ライフスタイルの変化などで空き家になった住宅は、早めに解体するのがおすすめです。そのまま放置しておくと、土地の買い手がつかなかったり、近隣住民に迷惑がかかったりする可能性もあります。
今回の記事では、空き家を解体するメリットやデメリット、費用相場をご紹介します。解体費用を安く抑えられる補助金制度についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
空き家を解体するメリット
まずは、空き家を解体するメリットを見ていきましょう。空き家を解体することで、敷地の管理が不要になるだけでなく、土地を早く売却できる可能性があります。
それぞれ2つのメリットについて詳しく解説します。
敷地の管理が不要になる
空き家を放置すると家の傷みが早くなるだけでなく、敷地内の雑草が伸び放題となり、地域の景観も悪くなってしまいます。傷んだ空き家は倒壊のリスクもあるため、大変危険です。
そのようなことを防ぐためには定期的に空き家に通い、換気や掃除、雑草抜きなどの管理をしなければなりません。現在住んでいる場所から近ければ問題ありませんが、遠くの場合は業者に依頼する必要があり、その分費用がかかります。
空き家を撤去すれば、このような敷地の管理が不要になるでしょう。
早期売却がしやすくなる
古い住宅が建ったままの土地は、買い手が家を解体する必要があるため、売却しづらい傾向にあります。立地にもよりますが、空き家を解体して更地にした方が早く売却できる可能性が高まるでしょう。
金額も高くなる場合が多いため、早期売却をしたいと考えている方は、空き家を解体した方が良いといえます。
空き家を解体するデメリット
メリットが多いように見える空き家の解体ですが、もちろんデメリットもあります。
- 固定資産税の軽減措置を受けられない
- 解体費用がかかる
上記2点について解説しますので、メリット・デメリットを比較して検討してください。
固定資産税の軽減措置を受けられない
空き家を解体し、土地を更地にすると、固定資産税の軽減措置を受けられません。結果的に税金が高くなるため、空き家の解体をためらっている方も多いでしょう。
住宅が建っている場合は固定資産税が最大1/6となりますが、更地にしてしまうと、土地への課税が今までより高額になり、負担が大きくなります。建物があった場合に比べて、固定資産税が3〜4倍になることも多いです。
更地にしてから売却するまでの期間が長いほど負担が増えるため、注意してください。
解体費用がかかる
空き家を解体するためには、解体費用がかかります。その費用を負担するのは、基本的に空き家の所有者です。また、空き家の中に家具などが置いてある場合は、その処分費用もプラスされます。
家の状態によってはかなり高額になる場合もあるため注意が必要です。
空き家の解体費用相場
空き家の解体にかかる費用は、下記の表のとおりです。
20坪 | 30坪 | 40坪 | |
木造 | 約70~100万円 | 約100~160万円 | 約140~210万円 |
鉄骨 | 約70~160万円 | 約100~240万円 | 約140~320万円 |
鉄筋コンクリート | 約90~200万円 | 約140~300万円 | 約180~4,000万円 |
費用相場は、木造や鉄骨などの住宅構造や坪数によって異なります。
下記のように、住宅の状態によっては追加費用がかかる場合もあるので、確認しておきましょう。
アスベスト撤去 | 処分面積が300㎡以下の場合:約2~8.5万円/㎡ |
作業など追加の人件費 | 約1~2万円/1日 |
外構撤去 | ブロック塀の場合:約2~3千円/㎡ |
浄化槽撤去 | 約5~10万円 |
付帯工事まで入れると、金額が思ったより高額になることもあるため、注意が必要です。
解体費用が高くなるケース
下記のようなケースでは、空き家の解体費用が高額になる可能性があります。
- 道路状況が悪い
- 敷地ギリギリに家が建っている
- アスベストが使用されている
- 家の中に多くの物が残っている
一つひとつ解説します。
道路状況が悪い
空き家に面している道路が細い場合や高低差がある構造の場合は、解体費用が高額になるかもしれません。道路が狭いと交通整備のための人員が必要になり、人件費がかかるためです。
また、狭い道路だと、敷地内まで重機を運べない場合もあるでしょう。その場合は、本来重機で壊したり運んだりするところを手作業でしなくてはならず、手間と人件費がかかります。
工事前には、空き家周りに問題になりそうな部分があるか調査しておくのがおすすめです。
敷地ギリギリに家が建っている
住宅の敷地ギリギリに家が建っている場合も、重機が敷地内に入れず、手間と人件費がかかります。敷地に面している道路を使用するには、道路使用許可を取ったり、その分の警備員を配置したりと余計に費用がかさむでしょう。
このように、空き家の立地条件によって金額が大幅に変わるため、解体業者から見積もりを提示されたら注意深く確認するのがおすすめです。
アスベストが使用されている
住宅の建材にアスベストが使用されている場合も費用が高額になります。そのため、解体工事をする際には、あらかじめアスベストが使われているかどうかの調査が必要です。
現在の住宅でアスベストが使用されている可能性は低いですが、昔の住宅を解体する場合は注意しましょう。
家の中に多くの物が残っている
空き家の中には、暮らしていた生活用品がそのまま残っているというケースもあります。家電や家具、布団などが残っているままだと、その分の廃棄費用も必要です。
解体業者が廃棄すると産業廃棄物となりますが、自分たちで片付けると、家庭ごみとして自治体が処理してくれます。住宅の解体費用が高額になるのを避けるためには、事前に自分たちで不要な生活用品などを処分することが大切です。
解体費用を安くするポイント
空き家を解体するにあたり、費用を安く抑えたいと思うのは当然のこと。少しでも解体費用を安くするポイントは、以下のとおりです。
- 地元の業者に依頼する
- 繁忙期を避ける
- 補助金制度を利用する
詳しく解説します。
地元の業者に依頼する
空き家解体の業者は全国にありますが、できるだけ空き家のある地元の業者を選ぶことをおすすめします。現場に近い業者に依頼した方が、移動費用などのコストを抑えられるためです。
見積もりは無料で出してもらえるため、現場に近い業者から複数見積もりを取りましょう。複数の見積もりの費用を比較検討することにより、おおよその適正価格がわかります。
繁忙期を避ける
解体業者の繁忙期は、一般的に、12~3月といわれています。繁忙期に依頼すると、価格が高くなる傾向にあるため要注意。逆に繁忙期を避けて依頼した場合は、相場よりも安くなるケースが多いです。
可能であれば12月〜3月は避けて、それ以外の時期に解体を依頼することをおすすめします。
補助金制度を利用する
空き家の解体には、補助金制度を活用できる場合があります。補助金制度の有無や条件などは、各都道府県・各市区町村によって異なります。事前に、空き家のある自治体で、補助金の条件や手続き方法を調べてください。
たとえば、東京都豊島区の不燃化特区に指定されている地区で解体・建替を行う際には、助成制度が活用できます。条件を満たした場合、1,000万円を上限として補助をしてもらえます。
補助金を利用するためには、取り壊す前に申請をしなければなりません。また、補助金が支払われるのは工事終了後、領収書などを受け取った後になります。最初の解体費用は自分で支払う必要があるため、まとまった金額を用意しておきましょう。
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今回の記事では、空き家の解体にかかる費用相場や安く抑えるポイントについて解説しました。補助金制度などを活用し、効率よく解体工事を進めましょう。
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