高額な費用がかかる外壁塗装工事では、業者に依頼した見積もりをしっかり確認することが重要です。提示された金額が適正かを見極めるためにも、外壁塗装にかかる費用相場を把握しておく必要があります。
そこで本記事では、外壁塗装にかかる単価相場を工事内訳別にご紹介します。坪数・塗装面積別の合計費用についても解説するので、自分の住まいと比較しながらご確認ください。
外壁塗装の費用内訳
外壁塗装に必要な全体費用を知る前に、まずは費用内訳を確認しておきましょう。工事内容は主に下記4つに分けられ、それぞれに費用がかかります。
- 塗料・材料費:外壁塗料のグレードや種類、ローラー、コーキング材、養生テープなど
- 足場代:作業に必要な足場の設置費用
- 人件費:施工に関わる全体的な費用(高圧洗浄、養生、塗装などの作業費)
- 諸経費:運搬費や交通費、廃材処分費など
塗料・材料費は、外壁塗料のグレードや塗料の色数などによって大きく異なりますが、30坪住宅の場合は約16~36万円が相場です。養生テープやコーキング材にも費用がかかるため、約40万円以上は見積もっておくと良いでしょう。
足場代は、作業員の足場建設に必要な費用で、主に「足場の運搬」「組み立て」「解体」の項目が含まれています。住宅の階数によっても異なりますが、30坪の住宅では約18~23万円が目安です。
作業全般にかかる費用は人件費と表記され、全体的な費用の20~30%を占めます。約3〜7万円前後であれば問題ないと言えるため、確認する際の参考にしてください。
これらに加え、資材の運搬や職人の交通費、廃材処分費が含まれる「運営費・諸経費」が必要になります。依頼する業者によって費用に差があるため、高すぎる場合は一度相談してみましょう。
外壁塗装工事価格の算出方法
外壁塗装工事の全体費用は、塗装面積と基準塗布量に応じて決まります。基準塗布量とは、1㎡あたりに塗布する塗料量のことです。
各塗料ごとに塗料メーカーが定めており、カタログや仕様書に記載されています。この塗料量を守らなければ塗料の性能を正しく発揮できず、場合によっては施工不良の原因になるため注意が必要です。
基本的に、工事にかかる塗料費・塗料の缶数は「基準塗布量(kg/㎡)×塗装面積(㎡)」で求められます。正しい塗料費を算出するには、まず塗装面積を正しく計測してもらうことが重要です。
その際、塗装面積が、坪ではなく平米(㎡)で表されていると、自分でも計算できるため、より信頼をもって依頼することができるでしょう。
【工事内訳別】外壁塗装の単価相場
つづいて、外壁塗装にかかる単価相場を工事内訳別にご紹介します。1㎡あたりで算出しているので、依頼した見積もり書と見比べながらご覧ください。
工事内訳 | 単価相場 |
上塗り塗料(アクリル塗料) | 約1,000~/㎡ |
下塗り | 約600~900円/㎡ |
足場建設 | 約600~800円/㎡ |
養生テープ | 約250~400円/㎡ |
飛散防止ネット | 約100~200円/㎡ |
高圧洗浄 | 約100~300円/㎡ |
コーキング | 約500~1,500円/㎡ |
付帯塗装(住宅によって有無が異なる) | 約4,250円~/㎡ |
諸経費(廃材処分費・運搬費など) | 約10,00~30,00円/㎡(一式) |
工事内訳ごとに細かく単価が記載されていれば、信頼できる業者だと判断できます。逆に、多くの項目で「一式」と表記されている場合は「どの工事にどれくらいの費用がかかっているのか」を必ず確認しておきましょう。
また、坪数・塗装面積ごとの合計費用の相場は下記の通りです。
坪数 | 塗装面積 | 費用相場 |
20坪 | 約79㎡ | 約40~90万円 |
30坪 | 約119㎡ | 約60~100万円 |
40坪 | 約158㎡ | 約80~130万円 |
50坪 | 約198㎡ | 約100~160万円 |
60坪 | 約238㎡ | 約120~200万円 |
70坪 | 約277㎡ | 約140~230万円 |
費用相場は、塗料の種類やグレード、色数にも大きく左右されますが、費用相場から50万円以上乖離がない場合は妥当だと判断できます。
外壁塗装費用を左右する4つの要素
外壁塗装費用は、大きく下記4つの要素に大きく左右されます。
- 塗料の種類
- 塗装の範囲・回数
- 外壁の素座時
- 外壁の劣化状況
それぞれ詳しく解説するので「費用が高すぎる!」と感じている方は、該当する要因がないかチェックしてみてください。
また、以下の関連記事では、外壁塗装の費用相場や施工事例を紹介しています。実際にかかった費用も掲載していますので、外壁塗装の施工事例が気になる方はぜひご確認ください。
関連記事:外壁塗装の費用相場
塗料の種類
塗料の種類・グレードは、外壁塗装費用を大きく左右する要因になります。外壁塗装に使用される塗料は「アクリル塗料」「ウレタン塗料」「シリコン塗料」「フッ素塗料」「ラジカル塗料」などが一般的です。
それぞれの耐久年数と費用相場を下記にまとめているので、外壁の劣化状況や予算に応じて検討してください。
塗料のグレード・種類 | 耐用年数 | 費用相場/1㎡ |
アクリル塗料 | 約3~8年 | 約1,300~1,800円 |
ウレタン塗料 | 約5~10年 | 約1,700~2,500円 |
ラジカル塗料 | 約8~16年 | 約2,200~4,000円 |
シリコン塗料 | 約10~15年 | 約2,100~3,600円 |
フッ素塗料 | 約13~20年 | 約3,600~5000円 |
基本的にはグレードが上がるほど耐久性が高くなり、その分費用も高くなる傾向にあります。塗料のグレードは施主が自ら決められるので、予算に限りがある方は多くのグレードで見積もりを出してもらいましょう。
また、塗料のグレードだけでなく、使用する色の数によっても費用は異なります。2色以上使うと追加費用がかかる場合が多いので、希望のデザインがある場合は事前に相談しておくのがおすすめです。
塗装の範囲・階数
塗装する面積が広ければ広いほど、もちろん施工費用は高くなります。特に住宅の階数が多いと、塗装面積だけでなく、足場を建設する場所も増えるため、さらに高額になるでしょう。
予算が限られている場合は、部分補修を検討するのもおすすめ。塗装面積や階数を小規模に抑えることで、費用も安くなります。ただし、住宅の劣化状況によっては部分補修で対応できない可能性もあるため、詳しくは業者に相談することが大切です。
外壁の素材
外壁の種類や素材によっても、塗装費用が高くなるケースがあります。外壁の素材がサイディングやALC外壁の場合は、目地の劣化状況に応じて補修作業が必要です。追加でコーキング費用がかかるため、想定よりも高額になる可能性があるでしょう。
その点、モルタル外壁といった目地がない素材はメンテナンスが不要なため、追加費用の心配もありません。心配な場合は、事前に住宅の素材を調べておくと安心です。
外壁の劣化状況
外壁の状態が悪いと、塗装前に補修が必要になり、その分費用がかかります。主な補修内容と費用相場を下記にまとめたので参考にしてみてください。
補修内容 | 費用相場 |
ひび割れ | 約1~10万円/ヵ所 |
コーキング補修 | 約900~1,260円/㎡ |
穴・傷・欠け | 約1~6万/ヵ所 |
サビ | 約500~1,000円/㎡ |
外壁塗装費用を抑えるには、外壁の劣化が進む前に施工することが大切です。外壁の寿命も視野に入れ、施工が決まったら、できるだけ早めに依頼しましょう。
信頼できる外壁塗装業者を選ぶポイント
適正価格で外壁塗装を行うためにも、業者はしっかり比較検討して選ぶことが重要です。ここでは、信頼できる塗装業者の選び方をご紹介します。
- 施工実績があるか
- 事前調査や説明が丁寧か
- アフターサービスやメーカー保証があるか
また、安すぎる業者は施工不良や手抜き工事のリスクもあるため、選ばないよう注意が必要です。下記で詳しく解説するので、安心して外壁塗装を実施するためにもぜひチェックしてみてください。
施工実績があるか
外壁塗装業者を選ぶ際は、過去の施工実績や事例を確認することが重要です。信頼できる業者ほど、公式ホームページに施工実績が記載されているケースが多い傾向にあります。内訳ごとの写真や実際の施工費用なども解説していれば、併せて確認しておきましょう。
また、実際に施工を依頼した方の口コミを確認することも大切なポイント。業者の比較サイトなどに口コミが掲載されている場合は、悪評が多すぎないかチェックしておくのがおすすめです。
事前調査や説明が丁寧か
塗装費用は外壁の劣化状況によっても異なるため、現地調査を丁寧に行ってくれるかも確認しておきましょう。一般的に現地調査やヒアリングにかかる時間は、約1~2時間ほど。住宅を数分だけ見て調査する業者は、信頼性に欠けるため注意が必要です。
さらに、調査結果をわかりやすく説明してくれる業者だと、より安心して施工を依頼できます。写真や動画を交え、外壁の状況や見積もりを詳しく説明してくれれば、優良な業者だと判断できるでしょう。
アフターサービスやメーカー保証があるか
一般的に、施工に自信がある業者ほど、アフターサービスやメーカー保証が充実している傾向にあります。特にメーカー保証は「塗料メーカーが施工品質を保証している証明」にもなるため、手抜き工事の心配も少ないでしょう。
安心して施工依頼をするためにも、アフターサービスやメーカー保証の有無を確認しておくのがおすすめです。
安すぎる業者は選ばないように注意
提示された見積もりが安すぎる場合や大幅値引きをされている場合は、悪徳業者の危険があるため注意が必要です。
格安業者は、安い塗料を使ったり、本来必要な工程を省いたりすることで費用を節約している場合がほとんど。悪徳業者に依頼すると再度修繕が必要になり、最終的に費用が高くついてしまうこともあるでしょう。
また「○○代無料」などと謳っている業者にも注意してください。特に、足場代が無料になることは考えにくいので、必ずチェックしておくことをおすすめします。
悪徳業者への依頼を防止するためにも、複数業者に見積もりを依頼し、費用相場を比較検討することが重要です。
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本記事では、外壁塗装の単価相場を内訳別にご紹介しました。塗装費用は、塗料のグレードや外壁の劣化状況などによって異なります。適正価格で施工依頼をするためにも、費用相場は事前に確認しておくのがおすすめです。
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