TOEIC(Test of English for International Communication)は、ビジネス英語の能力を測定するための試験として中学生、高校生、大学生から社会人まで、幅広い年齢層の方に受験されています。
これからTOEICの勉強を始める方は、何から手をつければよいのか悩むことも多いでしょう。
この記事では、TOEIC初心者が最初に取り組むべきステップと、効率的にスコアを上げるための学習方法をご紹介します。
しっかりとした計画を立て、継続的に学習を進めることで、着実にスコアアップを目指しましょう。
TOEIC初心者がまずやること
TOEIC初心者がまずやることとして、以下の5つが挙げられます。
- TOEICの試験内容を理解する
- 自分の英語レベルを確認する
- 目標スコアの設定
- 受験日を確定させる
- 参考書と学習アプリの活用
TOEICの試験内容を理解する
TOEICの勉強を始める前に、まず試験内容をしっかりと理解することが重要です。
特に問題傾向や出題形式、流れ、制限時間などを確認しておきましょう。
また、自分で一度問題を解いてみることをおすすめします。
【TOEIC Listening & Reading Test】
リスニング:約45分・100門
Part1 | 写真描写問題(6問) |
Part2 | 応答問題(25問) |
Part3 | 会話問題(39問) |
Part4 | 説明文問題(30問) |
リーディング:約75分・100問
Part5 | 短文穴埋め問題(30問) |
Part6 | 長文穴埋め問題(16問) |
Part7 | 一つの文書(29問)複数の文書(25問) |
【TOEIC Speaking & Writing Test】
スピーキング:約20分・11問
Part1 | 音読問題(2問) |
Part2 | 写真描写問題(2問) |
Part3 | 応答問題(3問) |
Part4 | 提示された情報に基づく応答問題(3問) |
Part5 | 意見を述べる問題(1問) |
ライティング:約60分・8問
Part1 | 写真描写問題(5問) |
Part2 | Eメール作成問題(2問) |
Part3 | 意見を記述する問題(1問) |
自分の英語レベルを確認する
TOEICの勉強を効果的に進めるためには、まず自分の英語レベルを正確に把握することが大切です。現在の実力を知ることで、どの部分を重点的に学習すべきかが明確になり、効率的な学習計画を立てることができます。
一番の方法は、模擬試験を受けることです。公式の模擬試験問題集やオンラインの無料テストを活用し、実際のTOEIC試験に近い形式で自分のスコアを測定してみましょう。
総合スコアだけでなく、リーディングやリスニングなどのセクション別のスコアを確認することで、自分の強みや弱みを分析しましょう。
また、制限時間内に問題を解く訓練ができるかなど、時間配分の改善点を見つけることもできます。
目標スコアの設定
TOEICの勉強を進める際には、目標スコアを設定することが必須です。
目標スコアを明確にすることで、具体的な学習計画を立てることができ、効率的な勉強が可能になります。
例えば、就職や転職にTOEICを利用したい場合は、700点以上を目安にすると良いでしょう。
また、現在の職場で昇進や評価のために必要なスコアが設定されている場合、その基準に合わせたスコアを目標にします。
TOEICの平均が600点と言われていることから、履歴書に書く場合は600点以上が必要と考えましょう。
目標スコアを設定することで、今の自身の英語のレベルからどのくらい点数を上げる必要があり、どこを重点的に学習するべきなのかが明確になります。
受験日を確定させる
受験日を設定することで、学習計画を立てやすくなり、モチベーションを維持するのにも役立ちます。
まずはTOEICの公式サイトや試験運営団体のウェブサイトで、試験の実施日程を確認しましょう。全国の試験実施スケジュールが掲載されているので、自分の地域での試験日も把握できます。
また、自分の現在の英語力と学習進捗を考慮し、余裕を持って準備ができる日に受験日を確定させるようにしましょう。
参考書と学習アプリの活用
参考書には、本番の試験と同じ形式とレベルの問題を解くことのできる公式問題集から、パート、難易度別に、基本から応用まで特化したものまで、様々な種類があります。
例えば、目標点数に合わせたレベルの問題を解きたい場合は、点数別に特化した問題集がおすすめです。(例:650点を目指している人のための問題集)
また、語彙力に自信のない方は、問題演習に加えて単語帳を使用し強化していきましょう。
基礎の文法に不安のある方は、中学生レベルからおさらいできる文法集で、正しい文法を身に着け、基礎力を付けていきましょう。
学習アプリを活用するのもおすすめです。学習アプリは、通勤・通学の合間や休憩時間など、スキマ時間で効率的に学習できるため便利です。
学習アプリは様々ですが、学習スタイルに合わせたものを選びましょう。
例えば、アプリを中心に学習を進めていきたい場合は、全体的に対策できるものを選びましょう。最近のものでは、スコア診断をし、AIが自分にあったカリキュラムを構成してくれるものもあるので、自分のレベルに最適化された学習が可能です。
また、リーディングまたはリスニングを重点的に学習したい場合は、TOEICの問題形式に合わせて演習ができるアプリがおすすめです。
スキマ時間に文章を読んだり、聞いたりして英語に慣れることを目的とする場合は、英語のニュースアプリなどで、自分の興味関心にあったものを読んでみるとより楽しく学習できるでしょう。
TOEIC初心者におすすめ!スコアアップの勉強方法
リスニング対策: シャドーイング
リスニング力を向上させるために効果的な方法の一つとして、「シャドーイング」があります。シャドーイングとは、ネイティブスピーカーの音声を聞きながら、それに遅れずに自分も声に出して繰り返す学習法です。
シャドーイングは、英語の音声を正確に捉える力を養います。ネイティブスピーカーの発音、イントネーション、リズムに慣れることで、リスニングセクションでの理解力の向上が期待できます。
また、シャドーイングを通じて、よく使われる語彙やフレーズを自然と覚えることができます。これにより、リスニングだけでなくリーディングやスピーキングでも役立つ表現が身につきます。
【シャドーイングのやり方】
- 適切な音声素材を選ぶ(TOEICの公式教材やポッドキャスト、Youtube)
- 一度聞く
- スクリプトを見ながらシャドーイング
- スクリプトなしでシャドーイング
- 1~4を繰り返す
特にYoutubeにはシャドーイング用の学習素材がたくさんあるため、積極的に活用していきましょう。
リーディング対策: 精読と速読
TOEICのリーディングセクションは、時間管理と読解力が鍵となります。そのため、精読と速読の両方をバランスよく鍛えることが重要です。それぞれの方法には異なる特長と利点があり、効果的に組み合わせることで、スコアアップに繋がります。
精読
「精読」とは、文章を一文ずつ、文法や単語、構造をしっかり理解しながら読むことを指します。
精読では、文を読んだ際、わからなかった単語や文の構造について印やマーカーなどを引きます。それについて、辞書や文法書、品詞分解などを通して調べていきます。
このように、わからない単語の意味を調べることで、語彙力が向上したり、構文解析を通じて、文法力が強化されたりします。
文を正確に読むことを意識して、精読を行ってみましょう。
速読
「速読」とは、文字通り、文章を早く読むことです。リーディング問題では、時間内に問題を解き終わる必要があるため、文章の要点や重要な情報を素早くつかむ力を培う必要があります。
速読では、精読のように一つ一つ細かく見ていくのではなく、意味のまとまりごとに理解することを意識します。文章の概要をつかむことを意識してスピードを上げて読み進めていくイメージです。
速読を習得するには、多くの文章に触れ、慣れていくことが大切です。まずは自分のレベルにあった英語の物語文や新聞などで練習し、徐々に文章量を増やしたり、レベルを上げたりしていきましょう。
英語に自信がない方は、まずは中学レベルのものから挑戦していくことをおすすめします。
スピーキング対策:音読と独り言英会話
TOEICのスピーキングセクションでは、英語の発音、流暢さ、文法、語彙の豊かさが評価されます。スピーキング力を向上させるために効果的な方法の一つに「音読」と「独り言英会話」があります。これらの2つ方法を使うことで、自然な英語の話し方や即時反応力を養うことができます。
音読
公式教材やニュース記事、物語などの英文を利用し、繰り返し音読をしていきましょう。また、教材に付属している音声や動画を聞き、ネイティブスピーカーの発音やリズムを真似します。また、自分の音読を録音し、発音やイントネーションを確認してみるのもおすすめです。改善点を見つけ、次の練習に活かすことができます。
音読を通じては、正しい発音やリズムを身につけることができます。また、よく使われるフレーズや表現を自然と覚えることができます。これにより、スピーキングの際に使える表現の幅が広がります。
独り言英会話
音読と平行して、独り言英会話も取り入れてみましょう。
独り言英会話とは、文字通り、英語で独り言を言うことです。例えば、「朝ごはんは何食べようかな」「今日の予定はなにかな」と、心に思ったことを英語で表現することを習慣化させるのがコツです。そして、分からなかった単語や、表現方法は積極的に調べてみましょう。
独り言英会話は、日常的に英語で考え、話すため、英語での即時反応力が高まります。これにより、実際の会話やスピーキング試験でもスムーズに答えられるようになります。
最初は簡単なフレーズや単語から始め、徐々に複雑な表現に挑戦しましょう。
ライティング対策:日記を書く
TOEICのライティングセクションでは、正確な文法、適切な語彙、論理的な構成が求められます。ライティング力を向上させるための効果的な方法の一つに「日記を書く」があります。日記を書くことは、日常的な出来事を振り返りながら、自分の思考を整理し、英語で表現する力を養うのに役立ちます。
まずは毎日、起床後や就寝前など、日記を書く時間を確保してください。
その日にあった出来事や感じたことを中心に書くのがおすすめです。具体的なエピソードを盛り込むことで、リアルな英語表現が身につきます。
また、文法や文章構成を意識しながら、新しく学んだ単語やフレーズも積極的に取り入れてみましょう。
英語の得意な友人や教師に日記を見てもらい、フィードバックをもらうとより効果的です。第三者の意見を取り入れることで、自分では気づかない改善点が見つかります。
全パート共通:知っている単語・表現を増やす
TOEICの全セクションで高得点を目指すためには、語彙力を強化することが不可欠です。
豊富な語彙と多様な表現力は、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの全てのパートで役立ちます。
市販のTOEIC対策用の単語帳を使うことで、試験に頻出する語彙を効率よく学べます。覚えた単語にはチェックを入れ、復習する際に役立てましょう。
また、単語単体ではなく、例文と一緒に覚えることで、自然な使い方やニュアンスを理解しやすくなります。
一度に大量の単語を覚えようとするのではなく、毎日少しずつ新しい単語を覚えることが効果的です。例えば、1日に5~10語を目安に目標とすると、無理なく継続できるのでぜひ試してみてください。
TOEIC初心者必見!逆算した学習計画の立て方
TOEICのスコアアップを目指すには、計画的な学習が必要です。
逆算した学習計画を立てることで、目標達成に向けた具体的なステップを明確にし、無理なく効果的に学習を進めることができます。以下で、逆算した学習計画の立て方について詳しく説明します。
逆算した学習計画の立て方
- 目標スコアと受験日を決める
- 目標スコアを設定:まず、TOEICで目指すスコアを明確にします。現在の英語力や必要なスコアを考慮し、現実的かつ挑戦的な目標を設定しましょう。
- 受験日を確定:次に、TOEICの受験日を決めます。受験日から逆算して学習期間を設定し、その期間内でどれだけ学習するかを計画します。
- 学習期間を分割する
- 全体期間の把握:受験日までの全体期間を把握します。例えば、3か月(12週間)といった具体的な期間を確認します。
- フェーズごとに分割:全体期間を複数のフェーズに分割します。例えば、基礎固め、応用練習、模擬試験といった3つのフェーズに分け、それぞれのフェーズで取り組む内容を決めます。
- 具体的な学習内容を決める
- 各フェーズの目標設定:各フェーズごとに達成すべき目標を設定します。例えば、基礎固めフェーズでは主要な文法や頻出単語をマスターすること、応用練習フェーズでは公式問題集を解くことなどを目指しましょう。
- 日々の学習内容を詳細に計画:週ごと、日ごとの学習内容を具体的に計画します。例えば、1週目は文法問題集を1章ずつ解く、2週目は単語帳を10ページ学習する、といった具合です。
- 進捗を定期的に確認する
- 週次チェック:毎週末にその週の学習進捗を確認し、計画通りに進んでいるかをチェックします。必要に応じて計画を調整し、遅れが出ないようにします。
- 模擬試験の実施:定期的に模擬試験を実施し、現時点でのスコアや弱点を確認します。これにより、学習計画の見直しや重点的に学習すべきポイントが明確になります。
- バランスの取れた学習を心がける
- 全パートを均等に学習:リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの全パートを均等に学習するよう心がけます。特に苦手な箇所には多めに時間を割くと良いでしょう。
- 復習の時間を確保:新しい内容を学ぶだけでなく、復習の時間を必ず確保します。定期的に過去に学んだ内容を復習し、アウトプットすることで、記憶に定着しやすくなります。
継続するためのモチベーション維持方法
スコア向上を目指して学習を続けるためには、モチベーションを維持することが重要です。しかし、長期間にわたる勉強や一時的な成果が見えにくい時期においては、モチベーションが低下してしまうこともあるでしょう。
ここでは、TOEICの勉強を継続するための効果的なモチベーション維持方法について説明します。
目的を明確にする
まず、TOEICの勉強を続けるために最も重要なことは、目的を明確にすることです。目的が明確であればあるほど、モチベーションを維持しやすくなります。
例えば、「英語力を向上させたい」という漠然とした目標ではなく、「TOEICで800点以上を取り、憧れの会社に就職したい、昇進や転職のチャンスを広げたい」といった具体的な目標を設定しましょう。
スクールに通う
TOEICのスコア向上を目指してモチベーションを維持するためには、スクールの講座を受講してみることをおすすめします。スクールでは、専門的な指導や体系的なカリキュラムに基づいて学習できるため、自分一人で勉強するよりも効率的に学力を伸ばすことができます。
特にTOEIC初心者の場合は分からない問題が続いたりすると集中も切れ、モチベーションが下がってしまうもの。しかし、スクールでは経験豊富な講師から直接、丁寧な指導を受けられます。講師はTOEICの傾向や最新情報を熟知しており、効果的な学習方法や試験対策を教えてくれます。また、個々の弱点や苦手分野に応じたアドバイスをもらえるため、自分の課題を効率よく克服することができます。
さらに、スクールでは計画的なカリキュラムが組まれているため、無理なく継続的に学習を進められます。
スクールにはクラスメートがいるため、TOEICスコアアップを目指す者同士、互いに励まし合える環境があることもモチベーションを保つのに効果的でしょう。
TOEIC初心者のよくある質問
Q.TOEICはどのくらいの頻度で受験できる?
TOIECは年に12回ほど、1カ月に1度の頻度で開催されています。
受験回数に制限はないので、何度も申し込むことができます。
Q.TOEICのスコアはどのくらいの期間有効?
公式ではスコアの有効期限を2年としています。
2年を過ぎると、スコアの認定証を発行してもらえなくなるため注意が必要です。
独学とスクール、どちらが効果的?
TOEICの学習において、独学とスクールのどちらが効果的かは、個々の学習スタイルや状況によって異なります。それぞれのメリットとデメリットを理解し、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
独学では、仕事や学校など他のスケジュールに合わせやすく、自分のペースで学習を進めることができます。ただし、特に初心者は、間違った方法で勉強していても気づきにくく、またモチベーションを保ちにくい可能性があるため注意が必要です。
一方で、スクールは計画的なカリキュラムに基づいて、経験豊富な講師から直接指導を受けられるため、効率的に学習を進めることができます。特にTOEIC初心者の場合は、基礎力の向上や、勉強方法を掴むためにも、一度スクールに行ってみることをおすすめします。
まとめ
TOEICのスコア向上を目指すためには、計画的な学習と継続的な努力が必要です。まずは試験内容を理解し、自分の英語レベルを確認した上で目標スコアを設定し、受験日を確定させることが重要です。
参考書や学習アプリを活用しながら、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングそれぞれに適した学習方法を取り入れましょう。
TOEICの学習は一朝一夕では成果が出ないこともありますが、計画的に学習を進め、モチベーションを保つことで、確実にスコアアップを目指すことができます。この記事のアドバイスを参考に、ぜひ挑戦してみてください。
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