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  6. 放置は危険!?外壁修理の必要性とは。費用・業者選び・DIYまで解説
2022/11/07 2024/04/10

外壁の修理が必要な状態なのに、メンテナンスをせず放置してしまうのは危険です。本記事では快適な自宅の寿命を少しでも伸ばすために、外壁補修のタイミングや費用相場、DIYする場合の注意点、信頼できる業者の選び方を解説します。

外壁修理・補修を行う目安って?

自宅の外壁修理・補修が必要な理由は外見のためだけではありません。建物の安全性を確保するためにも、定期的に行う必要があります。外壁の状態によって、ひび割れ補修・コーキング処理・サイディングの張り替えなど、適切な対処が異なります。

まずは外壁の修理・補修が必要となるサイクルの目安と、定期メンテナンスの重要性を解説します。

外壁は約10年程度で補修が必要

外壁修理・補修の一般的な目安とされる年数は、10年程度です。外壁は常に雨風や紫外線にさらされているため、見た目に問題がなくても、深刻なダメージを負っているケースがあります。

新築物件の場合は、建ててから10年の区切りで工務店に外壁の状態を診断してもらいましょう。利用している素材や周囲の環境によって耐用年数は異なるため、素人ではなかなか判断がつきません。

専門家の目でチェックしてもらうことで、適切なタイミングで外壁の処置が可能になります。自宅の寿命を伸ばし、末永く快適に過ごせるようにしましょう。

放置は危険!住まいの寿命を延ばす

住宅の構造のなかで重要なポイントを担っているのが、外壁です。外壁を定期的に修理・補修することは、住まいの寿命を長持ちさせる結果につながります。

多少の劣化やひび割れ、部品のサビなどを自己判断で放置してしまうと、後々大きなトラブルを引き起こす原因となります。DIYで対処可能な場合もありますが、基本的には専門知識をもった工務店の診断を受けるのがおすすめです。

快適な自宅を美しく健康に保つために、定期的なチェックを怠らないようにしましょう。

修理が必要な外壁の症状

自宅の外壁に次のような症状が見られたら、修理や補修を検討するタイミングです。

  • ひび割れ・欠け
  • 目地のひび割れ
  • 反り・浮き
  • 凹み・穴あき
  • 雨漏り

外壁のメンテナンスは早期対処が大前提です。適切なタイミングを見逃さないためにも、日頃から意識的に外壁の状態を気にしておくようにしましょう。

ひび割れ・欠け

外壁材のひび割れや欠けは、放っておくとどんどん進行してしまうため、早めに修理・補修が必要です。0.3mm以上のひび割れを見つけたら、対応を急ぐようにしましょう。

一部のみがひび割れている場合は、該当部分のみ補修ができます。しかし、経年劣化が原因で表面にひび割れが起きてしまっている場合には、補修工事をしたうえで塗装をし直さなければなりません。

衝撃によって外壁が破損してしまっているケースでも、一部補修や張り替え工事が必須です。

目地のひび割れ

外壁の目地にひび割れが入ってしまっていたり、欠落してしまったりしている場合は、補修や交換をしましょう。コーキング処理がされているタイプの目地は、紫外線で劣化が進みやすいのがデメリットです。

ひび割れや欠落を放置して目地の隙間が広がってしまうと、雨水が内部に侵入する原因となりかねません。少しの隙間だからと甘く見ずに、外壁の目地の状態を細部まで観察してみてください。

特に劣化が起きやすい、日当たりのよい場所では注意が必要です。

反り・浮き

水を含んだ外壁材が再度乾燥する過程で、反りや浮きが発生します。外壁の反り・浮きが気になり始めたら、補修や張り替え工事を検討するタイミングです。

残念ながら一度反ったり、浮いたりしてしまった外壁が元に戻ることはありません。外壁材が乾く段階で、少しずつ変形してしまうのが原因です。

放っておくと、下地にまでダメージが出てしまうため発見したらすぐに対処しましょう。

凹み・穴あき

外からの衝撃が加わって、外壁が凹んだり、穴があいてしまったりした場合は、早急な修理・補修が必要です。一部分のみの小さな傷であれば、部分的な補修で対応できる可能性があるでしょう。

傷を負った部分が大きいと、中材まで見えてしまっている状態でさらなるダメージの拡大が懸念されます。その場合は、壁材の一部交換や下地造り・仕上げ塗りのやり直し工事が必要となります。

凹みや穴あき部分から、雨漏りや破損などの二次被害が起きるのを防ぐためにも、早い段階で専門家にチェックしてもらうと安心です。

雨漏り

外壁から雨漏りをしているケースでは、素人では対応が難しく専門家による修理や補修が必須です。雨漏りの原因は複数考えられるため、ノウハウをもった業者が点検しなければ正しい対処ができません。

住まいの耐久性にも関わる深刻なトラブルで、時間が経つにつれて範囲が広がり内部の木材まで影響を受ける可能性があります。外壁からの雨漏りには、必要に応じて防水紙や外壁の張り替えをします。

部分別の外壁費用相場

早急な対応が求められる外壁の修理・補修に備えて、費用相場を知っておくと安心です。外壁のメンテナンスは、いつ何時必要になるかわかりません。

工事内容ごとのおよその費用目安を把握しておくことで、いざという時に焦らなくてすむでしょう。

修理・補修内容別費用相場表

外壁の修理・補修内容ごとに、必要となる費用相場をまとめた表を参考にしてみてください。

外壁修理・補修内容費用相場
外壁のひび割れ約1〜10数万円
コーキング(目地)約20~80万円
鉄部分のサビ約1〜10万円
穴・へこみ・欠け・傷約1~6万円/箇所
カビ・藻・コケ約2~5万円
チョーキング前面塗装が必要となる場合が多い(約1,700~5,000円/㎡)
浮き・膨れ・はがれ補修範囲によって異なる

実際には上記の金額にプラスして、足場設置費用が別途10~20万円程度かかるケースが多いです。

ひび割れの補修方法・費用

クラックとも呼ばれる外壁のひび割れは、乾燥や振動が原因で築年数10~15年の建物に起きやすいトラブルです。外壁材やコーキング材の劣化によりひび割れが発生し、修理・補修が必要となります。

補修方法は、ひび割れの程度によって異なります。ひび割れ部分の幅が0.3mm以下の場合は、表面の塗膜劣化に対処するために外壁塗装工事が必要です。

ひび割れの幅が0.3~1mm程度ある構造クラックでは、ダメージを受けている箇所を補修してから外壁塗装を行います。サイディングやモルタルの外壁で起きやすいタイプのひび割れです。

幅が1mm以上になり段差が発生している場合は、雨水が侵入し雨漏りが起きている危険性も否めません。専門業者の力を借りて、外壁全体塗装やサイディング材の張り替えなど、適切な工法で即座に対応してもらいましょう。

劣化がひどい場合の修繕費約30万円
ひび割れの部分補修約1〜10万円/箇所

コーキング(目地)の補修方法・費用

外壁材のコーキングにひび割れが発生した場合は、新しい素材へ打ち替えまたは打ち増し工事を行います。打ち替え工事とは、古い素材を取り払って新しい素材に交換するため、寿命は10年程度と長めです。

一方の打ち増し工事では、既存のコーキング材の上に追加をする工法であるため、2~5年程度しか効果が続きません。

サイディング外壁の塗装や張り替えのリフォームの際には、原則コーキング補修もあわせて行われます。

既存コーキング材の撤去費用約1~3万円
打ち替え工法約900~1,200円/1m
打ち増し工法約500~900円/1m

サビの補修方法・費用

鉄・金属部分に発生したサビを補修するには、まずケレン作業でサビや古い塗膜を綺麗に排除した後で、サビ止め塗料で塗装をします。外壁のサビを放っておくと、穴があき内部まで浸透してしまう恐れがあるため注意しましょう。

外壁のサビ修理・補修費用は、サビの程度によっても異なります。あまりにも状態がひどい場合は、再塗装よりも外壁材の交換が適していると判断されます。

一般的なサビの補修約500~1,000円/㎡
程度がひどいサビの補修約2,000円/㎡

穴・へこみ・欠け・傷の補修方法・費用

外壁の穴やへこみ・欠け・傷の修理・補修方法は、利用している外壁材によっても異なります。穴や欠け部分を補修した後に目立ちにくい色の塗料で塗装する方法や、補修箇所のサイディングボードを張り替える方法があります。

外壁に大きなダメージがあると、雨漏りやひび割れなどその他のトラブルを引き起こしやすくなるため注意が必要です。損傷の程度にもよりますが、一般的には1箇所の補修工事の費用は1~6万円程度かかります。

カビ・藻・コケの補修方法・費用

日当たりが悪く湿度の高い場所にある外壁は防水機能が低下し、カビ・藻・コケが発生しやすくなります。修理・補修方法は、外壁の洗浄処理が一般的です。

業者に依頼をせずにDIYでも対処が可能で、水を使ってスポンジで軽く洗い流しましょう。汚れがひどい場合は、高圧洗浄機を使った洗浄が有効です。

素人は取り扱いが難しいため、専門業者に依頼するとよいでしょう。高圧洗浄機を利用した外壁清掃の費用相場は、約200~500円/㎡程度です。

浮き・膨れ・はがれの補修方法・費用

外壁の浮き・膨れ・はがれの修理補修方法は、主に部分張り替えと外壁塗装です。塗膜部分のみの劣化の場合は塗装で対応可能ですが、ダメージが深刻な場合は下地の交換が必要になります。

外壁の浮きやはがれを放っておくと、外壁材が落下する原因となり危険です。外壁の塗装と張り替えのどちらの処理が必要かは、専門業者に相談して確認しましょう。

部分的な修理や補修約15~40万円
雨漏りの危険性がある場合約100万円

全面修理

外壁の状態が悪く全面的な修理・補修が必要な場合は、部分的なメンテナンスよりも費用が高額になりがちです。

外壁全体の塗装とサイディングの張り替え工事の相場は、以下のとおりです。

外壁修理・補修内容費用相場
塗装約1,700~5,000円/㎡
張り替え約6,650~9,000円/㎡

外壁の全面修理が必要なケースに備えて、補修方法と費用相場を知っておきましょう。

外壁塗装

外壁塗装は建物の美しい見た目を維持する役割のほかに、住まいを雨水や紫外線から守る効果ももっています。遮熱性や防水性の高い塗料など、高機能塗料も登場しており、必要に応じて選ぶことができます。

外壁塗装の費用を左右するのは、塗料の種類です。塗料の種類ごとの費用目安も、参考にしてみてください。

塗料の種類1㎡あたりの費用目安
アクリル約1,400〜1,600円
ウレタン約1,700〜2,200円
シリコン約2,300〜3,000円
光触媒系約3,800〜4,800円
フッ素約3,800〜4,800円

サイディング補修

サイディング補修とは、外壁の下地に雨水や汚れが侵入するのを防ぐ役割を果たしているサイディングボードの修理・補修工事です。サイディングは、シーリング材によってつなぎ合わされています。

サイディング補修には、カバー工法と張り替え工法の2種類があります。カバー工法は、既存の素材の上にサイディングボードを貼り、見た目に新しい外壁へとリフォームする方法です。

一方の張り替え工法では、既存の素材を取り外してから、新しいサイディングボードを張り替える方法で工事を進めます。古い素材の取り外しが必要になる分、手間がかかり費用も高めになる点は押さえておきましょう。

費用負担を減らすコツ

外壁修理・補修の費用負担を減らすには、次の2つの点を意識しましょう。

  • 天災による被害は火災保険を活用する
  • 補助金を利用する

足場の設置や外壁全面の補修が必要になる場合は、予想以上に費用がかかる可能性があります。少しでもコストを抑え、外壁のメンテナンスに必要な処置を迅速に行えるようにしましょう。

天災による被害は火災保険の活用を

台風や強風などの自然災害によって外壁が破損したり、雨漏り被害が発生したりした場合は、火災保険が利用できる可能性があります。火災保険の補償対象となっているのは、風災・ヒョウ災・雪災・落雷による被害です。

加入している火災保険によっても、基準や審査条件が異なるため詳しくは保険会社に状況を確認するようにしましょう。劣化による外壁のダメージは火災保険ではカバーできないため、申請内容に虚偽の事実が含まれないように注意してください。

火災保険を活用して外壁補修費用を賄う場合は、実績のある業者に料金見積もりを依頼し、条件に合った工法を検討してもらうと安心です。

補助金を利用する

外壁のリフォーム工事には、補助金が利用できるケースもあります。外壁工事の実施によって断熱性・防音性が上がるなどの場合は、補助金支給の対象になる可能性が高いです。

反対に、原状回復のために行う塗装工事などは、対象外となってしまいます。審査の基準は各自治体によって異なるため、活用できる制度の有無を事前に確認しておきましょう。

DIYする際の注意点

外壁の修理・補修には一定の費用がかかってしまうことから、DIYで業者に依頼せずに対応したいと考えている方も多いでしょう。DIYであれば、思い立ってすぐ行動に移せるため早期対応が可能です。

しかし、素人が自分の力だけで外壁の修理・補修をするには限界があります。深刻なダメージを受けている部分を下手に触ってしまい、被害が拡大してしまう可能性も否めません。

ご紹介するDIYの注意点を確認して、難しい場合は業者への依頼を検討しましょう。

劣化が初期の段階でできる範囲

外壁の修理・補修をDIYで対応できるのは、劣化がひどくない初期の段階である場合のみです。軽いカビの清掃は、比較的安全に行える外壁DIYの1つです。

幅が3mm以上のひび割れは、表面だけを塗装しても内部までダメージが浸透してしまっている可能性があります。費用を節約することも大事ですが、クラックは住まいに重大な影響を与えかねない問題であるため、工務店の専門家に任せましょう。

コーキング補修も、軽度であればコーキング材を打ち増しする対処でも効果があります。しかし、コーキング材の打ち替えはしっかりと基礎材を撤去してから行う必要があり、専門家に任せた方が無難です。

高所の作業は危険

外壁の修理・補修は、高所での作業になるため足場の設置が必要です。DIYで自分で足場を組むことも不可能ではありませんが、安全性の面では不安が残ります。

足場費用が高額であるからといって、無理にDIYで対応してケガをしてしまっては本末転倒です。足場の設置が必要な外壁修理・補修は、工務店に依頼をして安全・確実に進めるのをおすすめします。

業者の選び方

外壁の修理・補修を業者に依頼するには、以下の項目を確認するようにしましょう。

  • 資格取得者がいるか
  • 過去の実績
  • 保証内容

外壁を専門にしている業者のなかにも、特定のジャンルの工法に特化していたり、実績が偏っていたりする場合があります。納得してリフォームを任せられるように、しっかりと選定基準を整理しておきましょう。

資格取得者がいるか

外壁修理・補修業者を選ぶ1つ目のポイントは、関連資格保有者の在籍有無です。外壁にまつわる資格の一例は、次のとおりです。

  • 外壁劣化診断士
  • 住宅診断士
  • 雨漏り診断士

大切な自宅のリフォームを任せる業者を比べる基準として、第三者機関から認められている資格所有者の有無を確認しましょう。公式ホームページに記載がある場合も多いです。

過去の実績

依頼しようとしている外壁修理・補修と似たような施工事例が多い業者であれば、安心してリフォームを任せられます。豊富な実績を誇っている業者は、見積もりの段階でも具体的な料金を提示してくれるでしょう。

業者のホームページで関連実績を紹介している場合もあるため、まずはサイトをチェックしてみるのもおすすめです。ネット上で情報が見つからない場合は、実際に業者に連絡して類似の実績があるかどうか確認しましょう。

保証内容の確認

外壁修理・補修工事は、完了後の保証期間まで確認して業者を選ぶ必要があります。リフォーム後すぐは問題がなくても、時間が経過することでトラブルが発生するケースもあるようです。

特に塗装工事の場合は、一定の保証期間が設けられている場合が多いため、各社の見積内容をしっかりと比べるようにしましょう。外壁修理・補修には、思ったより高額な費用がかかる場合が多いです。

せっかく費用を工面してリフォームをしたのに、最終的な修理・補修状態に満足できなければ残念な結果に終わってしまいます。費用だけではなく、保証内容も忘れずにチェックしましょう。

外構工事のプロを探す

外壁の修理・補修は、外見的な面だけではなく、住まいの安全を守るためにも定期的な実施が欠かせません。軽度な劣化であれば、DIYで対応できる場合もありますが、状況が深刻な場合は専門知識をもった業者に任せるのがおすすめです。

足場の設置など何かと費用がかさむ外壁の修理・補修のコストを抑えるためには、火災保険や補助金の活用を検討しましょう。また、少しでも信頼して任せられる業者を見つけるには、いくつかの業者に合い見積もりを取ってみてください。

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