高校生の塾選びに際して、先生の選び方や勉強方法は?という視点で解説します。
「大学受験とは何か?」というポイントから、大学受験のタイミングで一気に広がる進路の選択肢について、どのような大学があり、どんな特色があるのかも理解しましょう。
高校生の3年間はすぐに過ぎます。高校入学と同時に大学受験のことを考えてもいいぐらいです。
これまで数多くの大学受験をサポートした実績のある専門家にも意見をいただいています。
前山 大さま
三鷹個別学習会高校生教室 株式会社Stepping Stone代表。東京都調布市にあり、これまでの9年間に300名以上の生徒の大学受験を見事に突破させ、地元のみならず、京王線沿線で大学受験のために塾や予備校をお探しの高校生・既卒生から支持されている個別学習会で研鑽をつみ、その実績から新たに教室長として三鷹個別学習会を開校。
開校初年度から結果を出し、2018年、独立。「生徒を伸ばすことにこだわる塾」として、日々一人ひとりの生徒と向き合っている。
生徒の合格実績の表記は、よくある「合格者数の延べ表記」は行わず、一人一校表記で「一人の塾生が複数の学校に合格しても、その塾生の進学先のみを掲載」するなど、塾選びや塾の合格実績を正しく知りたい受験生や保護者に誠意を持って教室を運営している。
大学受験の先生を選ぶ際のポイント4つ
1.個別指導か、集団指導か
まずは、生徒には個別指導の方が合うのか、集団指導の方が合うのかを考えます。
集団指導や映像指導には、生徒が先生に合わせていかないといけません。先生たちは「より多くの生徒がわかりやすい授業を行う」という能力がある方々です。なので「生徒に合わせて指導法を調整してもらう」という調整は難しいです。生徒側にも、先生の授業についていく能力が必要です。
逆に個別指導塾は「生徒に合わせて指導してくれる」という側面が強くなりますが、それも塾や会社の経営方針によって異なります。今、個別指導塾は非常に増えていおり、選ぶのも大変です。
個別指導の先生を選ぶときは、直接生徒に指導を行う先生が「この生徒が第一志望の大学にいくために、いつまでに、何をどうするのか?」ということを理解していて、答えることができるかということも大切です。
「生徒に必要そうなことを、指示されるままに生徒に教えている個別指導」のではなく「生徒にはいつまでにこれが必要である」と教える側が理解して主体的に教えているかどうかが、「本当の意味での個別指導ができているか」という点を理解する指標になります。
塾に早くから行くとして、受験を目的として考えるならあれこれと科目をとらず、時間がかかる科目1科目にしぼって、早くから得意科目にできるようにしましょう。また、学校の成績をあげていくことを考えるなら、定期テストのために幅広い教科に対応できる塾を探してください。
2.先生の実績を知る
今までその先生が生徒をどの大学にどれだけ進学させたことがあるかというのは、先生選びの重要なポイントのひとつです。
特に、独自の入学試験を課している私立大学を志望している学生や、専門性の高い大学を志望している学生は、その大学に進学をさせた経験の多い先生のほうが、傾向や対策などのノウハウの蓄積が多く、的確なアドバイスをもらえるでしょう。
また逆に、国公立大学を志望しているのであれば、センター試験対策をしっかり行える先生を選べば、より自分にあった授業を受けることができるでしょう。
大学受験をするときに、どうやって塾を選ぶのでしょうか。多くの学生が「大手予備校、地域の塾、映像授業」という3つの選択肢を考えます。しかし大手予備校と映像授業で授業をしている先生の実績を知ることは難しいです。教科単位で教えていたり、数多くの生徒を受け持っているため、先生個人の実績の出し方も難しいためです。
3.費用を比較する
大学受験の先生は、大きく分けて予備校や大学受験塾などでの集団指導と、家庭教師や個別指導塾などの個人指導に分けられます。
集団指導は同じ志望校の友人やライバルと励ましあって勉強できる、実績のある人気の先生にも指導を受けやすい、多くの生徒に対して先生が1人なので自分から積極的に質問をしていくことが必要、などの特徴があります。多くの集団指導が、塾が用意した参考書をもとに学習を進めていきます。
個別指導は先生1人に対して生徒が1人~数人と少人数制であるため、生徒はより直接的な指導を受けることができます。
集団指導が合わない学生や、集団指導が物足りなくよりハイレベルな指導を望んでいる学生に向いています。最初に用意される参考書のほか、生徒の理解度や進み具合に応じて参考書を変えたりオリジナルのテキストを用意したりと、自由度の高い指導をする先生もいます。
費用を比較すると、集団指導の場合は年間50~70万程度、個別指導の場合は年間60~80万程度と、比較的個別指導のほうが高額となる傾向にあります。
費用は、通年の通塾費用や授業代だけではなく、テストや夏休み冬休みの時期に行われる、期間講習の特別授業の料金も含めて考えてください。
また、費用がいくらかかるのかを明確に出している塾と出していない塾があります。費用を明示している塾や家庭教師は「信用しやすい」と、選ぶ目安として考えていいでしょう。
「費用を最も重視している」というご家族はあまりいらっしゃいません。やはり「お子様にとって合う塾か?先生か?」という点をみなさん気にかけていらっしゃいます。
4.先生の人柄
先生の人柄も、先生を選ぶ際に重要となるポイントのひとつです。先生の生徒に対する態度や教えるスタイル、熱意などはそのまま生徒のモチベーションに直結します。実績の高い人気の先生でも、相性が悪ければその期待する結果が得られないということにもなります。
多くの塾や家庭教師は、体験授業を行います。体験授業を受けて先生の人柄が自分に合うかをチェックしましょう。しかし体験授業では塾側、先生側もいい印象を与えようとします。そのため入塾後に「体験授業と違う」など違和感を感じたら、その塾や先生はやめたほうがいいでしょう。
大学受験とは
大学入試は国公立大学、私立大学共に、大きく一般入試、推薦入試、AO入試に分けられます。一般入試は、国公立大学では独立行政法人大学入試センターが各大学と共同で実施する、大学入試センター試験(以下センター試験)を受験することになります。
私立大学は、各大学独自の試験と、センター試験の成績を利用する方法があります。
推薦入試は、出身高校校長の推薦に基づき学力調査を免除された入試で、調査書と学力以外の試験結果を主な判断材料とされます。試験内容には小論文や面接などがあり、面接時には専門的な知識を口頭で問われることもあります。
AO入試はアドミッション・オフィスの略で、アドミッション・オフィスという部署が選抜していたことからそのように呼ばれるようになりました。AO入試ではエントリーシートなど受験生の提出書類と面接が判断材料とされ、他の入試方式よりも、学生の意欲や目的意識を高く評価する傾向があります。そのため、面接では論文やプレゼンテーションを課す大学もあります。
私立大学とは
私立大学とは、国や自治体ではなく、独立した学校法人が運営している大学です。日本では、大学全体の3/4が私立大学といわれています。
早稲田大学、慶應義塾大学や立命館大学などが私立大学の中でも有名です。東京箱根間往復大学駅伝競走(通称、箱根駅伝)に出場するのもほとんどが私立大学です。多くの私立大学が国公立大学と比較して受験科目が少ないです。
独立した法人組織であるため、国公立大学と比較して、個性や専門性が強く、宗教、強い理念など特定の目的やブランドイメージに基づいて運営されています。
したがって、自分の学びたいことや個性、将来の目的に合致した大学であれば、私立大学は大きな学びの場となります。入試方式もセンター試験ではなく、独自の試験方式を採用する大学も多くあります。
文部科学省が、私立大学が入学定員を1名でも超えた場合に助成金を減額するなどの罰則を強化すると取り決めたことで、2018年に多数の浪人生が出他だけでなく、受験生は多数の私立大学、学部を受験しました。しかしこの罰則強化を「当面」見送るとしました。(2018年12月現在)
このように受験生を取り巻く環境がその時々で変わっているため、生徒と一緒に家族も受験の流れを調べて、サポートしてあげてください。
国公立大学とは
国公立大学は、国立大学法人という法人が運営している大学です。国立大学法人は国立大学法人法によって定められた独立行政法人であり、公的な特色の強い大学です。
私立大学と比較して受験科目が多い(国数英理社の5教科)、ひとつの大学の中に様々な学部や学科が存在するなどの特徴があります。多くの学科が混在するため、集まる学生も様々な個性を持った人が多いです。
国公立大学によって科目によってのバランスがかなり違うため、センターと二次試験の割合を考えた戦略的な作戦を考えることが必要です。また、2020年には現在の「大学入試センター試験」は「大学入学テスト」として変わります。
海外の大学で学ぶ
日本の大学に進学し、留学をする
海外の大学で学ぶためには、日本の大学に進学して、海外の大学に留学をするという方法があります。日本の大学に籍を置いたまま留学をするため、帰国後はまた日本の大学生として学業や就職活動を再開することができます。
また、大学によっては提携している海外の大学に留学できるプログラムを用意していることもあります。大学のプログラム以外の方法では、夏休み等の長期休暇を利用した短期留学や、日本の大学を休学して海外の大学に留学する方法などもあります。
留学期間は、1週間~程度の短期留学から、1年程度の長期留学が多いです。英語など言語能力だけではなく、国際的なコミュニケーション能力やものの見方を養うことが出来ます。
日本の大学で学び海外の大学に進学する、もしくは日本の大学には進学せず海外の大学への進学を目指す
日本の大学を卒業後、または日本の大学には進学せずに、高校卒業後に直接海外の大学に進学するという進学コースもあります。
入学から卒業までを海外の大学で過ごすため、日本では学べない研究分野を深く学べる、より実用的な語学能力や国際的なメンタリティ、コミュニケーション能力が磨かれるなど、将来の選択肢を広げる能力が身につけられます。
海外の大学に進学する方法は、願書や成績表、推薦状、語学力のスコアなどの書類を持って直接海外の大学に出願する方法と、パスウェイプログラム(アメリカなど)などの留学生支援プログラムに申し込む方法があります。さらに、コミュニティカレッジ(アメリカ)と呼ばれる2年制の公立大学に進学し、4年制大学に編入する方法もあります。
海外志向のある生徒さんでも、大学は日本の大学に進学し、留学などで海外に行きたいと考えている生徒さんが多いです。
学費の比較
私立大学の学費
私立大学学費は文系、理系、医歯系で大きく異なります。以下は平均です。
・私立大文系は、入学金25万、年間授業料75万、年間施設利用費15万程度
・私立大理系は入学金26万、年間授業料105万、年間施設利用費19万程度
・私立大医歯系は入学金104万、年間授業料275万、年間施設利用費83万程度
医歯系大学は6年制の学校学部もあるため、年間授業料+年間施設利用料は4年制大学と比較してさらに2年分多くかかります。
公立大学の学費
国公立大学は、国立か公立科で費用が異なります。国立大学は入学金28万、年間授業料54万程度です。
公立大学(都道府県立大学)は入学金39万、年間授業料54万程度が平均と、私立大学への進学と比較して費用面では安くなります。
学部学科によっては、上記に加えて私立大学同様に施設利用費が別途必要なこともあります。
国公立大学の学費も上がってきています。昔のように「私立大学より安い」とは一概に言えませんので、通学をする場合にかかる費用、1人暮らしなど親元を離れる時にかかる費用などを考えると、私立大学と国公立大学の金額がほとんど変わらなくなることもあると思います。
学費だけでなく、大学進学後にかかる費用の総額で考えるようにするといいでしょう。
海外の大学の学費
海外の大学は、地域や進学する留学制度や学部学科などにより大きく異なりますが、海外の大学の学費は
・欧米では年間150-400万程度
・オセアニアでは年間250~350万程度
・アジアでは年間40万程度
と見込むことができます。さらに、海外の大学に留学および進学すると、渡航費用や滞在のための費用も考える必要があります。
三鷹個別学習会高校生教室代表 前山さまより
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