ガジュマルの木は精霊が宿る木として日本だけでなく海外でも、古くから聖木として扱われています。
ガジュマルは熱帯地方に生息する植物で、日本では屋久島・種子島以南に分布しています。原産地は東南アジア・台湾・沖縄などで、自生するものは大きなもので高さ20mほどあります。
なぜこの植物が日本でこの名前で呼ばれるのか、由来は分かっていないと言われています。観葉植物として大変人気のある植物で、観葉植物用としてメジャーな種類はガジュマル・黄金ガジュマル・ニンジンガジュマルなどがあります。
こちらではガジュマルの育て方についてご紹介します。
観葉植物とは?
観葉植物とは、その名の通り葉を観賞するための植物のことをいいます。
観葉植物として扱われる植物は主に熱帯・亜熱帯地方に生息するするものが多いため、基本的に室内で育てられており、葉の形状や色艶、模様などを鑑賞します。地植えされているものもありますが、鉢で育てられているものが多いです。
一般家庭以外にオフィスやホテルのラウンジなどでも置かれることが多く、それを鑑賞することにより癒し効果があると言われています。名高い観葉植物には、ガジュマルの他にアイビー・ゴムの木・パキラ・ポトス・ベンジャミンなどがあります。
ガジュマルの年間スケジュールは?
1.購入する
ガジュマルはお花屋さんや園芸店、ホームセンターなどで売っています。販売時期は夏から秋にかけてが一番多く売られているので、その時期であればさまざまな種類からお気に入りを選べるでしょう。
ガジュマルは同じ形は一つとしてないと言われるほど個性的な植物です。ですから多く売られている時期に、お気に入りの形を見つけるというのも楽しみの一つです。
形状以外の選ぶポイントは葉にハリと艶があり、根元がしっかりしているかどうかという点です。根元にしわがあったり葉に艶がないものは根が弱っている可能性がありますので避けた方が無難です。
2.最も元気な期間
ガジュマルが最も元気なのは夏です。もともと熱帯地方原産であることからも分かるように、高温多湿の環境が好きなので5月から8月ぐらいまでの暑い時期が元気な期間です。
3.最も元気のない期間
元気がないのは冬。寒さに弱いので、冬には成長もほとんどなく休眠状態となります。室内であればある程度温度管理ができますが、外で育てている場合には気温が5度以下になると葉が黄色くなり落葉しますし、霜や冷風ですぐに弱ってしまうので、越冬する際には室内に移動させてください。
ガジュマルの栽培における各ポイント
1.日当たりや場所
ガジュマルは日当たりが良い場所を好みます。屋内であれ屋外であれ、日が良く当たる場所に置きましょう。
ただし、直射日光が長時間当たる場所や日陰に合ったものをいきなり直射日光に当てるなどすると環境の変化に適応できず葉が枯れ落ちてしまう可能性もあります。置き場所や置くタイミングには注意が必要です。
2.水やり
高温多湿を好むので、水やりはこまめに行いましょう。特に生育期間である初夏から初秋にかけてはたくさんの水が必要です。土の表面が乾いたらたっぷりお水をあげましょう。
また、葉っぱにも水をあげるとより元気になりますので、霧吹きなどを使って葉っぱに直接水をかけてあげることもおすすめです。
秋から冬にかけては成長もほとんど止まるため、水はほとんど必要ありません。やや乾燥気味にしておく程度で良いでしょう。この時期に水をやり過ぎると根腐れの原因になりますので注意してください。
3.肥料
生育期間中は2ヵ月に1回程度、観葉植物用の肥料をあげましょう。錠剤タイプのようなゆっくり効く肥料がおすすめです。冬には肥料は不要です。
4.用土
市販の観葉植物の土の使用で問題なく育てられます。水はけも水持ちも良い土が必要なので、自分で作るよりは市販の土を購入した方が最適な配合のものを使用できるので良いでしょう。
5.病気や害虫
ガジュマルにつきやすい害虫はカイガラムシです。見つけたら薬剤を使用するか、ブラシなどで取り除きましょう。
病気ではありませんが、日光が急激に増えたり減ったりすると環境に適応できず葉が黄色くなったり落葉することがあります。日照時間に気を付けて、ガジュマルが環境の変化で弱ってしまわないよう注意して下さい。
また、水のあげすぎは根腐れの原因になりますので、過保護なお世話も要注意です。
ガジュマルの栽培ステップ
1.植える
ガジュマルは苗で売っているものと鉢で売っているものがありますが、初心者であれば鉢で売られているある程度成長したものを購入するのがおすすめです。挿し木などにより苗から育ててどんな形の木になるかを楽しむのも醍醐味ではありますが、それは鉢植えを育てて、ガジュマルの生育環境や性質が分かってからにしましょう。
2.水やり
生育期には根にも葉にもたっぷりと、休眠期には乾燥気味で水やりをするのがコツです。ガジュマルは水不足でも枯れますし、水をあげすぎても根腐れで枯れてしまうため加減が難しいのですが、生育期の水やりの目安は表面の土が乾いているかどうかで判断してください。
表面の土が乾いたらたっぷりとあげるようにしましょう。
3.葉のケアについて
葉にも霧吹きなどでお水をかけてあげるとより艶とハリのある元気な葉っぱになります。また、観葉植物はそのままにしておくと葉にほこりがかぶってきますので、濡らしたタオルで拭いたり、水で埃を流すなどしてきれいな状態を心がけてください。
4.幹のケアについて
ガジュマルは幹の途中から気根という根を出しています。ガジュマルの個性的な見た目は、この気根が気によってさまざまな出方をしているからできるものなのです。
この気根がたくさん出ていれば、ガジュマルが元気に育っているという証拠にもなりますので幹からこの気根が出ているかどうかも見ておくと良いでしょう。
5.剪定について
剪定は生育期でもある5~7月頃がおすすめです。全体のバランスを見ながら、飛び出した枝を切るなどして選定しましょう。すべての葉に日があたるように剪定するのがコツです。
また、ガジュマルは生命力の強い木なので、普通にお世話をしていればすぐに新しい芽が出てきます。ですから思い切った剪定をしてみるのも面白いかもしれません。
6.大きく育てるためにすること
原産地に近い状態で育てることが大きく育てるためのコツです。もともと高温多湿の熱帯地方で育つ植物であるため、観葉植物として育てる場合にもその環境に近い方が大きく育ちます。
基本的には水やりや日当たり、剪定などを先に述べたように行っていれば、徐々に大きく育っていきます。
ハイドロカルチャーでガジュマルを育てる
ハイドロカルチャーでもガジュマルを育てることができます。ハイドロカルチャーは土を室内に持ち込みたくない場合にはおすすめの方法ですが、いくつか注意点があるのでご確認ください。
1.根腐れに注意
ハイドロカルチャーはコップや水槽、陶器の器など底に穴が開いていない鉢を使用するため、通常の鉢植えと比べると水はけが悪く、根腐れをおこしやすいので注意が必要です。根腐れ防止剤を使用するなどして対策をしておきましょう。
2.カビに注意
ハイドロカルチャーや葉の表面に白いモコモコとしたものが発生する場合がありますが、これはカビです。カビも水の与えすぎによって発生しますので、もしカビが発生した場合は木作酢をスプレーするなどして除去して下さい。
3.半年に一度は植え替えを
ハイドロボールの洗浄と根腐れ防止剤の入れ替えのために、半年に一度は植え替えをしてください。
4.直射日光のあたる場所には置かない
直射日光が当たるとハイドロボールの劣化が早まるため、直射日光は避けましょう。直射日光が当たらず日当たりの良い場所に置いて下さい。
最後に
ガジュマルは同じ形状は一つとしてない個性のある植物です。安価で比較的育てやすいため、初めての観葉植物としても育てやすいでしょう。育て方をしっかり確認して、自分だけのオリジナルのガジュマルを育ててみてはいかがでしょうか。
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