外壁防水工事は、建物を長持ちさせるために必要な工事です。適切にメンテナンスすれば、建物の劣化や雨漏りなどを防げます。
今回は、外壁防水工事の代表的な4つの工法と費用相場について解説!良い業者選びのポイントもお伝えします。ぜひ、工事を検討する際の参考にしてみてください。
株式会社六條工務店
外壁防水工事の必要性
外壁防水工事は、建物の外観を整えるだけでなく、耐久性を高めるために必要な工事です。
木造建築に水が浸入すると、住まいを支える柱や梁だけでなく、断熱材も腐食してしまいます。コンクリート住宅の場合は、雨でコンクリートが劣化し剥がれ落ちる可能性もあるでしょう。
そのため、防水工事は雨漏りを引き起こす屋根だけでなく、外壁やベランダなどのあらゆる箇所に行う必要があります。
防水工事が必要になる5つの劣化症状
防水工事が必要になる外壁の劣化症状には、以下のような5点が挙げられます。
- チョーキング現象
- ひび割れ
- シーリング(コーキング)の縮み・ひび・亀裂
- 塗装の剥がれ
- 色あせ
これらは建築から10~15年で目立ってきますが、立地環境によってはそれより早く劣化することもあり得ます。ぜひ、防水工事を検討する目安にしてください。
1.チョーキング現象
チョーキング現象とは、壁を触るとチョークのような白い粉が付く現象のことです。外壁の経年劣化により、外壁の塗膜(外壁に塗料を塗ってできる膜)が薄くなることで起こります。
塗膜の劣化をそのままにしておくと、雨漏りを引き起こす原因となります。チョーキング現象を確認した際は、早めに外壁防水工事を検討しましょう。
2.ひび割れ
外壁のひび割れは、「クラック」と呼ばれます。軽程度であれば緊急対応は必要ありませんが、溝が深い場合は注意が必要です。外壁内部のモルタルや防水シートが割れ、中に水が浸入する可能性があります。
また、ひび割れが基礎まで侵食すると建物の耐久性に影響が及びます。災害時の倒壊リスクを避けるためにも、ぜひ工事を検討してみてください。
3.シーリング(コーキング)の縮み・ひび・亀裂
シーリング(コーキング)とは、窓枠やサイディングボードなどの目地に埋める、樹脂製のゴムのような素材のことです。シーリングは、紫外線の影響を受けて7年~10年で劣化します。外壁材の中でも、特に劣化が早い部分です。
シーリングが縮んだり、ひびや亀裂が入ったりしている場合、内部の腐食が進んでいるかもしれません。特に、ひびから内部が見えている場合は早めの補修が必要です。
4.塗装の剥がれ
外壁塗装の剥がれは、水の侵入やカビの発生、経年劣化などの影響で起こります。水が浸入している場合は、塗装が剥がれると同時に、水がこぼれ出ることもあるでしょう。
そのまま放置していると、壁の内部まで水が染み込んでしまいます。柱や屋根が腐食すると建物の耐久性にも影響が及ぶため、早めの修理を心がけてください。
5.色あせ
外壁の色あせは、チョーキングより早く起こります。紫外線の影響で少しずつ色あせが進むため、もっとも気付きにくい変化かもしれません。
一般的な塗料の耐久年数は、10~15年です。そのため、色あせもその間に発生します。色あせを放置するとひび割れが始まるため、定期的に新築当時の写真と見比べて確認してみてください。
参照:ペイントホームズ「外壁に防水は必要?外壁防水の必要性」
代表的な工法・費用・耐用年数
外壁防水工事の代表的な工法は、大きく以下の4種類に分かれます。
- ウレタン防水
- シート防水
- FRP工法
- アスファルト防水
ここでは、それぞれの内容や費用、耐用年数について詳しく紹介します。なかには、建物に合わない方法もあるかもしれません。施工法に迷うときは、それぞれのメリットやデメリットなどを参考にしてください。
1.ウレタン防水
ウレタン防水とは、液状の樹脂を塗って防水層を作る工法のことです。メリットとして、工事期間が短く費用が安い点があげられます。樹脂が液状のため、どんな形状の壁面にも塗りやすいのが特徴です。
一方で、職人の技術力によっては仕上がりに差が生まれます。施工不良が起きる可能性もあるため、注意してください。
費用相場:4,500~7,000円/㎡
耐用年数:8〜12年
2.シート防水
シート防水で使用するのは、ゴムや塩化ビニールでできたシート状の防水材です。 シート防水も施工時間が短い方法ですが、経年劣化によってシートがはがれてしまうデメリットがあります。また、貼り付ける箇所が平らでないと、施工が難しいケースもあるでしょう。 費用相場:4,000~8,000円/㎡ 耐用年数:10〜15年
3.FRP工法
FRP防水は、ガラス繊維でできたマットの上からポリエステル樹脂を塗装します。それぞれを組み合わせ、防水層を作る工法です。
FRP工法のメリットは、熱や薬品に強く腐食しにくいことです。半面、紫外線に弱いため、5年に1度はトップコートの張り替えを検討してください。
費用相場:6,500~8,000円/㎡
耐用年数:10〜12年
4.アスファルト防水
アスファルト防水は、アスファルトを含むゴムのようなシートを使う施工法です。費用はほかの工事に比べ高くなるものの、耐久性に優れ、メンテナンスの回数を減らせるというメリットがあります。
ただし、工事の際は臭いに注意が必要です。工法によっては独特の臭いを発するため、事前に近所にあいさつ回りをしておくとよいでしょう。
費用相場:5,500~8,500円/㎡
耐用年数:15~20年
外壁防水工事はDIYでできる?
外壁の劣化は、ウレタン防水であればDIYで補修できます。ただし、きれいに仕上げるためには、事前に汚れをしっかり落とさなくてはいけません。また、高所作業には危険が伴います。
さらに、外壁を傷つけずきれいに仕上げるためには、専門的なスキルが必要です。建物の耐久性を維持するためにも、外壁防水工事は業者に頼むのがおすすめといえるでしょう。
参照:外壁塗装の達人「DIY(自分)で外壁塗装を万度に行う為の5つのポイント!」
良い業者を選ぶ3つのポイント
外壁防水工事を行う良い業者を選ぶポイントは、以下の3つです。
- 相見積もりをとる
- 施工実績を確認する
- 資格を持っている業者を選ぶ
良い塗料を使っても、職人のスキルによって仕上がりに差ができてしまいます。雨水から暮らしを守るためにも、業者選びは大切です。安心して施工を依頼するために、事前にこれらのポイントを押さえておきましょう。
1.相見積もりをとる
施工を依頼する際は、複数の業者に現地調査をしてもらい、同じ内容で見積りをとってください。調査時の対応をチェックできるほか、工事費が適切なのか比較検討できます。
あまりに見積りが安い場合は、ずさんな工事が行われる可能性があります。材料費や人件費など、細かく明記されていれば信頼して施工を依頼できるでしょう。
2.施工実績を確認する
外壁防水工事の実績が豊富なことも、大切なポイントです。実績は、公式サイトや口コミなどで確認できます。現地調査の際に、スタッフに直接問い合わせてみるのもよいでしょう。
特に、自分たちの住まいと似た内容の実績があれば安心して施工を依頼できます。この際も、ひとつの業者にこだわらずさまざまな業者を比較してみてください。
3.資格を持っている業者を選ぶ
外壁防水工事には、必須となる資格はありません。しかし、「防水施工技能士」が在籍する業者であれば、より安心して施工を任せられます。
防水施工技能士は、防水施工に関するスキルと知識があることを認める国家資格です。資格を持つ職人が在籍する業者は、より良いサービスを提供するために日頃から技術力の向上を目指す優良業者だといえます。
参照:マルキペイント「防水工事の業者の選び方とは?押さえておくべきポイントを徹底解説!」
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監修プロのコメント
外壁にひび割れがあったり、シーリング材がボロボロになっていると、防水面のみならず、目につきやすいので、見た目も良くないです。外壁のメンテナンスの多くは塗装ですが、その塗装剤にも耐久性に優れた製品があります。
また、シーリングは特に劣化が早い部分ですが、20年以上の耐久性を持つ優れた素材もあります。初期費用はかかっても、すぐに悪くなって工事が必要となるよりも、結局は費用も労力も軽減できます。
また、ベランダの床、セメントで塗装しているだけでしょうか?ひび割れなどはないでしょうか?もちろん、セメントの下は防水シートが敷かれているはずですが、ひび割れなどがあると防水シートも劣化します。
最近の新築のベランダは、ほぼすべてといっていいほど、防水処理がされています。セメント仕上げよりも綺麗で、お掃除もしやすいです。近年の雨の降り方は異常で、これからも続く、もしかするともっとひどい豪雨が多くなるかもしれませんので、是非、お家の防水を考えてください。
定期的なメンテナンスのために、毎月少しずつでも補修代を貯金できるといいですね。
株式会社六條工務店
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