1年の中でも特に、子供から大人まで盛り上がる大イベント「クリスマス」。最近では、さまざまな国のクリスマスの文化が日本にも取り入れられるようになってきています。
その代表といえば、やっぱりクリスマススイーツ。特にクリスマスマーケットが有名なドイツのクリスマススイーツは、日本でも徐々に知られてきています。
今回はそんな人気急上昇中のドイツのクリスマススイーツをご紹介します。
日本でももはや定番?ドイツのクリスマススイーツ「シュトレン」
ドイツのクリスマススイーツとして代表的なのは、ここ最近日本の店舗でも売られている「シュトレン(Stollen)」です。
シュトレンは、ドイツの伝統的なクリスマススイーツ。たっぷりのバターが入った生地に、ラム酒や洋酒に漬けられたドライフルーツやナッツを練り込んだパン菓子です。やや丸みのある楕円形のフォルムに表面にはたっぷりの粉砂糖がまぶされ、その見た目は一説によると、おくるみに包まれたイエス・キリストを表しているのだとか。
ドイツでは、クリスマスの4週間前の日曜日からクリスマスイブまでをイエス・キリストの降誕を待ち望む、いわゆるクリスマスの準備期間である「アドベント期間」に入りますが、このアドベントの時期に、シュトレンを少しずつカットして食べるのです。
シュトレンは、できてすぐの頃はさっくりとした食感ですが、日が経つにつれてドライフルーツからの水分が生地にじっくり馴染んでしっとりとした食感に変化していくのも楽しみの一つ。
今ではドイツでも菓子店やクリスマスマーケットでシュトレンを購入して楽しむのが主流ですが、ひと昔前の特に地方では、各家庭で作られていました。
シュトレンってどうやって作られているか興味がありますよね。ドイツのおばあちゃんのシュトレンレシピをご紹介します。
【シュトレンのレシピ】
材料 シュトレン1つ分
シュトレン本体
- レーズン 150 g
- レモンピール 小さじ½
- レモンピール砂糖漬け 50 g
- オレンジピール砂糖漬け 50 g
- 挽き割りアーモンド 50 g
- ラム酒 62½ml
- 薄力粉 425 g
- 生イースト 約42g
- 牛乳 75ml
- 無塩バター 100 g
- 卵(Mサイズ) 1個
- 白砂糖 50 g
- バニラシュガー 8 g
- 塩 ひとつまみ
- シナモン 小さじ½
- カルダモン 小さじ½
- ナツメグ 小さじ½
コーティング用
- バター 37½ g
- 粉砂糖 75 g
①レーズン、レモンピール、オレンジピールとレモンピールの砂糖漬けとラム酒、アーモンドを混ぜ合わせて、1時間ほど放置する ※より風味を楽しむには、前日に仕込んで一晩浸けておいても◎
②ボウルに薄力粉を入れ、指で小さなくぼみを作る。その中に生イーストを砕いて入れる。牛乳は、ぬるい程度に軽く温める。イーストの上に牛乳大さじ2杯程度と砂糖ひとつまみを入れ、ホロホロとさっくり混ぜ合わせる。薄力粉を少々振りかけた後、蓋をして暖かい場所で約15分間寝かせる。
③②で寝かせた生地の上に、小さく切ったバターを乗せる。さらに卵、白砂糖と塩、そしてスパイス類(シナモン、カルダモン、ナツメグ)も一緒に入れる。全体をざっと混ぜ合わせ、その後5分以上、力強くこねる。その間に牛乳を徐々に加え、練り込む。最後に、フルーツとラムナッツを混ぜたものをさっくり練り込む。蓋をして、暖かい場所で30分ほど再び寝かせる。
④③で寝かせた生地をもう一度軽くこねて楕円形に成形する。楕円形になったシュトレンの約半分を少し平らになるようにめん棒で軽く押す。
⑤成形した生地の高くなっている側の生地を折り返し、手で形を整える。天板にアルミホイルを敷き、さらにその上にクッキングシートを敷く。シュトレンを天板に置き、乾燥しないように濡れ布巾などで覆ってからさらに30分寝かせる。その間にオーブンを200℃に予熱しておく。シュトレンの発酵が終わったら、オーブンを160℃に設定してからシュトレンをオーブンに入れて約45~50分焼く。シュトレンが焦げそうな場合は、焼き上がるまでアルミホイルをかぶせる。
⑥鍋にコーティング用のバターを入れて低温で溶かす。シュトレンが熱いうちに直接バターを塗り、そのまま冷ます。そしてもう一度溶かしバターを塗り、粉砂糖を厚めに振りかけてできあがり。
まだこんなにある!ドイツのクリスマススイーツ
レープクーヘン(Lebkuchen)
レープクーヘンは、ハチミツ、シナモンなどのスパイス、オレンジやレモンピールとナッツ類を用いて作られます。さまざまな形がありますが、クリスマスマーケットでは特に手のひらくらいの丸い形のものに、アイシングシュガーやチョコレートがかかっています。
クーヘンとはドイツ語でケーキという意味ですが、意外と牛乳や卵、バターなどは一切使われていません。
フルヒテブロート(Früchtebrot)
フルヒテとはドイツ語で果物。ブロートはパンを意味します。つまり、フルヒテブロートとはフルーツパン。シナモン、レーズン、ドライイチジクやアーモンドなどのナッツ類など材料はシュトレンともよく似ていますが、こちらはバターを一切使用していません。
ぎゅっとした食べ応えのあるパンです。
プレッツヒェン(Plätzchen)
プレッツヒェンとは、ドイツの大半の地域で「クッキー」を意味します。
プレッツヒェンの代表的なものは、とてもシンプルなバタークッキーになりますが、その他にもたくさんのバリエーションがあります。
- ツィムトシュテルネ(Zimtsterne)
薄力粉、卵白、砂糖、アーモンドとシナモンたっぷりの生地を星の形に成形し、仕上げにアイシングシュガーでコーティングしたクッキー。
- バニラキプフェル(Vanillekipferl)
キプフェルとは細長く湾曲した、という意味。アーモンドたっぷりの生地にバニラの甘い香りが特長です。
- シュネークーゲル(Schneekugel)
シュネーはドイツ語で雪、クーゲルは玉。スノーボールクッキーは、ほろほろ食感が日本でも人気ですね。
- シュプリッツェゲベック(Spritzegebäck)
シュプリッツェンとは絞るという意味があります。つまりドイツの絞り出しクッキー。
- エンゲルスアオゲン(Engelsaugen)
天使の瞳、またはプファウエンアオゲン(Pfauenaugen)孔雀の瞳と呼ばれるクッキーは、丸い形の真ん中に窪みを作り、その中にラズベリージャムを入れます。
簡単なプレッツヒェンを作ってみよう!「バニラキプフェル」のレシピを紹介。
バニラキプフェルの材料:約30個分
クッキー生地
- 薄力粉 150g
- 無塩バターもしくはケーキ用マーガリン 112 g
- 挽き割りアーモンド 50 g
- 粉砂糖 60g
- バニラシュガー 8 g
- 水 大さじ1程度
コーティング用
- 粉砂糖 約50g
- バニラシュガー 4 g
※バニラシュガーはグラニュー糖にバニラエッセンスを2、3滴垂らしたものでも代用可能
バニラキプフェルの作り方
①薄力粉をボウルにふるって入れた後、残りの材料を加え、ハンドミキサーで最初は最低速度、次に最高速度で、なめらかな生地ができるまでこねる。ラップの上などに生地を平らに敷いて包んだ後、冷蔵庫で1時間ほど寝かせる。
②天板にクッキングシートを敷き、オーブンを約180 °Cに予熱する。
③①で寝かせた生地を鉛筆の太さくらいのロール状にし、4〜5cmの長さに切る。生地の両端を少し細くして平らにし、三日月のような形に成形したものを天板に並べる。並べ終わったら予熱したオーブンで約10分焼く。
④焼き上がった生地をクッキングシートごと天板から取り、少し深めのお皿かボウルへ移す。コーティング用の粉砂糖とバニラシュガーを混ぜ、焼き上がりの生地に半分くらい振りかける。生地が完全に冷めてから、残りの半分の粉砂糖とバニラシュガーをもう一度振りかけてできあがり。
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