室内用の観葉植物として人気のあるディフェンバキアは、熱帯地方原産の植物で、サトイモ科に属しています。葉に白や黄色の斑があるのが特徴で、爽やかで優しい色味が室内の雰囲気を明るくしてくれます。
ディフェンバキアという名前は、ドイツの植物学者であるディッフェンバッハの名にちなんで名づけられました。育てる難易度はそれほど高くないので、初心者にも育てられる植物です。今回は、ディフェンバキアの育て方についてご紹介します。
ディフェンバキアの原産地は?
熱帯アメリカ原産で、約30種類が自生しています。熱帯地域の植物なので、耐寒性が低く夏の観葉植物として親しまれています。
ディフェンバキアの品種の種類とその特徴
園芸品種が多数ありますが、もっともメジャーなのはカミーラという品種です。大きさは小ぶりで、葉は大部分が白からクリーム色、縁が緑色をしています。丈夫で葉の付きも密集しており、見栄えも良いので人気の品種となっています。良く似た形にマリアンヌという品種もあります。
他には、トロピック・スノーという葉が大きいものや、斑点模様のアンナ、小型品種のコンパクタなどがあります。
ディフェンバキアの年間スケジュールは?
1.苗の購入
苗は生育期にしっかり鉢に根を張らせるために、5~7月頃に購入するといいでしょう。春から夏にかけてが生育期です。
種類以外にも、大きさが大型のものや小型のものもあるので、気に入ったものを選んでください。
2.育苗
冬に室内管理をする必要があるので、鉢での育苗をおすすめします。直射日光の当たらない半日陰で良く育ちますので、屋外で育てる場合には置き場所に注意しましょう。
3.最も生育が活発な時期
初夏の頃が一番活発ですが、暑さには強い植物なので、直射日光さえ当たらないようにすれば、真夏でも生長します。春から初夏頃に肉穂花序(にくすいかじょ)と呼ばれる白い花を咲かせます。
4.生育が活発でない時期
秋以降は成長が緩やかになり、冬、気温が10度以下になると葉が枯れ落葉します。寒さに弱いため、生育期に屋外で育てる場合でも秋以降は室内に移動させて管理してください。気温が5度以下になると株が枯れてしまいます。
もし落葉しても、その後しっかり管理をして無事に越冬できれば、翌年の春にまた新しい芽が出てきます。
ディフェンバキアの栽培におけるポイント5つ
1. 日当たりや場所
直射日光が当たらない半日陰で育てましょう。直射日光が当たるを葉焼けをおこしてしまうので、置き場所には注意が必要です。
寒さに弱く、気温が5度を下回ると株が枯れてしまいます。秋から冬にかけては室内で管理するようにしてください。室内管理では、暖房などの風が直接当たる場所だと葉が乾燥しますので、そういった場所は避けてください。
2. 水やり
多湿を好みますが、株はやや乾燥気味を好みます。生育期には鉢の表面が乾いたらたっぷりをお水をあげましょう。休眠期の冬にはほとんど生長しないので、鉢が乾いてから数日あけてお水をあげてください。冬に水をあげすぎると根腐れの原因となります。
3. 肥料
生育期には月に1回、ゆっくり効果の出てくる固形状の肥料をあげましょう。市販の観葉植物の肥料で問題ありません。冬には肥料は不要です。
4. 用土
水はけの良い土を使用してください。市販の観葉植物の土を使うのが簡単でおすすめです。自作する場合には小粒の赤玉土にピートモスを合わせたものが良いでしょう。
5. 病気や害虫
高温で乾燥した状態だとハダニが付きやすいです。ハダニは葉から植物の栄養を奪い、弱らせてしまいます。普段のお世話で葉水を行うなどして、葉の乾燥を防いでハダニ予防をしてください。もしハダニが付いてしまったら、薬剤による駆除をしましょう。
炭そ病にも注意が必要です。炭そ病は葉に斑点ができ、どんどん広がる病気です。一度罹ってしまうと治りませんので、病気になっている葉を見つけたらすぐに取り除いて下さい。放置しておくと根まで枯らしてしまいます。
風通しが悪いと起こりやすい病気なので、置く場所の環境にも配慮しましょう。
ディフェンバキアの栽培ステップ
1. 苗・木を購入する
春先ごろから初夏にかけてが苗の購入時期としてはおすすめです。種類や大きさなどから好みのものを見つけてください。
2. 日々のお手入れ
背丈が伸びてきたり、落葉などによって全体のバランスが崩れてきたら、仕立て直しの作業を行います。
仕立て直しとは、土の表面から3節ぐらいのところから茎を切り落とし、根の部分を一回り大きな鉢に植え替えるという作業です。切り落とした根の部分は挿し木にして増やすことができます。
ところで、ディフェンバキアはシュウ酸カルシウムという毒を持っています。茎や葉を切った際に出る液にはこのシュウ酸カルシウムが含まれており、皮膚につくとかぶれるなどの肌荒れを起こしてしまいます。また、万が一口に入ってしまうと口内が炎症を起こすなどの危険性があります。小さな子どもやペットがいる家庭では、害が及ばないように注意してください。
3. 水やりと追肥
生育期には、土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげます。冬は、土の表面が乾いてから数日後にお水をあげる程度にとどめてください。
追肥は、生育期に月に1度、固形タイプの肥料をあげましょう。冬場の肥料は不要です。
ディフェンバキアの植え替え
頻度
鉢いっぱいに根が張ったら植え替え時期です。鉢に根がいっぱい張っていると、水をあげた時になかなか下から染みだしてこなくなりますので、そのような状態になったら植え替えをするようにしましょう。鉢の大きさにもよりますが、目安としては1、2年に1回ぐらいの頻度です。
植え替えの手順
植え替えは5~8月頃が適しています。鉢から株を取り出し、株まわりの土を3分の1ほど残して一回り大きい鉢に植え替えましょう。先ほど述べた仕立て直しと同じタイミングで行うのが良いでしょう。
ディフェンバキアに花は咲くの?
ディフェンバキアはサトイモ科の植物で、初夏頃に肉穂花序(にくすいかじょ)という形の花が咲きます。白い棒状の花序(かじょ)と、それを囲む仏炎苞(ぶつえんほう)からなる花で、どちらかというと脇役といったイメージで、あまり自己主張しない花です。
ディフェンバキアの冬の手入れについて
寒さに弱いため、気温が10度以下になると落葉します。さらに5度を下回ると株を枯らしてしまいます。また、エアコンなどの風が当たる場所では葉が乾燥してしまうので、温度と置き場所には注意しましょう。
ディフェンバキアの増やし方は?
ディフェンバキアは挿し木で増やせます。挿し木をするのに適した時期は5~6月で、仕立て直しをした際の茎を利用して挿し木をするのが良いでしょう。
仕立て直しで切った茎を15cmほどに切り、、切り落とした枝から出ている液体を洗い流して乾燥させてから、小粒の赤玉土に挿します。土を乾かさないように水やりをして日陰で管理すると、3週間ほどで根が張ってきます。じゅうぶんに根が張ったら鉢に植え替え、徐々に明るい場所へ移動させてください。
ディフェンバキアと風水
大きな葉を持つディフェンバキアは、風水的には無駄遣いを防いで金運が上がるといわれているだけでなく、鬼門に置くと魔除け・厄除けの効果も期待できるともいわれています。
最後に
日当たりと冬場の管理さえきちんとすれば初心者にも育てやすいディフェンバキア。白っぽい葉は涼しげで、夏の暑さを和らげてくれる癒しの観葉植物です。
大きさや葉の模様など多数の種類がありますので、お気に入りを見つけてぜひ育ててみてください。
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