室内で快適に洗濯物を乾かせたり、快適なバスタイムを送れたりするなどの理由で人気を集めている浴室乾燥機。自宅に後付けしたいと考えると、「浴室乾燥機は果たして後付けできるのか」「後付け可能な条件は何か」など気になりますよね。浴室乾燥機は、設置の条件が揃っている浴室であれば後付けが可能です。
本記事では、浴室乾燥機の後付けを検討している方に向けて、方法や費用相場、注意点などを徹底解説します。浴室乾燥機を後付けしたいと検討している方はぜひチェックしてください。
浴室乾燥機は後付けできる?
浴室乾燥機は浴室や住宅設備などの状況次第で後付けできる場合とできない場合があります。本章では、後付けできる場合とできない場合はどのような違いがあるのかをみていきましょう。
後付けできる場合
ユニットバス・在来工法問わず、浴室乾燥機は、基本的にあらゆる浴室に後付けの設置ができます。花粉が気になる季節や梅雨の時期などは、室内で気軽に衣類乾燥できると便利です。
さらに、冬場の入浴時に暖房があれば、寒い季節も快適にバスタイムを過ごせます。浴室乾燥機の後付けを検討する場合は、必ず専門業者に相談して、設置が可能かどうかを確認しておくことが重要です。
後付けできない場合
下記の条件を満たしていない場合は、浴室乾燥機をすぐに後付けできません。
- 換気扇が設置されていない場合
- 分電盤に空きがない場合
- 換気扇と照明の間にスペースがない場合
- 浴室の天井が石膏ボードの場合
- 浴室の天井に凹凸がある場合
上記の項目に当てはまる状況で浴室乾燥機を後付けしたい場合は、追加で壁に穴を開ける工事や、電気工事・設備工事が必要です。
また、浴室が古く、壁や天井が劣化している場合は、汚れを落としたり、補強工事が求められたりするケースもあります。浴室乾燥機を後付けで設置したい場合は、一度リフォーム会社に相談してみてください。賃貸物件を利用している場合は大家さんに相談した上でリフォームを検討しましょう。
後付け工事する前に押さえておきたい!浴室乾燥機能の種類
近年、後付けできる浴室乾燥機には、下記のさまざまな機能があります。
- 換気や乾燥機能
- 浴室暖房機能
- ミストサウナ機能
- 涼風機能
それぞれどのような機能なのかを解説します。設置する前にそれぞれの機能を知っておくことで、快適な暮らしを送れたり、無駄な出費を抑えられたりすることに繋がります。
さらに、設置した後のランニングコストを削減する秘訣まで触れていますのでぜひチェックしてください。
換気機能
浴室を清潔に保つ「換気機能」があります。換気扇よりも強力なファンが搭載されているため、湿度の高い浴室内の空気をスムーズに換気が可能です。
また、カビやにおいの原因となる湿気を除去できるため、カビの発生を予防する効果があります。換気機能を節約したい場合は、窓を開けて浴室を換気させる方法を取り入れましょう。
乾燥機能(ドライ機能)
洗濯物をスムーズに乾かしたり、お風呂終わりの床や壁を乾燥させたりする「乾燥機能(ドライ機能)」があります。梅雨時期や冬場などの洗濯物が乾きにくい時期でも、快適に洗濯できます。
さらに、衣類のシワを防ぎながら乾燥できる点が魅力的です。衣類に直接熱を与えずに乾燥させるため、おしゃれ着でも安心して使用できます。
また、乾燥機能には下記の2種類があります。
種類 | 乾燥方法 | 特徴 |
温風乾燥 | 温めた温風で乾燥させる(ヒーターを使用する) | 衣類乾燥に優れているヒーターに使用するガス代や電気代がかかる |
風乾燥 | 換気扇の送風で乾燥させる(送風機を使用する) | 乾燥時間がかかる電気代が安い |
コストパフォーマンスを考えている場合は、乾燥に時間がかかりますが、風乾燥タイプの浴室換気乾燥暖房機が良いでしょう。
浴室暖房機能
浴室を温める「浴室暖房機能」があります。寒い冬の季節や冷えを感じる時期でも、寒さを感じることなく快適に入浴できます。中でも高齢者や小さなお子様がいるご家庭では、ヒートショックを防ぐ効果を期待できる点が魅力的です。
また、省エネ設計の特徴がある浴室暖房乾燥機を選択すれば、ランニングコストを抑えられます。さらに24時間換気機能と組み合わせて使うことで、省エネ効果を高めることが可能です。
※ヒートショックとは…急激な温度変化で血圧が大きく上下し、心筋梗塞や脳卒中などの発作を起こすこと
ミストサウナ機能
自宅でサウナを楽しめる「ミストサウナ機能」があります。細かい霧状のお湯を浴室空間に噴霧し、自宅の浴室に温かい空間を作り出す機能です。
一般的なサウナとは異なり、低温(40〜50度程度)で高湿度の空間を作り出すため、息苦しさがありません。さらに肌や髪に優しく、美容効果を得られる点が魅力的です。
節約しながら使用したい場合は、使用時間を短くしたり、温度設定を低くしたりすることで光熱費を抑えながら楽しめます。さらに節水シャワーヘッドを使用すれば水道費用を削減できます。
涼風機能
浴室を涼しい空間にする「涼風機能」があります。室内の空気を循環させて、浴室内の温度を下げるため、夏場の蒸し暑さを軽減できます。しかし、外気を循環させる特徴があり、涼しい風が出るわけではありません。エアコン機能のクーラーではなく扇風機(送風)として利用しましょう。
ランニングコストを削減したい場合は、節電モードが搭載されているタイプを設置すれば、消費電力の節約に効果的です。
タイプ別|浴室乾燥機を設置する方法
浴室乾燥機の本体は、以下の3つに分類されます。
- 天井埋め込み型(ビルトイン)
- 天井取り付け型
- 壁掛け型
本体のタイプによって、工事が簡単なものや後付けに向いているものなど、特徴がさまざまです。ここでは、それぞれのパターンについて設置方法を紹介します。
天井埋め込み型(ビルトイン)タイプ
天井埋め込み型(ビルトイン)は、コンパクトですっきりした見た目が特徴の浴室乾燥機です。新築やリフォーム時に取り付けることが多く、天井に埋め込めるスペースがない場合は後付けできません。既存の換気扇が天井についており、スペースが確保できる場合に後付け設置可能です。
設置する際は既存の換気扇を取り外し、開口部のサイズ調整をしてから天井裏の配線と浴室乾燥機をつないで取り付けます。その後、排気ダクトとリモコンも取り付けることが必要です。
天井取り付け型タイプ
天井取り付け型は、既存の換気扇の開口部を利用して取り付けられる浴室乾燥機です。換気扇が天井についており、埋め込めるスペースがない場合に使用します。製品の選択肢が少なく、見た目に圧迫感があるのがデメリットです。
設置する際は、既存の換気扇を取り外す、もしくは換気扇の上からかぶせて取り付けられます。そのため、大きな工事が必要なく、工事費用を抑えて後付けできる浴室乾燥機です。
壁掛け型タイプ
壁掛け型は、その名のとおり壁に設置されている換気扇に取り付ける浴室乾燥機です。換気ダクトを取り付ける工事が不要なため、工事費用を抑えられます。ただし、浴室が屋外に面していない場合や窓が大きすぎて設置スペースが確保できない場合は、後付けできません。
設置する際は、換気扇を取り外した後に屋外の配線と浴室乾燥機をつないで取り付けます。その後、雨や風から守るためのウェザーカバーとリモコンを取り付けて設置完了です。
設置方法 | メリット | デメリット |
天井埋め込み型(ビルトイン) | ・コンパクト・見た目がすっきり | ・天井に埋め込めるスペースがない場合は設置不可 |
天井取り付け型 | ・大きな工事の必要なし・工事費用が抑えられる | ・製品の選択肢が少ない・見た目に圧迫感が出る |
壁掛け型 | ・工事費用が抑えられる | ・浴室が屋外に面していない場合は設置不可 |
浴室乾燥機の種類
浴室乾燥機には電気式とガス式があり、それぞれ工事費用や乾燥性能が異なります。以下で詳しく解説するので、それぞれの特徴を理解してどちらを選ぶか検討してみてください。
初期費用を抑えられる電気式
電気式の浴室乾燥機は、外に熱源機を設置する必要がありません。ガス式に比べると後付け工事にかかる費用も安く済むのが特徴です。電気式には、本体が熱源となるヒーター式と、エネルギー効率に優れたヒートポンプシステム式に分かれます。
ヒーター式は後付け工事が簡単ですが、本体が熱源となるため設置場所が制限されるのがデメリットです。また、立ち上がりに時間がかかり、ガス式に比べるとパワーが劣るため、乾燥に時間がかかる場合があります。
その分光熱費も高くなりやすいです。ヒートポンプシステム式は、エネルギー効率が良いため環境にやさしい方式で、電気代を節約したい方に向いています。
ランニングコストを抑えられるガス式
ガス式の浴室乾燥機は、ガスで温めた温水を循環させて機能します。パワフルで素早く浴室を暖め、衣服を乾燥させられるのが特徴です。電気式に比べて少ない稼働時間で機能を発揮できるため、光熱費を抑えられる場合も多いです。しかし、熱源機が必要になるため、電気式よりも設置に費用がかかります。配管の設置工事も必要なため、電気式と比較して工事が大がかりになりやすいです。
浴室乾燥機の後付けにかかる費用相場
浴室乾燥機の後付け費用は、電気式かガス式かで異なります。
【費用相場】
- 電気式:9万円(工事費込み)
- ガス式:10万円(工事費込み)
前述のとおり、ガス式の浴室乾燥機を設置する際は、熱源機の設置も必要です。そのため、電気式に比べて設置費用が高くなります。
浴室乾燥機の本体価格自体は、安い機種で3万円ほどです。また、すでに換気扇がついている場合は、工事費込みで4万円ほどで済む場合もあります。しかし、換気扇がついていても、配線が細かったり電気容量が不足していたりする場合は、追加で工事が必要になるため、1万〜2万円ほどの追加料金がかかるのです。
上記はあくまでも目安であり、浴室の状況や希望する取り付け場所などによっては追加工事が必要な可能性もあります。まずは業者に見積り依頼を出してみてください。
浴室乾燥機を後付けする際に確認しておくべきこと3選
浴室乾燥機を後付けする際は、以下の点に注意が必要です。
- 天井の開口部のサイズ
- 換気口の数
- 分電盤の空き状況
これらを確認しないと、浴室乾燥機を設置できません。以下では、それぞれのポイントについて注意すべき理由を解説します。
天井の開口部のサイズ
天井埋め込み型の浴室乾燥機を取り付ける場合は、開口部のサイズを確認しましょう。
浴室乾燥機は、サイズが統一されているわけではありません。開口部のサイズが異なる場合は、サイズを拡張・縮小する工事が追加で必要になることがあります。開口部のサイズをチェックし、サイズが合うものを選びましょう。
換気口の数
洗面所やトイレなどで換気扇を共有している場合は、換気口の数に合った浴室乾燥機を選ぶ必要があります。換気口の数を確認せずに選ぶと、洗面所・脱衣所やトイレの換気に対応できません。換気口の数が増えればそれだけ工事費用も高くなるため、事前にチェックしましょう。
分電盤の空き状況
浴室乾燥機は、専用の回線を使い分電盤と接続して使用します。浴室乾燥機は、コンセントを挿せば利用できるわけではないため、分電盤の空き状況についても必ず確認しましょう。
分電盤の空き状況は、ブレーカーを見て、使っていないスイッチがあるかどうかで確認できます。
浴室乾燥機を後付け費用を抑えるコツ
浴室乾燥機の後付けを依頼する際にリフォーム費用を抑えるには、下記の工夫ができる項目があります。
- 浴室乾燥機本体をインターネットで購入する
- 複数社で見積もりをとる
- 優良業社を見極める
どのように注意すれば良いのか詳しく解説します。
本体をネットで購入する
浴室乾燥機の本体をインターネットで購入すれば、取付費用と本体代(税込)のみで後付けできます。インターネットの通販で浴室乾燥機の商品を選ぶ際は、種類や機能性などのグレードを見極めた上で購入しましょう。
しかし、本体代と工事費込みの全体の合計金額でお得なプランを用意している業者もあります。少しでも費用を抑えたい方は、業者に見積もりをとった上で購入を検討しましょう。
複数社で見積もりをとる
複数社に現地調査を依頼し、相見積もりを取ることがポイントです。出張費や人件費などの工事費やサービス内容は業者によって異なります。複数社で見積もりしてもらうことで下記のメリットがあります。
- 信頼できる業者を判断できる
- 適切な価格で工事してもらえる
- サービスやプランの内容を比較できる
適切な価格で工事をしてもらうためにも、複数社で見積もりをとってもらうことが重要です。
優良業者を見極める
工事を適切に行ってもらえる優良業社を見極めることがポイントです。いくら工事費用が安くても保証内容が少なかったり、適切に工事してもらえなかったりするリスクがあります。これまでの施工事例や第三者の口コミなどの情報を参考に、しっかりと見極めた上でお願いすることが重要です。
また、浴室乾燥機には、メーカー保証と施工業者保証の2種類の保証が付帯されます。保証内容は業者によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
浴室乾燥機の後付けはDIYできる?
浴室乾燥機の後付けをDIYで行うことはおすすめしません。専用の回線を使用し、分電盤に接続する電気配線工事の技術が必要なためです。
万が一電圧を間違えると、故障や漏電につながるリスクがあります。電気工事は、「電気工事士」の資格を持った専門のプロに任せるのが安心です。
また、浴室乾燥機を天井に設置する際に、天井が壊れたり隙間が生まれて湿気が入り込んでしまったりする可能性があります。湿気が入った場合、天井の腐食が進み、場合によっては大規模な工事が必要になることもあります。
浴室乾燥機の後付け設置は簡単な作業ではないため、DIYではなくプロにお願いしましょう。
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浴室乾燥機の後付け設置を依頼する際は、天井のスペースや分電盤の空き状況など、必ず確認しておくことが重要です。また、浴室乾燥機の設置はDIYでは難易度がかなり高いので、プロに頼ることがおすすめです。
- 浴室乾燥機の設置について相談したい
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