マンションや戸建て住宅など、住まいを部分的にリフォームする「部分リフォーム」は、費用を抑えたり、短かい工期で終えられたりするなど手軽に行えます。
住宅を、ピンポイントに改修したい方におすすめのリフォーム工事です。とはいえ、工事内容や工事目的によって費用が大きく異なります。
今回は、部分リフォームの事例と工事内容ごとの費用相場を紹介します。リノベーションによって快適な住まいを実現したい方は、ぜひ参考にしてください。
部分リフォームとは?
部分リフォームとは、文字どおり家を部分的にリフォームすることです。対義語はフルリフォームであり、これは家をすべてリフォームする大規模な工事のことを指します。
たとえば、リビングの床や壁を新しいものに交換したい、キッチンを最新設備にリフォームして快適に使えるようにしたい、といった方には、部分リフォームがおすすめです。
とくに、浴室・洗面所・トイレ・キッチンなどの水回りは、経年劣化が目立つため、部分リフォームが必要になるケースが多くみられます。
部分リフォームのメリット
部分リフォームには、以下のようなメリットがあります。
- 費用を抑えられる
- 工期が短い
- 仮住まいの手配が不要な場合もある
部分リフォームは、フルリフォームに比べて費用を大幅に抑えられます。フルリフォームは住まい全体を施工するため、どうしても高額な費用がかかってしまいがちです。一方、部分リフォームは床や壁のみ、設備の交換のみなどと工事範囲が狭いため、材料や手間を抑えられ低コストで住まいをリフォームできます。
また、工事範囲が狭いため、短い期間で工事が完了します。リフォーム箇所が限定されているため、工事の計画やスケジュールも立てやすい点も魅力的です。
たとえばトイレの便座や洗面台の改修のみなら、1週間以内で完了できます。一方でフルリフォームの場合は、プランニングに1〜2か月、工事には2〜3か月ほどと、トータルで半年近くかかります。
数日程度の工事なので、工事中も自宅で生活できる場合がほとんどです。工事期間中に住むための仮住まいを手配する手間がかかりません。
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部分リフォームのデメリット
部分リフォームは、費用を抑えたり、短かい工期でリフォームを終えられたりするなどのメリットが魅力です。しかし、下記のデメリットを理解し、万が一に備えたリスクヘッジが重要です。
- 希望通りにならないことがある
- 追加費用が発生するリスクが伴う
- 日常生活に支障をきたす
間取りの大きな変更や建物の構造に関わる場合は、希望するリフォームが困難といわれるケースがあります。例えば、耐力壁の撤去ができないため、希望通りの間取り変更ができないといったことが当てはまります。
また、リフォーム中に老朽化やシロアリ被害などの予期せぬ問題が発見されると、追加工事が求められる場合があります。当初の予算を超える費用が発生する可能性があるため、追加にかかる費用も業者に確認しておきましょう。
そして、特定の箇所(キッチンや浴室など)のリフォームをする場合は、工事期間中に住宅を使用できません。水回りや配管などの工事で長期間のリフォーム期間が必要な場合は、仮住まいの手配をしておくことが重要です。
部分リフォームの費用相場
本章では、部分リフォームにかかる費用を紹介します。水回り、内装、外装のリフォームする場所別にいくらの費用がかかるのかを解説するため、ぜひ予算を準備するための参考にしてください。
キッチンのリフォーム費用
キッチンのリフォーム内容は、コンロやレンジフード、食洗機などを交換したり、キッチンの位置を変更したり、キッチンを交換したりするなどの工事が挙げられます。キッチンのみの交換にかかる費用相場は約50〜120万円、キッチンの内装も交換する場合は約100〜150万円です。
キッチンの位置を変更したい場合は、さらに費用がかかります。システムキッチンの種類、天板やシンクの素材、収納キャビネットの有無などによって費用は大きく異なりますが、50万円〜150万円が一般的な費用目安です。
また、システムキッチンを導入したい場合は、システムキッチン本体の単価と、工事費用が必要です。システムキッチンのグレードやタイプによって、リフォームにかかる費用は大きく変化します。
とくに近年ではキッチン・リビング・ダイニングがひと続きとなった間取りが一般的なため、LDK全体のリフォームになる場合が大半です。
浴室のリフォーム費用
浴室のリフォームにかかる費用相場は、約100〜200万円です。ユニットバスもしくは、在来工法のいずれかで費用が異なります。
- ユニットバス:工場で床や壁などのパーツを作り、現場で組み立てて完成させるもの
- 在来工法:床の防水工事を行った後に、浴室を作るもの
最近では、簡単に取り付けられるユニットバスが一般的です。さらに浴室のリフォームは、下記の工事内容によってことなります。
工事内容 | 費用相場 |
既存のユニットバスから新しいユニットバスに交換する場合 | 約50〜140万円 |
在来工法の浴室からユニットバスに交換する場合 | 約65〜150万円 |
浴室を拡張・増築したい場合 | 約100万円※拡張したい範囲による |
ユニットバスを解体したり、給排水や電気工事が求められたりするため、工事にかかる費用はリフォーム業者に相談が必要です。
また、浴室のユニットバスのグレードや浴室テレビや打たせ湯機能などのオプション、工事内容によって費用が変わるため、目安として参考にしてください。
トイレのリフォーム費用
トイレの一般的なリフォーム内容としては、便器のみの交換と、トイレ全体をリフォームする工事が挙げられます。
トイレのリフォーム工事の内容によって費用相場が異なるため、下記の表を参考にしてください。
工事内容 | 費用相場 |
便器の交換(洋式から洋式)の場合 | 約10〜25万円 |
便器の交換(和式から洋式)の場合 | 約30万円~50万円※床や排水管などの工事が伴う |
トイレ全体をリフォームする場合 | 約50万円~100万円 |
内装工事(壁紙や床材の張り替え)の場合 | 約10万円~30万円 |
手洗いカウンターの設置する場合 | 約5万円~15万円 |
トイレの移動や新設する場合 | 100万円以上の大規模な工事になる |
以前は便器を交換するために、床を解体して配管工事を行う必要がありましたが、最近では床を解体せずに交換できるケースもあるため費用相場が下がっています。
また、トイレのリフォーム費用は、面積が狭いため、壁紙や床といった内装の工事費用よりは、トイレのグレードや設置する設備によって大きく変動します。
洗面所のリフォーム費用
洗面所の一般的なリフォーム内容としては、洗面台のみの交換と、洗面所全体をリフォームする工事が挙げられます。
洗面所のリフォームしたい工事内容によって費用相場が異なるため、下記の表を参考にしてください。
工事内容 | 費用相場 |
洗面台を交換したい場合 | 約3〜30万円※既存の洗面台の撤去費用も含む |
内装を一新したい場合 | 約20万円~50万円 |
ハイグレードな洗面台の設置したい場合 | 約50万円以上かかる |
収納棚の設置やバリアフリーの改修をしたい場合 | 約10万円~20万円 |
洗面所全体をリフォームする場合は、約20〜50万円ほどの費用が必要です。洗面所全体のリフォームにおいては、壁紙や床材の張り替えや内装工事、新たな収納の設置の有無などが、費用を左右しています。
また、暖房やタオルウォーマーなどの便利な設備をつける場合は、さらに費用が高くなる傾向です。
内装の部分リフォーム費用
内装の部分リフォームにかかる費用相場は、工事内容や修繕範囲によって大きく異なります。代表的なリフォーム内容と、それにかかる費用をまとめると以下のとおりです。
壁紙(10平方メートルあたり) | 1〜2万円 |
フローリング(6畳あたり) | 7〜9万円 |
畳(1枚あたり) | 5,000〜8,000円 |
床暖房のような設備を導入する場合、グレードの高い壁紙・床材に交換する場合、間取りを変更する場合は、さらに費用が高くなります。
外装の部分リフォーム費用
戸建て住宅の場合、外装の部分リフォームにもさまざまな選択肢があります。リフォーム内容ごとの費用相場をまとめると、以下のとおりです。
外壁塗装 | 65〜80万円 |
屋根塗装 | 40〜50万円 |
玄関 | 30〜40万円 |
エクステリア | 60〜90万円 |
ガレージ | 50〜100万円 |
バルコニー | 30〜40万円 |
外装リフォームの工事費用には、足場の運搬・組立・解体にかかる費用も含まれます。そのため、足場が必要な工事はまとめて行うのがおすすめです。
目的別のリフォーム相場
部分リフォームは、解消したい目的によって修理や補修の方法が違うため、相場もそれぞれ異なります。以下のようなリフォームにかかる費用相場を、工事内容ごとにご紹介します。
- 省エネリフォーム
- 耐震リフォーム
- バリアフリーリフォーム
- 防音リフォーム
具体的な相場費用を理解して、リフォームの予算や資金計画を決めるヒントにしてください。
省エネリフォームの費用相場
省エネリフォームとは、断熱性能を向上させて、家の快適さをアップさせる工事です。すべての工事を行うには、200〜300万円ほど必要です。
省エネリフォームにかかる費用相場を、工事内容ごとにまとめると以下のようになります。
断熱・気密リフォーム | 約90万円〜 |
壁に省エネ塗料・断熱塗料を使用 | 約50万円〜 |
太陽熱温水器の導入 | 約15万円〜 |
高効率給湯器に交換 | 約25万円〜 |
節水トイレに交換 | 約16万円〜 |
内窓設置 | 約3万円〜 |
太陽光発電設置(1キロワットあたり) | 約28万円〜 |
耐震リフォームの費用相場
耐震リフォームとは、建物の基礎や柱、壁を補強し、住宅の耐震性をアップさせる工事のことをいいます。既存の問題次第で工事内容が決まるため、専門家に耐震診断を行ってもらうことが必要です。
耐震リフォーム工事と診断にかかる費用は下記の項目を参考にしてください。
地域にもよりますが、自治体より対診断や耐震補強工事に補助金が出る場合がありますので、
依頼の際は専門家や自治体に確認してみることをおすすめします。
耐震診断 | 約12〜25万円 |
耐震工事 | 約25〜200万円 |
耐震リフォームにかかる費用は、耐震基準を満たしているかどうかで異なります。築年数が1981年以前の建物は、現在の耐震基準を満たしていない可能性が高いため、全面的な耐震補強が必要です。
部分的な補強で済むかどうか、物件の劣化状況も踏まえて業者にみてもらうことをおすすめします。
バリアフリーリフォームの費用相場
バリアフリーリフォームは、高齢の方や体の不自由な方が過ごしやすい住まいにするための工事です。
バリアフリーリフォームにかかる費用相場を、工事内容ごとに下記の表でまとめています。
手すりの設置 | 約0.5〜5万円 |
トイレの拡張 | 約15〜30万円 |
ドアを引き戸に変更 | 約30〜50万円 |
玄関や土間をフラットに変更 | 約20〜30万円 |
バリアフリーリフォームの際は、条件を満たせば補助金や減税制度を利用できます。介護のプロであるケアマネジャーに相談し、施工を検討してみてください。
防音リフォームの費用相場
防音リフォームは、外からの音を遮断したり、部屋から音が漏れるのを防いだりするためのリフォームです。防音リフォームにかかる費用相場を、工事内容ごとにまとめると以下のようになります。
壁を二重にする(6畳あたり) | 約18万円〜 |
床を二重にする(6畳あたり) | 約20万円〜 |
防音扉を設置 | 約10万円〜 |
防音室(0.8畳)の設置 | 約50万円〜 |
防音性能を高めるほど、費用も高くなります。部屋で楽器を演奏したい場合は、防音性能が高い防音室の設置がおすすめです。
部分リフォームで費用を抑える方法
フルリフォームよりも費用を抑えられる部分リフォームは、いくつかのコツを押さえておくことで、よりコストを削減できます。適切な方法で部分リフォームができれば、予算内で進めることを実現できます。
自分で行うDIYだけでなく、業者に依頼する際に意識するポイントまで解説していますので、少しでもリフォーム費用を抑えたい方はぜひご覧ください。
DIYの活用
リフォームの一部をDIYすることで、部分リフォームの費用を大幅に抑えられます。とくに、以下の作業はDIYで比較的簡単に行うことが可能です。
- 壁紙の張り替え
- 部屋の壁や家具のペンキ塗り
- 水回りの簡単な修理や取り替え作業などの簡単な配管修理
近年提供されている、SNSやインターネット上で多くのチュートリアルやビデオを参考にすれば、初心者でも挑戦できます。適切な方法を理解しながらDIYに挑戦してみましょう。
必要最低限のリフォーム箇所を選ぶ
必要最低限の箇所を選んでリフォームを行うことで、費用を抑えることができます。以下のポイントを考慮して、リフォーム箇所の優先順位を絞り込みましょう。
- キッチンや浴室などの使用頻度の高い場所を優先する
- 老朽化が著しい箇所を優先的にリフォームする
- リビングや玄関など、訪問者の目に触れる場所を優先する
必要最低限安全性を確保しつつ費用を抑えられます。少ない費用で全体の印象を良くすることができます。
業者の比較と選び方
信頼できるリフォーム業者を選ぶことは、リフォームを成功させるための重要なステップです。リフォーム業者を選ぶ際は、複数の業者から見積もりを取り、比較することが重要です。以下のポイントを考慮して業者を選びましょう。
- 複数の見積もりを取得
- 口コミや評判を確認
- 実績と経験を重視
- アフターサービスの確認
一括見積もりサービスを利用して、複数の業者の価格と内容を比較し、長期的に安心できる業者を選ぶ方法がおすすめです。
さらに、インターネットで口コミや評判で過去の施工実績や経験が豊富な業者を見極め、リフォーム後のアフターサービスが充実しているかを確認しておくことがポイントです。
オンラインサービスで一括見積もりをする
複数の業者から見積もりを取得し、価格や施工内容を比較できます。使い方は下記のステップを参考にしてください。
- インターネットでサイトにアクセス
- リフォーム内容や希望する条件を入力
- 複数の業者から届いた見積もりで価格や内容を比較する
見積もりの内容だけでなく、業者の対応や説明の丁寧さも確認しておくことがポイントです。また、極端に安い見積もりの場合は、悪徳業者の可能性があります。価格だけでなく、品質やアフターサービスも考慮して選びましょう。
部分リフォームの注意点とトラブル対策
部分リフォームを成功させるためには、事前に注意点を把握しておくことで、不安なことやトラブルを未然に防ぐことが重要です。以下に、注意点と対策を紹介します。
追加費用のリスク
リフォームを進める中で、予期せぬ追加費用が発生することがあります。以下の項目が原因で追加費用は発生します。
- 老朽化の発見
- 仕様変更
- 災害対応
リフォームを始めた際に、床下や壁内部の老朽化やシロアリ被害が見つかった場合は、追加の補修工事が必要です。また、当初の計画から仕様を変更したい場合は、追加の材料費や施工費が発生します。
さらに、台風や地震などの災害が発生した場合、工事の延期や追加工事が求められます。リフォームの事前に業者と十分に打ち合わせを行い、詳細な見積もりを取得しておくことが大切です。予期せぬ費用が発生しても対応できるため、予備費を予算に組み込んでおくと良いでしょう。
施工中の生活環境の確保
リフォーム中も暮らしを続ける場合、生活環境を確保するための対策が必要です。
- 仮住まいの手配
- 生活スペースの確保
キッチンや浴室など、使用頻度が高くリフォームに時間がかかる場所の工事を行う場合、仮住まいの手配が必要です。マンスリーマンションやホテルの利用も検討しましょう。
工事が行われていない部分で生活できる場合は、生活スペースを確保し、できるだけ普段通りの生活をする工夫が必要です。例えば、一時的にリビングを別の部屋に移動させるなどの方法があります。
リフォーム業者と工事スケジュールを確認し、生活への影響が少ない時期を選ぶことも重要です。工事の進捗状況に応じて柔軟に対応できるよう、事前にプランを立てておきましょう。
まとめ
マンションや戸建て住宅など、住まいをピンポイントにリフォームする「部分リフォーム」は、費用を抑えたり、短かい工期で終えられたりするなど手軽に行えます。とはいえ、工事内容や工事目的によって費用が大きく異なるため、よく検討しながら進めることがポイントです。
- 部分リフォームについて相談したい
- まとめて部分リフォームの見積もりをとりたい
そんな方は、ゼヒトモからリノベーションのプロを探してみませんか?いくつかの質問に答えるだけで、簡単にあなたの要望に応えるのにピッタリなプロが見つかります。リノベーションでお困りの方は、ゼヒトモお気軽にご利用ください!
監修プロのコメント
皆様が住まいの部分リフォームを検討するのは、突発的なトラブルや、不具合が発生した場合が多いでしょう。
しかし、そのような状況で急いで工事を依頼すると、ご自身の生活にあった最新の設備機能の選定や、工事費の適正な比較ができないことがあります。工事後にこんな便利な機能がついたものもあったんだとか、相場よりかなり高い費用がかかってたんだなど後悔することも多いでしょう。
そうした失敗を避けるためには、事前にご自身のお住まいの傷んだ部分や、不便に感じる箇所を見つけ出し、地域の信頼できるプロの意見を参考にして、部分リフォームの準備をしておくことが大切です。そうすることで後悔の少ない部分リフォームを行うことができると思います。
思い切って部分リフォームをしてみると、生活で毎日使う場所が綺麗になり、便利になるため、家で過ごす時間が一層楽しくなるでしょう。
リフォームされたお客様は工事の引き渡しのあと、なんでもっと早く工事しなかったんだろうとおっしゃる方が非常に多いです。
ぜひ気軽に地域のプロにチャットで相談してみましょう。
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