給湯器の交換をどこに頼むか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。ホームセンターや給湯器メーカーなどに依頼できますが、依頼先によって費用が変わるだけでなく、対応スピードが変わります。
この記事では、給湯器交換の依頼先ごとの特徴やメリット、費用などを紹介します。また、給湯器の選び方や交換タイミングも解説するので、ぜひ参考にしてください。
給湯器交換の必要性とそのタイミング
給湯器が故障すると入浴や食器洗いなどにお湯が使えなくなり、日常生活に支障が生じます。快適な暮らしを送るためにも、できれば故障する前に交換するようにしましょう。
なお、故障したときは交換ではなく修理で対応できることもあります。しかし、部品代や取り換え代などが高額で、新しい給湯器に交換しても金額がさほど変わらないケースも少なくありません。
給湯器の寿命と適切な交換時期
給湯器の寿命は、一般的に10~15年といわれています。10年を超える前に給湯器メーカーなどに点検してもらうと、交換のタイミングが見極めやすくなるでしょう。
ただし、使用頻度や設置場所、給湯器そのものの耐久性などによっても、寿命は異なります。不調のサインが見られるときは、早めに交換することが必要です。
給湯器の故障の兆候・サイン
次のようなケースは、ガス給湯器・電気給湯器が不調な状態です。いずれも故障の可能性があるため、修理や交換が必要です。早めに業者に依頼しましょう。
- お湯の温度が安定しない
- 給湯器から異音がする、煙が出ている
- 設定した温度よりも明らかに低い
- 追い焚き機能が使えない
- リモコンにエラーコードが表示される
- お湯が出るまでに時間がかかる
給湯器交換はどこに頼む?依頼先の種類と特徴
給湯器修理・交換の主な依頼先としては、次の5つが挙げられます。
- ガス会社
- 給湯器メーカー
- 家電量販店・ホームセンター
- 給湯器販売工事業者
- 水道設備屋
どこに依頼するか迷ったときは、それぞれの特徴やメリットなどを比較してみましょう。各依頼先の特徴やメリット、デメリット、費用などについて解説します。
1.ガス会社
ガス給湯器を使用している場合は、ガス会社への依頼も検討できます。ガスや給湯器に関する知識が豊富なため、安心して工事を任せられるでしょう。まずは、利用中のガス会社(都市ガス・プロパンガス)に電話やインターネットで問い合わせてみてください。
ただし、給湯器交換工事は、ガス会社の担当者ではなく、ガス会社が提携しているサービスショップのスタッフであることが一般的です。提携先によって工事の品質や、工事完了までの時間に差が生じることもあるため、注意しましょう。
ガス会社は給湯器交換工事をメインにしているわけではないため、割引サービスが少なく、他の業者や店舗と比べると割高になる恐れがある点にも注意が必要です。また、工務店やリフォーム専門業者と比べると、取り扱っている給湯器の種類が少ない傾向にあります。
2.給湯器メーカー
給湯器メーカーに、直接依頼する方法もあります。利用中の給湯器のメーカーに問い合わせてみましょう。給湯器についてはメーカーがもっとも知識も豊富なため、故障の原因などもすぐにわかるのが強みです。
ただし、給湯器メーカーではメーカー保証内の修理には対応していても、交換には対応していない可能性があります。また、対応している場合でも、給湯器メーカーが直接交換工事をするのではなく、提携業者を紹介するケースが一般的です。
提携業者を紹介する場合は対応に時間がかかり、すぐに交換してもらえない恐れもあります。急いでいるときには、別の依頼先を検討するほうがよいでしょう。また、割引を実施していないことが多いため、割高に感じるかもしれません。
3.家電量販店・ホームセンター
普段から利用している家電量販店やホームセンターなら、気軽に相談できます。給湯器の交換に対応しているか問い合わせてみてください。
実物を見て給湯器選びができるのも、家電量販店・ホームセンターを利用するメリットです。セールをしているものを選べば、コストも抑えられます。
ただし、工事は下請け業者に委託するため、業者によって品質に大きな違いがある点に注意が必要です。また、家電量販店・ホームセンター内に給湯器について専門的な知識・資格を持つ担当者がいないため、適切なアドバイスを得られないケースも想定されます。
4.給湯器販売工事業者
給湯器販売工事業者は、給湯器の販売や交換、設置などを請け負う会社です。形態はさまざまで、実店舗がなくオンライン上でのみ依頼を受ける販売会社もあります。
また、価格や工事完了までの時間、対応エリアも会社によってさまざまです。型落ちの給湯器を使ってリーズナブルに交換してくれる会社もありますが、工事の品質などに問題がある可能性もあるため、利用者の評判をチェックしてから依頼しましょう。
5.水道設備屋
水回りのトラブルに専門的に対応する水道設備業者のなかには、給湯器の交換に対応する会社もあります。給湯器から水漏れしている場合などは、相談してみてもよいかもしれません。
地域密着型の会社が多く、迅速な対応を期待できるのも水道設備業者のメリットです。しかし、希望する給湯器の在庫がない場合は、少々時間がかかるかもしれません。
また、費用トラブルが起こる可能性もあるため、すぐに依頼するのではなく、見積もりをしてから判断するようにしましょう。
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ガス給湯器の選び方
ガス給湯器は種類が多く、メーカーにこだわらなければさらに選択肢が増えます。どの製品にするか迷ったときは、次のポイントに注目して選びましょう。
号数を選ぶ
1分間に給湯できる量によって、「号数」が決まります。お湯を使用する目的や頻度にもよりますが、1~2人暮らしなら16号、2~3人暮らしなら20号、3~5人暮らしは24号が一般的です。
どの号数にするか迷ったときは、利用中の給湯器もチェックしてみましょう。不足なく利用できているなら同じ号数、お湯が切れることがあるなら1つ大きい号数を選んでください。
タイプを選ぶ
給湯器には、屋外壁掛けタイプと屋外据え置きタイプ、マンションタイプ(パイプシャフトタイプ)があります。給湯器はガス管と水道管を接続して使用するため、基本的には利用中の給湯器と同じタイプを選びましょう。
給湯機能で選ぶ
給湯器は追い炊きが可能かによって、次の機能に分けられます。
- 給湯専用:追い炊き機能なし。浴槽へお湯を張る際に湯栓の操作が必要
- オート:追い炊き機能あり。リモコンでお湯張りが可能
- フルオート:オートの機能に加え、自動でお風呂の温水の維持が可能
手間がかからないのはフルオートですが、価格もその分、高くなります。品質や能力だけでなく費用にも注目して選びましょう。
ガス給湯器交換の費用相場
給湯器交換工事でよくあるトラブルとして、金額面の問題が挙げられます。追加工事代や部品代を請求されて、予想以上に高額になってしまうケースも少なくありません。
トラブルを回避するためにも、あらかじめ費用を把握しておくことが大切です。給湯器の号数別に、交換にかかる費用相場を紹介します。
リモコン代などが別途発生することもあるため、見積もり時に確認しておきましょう。
給湯器の号数 | 費用相場(施工費込み) |
16号 | 給湯機能のみ:約6万~11万円 オート:約15万~20万円 フルオート:約16万~20万円 |
20号 | オート:約17万~20万円 フルオート:約18万~20万円 |
24号 | オート:約19万円~ フルオート:約19万円~ |
補助金制度を活用して費用を抑える
給湯器の交換工事に利用できる補助金制度があります。原則として返還不要のため、受給できる場合は交換工事費用の節約が可能です。主な補助金制度を紹介するので、条件を満たすときはぜひ申請してください。
給湯省エネ事業
給湯省エネ2024事業は、省エネにつながる高効率給湯器の設置・交換に利用できる補助金制度です。エコキュートを設置・交換するときは1台あたり8万円まで、ハイブリッド給湯器は1台あたり10万円まで、エネファームは1台あたり18万円までの補助金を受給できます。
なお、キャンペーンへの申請は工事請負業者を通して行います。工事請負業者が給湯省エネ2024事業の登録事業者でない場合は申し込めないため、キャンペーンを利用する前に公式ホームページで確認しておきましょう。
また、キャンペーンは2024年12月31日を終了日としていますが、予算上限に到達した場合は早めに終了します。給湯器の交換を検討している方は、早めに登録事業者に相談しましょう。
各自治体の補助金制度
自治体によっては、給湯器の交換に活用できる補助金制度や割引制度を実施していることがあります。工事前の申請が求められることもあるため、給湯器の交換を検討している方は、まず住んでいる地域の役場に利用できる制度はないか問い合わせてみましょう。
たとえば、東京都千代田区では、高効率ガス給湯器の設置・交換に1台あたり3万円の補助金を受給できる制度を、2025年2月14日まで実施しています。工事前の申請が条件となるため、計画段階で問い合わせるようにしてください。
参考:東京都千代田区「令和6年度千代田区省エネルギー改修等助成制度」
給湯器交換工事でトラブルにならないために
給湯器交換工事でトラブルにならないためにも、複数の業者から見積もりを取り、比較してから依頼するようにしてください。
費用が相場よりも割高ではないか、追加費用がかかる可能性があるかなどを確認しておくと、料金関連のトラブルを回避しやすくなります。
また、保証サービスにも注目してください。メーカー保証とは別に、工事業者独自の保証サービスもあると安心です。
工事業者の資格を確認する
工事業者によって、保有する資格が異なります。高品質の作業をしてもらうためにも、必要な資格を持っているか確認しましょう。主な資格は以下をご覧ください。
作業内容 | 必要とされる資格 |
ガス給湯器(都市ガス向け)の交換 | ガス消費機器設置工事監督者簡易内管施工士 |
ガス給湯器(プロパンガス向け)の交換 | 液化石油ガス設備士 |
コンセントの設置、電源接続工事 | 第二種電気工事士 |
水道管の接続・修理 | 給水装置工事主任技術者 |
口コミ・評判を調べる
今までに依頼したことがない業者に依頼するときは、口コミや評判を調べておきましょう。トラブルが頻繁に起こっていないか、技術力は高いかなどに注目すると、信頼できる業者を選びやすくなります。
また、実際に問い合わせてみたときの感触も、参考になるかもしれません。信頼できる業者は、受付スタッフも親切な傾向にあります。トラブル回避のためにも、慎重に見極めてください。
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