣れておく対策は欠かせません。TOEFLの難易度は高いので、短期間でスコアアップ!ということは難しいかもしれませんが、総合力を上げ、自分の英語力を測っていくための、いいバロメーターにもなりそうです。
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