外壁や屋根などの高所の工事には、足場が不可欠となります。実際のところ、足場を組むのにどの程度の価格がかかるのか気になる方も多いでしょう。 この記事では、足場の必要性や種類、種類ごとの価格相場について解説します。外壁や屋根の工事を検討している方はぜひご覧ください。
足場の必要性
外壁や屋根などの高所の工事は、丁寧に足場を組んでから実施することが必要です。足場を組む必要性としては、次の3つが挙げられます。
- 作業員の安全を確保する
- 作業効率がアップする
- 汚れ、水の飛散を防止する
それぞれのポイントについて解説します。
1.作業員の安全を確保する
高所での作業には転落の危険性が伴います。バランスを少し崩しただけでも転落し、場合によっては作業員の命の危険に関わることもあるでしょう。
労働安全衛生規則では、足場を組んで作業をするときは足場の幅は40cm以上、足場と建物の隙間は12cm未満と定められています。
また、頑丈な構造でなければ足場とはみなされません。安全に作業を実施するためにも、規則に定められた適切な足場を組むことは不可欠だといえるでしょう。
参考:厚生労働省「足場からの墜落防止のための措置を強化します」
2.作業効率がアップする
足場を組むと、作業する場所と作業員の手元の高さのバランスが取れ、作業効率が向上します。また、作業の精度も高まり、施工品質も向上します。 例えば、外壁塗装のケースであれば、足場がなければ隅々まで塗料を塗布できない可能性があるでしょう。また手が届きにくい場所には塗りムラが生じ、仕上がりの美しさを損ねるかもしれません。
3.汚れ・水の飛散を防止する
家屋周りにシートをかけることで、塗料の臭いや飛沫が周辺に飛散しにくくなります。また、外壁や屋根の汚れを水で落とすときも、家屋の周囲にシートがかかっていれば飛び散らないため、近隣に迷惑をかけにくくなるでしょう。
家屋周りにシートをかけるためには、適切に足場を組むことが必要です。足場があるとシートをかけやすくなり、汚れや水の飛散、また作業員の転落も防止しやすくなります。
【坪数別】足場工事の価格相場
足場工事は足場の高さや工事方法によっても異なりますが、1㎡当たり700~1,000円(飛散防止シート代込み)が相場です。建物の一回り大きな足場を組むため、足場の面積は建物の外周から算出した数字よりも少し多くなることに注意しましょう。
建坪とおおよその足場面積、足場工事の価格は以下のとおりです。
建坪 | 足場の面積 | 足場工事の価格 |
20坪 | 155~170㎡ | 108,500~170,000円 |
30坪 | 185~200㎡ | 129,500~200,000円 |
40坪 | 215~230㎡ | 150,500~230,000円 |
建坪 足場の面積 足場工事の価格 20坪 155~170㎡ 108,500~170,000円 30坪 185~200㎡ 129,500~200,000円 40坪 215~230㎡ 150,500~230,000円 一般的に外壁塗装を依頼するときは、足場にかかる費用は全体の費用の約20%とされています。
なお、足場を組むには作業員が2~3人で5~8時間程度、解体するときは2時間半~4時間程度かかります。
価格の計算方法
足場工事の価格は以下の計算式で求めます。
- 足場の面積×足場工事の単価(1㎡当たりの単価700~1000円)
建物の外周がシンプルな四角形のときは足場の面積は小さくなりますが、複雑な形状のときは足場の面積が広くなり、足場工事の費用も高額になります。上記の表で紹介した金額よりも高額になることもあるでしょう。
足場の種類と単価相場
足場工事の単価は1㎡当たり700~1,000円が相場ですが、工事の種類によって変わることもあるので注意が必要です。主な足場の種類としては、次の4つが挙げられます。
- 単管足場
- 単管ブラケット足場
- くさび式(ビケ)足場
- 枠組足場
それぞれの種類の特徴、単価相場を解説します。
1.単管足場
単管足場とは、鉄パイプと金具を組み合わせて作る足場です。比較的狭い場所でも組み立てることができるというメリットがありますが、安全性に劣るというデメリットがあります。足場工事の相場は1㎡当たり700~1,000円です。
2.単管ブラケット足場
単管ブラケット足場とは、単管足場にブラケットと呼ばれる金属の作業場を取り付ける足場です。単管足場よりも足場が安定するため、作業しやすいというメリットがあります。 しかし、ブラケットを取り付ける分、作業時間が長くなる点に注意が必要です。足場工事の相場は1㎡当たり800~1,000円ほどです。
3.くさび式(ビケ)足場
くさび式足場とは、鉄パイプをハンマーでジョイントさせる足場です。ビケ足場とも呼ばれます。ハンマーだけで組み立てられるので、工期を短縮できます。しかしハンマーで叩く音が響くこともあり、近隣に一声かけておくことが必要です。
近年、外壁塗装の際の足場としては、くさび式足場が一般的になってきました。足場工事の相場は1㎡当たり800~1,000円です。
4.枠組足場
枠組足場とは、鋼管で作られたユニットを組み立てるタイプの足場です。強度が高く、高さを出せるので、高層ビルやマンションの足場としても使われます。 組み立てが簡単で安全性も高いというメリットがありますが、費用が高めという点に注意が必要です。足場工事の相場は1㎡当たり1,100円~です。
足場工事における注意点
足場工事を実施する際には、次の2点に注意が必要です。
- 近隣住民に配慮する
- 隣人の土地を借りる必要があるか確認する
それぞれのポイントについて解説します。
1.近隣住民に配慮する
足場工事をするときには事前に近隣住民に告知することが必要です。特にくさび式足場などではハンマー音が響くため、事前に伝えておきましょう。また、養生を徹底して汚れが飛散しないように注意することも必要です。
2.隣人の土地を借りる必要があるか確認する
足場は住宅よりも一回り大きく組むため、住宅を敷地ぎりぎりに建てている場合は、隣人の土地の上に足場を建てる必要が生じることがあります。事前に確認し、隣人の許可を得ておきましょう。
工事費用を抑えるコツ
外壁や屋根の工事を依頼するときは、足場費用も含めて予算を立てていきます。工事費用を抑えるコツを2つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 足場が必要な工事はまとめて行う
- 相見積もりをとる
それぞれのコツについて詳しく解説します。
1.足場が必要な工事はまとめて行う
足場を組み、解体する費用として建坪20~40坪程度の住宅で10万~23万円ほどかかります。決して安くはない金額がかかるため、足場が必要な工事をまとめて行うことで工事費用を節約しましょう。
例えば、屋根の葺き替えと外壁の塗り替えを予定している場合、別々に工事をするのではなくまとめて依頼すれば、足場工事にかかる費用は1回で済みます。屋根の修理が必要なときは外壁もチェックし、同時に工事ができないか検討しましょう。
2.相見積もりをとる
複数業者から見積もりをとることで、不当な価格での施工を避けることができます。また、見積額だけでなく、見積書や説明の丁寧さ、担当者の親切さなども比較して、納得できる業者を選びましょう。
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高所での作業には足場が必要です。住宅の大きさや足場の種類にもよりますが、10万~23万円程度かかるので、できれば足場が必要な工事はまとめて行うようにしましょう。
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