1日の疲れをホッと癒せるのが、お風呂の時間だという方も少なくないでしょう。安全性と快適性に優れた浴室に仕上げるには、ある程度の費用を覚悟する必要があります。
本記事では、お風呂・浴室リフォームの費用相場や内訳、参考事例、注意点などを詳しく解説します。心と身体を温める快適な入浴をおこなうために、浴室リフォームの知識を付けておきましょう。
お風呂・浴室リフォームの費用相場
一般的なお風呂・浴室リフォームの費用相場は、60~120万円程度です。必要となる費用は、リフォームの内容や導入する設備の機能・グレードによっても異なります。
また、自宅が一戸建てかマンションかでも、費用相場に差が出るようです。一戸建ての場合は、リフォームへの制限が少なく自由度が高いため、大規模なリフォームに挑戦するケースも多いでしょう。
一方でマンションの場合は、管理規約に沿ってリフォームをおこなう必要があり、費用も安く済むシンプルなリフォームが主流です。
【工事内容別】お風呂・浴室リフォームの費用相場と工期
具体的な工事内容別のお風呂・浴室リフォームの費用相場と工期は、次のとおりです。
工事内容 | 工期 | 費用相場 |
ユニットバス全体の交換 | 4日程度 | 60~120万円程度 |
在来浴室からユニットバス | 1週間程度 | 80~130万円程度 |
在来浴室から在来浴室 | 1週間程度 | 70~200万円程度 |
浴室の拡張・移動など | 1週間以上 | 90~300万円程度 |
お風呂・浴室のリフォーム費用は、既存のお風呂のタイプや希望の設備によって変動します。どのようなリフォームをする場合も工期が1週間程度はかかるため、工事期間中の入浴はどこで済ますか事前に考えておきましょう。
ユニットバスと在来浴室の違い
浴室リフォームを検討する場合には、お風呂のタイプと特徴を知っておく必要があります。主な浴室の種類として挙げられるのは、ユニットバスと在来浴室です。
ユニットバスとは浴槽や壁、天井、床などの各パーツを別々に製造し、施工現場で組み立てるタイプの浴室を指します。システムバスと呼ばれることもあり、壁や浴室にはFRP素材が使われるのが一般的です。
すでにセットパーツが準備されているため、統一感のあるデザインを楽しめる反面、オーダーメイドな要望は反映しにくいでしょう。
在来工法の浴室は、昔ながらのタイル張りのお風呂で、素材にこだわって仕上げることが可能です。ただし、掃除やメンテナンスの負担は大きく、正しく管理しないとトラブルにつながる恐れがあります。
それぞれのメリット・デメリットをまとめた表を、参考にしてみてください。
浴室の種類 | メリット | デメリット |
ユニットバス | デザインに統一感がある工期が短くて済む比較的安価メンテナンスがしやすい | オリジナリティに欠ける |
在来浴室 | こだわりの空間を実現できる | 費用が高額になりがち掃除が大変工期が長い |
お風呂・浴室リフォームの費用内訳
お風呂・浴室リフォームの費用相場が確認できたところで、次は費用の内訳を詳しく解説します。具体的な項目と必要となる費用の目安は、以下のとおりです。
お風呂・浴室リフォーム内訳 | 費用目安 |
ユニットバスの本体価格 | 20〜120万円程度 |
浴室の解体・撤去費用 | 3~13万円程度 |
搬入出・養生などの仮設工事費用 | 1〜3万円程度 |
基礎工事・土間打設費用 | 2~7万円程度 |
電気工事費用 | 3〜6万円程度 |
給排水・配管工事費用 | 3〜10万円程度 |
ユニットバス組み立て費用 | 9~10万円程度 |
ドア・壁などの修復費用 | 5~10万円程度 |
産廃処分費用 | 2~3万円程度 |
諸経費・管理費 | 施工費用の約5~15%程度 |
業者からの見積もりが適切かどうか、相場価格と照らし合わせて確認してみてください。
浴槽の素材・オプションの費用相場
浴槽は選ぶ素材やグレードによって、見た目の印象や機能性に違いが出ます。浴槽の素材ごとに異なる、費用相場をご紹介します。
また、追い炊き機能や手すりなど、浴室を快適・便利にしてくれるオプションについての検討も必要です。理想のお風呂リフォームを具体的に進めるために、浴槽の素材と各種オプションを把握しておきましょう。
【浴槽の素材別】費用相場
お風呂のリフォーム費用に大きな影響を与えるのが、浴槽の価格です。浴槽の費用相場は、用いられている素材によって以下のようになります。
浴槽の素材 | 費用相場 |
FRP | 30万円程度 |
人工(人造)大理石 | 80万円程度 |
ホーロー | 40~140万円程度 |
ステンレス | 20万円程度 |
浴槽の素材は見た目や雰囲気を変えるのに重要なだけではなく、入浴時の快適さにも関わります。各素材の特徴や機能性、メンテナンスの手間などを比較し、予算に合った素材を選ぶようにしましょう。
リフォーム業者が多く仕入れている素材の場合は、相場よりも費用を抑えられる可能性があります。希望の素材を伝えて見積もりを取り、できるだけ本体価格を抑える努力をしてみてください。
FRP(ガラス繊維強化プラスチック)の特徴
FRPとはガラス繊維強化プラスチックのことで、ユニットバスに広く用いられている素材です。手入れが簡単なうえに、コストの負担も小さいため、清潔で快適な浴槽を限られた予算で実現したいというニーズにピッタリです。
さまざまなメーカーが、軽量で耐久性があるFRPの浴槽を取り扱っているため、バリエーションが豊富で選びやすいでしょう。FRPはプールやヨットの船体など、防水加工が必要な場所にもよく用いられる素材です。
湿気が多い浴室であっても、防水性の高さを発揮して清潔な環境を保てるのがメリットです。一方で、経年劣化による色褪せやシミが目立ちやすいのがデメリットで、10年〜20年程度で交換を検討する必要があります。
人工(人造)大理石の特徴
高級感のある浴室を実現するのが、人工大理石の浴槽です。1日の疲れをゆっくりと癒す空間を、こだわりをもったデザインで仕上げたい場合に適しています。
人工大理石は硬度があり傷が付きにくいため、丁寧に扱えば長くきれいな状態を保てるでしょう。汚れ自体が付きにくい素材で掃除はしやすいですが、利用する入浴剤によってはダメージを与えてしまう恐れがあり注意が必要です。
また、アクリル系よりも安価なポリエステル系の大理石は、若干耐熱性・耐久性が落ちます。長時間湯を張っておくのは、避けたほうがよいでしょう。
ホーローの特徴
ホーローの浴槽は保温性に優れ、温かいお湯を楽しむのに適しています。カラーバリエーションも豊富で、デザインにこだわった浴室を完成させたいという場合にもおすすめです。
カビなども発生しにくい素材であるため、シンプルなメンテナンスで清潔に保つことができるのがメリットです。その分、ほかの素材と比べて浴槽の価格は少し高めに設定されています。
利用するうちにガラス質のひび割れや剥がれが発生した場合は、塗装をし直す必要があるでしょう。内部の金属を保護するために、定期的な補修は欠かせません。
ステンレスの特徴
ステンレスの浴槽は、主に在来浴室に用いられるタイプで、サビが発生しにくく耐久性も高いのが特徴です。価格も安価であるため、コストを優先してお風呂のリフォームをする場合には有力な選択肢となります。
近年ではデザイン性や高級感にこだわった商品も出てきているため、お気に入りの浴槽が見つけられる可能性も高いでしょう。ステンレスは汚れやにおいの付着を防ぎ、掃除の手間をかけずとも清潔に利用できます。
ただし、ステンレスは重みがあるため、浴槽設置に際して床の補強が必要となる場合があります。また、塗装もはげやすいため定期的なメンテナンスが必要です。
【オプション別】費用相場
浴槽・浴室に関連するオプションの費用相場は、以下のとおりです。
オプション | 費用相場 |
追い炊き機能 | 3~4万円程度 |
浴室暖房乾燥機 | 7~9万円程度 |
ジェットバス | 15~30万円程度 |
手すり | 1万円程度(1本) |
テレビ | 12~14万円程度 |
快適で便利な浴室空間を求めるほど、多くのオプションを付ける必要が出てくるでしょう。追い炊き機能や浴室暖房乾燥機など、必要性の高いものから検討していくのがおすすめです。
無理なくお風呂のリフォームをするために、オプションの選択は慎重におこなってみてください。
50万円以下のお風呂・浴室リフォーム
50万円以下の予算でお風呂・浴室リフォームをする場合は、部分的なリフォームがメインとなります。具体的なリフォームの内容例を、確認しておきましょう。
- 浴槽の交換
- ドアの交換
- 内装の補修
- 手すりの設置
- 給湯器の交換
これらの部分的な設備の交換や設置であれば、50万円以下でも対応可能です。ただし、浴室全体のダメージが進んでいる場合は、小規模リフォームはあまりメリットがありません。
分けて補修をおこなうより、一気にまとめてリフォームをするほうが費用を抑えられる可能性があります。浴室の状態を見て、適切なリフォームのタイミングを見計らうようにしましょう。
50~100万円のお風呂・浴室リフォーム
50~100万円の予算でお風呂・浴室リフォームをする場合は、基本的なユニットバスの交換が可能です。具体的なリフォーム工事の内容は、次のとおりです。
- 在来浴室からユニットバスへの交換
- 新式ユニットバスへの交換
- ユニットバスのバリアフリー化
在来浴室からユニットバスへの交換をすれば、浴室全体の雰囲気も大きく変えられるでしょう。ユニットバスのグレードにこだわりたい場合は、100万円以上の費用がかかる可能性があります。
また、基礎部分の状態や浴室の形状によっても、若干費用に変動が出るでしょう。
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100~200万円のお風呂・浴室リフォーム
100~200万円の費用を確保できるのであれば、浴室を快適にする機能や浴槽のグレードまでこだわれます。具体的なリフォーム内容は、次のとおりです。
- 浴室の機能性向上
- 浴室の拡張や配置換え
- ユニットバスと給湯器の同時交換
より快適に過ごせる空間を実現するために、必要となる機能を追加できます。浴槽のサイズを大きいものに見直したり、素材を大理石にしたりするなど、こだわりが出せるでしょう。
浴室自体の拡張や移動も、100~200万円の費用があれば検討可能です。
お風呂・浴室リフォームに使える補助金
費用的な負担から、お風呂・浴室リフォームを迷っている方も多いでしょう。条件によっては、リフォームにかかる費用の一部を補助してもらえる可能性があります。
お風呂・浴室リフォームで利用できる補助金は、次の3タイプです。
- 国の補助金
- 地方自治体の補助金
- 介護保険を利用
各補助金制度の特徴や内容を、ご紹介します。
国の補助金
お風呂・浴室リフォームに利用できる補助金制度は、長期優良住宅化リフォーム推進事業とこどもみらい住宅支援事業です。主に、省エネリフォームや住宅の劣化対策リフォームが対象となります。
補助金交付の対象となる、具体的なお風呂・浴室リフォーム内容の一例をまとめました。
- ユニットバスの交換
- 内窓や手すりの設置
- 高断熱浴槽の設置
- 高効率給湯器の設置
こどもみらい住宅支援事業に関しては、補助金の利用に際して指定の事業者を通してリフォームを進める点に注意しましょう。リフォーム費用の負担が大きいと感じている場合は、一度国の補助金制度を詳しく調べてみてください。
地方自治体の補助金
地方自治体が実施している補助金制度でも、お風呂・浴室リフォーム費用の一部をまかなえる可能性があります。地方自治体の補助金は、国の補助金よりも交付を受けるためのハードルが低いのが一般的です。
国の補助金制度の利用が難しい場合は、次に地方自治体の補助金制度を検討してみましょう。各地方自治体によって、実施している制度や内容・補助金の金額・期間などが異なります。
ただし、全ての自治体でリフォームに使える補助金制度が整っているわけではありません。詳しくは居住している自治体に問い合わせて、確認してみてください。
介護保険
介護保険でお風呂・浴室リフォーム費用の補助を受けるには、利用者が要支援・要介護認定を受けていることが条件となります。対象となるリフォーム内容の一例は、次のとおりです。
- 段差の解消
- 手すりの取り付け
- 滑り止め対策の実施
- 引き戸への取替え
- その他付帯工事
一般的な補助金とは違い、申請期間などはなく必要なタイミングで申し込みができるのがメリットです。介護が必要となる世帯の住まいを、より快適にするためのリフォームを支援します。
お風呂・浴室リフォームをする際の注意点
お風呂・浴室リフォームを進める際には、次の4つのポイントに注意が必要です。
- 家族構成を考慮して浴室をリフォームする
- 使わない機能は導入しない
- 掃除・メンテナンスをしやすい素材を選ぶ
- マンションの場合は管理規約を確認する
注意点を確認し、トラブルなくリフォームを完了させましょう。
家族構成を考慮して浴室をリフォームする
満足できるお風呂・浴室リフォームを実施するには、事前に家族構成を考慮した計画を立てる必要があります。子どもや高齢者がいる家庭では、古くからの在来浴室よりもユニットバスのほうが使い勝手がよいでしょう。
家族全員が安心して利用できる浴室をつくるためには、滑り止めや手すりの設置を検討する価値があります。将来的なビジョンを持ち、長く快適に過ごせる浴室を完成させましょう。
使わない機能は導入しない
業者にすすめられたからといって、あまり必要のない機能を追加してしまうのは費用負担が増える原因となります。毎日利用するお風呂だからこそ、優先度の高い機能を見極めてグレードを選ぶようにしましょう。
ただし、コストを抑えようとするあまり、快適さが失われてしまうのもおすすめできません。しっかりと家族全員で話し合い、納得のできる浴室づくりをしましょう。
掃除・メンテナンスをしやすい素材を選ぶ
浴室は水を利用する場所だからこそ、掃除やメンテナンスを怠ると劣化が進みやすくなってしまいます。お風呂のリフォームをする際には、日頃のメンテナンスのしやすさを考えて、素材を選ぶようにしましょう。
素材によっては、定期的に専門業者のクリーニングが必要となる場合もあります。できるだけ手軽に、長く衛生的な環境を保てる素材を検討してみてください。
マンションの場合は管理規約を確認する
戸建てとは違い、マンションでのお風呂・浴室リフォームは、管理規約に沿っておこなう必要があります。ユニットバスの取り換えなど、一般的な工事が問題になることは少ないですが、浴室の移動など大規模工事は難しいでしょう。
居住者同士がトラブルなく快適に過ごすために、管理規約を守ったうえでリフォームをおこないましょう。具体的な規約はそれぞれ異なるため、リフォームを検討する段階で早めに確認を入れておくと安心です。
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