外壁や屋根の塗装を変えることによって、家の印象が大きく変わります。それだけに塗料の色選びは、慎重に行う必要があります。
外壁を好みの色に変えたいけれど、失敗したくない、心配だという方もいらっしゃるでしょう。本記事では、失敗しない外壁塗装の色の選び方について、解説します。
色を選ぶためのポイントをご紹介しているので、外壁の色選びでお悩みの方はぜひご覧ください。
株式会社イワタ塗装
外壁塗装で失敗するケース
外壁塗装でのよくある失敗は、以下のようなケースです。
- イメージしていた色じゃない
- 汚れが目立つ
- 玄関やドアなど、周囲に比べて浮いて見える
外壁や屋根、扉などの塗料の選び方は、簡単ではありません。イメージしていたカラーコーディネートと、まったく違うケースもあるでしょう。
指定した塗料がどれくらいの面積で使用されているのかによっても、印象は変わります。
外壁塗装で後悔しないためには、失敗したケースの要因を知っておく必要があるでしょう。それぞれのケースについて、解説します。
イメージしていた色じゃない
イメージしていたニュアンスと違う、という失敗例は少なくありません。外壁や屋根に好みの色を指定したのに、色見本と違っていた、濃淡が濃すぎた、薄すぎた、大きな面積に塗装したら、印象が変わってしまったなどの状況です。
これらの原因は、色見本の色合いと、実際の塗料のあざやかさが微妙に違うことや外壁や屋根の材質によって、色の印象が変わってしまったことが失敗の要因として考えられます。
汚れが目立つ
外壁や屋根にきれいな色の塗料を塗ったのに、汚れが目立ちやすくなってしまったケースもあります。汚れによって、イメージしていた色とは違う印象になってしまった場合もあるでしょう。
一般的には、白や黒などのはっきりした色は汚れが目立ちやすい傾向があるので、注意が必要です。
また、外壁塗装を施した時点ではきれいな色だったのに、短期間で汚くなってしまうケースも考えられます。特に経年劣化が際立ちやすい色は、赤や青です。せっかくリフォームしたのに、長持ちしなかったという実際の例があるため、塗料の色選びは慎重にしましょう。
玄関やドアなど、周囲に比べて浮いて見える
塗装を変えた結果、玄関やドアなどの色合いが、まわりの部分から浮いて見えてしまう場合もあります。外壁塗装選びで壁の色ばかりに着目してしまい、ドアや扉、屋根の色を考慮しなかった場合に起こる失敗です。
このような失敗を防ぐには、玄関や扉や窓のサッシの色合いと、壁の色合いとのバランスを吟味する必要があります。また色のバランスだけでなく、その色の占める面積の割合も意識したうえで、カラーコーディネートを決めるといいでしょう。
好みの色を重視するだけでなく、色の相性を意識すること、色のバランスをイメージすることによって、家全体の外観の印象も変わります。
外壁の色選びで失敗しない方法
外壁の色選びで失敗しないためには、いくつかのポイントがあります。
【色選びで失敗しないためのポイント】
- 大きい色見本を使う
- サッシやドア、屋根との相性を考えて選ぶ
- 近隣の建物との色の相性で選ぶ
- ツヤの有無を考慮する
色合いの好みを重視するだけでは、イメージどおりの外壁塗装にならない場合が多いです。しかし、ちょっとした工夫を凝らすことで、外壁塗装の失敗を防げます。
ここからは外壁の色選びで失敗しないためのポイントについて解説していきます。
大きい色見本を使う
外壁塗装の塗料選びで失敗しないためには、大きな色見本を使うことがポイントになります。小さな色見本を使用すると、実際の外壁や屋根の色とで、イメージのズレが生じるためです。
そこで、小さな色見本でおおよその候補を絞ってから、施工業者に依頼して、A4サイズくらいの大きさの色見本を用意してもらうといいでしょう。面積が大きいほど、実際の仕上がりをイメージしやすくなります。
また、室内の照明と自然光とでは色合いの印象が変わるため、屋外の自然光の中での確認が必要です。外壁と同じように立てかけるなど、置く角度を変えながら確認することをおすすめします。
より好みの色に近づけるために希望する色の色見本だけでなく、ワントーンずつ明るい色と暗い色を用意してもらい、比較検討するといいでしょう。
サッシやドア、屋根との相性を考えて選ぶ
外壁塗装の色を選択する場合には、サッシやドア、屋根などとの相性を考えて選ぶことが大切です。外壁だけを見て好みの色の塗料を指定すると、バランスが悪くなってしまうケースもあります。
また、面積の大きな屋根の色合いは、家の印象を左右する重要な要素です。統一感を意識して色を選ぶことで、落ち着いたイメージのある外観が期待できるでしょう。外壁や屋根の色選びで失敗しないためには、それぞれの色の相性を考慮する必要があります。
近隣の建物との色の相性で選ぶ
屋根や外壁を塗装する際に、近隣の建物とのカラーコーディネートの配慮も必要です。まわりの家の多くがグレー系であるのに、外壁に真っ赤な塗料を使ったために、まわりの家との調和が取れなくなり、近隣とのトラブルに発展してしまうなどの事態も考えられます。
そこで、自分の家だけでなく、街並みも含めて、トータルでイメージすることも必要です。まわりから浮きすぎると、印象が悪くなります。塗料の色を決めた後、外壁塗装の工事がスタートする前に、近隣の住宅の色味を確認しておくといいでしょう。
市区町村によっては、景観ガイドラインが定められている場所もあります。たとえば、東京都練馬区の景観ガイドラインで定められたルールは、「緑と調和した色彩」です。色が制限される場合もあるので、事前に確認することをおすすめします。
参考資料:練馬区景観ガイドライン
ツヤの有無を考慮する
塗装工事を行う前に、塗料にツヤの有無を確認しましょう。同じ色でもツヤの有無によって、外壁塗装や屋根の印象が大きく変わるからです。たとえば、同じグレーでも、ツヤのあるグレーとツヤのないグレーとでは、まったくニュアンスが異なります。
外壁塗装の塗料は、ツヤ消し・三分ツヤ・五分ツヤ・七分ツヤ・ツヤありなどに分かれているため、ツヤの度合いを考慮して塗料選びをするといいでしょう。ツヤのある塗料はイメージよりもやや暗めの色、ツヤのない塗料はやや明るめの色を選ぶのがコツです。
雨の日や曇りの日、晴れの日によっても彩度や明度が変わるため、塗装工事に入る前にさまざまな天候のもとで色を確認するといいでしょう。
外壁におすすめな人気の色
外壁は、どのような色の塗料でも合うわけではありません。グレーは無難な色ですが、おもしろみにかけると感じる方もいらっしゃるでしょう。外壁のおすすめの色、人気の色は、以下の4色です。
- ベージュ
- オレンジ
- ブラウン
- ブルー
それぞれの色が選ばれる理由や色の印象、イメージ、特徴を項目別に説明します。外壁塗装の工事をする際の、色選びの参考にしてください。
ベージュ
【ベージュが選ばれる理由】
ベージュは街並みに自然に溶けこむ色であるため、外壁の色選びで人気があります。赤い屋根や草木との相性も良く、まわりの環境との調和を重視する方にもおすすめの色です。和風・洋風問わず、どのような系統の家にも合います。
【ベージュの印象】
ベージュは、温かい印象を与える色です。また開放感のある色であり、家を大きく見せる効果があるため、豪華な印象を与えられます。落ち着いた色ではありますが、グレーのような地味な印象はありません。
【ベージュの特徴】
汚れが目立ちにくいという特徴があります。また他の色とも組み合わせやすく、ツートンカラーのベース色になるため、外壁塗装の塗料選びの万能カラーといえるでしょう。
オレンジ
【オレンジが選ばれる理由】
外壁塗装の塗料をオレンジにすることで、家のイメージが明るくなります。赤や緑色の屋根との相性も良く、華やかな色、カラフルな色彩を好む人に人気です。
【オレンジの印象】
オレンジは明るくてすっきりとした印象のある色で、モダンなテイストのある家にも似合う色です。ただし、あまり濃いオレンジを選択すると、まわりから浮いてしまう場合があるので注意しましょう。
オレンジ色選びで重要なのは、色の濃さやあざやかさの度合いです。工事に入る前に、隣家の外壁の色を考慮して選ぶといいでしょう。
【オレンジの特徴】
オレンジ色の特徴は、コケや汚れが目立ちにくいことです。太陽とも共通する色であるため、気分を明るくする効果も期待できます。
ブラウン
【ブラウンが選ばれる理由】
ブラウンは、まわりの景色や家にもなじみやすい色合いといえます。落ち着いたイメージの家を好む人に人気です。
【ブラウンの印象】
ブラウンは木や土を連想させるアースカラーであるため、ナチュラルな印象があります。赤や緑色の屋根との相性も悪くありません。
【ブラウンの特徴】
ブラウンの塗料は、色の濃さによって印象が変わる特徴があります。外壁のブラウンが濃くなると重厚感が増し、ブラウンが薄くなって明るめの茶色になると、モダンな雰囲気が漂います。外壁塗装の工事を行う前に、塗料の色味をしっかり確認しましょう。
ブルー
【ブルーが選ばれる理由】
ブルーは空や海とも通じる色があり、多くの人に好まれています。外壁塗装の塗料としてブルーを使うことによって、外壁が明るい印象になるため、欧米の住宅でも人気の高いカラーです。
日本でも、洋風の家を好んでいる人に人気の色といえるでしょう。
【ブルーの印象】
ブルーは清涼感のある色です。使い方によって、クールにもキュートにもなるため、外壁のイメージを明確にして塗料を選びましょう。
【ブルーの特徴】
ブルーは濃い青からパステルまで、色合いの幅が広いという特徴もあります。黒系屋根とも相性がいい色です。ブルーは塗料の種類や外壁の素材によっては、経年劣化が目立ちやすいため、塗装工事をする際には材質選びを慎重にしてください。
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外壁の色を変えることによって、これまで住んでいた家の印象を一新できます。しかし、好みの色を選択したつもりだったのに、イメージが違っていたという失敗例も少なくありません。
さらに、汚れが目立たない色にする、まわりとの調和の取れた色にするなど、考慮すべきことが数多くあります。外壁の色選びで失敗しないためには、不明点をプロに相談することも必要です。
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監修プロからのコメント
塗装のプロが考える外壁塗装で失敗しないためのコツをお教えします。外壁の色を選ぶ際にはぜひ参考にしてみてください。
【イメージした色では無い場合の原因】
・見本帳編
色は相対的にみています。見本帳のフレームは白色が多いのですが、実際には道路のアスファルトの色、隣家の色、植栽の色など、濃彩色が家の周囲には多くあります。その為、実際は見本帳よりかなり薄く感じます。
・ハイライト編
外壁には凹凸があります。その凸部に太陽光が当たると、ハイライトが白く反射します。真っ黒に塗っても黒く見えません。相まって、見本帳より薄く(白っぽく)感じます。
・鮮やかさ
見本帳より、鮮やかに見えます。例えば、黄土色を選んでも仕上がると黄色に感じます。
想像以上に地味に選んで丁度良いぐらいです。
【汚れにくい色】
塗装店が考える汚れにくい色は、「中採色」です。段ボール箱ぐらいの色の濃さ。
日本塗料工業会の見本帳で、明度区分が50~60位です。
地味な感じがしますが、重量感のある色でもあります。ハウスメーカーの標準色に含まれていることが多い印象です。
【差し色(アクセント)】
少し個性を出したい場合差し色は有効です。見掛面積の2~3%位であれば比較的使い易いです。
【色数】
1色・2色は、躊躇無く使っても大丈夫です。
3色になると色決めのハードルが高くなるため注意しましょう。
4色以上は「ゴチャゴチャ」して見えることがあるので注意しましょう。
【光源】
曇天で午後2時頃、屋外で見本帳を見て頂くのが比較的正確な色を比べることが出来ます。
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