TOEICスコアとコミュニケーション能力の相関表によれば、730以上(Bレベル)の人はどんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えているとみなされます。このBレベルの受験者が、Aレベルをめざして実試験を受ける過程で、一向に立ちはだかってくるのが時間の壁です。
Bレベル以上になると、小手先のテクニックでこの時間の壁を破れるという方法はさすがにないのですが、知っておいておいたほうが有利に解けるという解き方はあります。
この記事ではBレベル以上の上級者のためのリーディング問題の解き方について書いていきたいと思います。
1.TOEICのリーディング問題とは?
TOEICのリーディング問題はPart5短文穴埋め問題、Part6長文穴埋め問題、そしてPart71つの文書、複数の文書問題の3部構成です。
理想的な時間配分は、Part5は10分、Part6 は10分、そしてPart7は55分です。上級者の中でも満点を狙う人は特にこの時間配分が試験対策の重要なカギとなります。
それでは、Partごとに詳しい対策を見ていきましょう。
2.Part5の解き方のコツとは?
基礎知識で攻略する
4つの選択肢の中から最も適切なものを選び、不完全な文を完成させる問題です。
時間配分は10分で、問題数は30問です。1問20秒で解く計算になりますから、基礎知識で解ける問題は瞬時にやっつけるということが解き方のコツです。
たとえば、後ろがlyの単語が選択肢にあったとします。「lyがついている単語は副詞である場合が多い」という基礎知識で瞬時にやっつけます。
次の問題を見てください。
Sales of Zehitomo Catering Company have ( ) improved since the new menu was available.
(A)steady (B)steadiest (C)steadily (D)steadied
正解は(C)です。have と過去分詞improvedの間には副詞が入ります。
訳)Zehitomo Catering Companyの売り上げは新メニューが出てから着実に伸びています。
(どこかで使って欲しいKW:時間配分、配点)
接尾辞に注目する
このlyのように単語の後ろについている言葉は接尾辞といわれるものです。
たとえばable,al,ent,fulなどが後ろについていれば形容詞である場合が多いです。
接尾辞の考え方を基礎知識としてもっていれば、Part5を有利に攻略する武器になるはずです。
3.Part6の解き方のコツとは
文選択問題は上級レベル
4つの選択肢の中から最も適切なものを選び、不完全な文書を完成させます。時間配分は10分で、問題数は16問です。
単語や語句だけでなく一文が抜けている場合があり、この一文を選ぶ問題は上級者でも迷う場合があります。明らかに違うと思われる選択肢を消去法で消していくことが解き方のコツです。
前後関係で判断する
e-mail文書の一部という設定で、次の問題を考えてみます。
I am writing to appreciate your catering. ( ). We couldn’t be happier with the annual convention, and hope you will agree to work with us again in the future.
(A) The annual convention will have to be rescheduled.
(B) We were pleased with your outstanding professionalism and the delicious new menu.
(C) We’ve prepared a little treat for you in the cafeteria.
(D) I think adding extra graphics was a good idea.
消去法を使うことが解き方のコツです。
まずは前後の文からケータリング業者へのお礼の手紙であることがわかります。料理の話題ではないので(D)が消えます。
the annual convention(年次総会)のお礼を述べていますので(A)は矛盾しているため消えます。
(C)は文意が不自然なために消えて、正解は(B)です。
4.Part7の解き方のコツとは
文書の構成をつかむ
Part7はいろいろな内容・形式の文書から出題されます。時間配分は55分で、問題数は54問です。
この厳しい時間内に与えられた文書の情報を的確に処理するためには、この文書の構成をつかむことが解き方のコツです。
ちなみに、英語の文書の多くは導入部(Introduction),主文(Body),まとめ(Conclusion)の3部構成になっています。
文書の3部構成
英語の文書の3部構成を具体的に見ると、①結論、②より詳しい情報や例、③もう一度結論という内容になっています。
ただ漠然と文書を眺めるのではなく、この構成に従うことで必要な情報をすばやく見つけることができます。何を主張したい文書なのかは①もしくは③を読めばわかるし、具体例を探したければ②の部分を見ればいいのです。
この3部構成を意識した読み方で解答の根拠となる情報を見つけ出すことが、解き方のコツです。
最後に
TOEICのリーディング問題は限られた短い時間内に解くという厳しいルールがあります。
しかし何度か受験された経験のある上級者であればわかると思いますが、実は半分以上は時間をかけずに正解できる簡単な問題です。
簡単な問題を素早く片付けて、本当に時間をかけなければ終わらない問題にいかに時間をかけるかが、解き方のコツです。
ゲーテ曰く、「うまく使えば、時間はいつも十分にある」。
皆さんが時間をうまく使って目標を達成されることをお祈りしています。
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