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  6. サイディング外壁とは?特徴やメンテナンス方法、リフォーム費用を解説
2022/12/19 2024/03/28

住まいの外壁材として多く用いられている「サイディング」は、耐久性が高いうえに費用も安価という特徴があります。種類も豊富であるため、外観のリフォームをして雰囲気を変えたいという場合にも適しているでしょう。

今回はサイディング外壁のメリットやメンテナンスをすべきタイミング、リフォーム費用の相場などを詳しく解説します。

サイディングとは

サイディング外壁とは、パネル状のサイディングボードを張り合わせて仕上げる外壁の1種です。かつて外壁材として主流であった高級感あるモルタル外壁に代わって、最近ではサイディングを利用した建物が増えています。

比較的費用が安価な材料であるのに関わらず、軽量で耐久性が高く劣化に強いのが特徴的です。また、レンガ調や木目調などデザインが豊富で、洗練された外観を求める場合にも適しています。

サイディングはパネルを組み合わせて施工をするため、大掛かりな塗装工事が必要なモルタルと比べて工期が短いのもメリットです。定期的なメンテナンスを正しくおこなえば、耐震性の低下や雨漏りの心配もないでしょう。

コストを抑えて自由度の高いリフォームを考えている場合に、おすすめの素材です。

モルタル(塗り壁)やタイル外壁との違いは?

サイディングとモルタルやタイル外壁との違いは、以下のとおりです。

見た目費用耐久性
サイディングデザイン豊富比較的安価高い
モルタル高級感あり比較的高価低い
タイル重厚感あり初期費用が高い高い

1980年代には主流な外壁材として重宝されたモルタルは、塗り壁ならではの高級感が魅力です。ただし、塗装工事には高い技術が求められるため費用は高めで、耐水性が低く劣化が進みやすい点には注意しましょう。

タイル外壁は1つ1つタイルを並べる方法で、重厚感のある外壁をつくり上げます。メンテナンスの費用は抑えられますが、施工時の初期費用が高い傾向があります。

サイディングボードは求める雰囲気に応じてデザインを選べるうえに、耐久性が高く施工費用も安価で近年人気が高まっています。

サイディング外壁材の種類とは

サイディング外壁材4種類の特徴を解説します。

デザイン・色調耐久性その他特徴
窯業系サイディングデザイン・カラー豊富高め・シェア率が高い・費用が安価
金属系サイディングメタリック感が強い高め・断熱性と防音性に優れる・メンテナンスが楽
樹脂系サイディング鮮やかなカラーも多い特に高め・変色しにくい・施工件数が少ない
木質系サイディング温かみのある質感低め・メンテナンスが大変・高級感がある

窯業系サイディング

窯業系サイディングは、戸建て住宅で主流となっている人気の外壁材です。セメント質と繊維質を原料として配合したボードは、ほかのサイディング材と比べてデザインやカラーの種類が圧倒的に豊富です。

タイル柄や木目柄など、好みの外見に仕上げることができるでしょう。比較的コストが抑えられるうえに、耐久性がありメンテナンスの負担は少なくて済みます。

最近では防水性の高い塗装を施したタイプや、汚れ・ひび割れに強い加工をしたタイプなど、機能性に優れた商品が登場しています。

金属系サイディング

金属系サイディングとは、アルミやガルバリウム鋼板、ステンレスなどの素材を用いた耐久性の高い外壁材です。リフォームの際に多く用いられるほか、最近では新築住宅にも多く採用されています。

寒暖差によるダメージに強いため、寒冷地でも安心して利用できるのがメリットです。一般的な窯業系サイディングよりも軽量で、重ね張りによる施工(外壁カバー工法)にも適しています。

遮音性や断熱性が高く、デザインも増えてきたことが人気の理由でしょう。費用は、ほかのサイディング材と比べて少し割高です。

樹脂系サイディング

樹脂系サイディングとは、主にアメリカで主流の外壁材の1つで、塩化ビニル樹脂を原料としています。日本ではまだ普及があまり進んでいませんが、シーリングを用いない施工が可能でデザイン性が高く、劣化に強いのがメリットです。

海沿いに住まいを構えている場合は、サビや変色に強い樹脂系サイディングはピッタリの素材だといえるでしょう。金属系サイディングよりもさらに軽量で、建物にも負担を与えません。

耐久性が高くメンテナンスが楽ですが、取り扱う業者が少ないのがデメリットです。

木質系サイディング

木質系サイディングとは、天然木の表面を炭化処理したうえで、塗装を施した外壁材です。実際の木材を利用するため、オリジナリティのある木目を楽しめるほか、自然の温かみが感じられるでしょう。

カントリー風デザインの住宅に仕上げるには、木質系サイディング材がおすすめです。基本的に断熱性に優れており、なかには耐火性が高められた素材も登場しています。

ただし、費用が高めで耐用年数が劣る点は注意しましょう。定期的なメンテナンスを通して、美しい外観と安全性を保つ努力が必要です。

サイディング外壁のデザインの種類とは

サイディングはデザインの種類が豊富な外壁材であり、好みのイメージに合わせて施工がおこなえるのが魅力です。今回は、次の5つのデザインをご紹介します。

  • 塗り壁調
  • レンガ調
  • タイル調
  • 木目調
  • 石積調

塗り壁調

塗り壁調のサイディングは、モルタルのような重厚感が出せるため、落ち着いた雰囲気の外観を求める方におすすめです。費用を抑えて、塗り壁調のこだわりある住まいが完成します。

レンガ調

ガーデニングを楽しむ住宅にピッタリなのが、レンガ調のサイディング材です。外装を洋風に仕上げられるため、デザインにこだわりたい方に向いています。

タイル調

タイルのサイディング材は、カラーの種類も豊富で好きな色味を選ぶ過程を楽しめるでしょう。シンプルでナチュラルな外装を好む方に、おすすめの外壁材です。

木目調

温かみのある外装に仕上げたい場合に向いているのが、木目調のサイディング材です。高価でメンテナンスが大変な木材に代わって、手軽に木の良さを感じられる素材として人気があります。

石積調

高級感のある外壁がお好みなら、石積調のサイディング材を検討してみてください。全体に使用するのではなく、部分的なアクセントとして活用する方法が人気です。

【あわせて読みたい!】

窯業系サイディングってどんな外壁?特徴などこちらもチェック>>>

サイディングに塗装は必要なの?塗り替え方法や注意点などはこちらから>>>

サイディング外壁のメンテナンスの目安とは

比較的管理がしやすいサイディング外壁ですが、メンテナンスの目安を知っておくと安心です。長く美しい外観を保つために、サイディング外壁の耐用年数や補修が必要となるサインを確認しておきましょう。

サイディング外壁の耐用年数を確認

サイディング外壁の耐用年数は、選ぶサイディングボードの種類によって異なります。一般的なサイディング外壁の耐用年数は、以下のとおりです。

サイディング外壁の種類耐用年数
窯業系サイディング20~30年程度
金属系サイディング20~30年程度
樹脂系サイディング20~30年程度
木質系サイディング15~25年程度

また、サイディングボードの表面に施すコーティングや、すき間に詰めるシーリング材の状態も確認する必要があります。シーリングは、7~10年程度でメンテナンスをするのが一般的です。

コーティング材の種類による耐用年数をまとめた表も、参考にしてみてください。

コーティング剤の種類耐用年数
ウレタン8~10年程度
シリコン12~15年程度
アクリル6~8年程度
フッ素15~20年程度
遮熱・断熱15~20年程度
光触媒18~20年程度

補修が必要な症状とは

次のような症状が確認できた場合は、サイディング外壁材の補修が必要なタイミングです。

  • 塗装の劣化
  • シーリング(繋ぎ目)の劣化
  • チョーキング(壁をこすると粉がつく)がみられる

適切なメンテナンスをおこなうために、自宅の外壁の様子を定期的にチェックしてみてください。

塗装の劣化

サイディング外壁材の表面を覆っている塗装に劣化がみられたら、早めに補修工事をおこないましょう。具体的に塗料を塗り替える目安となるのは、以下のような症状が確認できた場合です。

  • 色褪せ
  • 塗膜のはがれ
  • カビやサビ

塗装の下にあるサイディングボードにまでダメージが及ぶ前に、迅速に対応するのがポイントです。特に直射日光が長時間当たる場所や、湿気が多い場所などは念入りに確認するようにしましょう。

シーリング(繋ぎ目)の劣化

サイディングボードの繋ぎ目に用いられる、シーリング材が劣化している場合も、メンテナンスが必要なサインです。シーリング材はゴムでできており、劣化が進んでしまうと雨漏りなどの大きなトラブルにつながる恐れがあります。

シーリング材の劣化をチェックするポイントは、次のとおりです。

  • ひび割れ
  • 肉やせ
  • 断裂

補修のタイミングを見計らって、シーリングの打ち直し工事をおこないましょう。

チョーキング(壁をこすると粉がつく)がみられる

チョーキング現象が確認できた場合は、外壁の塗装をし直すタイミングです。塗料に含まれる合成樹脂が粉状になったものが、外壁材の表面に現れることをチョーキングあるいは、白亜化現象と呼びます。

塗膜が劣化している状態が続くと、防水性が下がり雨漏りの原因にもなりかねません。見た目ではわからない場合もあるため、外壁を実際に手で触って白い粉がつかないか確認しましょう。

水に濡れた後に、染み込んで変色しているケースでも、早急なメンテナンスが必要です。

サイディング外壁のリフォーム費用相場

サイディング外壁のリフォームにかかる費用の相場は、以下のとおりです。

外壁のリフォーム工事内容費用相場
シーリング工事35~50万円程度
塗り替え工事70~150万円程度
重ね貼り工事(カバー工法)130~220万円程度
張り替え工事150~230万円程度

サイディング材の劣化が進んでいない場合は、シーリングの打ち直しやコーティング剤の塗り替えで対応できるでしょう。しかし、サイディング材自体の張り替えが必要になる場合は、費用が高くなる傾向があります。

それぞれの工事の内容や、費用の内訳を解説します。

シーリング工事

サイディング外壁に必要なシーリング材は劣化が進みやすいため、定期的な打ち直し工事が必要です。古いシーリング材をはがし、新しいものに取り替える流れです。

一般的な2階建て住宅のシーリング工事にかかる費用の目安は、35~50万円程度とされています。費用の内訳としては、シーリングの打ち直し費用のほかに、既存のシーリングをはがす費用と足場費用が含まれています。

2階建て住宅の場合は、足場代だけでも15万円程度の費用がかかるため、ある程度の出費を覚悟する必要があるでしょう。

塗り替え

サイディング外壁の塗り替え工事とは、サイディング材の交換などはおこなわずに表面の塗装をし直す工事です。サイディングボードにダメージがある場合は、後ほどご紹介する重ね貼り工事や張り替え工事が必要となります。

用いる塗料のグレードによっても費用は異なりますが、一般的な2階建て住宅での工事費用目安は70~150万円です。10年に1度の頻度で塗装の状態をチェックし、必要に応じて工事をおこないましょう。

塗装の塗り替え工事では、塗料代のほかに工事費用が発生します。内訳は業者により差があるため、詳細を詳しくチェックしてみてください。

重ね貼り(カバー工法)

既存のサイディングボードの上に新しい外壁材を貼るのが、重ね貼り工事です。カバー工法とも呼ばれる施工方法で、サイディング材の劣化が小さい場合に適しています。

新たに張り替えるよりも費用を抑えることができるため、定期的なメンテナンスで早期に対応することが大事です。130~220万円程度の費用がかかり、採用するサイディングボードの種類によっても差が出るでしょう。

張り替え

サイディング外壁の張り替え工事とは、既存の素材が大きくダメージを受けている場合に実施される工事です。劣化の進んだ古いサイディングボードをはがし、新たな外壁材に取り替えます。

サイディング材に反りが発生している場合や、何度か重ね貼り工事を繰り返した築年数の経過した住宅は、張り替え工事が必要です。重ね貼り工事の費用に、古い外壁材の撤去費用がプラスされます。

張り替え工事では耐震性を落とすことなく、建物の安全を確保できるのが大きなメリットです。メンテナンス費用はかかりますが、新しい外壁材に取り替えることで見た目の雰囲気も変えられるでしょう。

外壁塗装業者のプロを探す

サイディング外壁とは、コストパフォーマンスが良く、近年多くの住宅で採用されている外壁材です。カラーやデザインが豊富で、外観にこだわりたいという方にも人気があります。

サイディング材の種類によって、耐用年数や特徴、リフォーム工事にかかる費用が異なります。ご紹介した情報を参考にしながら、自宅に合ったサイディング材を探してみましょう。

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