電気温水器は寿命が近づくと、お湯が出にくくなるなどの症状が出る場合があります。機能が十分に発揮されなくなった場合は、電気温水器の交換を検討しましょう。
本記事では、電気温水器の交換にかかる費用相場について解説します。電気温水器の選び方や人気の家庭用給湯システム「エコキュート」についてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
電気温水器の交換・取付工事の内容と費用相場
電気温水器の交換を検討するときに気になるのが、工事内容や費用相場です。費用は機器のメーカーや販売業者によって異なるため、事前に金額をよく確認しておきましょう。
なお、マンションなどの賃貸物件で交換工事を行う際は、事前にオーナーや管理会社に確認する必要があります。勝手に工事を行うことはできないので、注意してください。
ここでは、電気温水器を交換する際の工事内容と交換費用の相場をお伝えします。
電気温水器の交換費用相場
電気温水器の交換にかかる費用は、本体価格と交換工事費用に分けられます。それぞれの費用相場は、以下のとおりです。
電気温水器本体価格 | 約10~25万円 |
交換工事 | 約7~10万円 |
合計 | 約17~35万円 |
費用は電気温水器の種類やメーカー、工事を依頼する業者により変わります。
状況によっては標準工事の価格以外に追加費用がかかり、より高額の費用がかかる場合も。事前に見積もりをとり、最終的に必要になる金額を確認しておきましょう。
電気温水器を交換するときの工事内容
電気温水器の交換工事は、以下の流れで行われます。
- 基礎工事
- 既設給湯器の撤去
- 配管工事
- 新しい電気温水器の設置工事
- 運搬・処分
- 試運転・操作説明
まず、貯湯タンクを設置する基礎工事を行い、次に古い電気温水器の撤去・配管工事を行います。これまで使用してきた配管に破損などがなく新しい給湯器に接続できる場合はそのまま使い、費用は標準工事費と込みになります。
一方、ヒビなど破損があって交換が必要な場合は、別途費用がかかることになるため注意しましょう。取り外した電気温水器を運搬・処分したあと、試運転をして問題がなければ操作説明をして終了です。
なお、ガス給湯器などから電気温水器に交換する場合は、電気配線工事や電力契約の申請が必要になります。
電気温水器を交換すべきタイミング
電気温水器は、寿命を迎えたタイミングで交換するのが一般的です。寿命は基本的に15〜20年程度で、10年を経過したころから故障しやすい傾向にあります。以下のような症状・トラブルがある場合、寿命のサインである可能性が高いです。
- 同じエラーを繰り返す
- お湯がぬるい
- お湯が出にくい
- 水漏れする
- 温度が不安定
- お湯が沸くまでに時間がかかる
このような症状が出てきたら、早めに交換を依頼しましょう。
設備の機能が突然止まって困ることのないよう、寿命の時期が近づいたら交換を検討することが大切です。寿命が過ぎても利用できるケースはありますが、10年以上経過した電気温水器の多くはメーカー保証が終了しています。交換部品の製造が終了している場合もあり、修理ができなくなる可能性もあるでしょう。
また、減圧弁や逃がし弁、排水トラップといった部品は本体の寿命よりも早いタイミングで劣化することが考えられます。部品の交換でより長く使える可能性はあるため、定期的な点検を依頼して状態の確認や部品の交換などを行うようにしましょう。
電気温水器とエコキュートの違いは?
電気温水器を交換する際、人気を集めているのがエコキュートです。エコキュートとは、ヒートポンプ技術を使い、空気の熱でお湯を沸かす給湯システムのこと。少ない電力と空気の熱でお湯をつくり、お湯をタンクに貯めて利用します。貯湯タンク内の熱湯に水を混ぜ、設定された温度に調整して給湯するという仕組みです。
電気代が安くなる夜間にお湯を沸かすため、ガス給湯器よりもコストを抑えられ、省エネにつながるのがメリットです。便利な機能が付いたフルオートタイプや機能を限定したオートタイプ、給湯専用タイプから選ぶことができます。
電気温水器からエコキュートへ交換するときの費用相場
電気温水器をエコキュートに交換した場合、費用相場は以下のとおりです。
本体価格 | 約24~40万円 |
交換工事 | 約9~16万円程度 |
合計 | 約35~60万程度 |
本体価格はタイプやメーカーによって異なり、工事費は交換前の機器や設置箇所、業者などにより変動します。
グレードの高い機器や最新機種を選んだりタンク容量が大きかったりする場合、総額50万円を超える可能性もあるでしょう。新設の際は追加工事が発生しやすく、その分も工事費が高くなる傾向です。
電気温水器からエコキュートへの交換を検討するのであれば、補助金を活用して工事費用をおさえるのもひとつの方法です。「給湯省エネ2024事業」は、一定の条件を満たせば最大13万円の補助金を受け取れます。給湯省エネ2024事業の詳しい内容については、公式サイトをチェックしてみてください。
参照:給湯省エネ2024事業
電気温水器を買い替えるときの選び方
電気温水器はさまざまなメーカーから幅広い種類が販売されているため、交換する際はよく比較して選ぶことが大切です。選ぶ際は、主に以下の4つをポイントを検討するとよいでしょう。
- 給湯タイプ
- タンク容量
- メーカー
- 角型か丸型のどちらか
それぞれ、詳しくみていきましょう。
給湯タイプで選ぶ
電気温水器は給湯の機能によって、「給湯専用タイプ」「セミオートタイプ」「フルオートタイプ」の3種類に分けられます。
給湯専用タイプ | セミオートタイプ | フルオートタイプ | |
メリット | ・本体価格が比較的安価 ・光熱費が安い | ・自動お湯張り機能が便利 ・給湯専用より多機能 | ・多機能で便利 ・自動で快適な湯温・湯量を維持できる |
デメリット | ・お湯張り、追い焚き、保温機能なし ・手動で湯量/温度調節が必要 | ・追い焚き、保温機能なし ・フルオートより機能は少ない | ・本体価格が高い ・光熱費が高い |
おすすめな人 | ・できるだけ費用を抑えたい人 ・シンプルな機能で十分な人 ・1人暮らしの人 | ・利便性も求める人 ・コストと機能の両方を重視する人 | ・便性を重視する人 ・大家族やお風呂の時間が不規則な人 |
タンク容量で選ぶ
電気温水器を選ぶときは、家族の人数に合わせてタンク容量を重視することが大切です。容量が小さ過ぎると途中でお湯がなくなる可能性があります。
一方、大き過ぎると本体価格や設置場所への工事費用が高くなり、毎月の光熱費にも影響が出る可能性があるでしょう。人数ごとのタンク容量の目安は、以下のとおりです。
- 1~2人:300L
- 2~4人:370L
- 3~5人:460L
- 4~6人:550L以上
また、家族が帰省してくることが多い、あるいは来客が多いというご家庭は、一回り大きめの容量を選ぶのがおすすめです。今後家族が増える可能性がある場合も、大きめのタンクを選んでおくとよいでしょう。
反対に、子どもが独立や結婚などで家を離れる可能性がある場合は、少なめの容量にしておくとよいかもしれません。
メーカーで選ぶ
電気温水器は下記のようなメーカーから販売されています。
- 三菱電機
- パナソニック
- コロナ
- 長府製作所
- タカラスタンダード
住宅設備のメーカーのリクシルやTOTOでも販売していますが、洗面所などで使う小型電気温水器がメインとなっています。
各社とも電気温水器の基本性能に変わりはありませんが、「自動的に配管を洗浄する」など製品ごとに異なる強みがあります。予算の金額も考えながら、住宅に適したものを選びましょう。
角型・丸型のタイプで選ぶ
電気温水器の外観は、大きく角型と丸型の2つに分けられます。角型は配管や減圧弁・逃し弁などの弁類が内蔵されているため見た目がスッキリしており、雨風や紫外線にさらされて劣化するのを防止できます。
冬に気温が大きく下がる地域では、配管が外気で凍結するリスクも抑えられるでしょう。また、交換時の配管工事が簡単に済むのもメリットです。
丸型は円筒のような形で、配管が外にあるタイプです。従来の電気温水器の多くは丸型で、交換でも同じく丸型を選ぶという人も少なくありません。
配管が劣化しないという点では角型の方がメリットが高いともいえますが、本体価格は一般的に角型の方が高めです。
どちらも温度や湯量をマイコン制御できるタイプがあり、リモコン操作で無駄なく効率的にお湯を沸かせます。それぞれの特徴を理解したうえで、ご自宅にあったタイプを選ぶようにしましょう。
どこに頼む?電気温水器の交換業者を選ぶ際のポイント
電気温水器の工事を業者に依頼する際は、慎重に業者選びをする必要があります。
施工実績やアフターケアサービスの確認など、重視すべき3つのポイントについて詳しく見ていきましょう。
施工実績や資格を確認する
電気温水器の交換を業者に依頼する際は、十分な施工実績があるところを選びましょう。公式サイトにはこれまでの施工事例を写真で掲載している業者も多いため、事前に確認することをおすすめします。
また、電気温水器の交換工事を行うには、第二電気工事士・排水装置主任技術者という国家資格が必要です。第二電気工事士は、一般住宅などで電気工事をする際に必要な資格で、排水装置主任技術者は、給水設備装置の施工に必要な唯一の国家資格です。依頼する業者がこれらの資格を保有しているか、必ず確認しておいてください。
保証などのアフターケアサービスをチェック
業者を比較検討する際は、施工保証や定期点検などのアフターサービスを行っているかどうかも重要なポイントです。施工後に不具合が生じた際、無料で修理してもらえる保証があれば、安心して依頼できます。
また、定期的に点検を行っている業者もあり、故障を未然に防げるのがメリットです。電気温水器を交換した直後は、どの業者が行っても工事の品質についての判断は難しいものです。
しかし、数年経過すると施工のレベルが現れ、場合によっては不具合が出てくる可能性があります。施工に自信のない業者は、定期点検をしたがらないでしょう。
無料の保証期間を設けたり定期点検を実施したりするのは、自社の交換工事に自信がある証といえます。
複数業者から見積もりをとる
交換業者を選ぶときは、必ず相見積もりをとって比較検討しましょう。金額が相場よりも高くないか、費用の内訳は記載されているかをチェックしてください。
ただ安いというだけで選ぶと、追加費用が発生して結果的に高くなる可能性もあります。追加費用のない最終的な金額かどうかの確認も、忘れないようにしましょう。
見積もりを依頼する際は、業者の対応もチェックが必要です。折り返しの連絡が早い、質問には的確に答えるなど、信頼できる業者かどうかを確認しておクことが大切です。
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本記事では、電気温水器の交換にかかる費用はエコキュートの概要、買い替えるときの選び方についてご紹介しました。電気温水器を交換する場合は、信頼できる業者に修理を依頼しましょう。
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ゼヒトモでの電気温水器の交換・取替の施工事例
ゼヒトモの登録プロが行った、電気温水器の交換・取替の施工事例を2つ紹介します。
戸建て3階の電気温水器交換
戸建て住宅の3階に設置されていた電気温水器を交換した事例です。3階という高所での作業にもかかわらず、施工期間3時間でスムーズに交換を完了。
マンションの電気温水器からエコキュートへの交換
マンションに設置されていた従来の電気温水器をエコキュートに交換した事例。エコキュートは自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機を採用することで、夜間の割安な電気を利用して効率的にお湯を沸かすことが可能です。追い焚き機能も備えており、浴槽の湯量を変えずにスピーディに追い炊きができるようになりました。
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