速く泳ごうとすると、意外と難しい「平泳ぎ」。上級者でも、思ったようにスピードが出ないと悩むこともあるでしょう。
この記事では、平泳ぎのコツを手と足、息継ぎに分けてご紹介します。スポーツが苦手な方や水泳初心者の方も知っておきたい、平泳ぎとクロールの上達のしやすさについても触れているので、ぜひ参考にして、平泳ぎをマスターしてください。
平泳ぎを上達させるにはどこの動きを意識すべき?
平泳ぎの泳ぎ方をマスターすると、長時間の水泳が可能になり、遠泳や体力づくりにも活かせます。また、独特の手足の動きから、普段使わない筋肉を鍛え、身体を引き締めることも可能です。
平泳ぎを上達させるためには、手・足・息継ぎの3つのポイントを意識することが重要です。ここからは、ポイントごとに上達のコツをご紹介するので、ぜひ実践してみてください。
平泳ぎ上達のコツ〜手〜
平泳ぎを上達させるうえで最も重要なのは、手の動きです。手の動きをマスターすることで、平泳ぎが上達するだけでなく、泳ぐスピードも改善できることがあります。
水かきのポイントとストロークの2点に焦点を当て、平泳ぎ上達のための手のコツを解説します。
なお、上達のコツはひとつではありません。この記事では一般的な方法を紹介するので、いくつかの方法を試して、ご自身にあう泳ぎ方を習得してください。
水かきのポイント
手は、逆さまにハートを描くように動かすことがポイントです。まずは肘を引いた状態で、両手の親指が隣り合うように構えましょう。このとき、親指が少し下、小指側が少し上になるように意識します。
そのまままっすぐに肘を伸ばし切り、両腕を肩幅程度にまで広げてから肘を大きく張り、親指を元のポジションに戻してください。この逆さまのハートの動きを続けることで、水の抵抗を抑えつつ、しっかりと水をかけるようになります。
水かきをする位置は、水面よりも少し下が基本です。あまり下になると水の抵抗が大きく、手を動かしにくくなるため注意しましょう。まずは水の外で手の動きを練習し、次は水の中で手の動きを練習するのがおすすめです。
ストロークの種類
平泳ぎにおけるストロークとは、両手で水を1回かくこと、つまり逆ハートを1回描くことを指します。キャッチ・プル・リカバリー・グライドの4つの動きに分かれています。
まずはキャッチです。キャッチとは肘を引いた状態から腕を伸ばし、水をつかむ動作のことを指します。親指が少し下向きになるように両手を胸元でそろえ、真っすぐに腕を伸ばして肩幅まで開き、親指が45度ほど下向き(親指を下として、手の甲同士が90度の角度を作る状態)になるように調整します。
プルとは腕全体を使って水をかく動作です。肘が体の横に位置するときに、少し肘を引き上げましょう。指先が下を向くハイエルボーの状態になり、体が大きく前進します。
腕を伸ばした状態に戻す動きをリカバリーと呼びます。手のひらが胸のあたりに来たときに、脇をしっかりと締め、左右の腕が触れ合う程度に近づけて前に突き出しましょう。このとき、肘は水中に位置しますが、手のひらは水中でも水面でも問題ありません。ただし、水中に手のひらがあると、水の抵抗を受けるため、スピードが失速しやすくなります。
グライドは蹴伸びのような動作のことです。肘と膝を真っすぐに伸ばして、水中で体を水平に保ちましょう。グライドの姿勢を一定時間キープすることで、体が前進し、平泳ぎのスピードもアップします。
平泳ぎにはいくつも方法がありますが、基本のストロークをマスターすることが上達のコツです。キャッチ・プル・リカバリー・グライドの4つの動きがスムーズにつながるように、室内で練習しておきましょう。
平泳ぎ上達のコツ〜足〜
足の動きをマスターすることも、平泳ぎを上達させる方法のひとつです。しっかりと水をキックすることで、体が沈まず、スピーディに前進します。ここでは、キックの種類とコツについて解説します。
キックの種類
キックには、ウェッジキックとウィップキックの2種類の方法があります。ウェッジキックとはV字を描くように足を動かすキックのことです。膝を曲げた状態で足を肩幅に開き、外側に蹴りだしてしっかりと膝を伸ばしてから、両足を挟むように閉じます。
一方、ウィップキックとは足を鞭のようにしならせて水を蹴る方法です。膝を曲げてげんこつの幅程度に足を開き、半円を描くように閉じながら水を蹴りだします。
ウェッジキックが「膝を曲げる→蹴りだす→挟む込む」の3拍子のリズムであるのに対し、ウィップキックは「膝を曲げる→蹴りながら閉じる」の2拍子のリズムで動かすのが特徴です。
なおいずれの方法も、膝が縦になると水の抵抗を受けやすくなるため注意しましょう。足首をしっかりと曲げて、かかとで水を押し出す練習をしてください。
キックのコツ
泳ぎのスピードを上げるためにも、キックが中途半端にならないことが大切です。ふくらはぎとお尻が近づく程度に膝と足首を曲げましょう。
また、足を伸ばすときは、かかとで水を押し出すように動かすことを意識して、練習してください。膝をまっすぐに伸ばして水を押し出すことで、水の抵抗を受けにくくなります。
平泳ぎ上達のコツ〜息継ぎ〜
息継ぎのコツをつかむことで、平泳ぎは上達します。上手な息継ぎのタイミングと、息継ぎで体が沈む原因、回避方法について解説します。
上手な息継ぎのタイミング
手で水をかいて肘を張るまでの動きをアウトスイープ、肘を張った状態から手を胸の前にあわせるまでの動きをインスイープと呼びます。「手を真っすぐに伸ばす→アウトスイープ→インスイープ」の3つの動きをスムーズにできるように練習することで、平泳ぎの推進力がアップします。
息継ぎのタイミングは、アウトスイープからインスイープに切り替わるときです。胸の前に手を近づける瞬間に、上半身が水面に浮かび上がります。すかさず大きく呼吸をして、息継ぎをしましょう。
息継ぎで体が沈む原因
息継ぎのタイミングで、体が沈むことがあります。主な原因は次のとおりです。
- 息継ぎの時間が長すぎる
- お尻が下がりすぎている
- アウトスイープが弱い
- 手を伸ばすときに手のひらが水面から遠い
いずれも練習で改善できます。呼吸のリズムを整えて、体が沈まないように工夫してください。
平泳ぎが上達しない原因
平泳ぎが上達しない原因は、主に次の3つです。
- 足の動き
- 手と足のタイミング
- 姿勢の保ち方
それぞれのコツを紹介します。
足の動き
本来、平泳ぎでは足首をしっかりと曲げて、足の裏で水を蹴ります。しっかりと足首を曲げていないと、足の甲で水を蹴ることになり、推進しにくくなる場合が多いです。
このように、足の甲で水を蹴る状態のことを「あおり足」と言います。あおり足になると、徐々に体が沈み、スピードが出にくくなるため注意が必要です。
手と足のタイミング
手と足のタイミングがあわない場合も、平泳ぎが上達しません。うまくあわないときは、キックの方法を変えてみましょう。ウェッジキックは3拍子、ウィップキックは2拍子とリズムが異なるため、キックの方法を変えると手の動きと合いやすくなることがあります。
姿勢の保ち方
体に力が入りすぎると、上半身が反り、お尻が沈んでしまいます。お尻が沈みすぎると体全体が沈むため注意が必要です。蹴伸びの姿勢を少し長めに維持したり、お腹を引き締めるように力を入れたりすることで、沈みにくくなります。
平泳ぎとクロールどちらが上達しやすい?
平泳ぎとクロールは、いずれも基本的な泳ぎ方です。どちらもコツさえつかめば、決して難しくはありません。
しかし、どちらの泳ぎ方が上達しやすいかは、個人差があります。一般的に次の要素にあてはまるときは平泳ぎのほうが上達しやすいでしょう。
- 長時間泳ぐ体力がある
- スピードを重視していない
一方、次の要素に該当するとクロールが上達しやすい傾向にあります。
- 長距離を泳ぎたい
- 若いときに水泳を始めた
どちらもあてはまらないときは、バタフライが向いているかもしれません。次の記事ではバタフライの泳ぎ方のコツを紹介しています。これからバタフライを始めたい方や、キレイに泳ぐコツを知りたい方は、ぜひご覧ください。
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今回の記事では、平泳ぎのコツをご紹介しました。平泳ぎを上達させるためには「手」「足」「息継ぎ」のポイントを押さえることが重要です。泳ぎ方をマスターすることで、遠泳や体力づくりにも役立ちます。
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